「犬の毛玉はどうしてできるの?」
「犬の毛玉の上手なほぐし方は?」
「毛玉を放置するのは危険?」
このような疑問や不安を持っている飼い主の方は多くいるはずです。全身を毛で覆われている犬は、どうしても毛玉ができやすい傾向にあります。そのため、処理や予防をしないと毛玉が増えてしまい、愛犬の健康に悪影響を与えてしまうのです。
そこで今回は、毛玉ができる原因や予防、できたときの対処方法などを詳しくお伝えしていきます。愛犬の毛玉で悩んでいるという方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
犬に毛玉ができてしまう原因
犬に毛玉ができてしまうのは、どうしてなのでしょうか。主な原因は以下のとおりです。
- 毛が汚れている
- ブラッシングが足りていない
- 摩擦
- 毛に水分が残っている
それぞれの原因を詳しく確認していきましょう。
毛が汚れている
犬の毛は、隙間にホコリやゴミなどが溜まりやすいです。放置し続けると通気性が悪くなり、細菌やダニ、ノミなどが発生し衛生的に良くありません。
犬の皮膚は被毛で覆われているため、蒸し暑い時は皮膚が蒸れやすく、皮脂の過剰分泌を招くため、フケが増えて毛が絡まりやすくなるのです。
ブラッシングが足りていない
ブラッシングは、被毛に付着した汚れや余分な毛を取り除き、毛玉になるのを防ぐ役割があります。そのため、ブラッシングが足りていないと、汚れや余分な毛が残ってしまい、毛がもつれてしまいます。これが毛玉へと発展してしまうのです。
摩擦
摩擦により毛の流れが乱れて絡まってしまい、毛玉になることも少なくありません。歩くときに脇が擦れたり、首輪が動いたり、足で体を掻いたりなど、摩擦が起こるケースは多いです。また、犬に洋服を着せる場合は、着脱の際に摩擦が起こってしまいます。
毛に水分が残っている
シャンプーの後や雨の日のお出掛け後に、しっかりと毛を乾かさないと水分が残ってしまいます。この毛に残った水分が毛玉の原因になります。
また、体を舐める癖のある犬は、唾液で毛が濡れて毛玉を作ってしまうので注意が必要です。すでに毛玉がある状態で毛が濡れると、さらに頑固な塊になるので気をつけましょう。
換毛期による抜け毛の増加
犬には季節の変わり目に毛が生え変わる換毛期があります。具体的な時期は、春から7月頃にかけて、秋から11月頃にかけての2回です。この時期は毛が大量に抜け落ちるため、毛同士が絡まりやすく、毛玉ができやすくなります。
毛玉が引き起こす犬へのリスク
できてしまった毛玉を放置すると、犬にさまざまな悪影響があります。ここでは、毛玉による犬へのリスクについて確認していきましょう。
皮膚病を引き起こす
毛玉は犬の皮膚病を引き起こすことがあります。毛玉が増えると汚れが蓄積され、菌が発生する原因になります。さらに、通気性が悪くなり皮膚が蒸れて、発生した菌が増殖してしまうのです。また、寄生虫が発生して炎症を起こすなど、皮膚病につながるリスクが高くなります。
犬が痛みを感じる
毛玉によって犬が痛みを覚えることがあります。毛同士が引っ張りあったり、毛玉に皮膚が巻き込まれてしまったりが原因です。酷い場合は、歩く度に痛みを感じてしまうこともあります。また、毛玉がしつこい塊になると、ほぐす際にも犬が痛みを感じてしまうので注意が必要です。
犬の毛玉を上手にほぐす手順とコツ
犬に毛玉ができてしまったときは、小さな段階でほぐしてあげることが大切です。ここでは、毛玉を上手にほぐす手順とコツをお伝えするので、参考にして見てください。
手順①道具を用意する
まずは毛玉をほぐすために必要な道具を用意します。スタンダードな道具は、スリッカーとコームの2つです。
スリッカーは毛もつれや毛玉をほぐすときに、コームは毛並みを整えるときに利用します。また、ブラッシングスプレーを使うとクシどおりがよくなるので、一つ持っておくと良いでしょう。
手順②スリッカーブラシで毛玉をほぐす
最初にブラシングススプレーを全身にまんべんなくかけたら、スリッカーで軽く馴染ませていきます。スリッカーは、強く握りすぎないよう軽く持つことがポイントです。
ブラシが直接皮膚に当たると痛がるので、スリッカーと皮膚が平行になるよう注意しながら、撫でるようにブラッシングします。犬の嫌がる顔まわりや足回りは後回しにして、反応を見ながら、やりやすい箇所から始めると良いでしょう。
毛玉で皮膚の間に隙間がない場合は、無理に取ろうとせず、表面から少しずつほぐしていきます。毛が絡まりやすい、首周りや脇、耳裏などはしっかりととかしましょう。一方向だけでなく、いろんな角度からブラッシングしてあげるとほぐれやすいです。
手順③全体をコームで仕上げる
スリッカーで毛もつれや毛玉をほぐし終えたら、コームで全体を整えていきます。コームを使って、毛並みに沿って毛もつれや毛玉がないかをチェックします。
先程のスリッカーで取れることがほとんどですが、それでも取りきれない場合は、コームの先を毛玉に差し込んで絡まりをほぐしていきます。人差し指と中指で毛玉をつまんでほぐすととれやすいです。
犬の毛玉がひどいときの対処法
全身に毛玉ができて大きくフェルト状になってしまうと、先ほどお伝えした手順では、ほぐすのが難しい場合があります。ここでは、犬の毛玉がひどい場合の対処法についてお伝えします。
ハサミやバリカンでカットする
毛玉をほぐすのが難しい場合は、ハサミやバリカンでカットするのも対処法のひとつです。毛玉部分をハサミやバリカンで一つずつ慎重にカットしていきましょう。
ハサミを使う場合は、誤って皮膚を切ってしまわないように注意が必要です。また、犬によってはバリカンの音を怖がることがあるので、無理をせずに様子を見ながら行いましょう。
トリマーに任せる
毛玉の状態がひどくて自宅では対処できない場合は、プロのトリマーに任せましょう。トリマーさんであれば、適切に迅速に安全安心に毛玉をほぐしてくれます。料金は店舗によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
犬の毛玉を予防する4つの方法
毛玉は犬の心身に負担を与えます。また、対処する飼い主にとってもストレスになるでしょう。そのため、できるだけ毛玉ができないように予防しなくてはなりません。犬の毛玉を予防する主な方法は以下のとおりです。
- こまめにブラッシングする
- 散歩後の手入れを欠かさない
- シャンプーを怠らない
- 定期的にトリミングに行く
それぞれの方法を詳しく解説していきます。
こまめにブラッシングする
こまめにブラッシングすることで、毛もつれが解消できます。毛もつれとは、その名前のとおり毛がもつれた状態で、毛玉の予備軍です。毛の根元にできるので、毛をめくるとすでに毛もつれが起きている箇所を発見できます。
まだ簡単にほぐせる状態のため、こまめにブラッシングして解消しておきましょう。
散歩後の手入れを欠かさない
犬は散歩に出かけると草むらやぬかるんだ場所でも、お構いなしに進んでいきます。そのため、散歩から帰ると体の至る所に草や枯れ枝、泥がついていることも珍しくありません。
これらの汚れが、毛玉の原因になってしまうのです。散歩後は体についた汚れを洗い流すなど、念入りにお手入れしましょう。
シャンプーを怠らない
毛玉の原因になる汚れを残さないためには、シャンプーを怠らないことが大切です。シャンプーは、2週間に1回程度のペースで行い清潔に保ってあげましょう。
また、シャンプー後は水分が残らないように気をつけてください。タオルドライを念入りに行い、それでも湿っている場合はドライヤーで乾かしましょう。特に顔まわり・耳裏、脇下・尻尾・肉球の間などは水分が溜まりやすいので注意が必要です。
定期的にトリミングに行く
定期的なトリミングも毛玉の予防に欠かせません。特に毛玉ができやすい長毛種や癖毛の犬は、トリミングが重要です。毛の長さを適切に整えることで、毛玉が防げるでしょう。
また、トリミングではシャンプーカットの他に、耳掃除や爪切り、肛門線搾りなどのお手入れも行ってくれます。全身スッキリして清潔に保てるでしょう。
毛玉は犬のどの場所にできやすい?
毛玉は犬が動いたときに、何かに接触する場所にできる傾向にあります。具体的には、脇や前足の付け根、耳裏、お腹、お尻周りなどです。また、それらの部分は、濡れた後に乾きにくい場所でもあるので、より毛玉が多くなってしまいます。
しかし、犬は全身が被毛におおわれているので、どの場所であっても毛玉ができる可能性があります。また、犬種によって毛玉ができやすい場所が異なることも理解しておきましょう。
【特徴別】毛玉ができやすい犬種
毛玉のできやすさは、毛の長さや毛量、毛質によって異なります。そのため、どうしても毛玉ができやすい犬種が存在するのです。ここでは、毛玉ができやすい犬種とその特徴についてお伝えしていきます。
犬のタイプ | 特徴 | 犬種 |
---|---|---|
ロングコート | 長毛タイプです。毛が長めで絡まりやすいため、ブラッシングなど日頃からお手入れが重要。 | ポメラニアン、マルチーズ、ゴールデン・レトリバー、ヨークシャー・テリア、アフガンハウンド |
カーリーコート | クルクルした巻き髪ヘアです。抜け毛が少ないのが特徴的だが、その反面もつれやすく毛玉になりやすい。 | トイ・プードル、カーリー・コーテッド・レトリーバー |
ワイヤーコート | ゴワゴワした針金のような硬い毛質です。抜け毛が少なく比較的お手入れがしやすい。 | ミニチュア・シュナウザー、テリア |
換毛期のない犬種 | オーバーコートのみを持ち、抜け毛は少ないが、毛が伸び続ける犬が多いためもつれやすい。 | プードル、マルチーズ、シー・ズー、ヨークシャー・テリア、パピヨン |
放置は危険!愛犬の毛玉には注意して対策をしよう
犬の毛玉はブラッシング不足による汚れの蓄積や摩擦、毛に残った水分が原因でできてしまいます。毛玉は犬が痛みを感じたり皮膚病を引き起こしたりなどのリスクがあるため、放置は禁物です。
毛玉ができた場合は、ここでお伝えした手順を参考にして早い段階で対処してください。そして何よりも、毛玉ができないように普段から心がけるようにしましょう。
毛玉の予防は犬の健康管理のひとつです。愛犬のために、しっかりと毛玉対策をしてサラサラフワフワな毛並みを維持してあげましょう。
執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季
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