安全な犬の寒さ対策9選! 寒がりな犬や散歩中・寝るとき注意点を紹介

「犬は寒さを感じるの?」
「犬の寒さ対策はどうすればいい?」

飼い主さんで、こんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

犬は人間に比べて寒さに強いと言われています。しかし、寒さに弱い犬は寒さ対策が不可欠です。寒さが続くと、低体温症などのリスクが高まってしまいます。

そこで今回の記事では、犬の寒さ対策を場面別に9つ紹介します。注意点や寒さに弱い犬の特徴、寒がっているときのサインなども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

犬が寒さを感じる温度

寒さを感じる温度は、犬の体格によって異なります。また、犬がいる場所は床に近く、人が過ごしやすい室温でも、寒さを感じている場合もあるため注意が必要です。

小型犬 ・13℃までは寒さによるリスクはありません。
・10℃になるとリスクは低いですが、注意が必要です。
・4℃以下になるとリスクがあります。
中型犬 ・10℃までは寒さによるリスクはありません。
・7℃になるとリスクは低いですが、注意が必要です。
・4℃以下になるとリスクがあります。
大型犬 ・7℃までは寒さによるリスクはありません。
・4℃になるとリスクは低いですが、注意が必要です。
・2℃以下になるとリスクがあります。

寒さを感じやすい犬の特徴

寒さを感じやすい犬の特徴として、以下の6つが挙げられます。

  • 子犬・シニア犬
  • 小型犬
  • 室内で飼っている犬
  • 運動量が少ない犬
  • 持病のある犬
  • シングルコート・短毛種の犬

寒さに弱い犬を飼う場合は、特に寒さ対策が必要です。

子犬・シニア犬

子犬やシニア犬は自分で体温調節が上手くできないため、寒さを感じやすいです。飼い主がより注意して、愛犬の体温を調節してあげる必要があります。

小型犬

小型犬は体重に対して表面積が大きいため、体温が下がりやすいです。また、体が地面に近く、冷気を感じやすいのも理由のひとつです。小型犬の例として、ヨークシャテリアやミニチュア・ダックスフンド、チワワなどが挙げられます。

室内で飼っている犬

室内で飼っている犬は、寒さに対する耐性が下がっています。もともと寒さに強い犬でも、生活の環境に慣れると寒さに弱くなることがあります。

運動・散歩が少ない犬

運動や散歩の時間が少ない犬も、寒さに弱くなる傾向があります。体を動かさないと筋肉量が減り、体の代謝が落ちてしまうためです。少しでも寒さへの耐性を上げるために、運動量を増やしてあげることが大切です。

持病のある犬

持病のある犬も子犬やシニア犬同様、体温調節が苦手です。もともと関節や皮膚、心臓などに持病を持っている犬は、冷たい空気や乾燥が悪化する原因にもなります。

シングルコート・短毛種の犬

犬の被毛には、体の表面に生えているオーバコートとオーバーコートの下に生えているアンダーコートがあります。シングルコートとは、オーバーコートしかない被毛のことです。

アンダーコートは防寒の役割もあり、どちらの被毛もあるダブルコートの犬種に比べて寒さに弱いです。シングルコートの例として、シーズーやマルチーズ、トイプードルなどが挙げられます。

また、短毛種の犬も寒さを感じやすいです。具体的には、パグやミニチュアピンシャー、フレンチ・ブルドッグなどが挙げられます。

犬が寒さを感じているときのサイン

犬が寒さを感じている主なサインとして、以下の6つが挙げられます。

  • 小刻みに震えている
  • 体を丸めて小さくなる
  • 部屋の中をウロウロしている
  • 毛布やタオルなどの中に入り込む
  • 散歩に行きたがらない

暖かい場所を見つけるために、部屋の中をウロウロしている場合があります。上記のような行動が見られたときは、室温は低くないか、冷えやすい場所にゲージはないかなどを確認することが大切です。

寒さが原因で発症しやすくなる犬の病気

寒さが原因で発症しやすくなる病気として、以下の4つが挙げられます。

  • 下痢
  • 気管支炎
  • 低体温症
  • 霜焼け

寒さだけでなく、寒暖差が原因で発症することもあります。それぞれを詳しく確認していきましょう。

下痢

お腹が冷えたり、寒さによって免疫力が低くなったりすることで、下痢を引き起こしやすくなります。

特にボストンテリアなどは、下痢になりやすい傾向があるため注意が必要です。もし下痢をした場合は、脱水症状にも気をつけてください。

気管支炎

乾燥が引き起こす疾患で、気管支炎になると咳の回数が増えます。特に小型犬が発症しやすいですが、小型犬の血を引く雑種も気管が細いこともあるため、中型犬や大型犬でも注意が必要です。

低体温症

低体温症とは、体温調節が上手くできず、体温が下がった状態から上がらなくなる疾患です。悪化すると命の危険も高まり、軽度の場合は震えなどの症状が見られます。

寒さが厳しい場所では犬種に関わらず起こりうる疾患ですが、特に子犬と老犬には注意が必要です。

霜焼け

霜焼けになると、皮膚が赤くなったり、痛みやかゆみを感じたりします。寒さに弱い犬のほか、バセットハウンドやダックスフンドなど耳が大きい犬種も注意が必要です。寒さが厳しい場合は、耳を保護するカバーをつけることをおすすめします。

また、散歩時は靴を履かせるのが効果的です。最初は嫌がるかもしれませんが、夏場ではアスファルトによるやけど、災害時では怪我の防止にも役立ちます。

室内の寒さ対策6選

室内の寒さ対策として、以下の6つが挙げられます。

  • エアコンを使う
  • 犬用のこたつを使う
  • 湯たんぽを使う
  • ペット用のヒーターを使う
  • 毛布を敷く
  • 蓄熱材・ジョイントマットを活用する

寒さ対策にはいくつか選択肢があるため、状況に応じて最適なものを選ぶことが大切です。

エアコンを使う

エアコンの場合、犬の体に熱風が直接当たらないため安心です。ただし、愛犬のゲージにもエアコンの風が当たらないようにする必要があります。設定温度は20〜25℃が目安なので、室内の温度や犬の様子で決めると良いです。

犬用のこたつを使う

犬用のこたつには、新鮮な空気がいつでも吸えるように布団が一部めくれているタイプやヒーターのみベッドの下やサークルに取り付けられるタイプもあります。

ただし、犬用のこたつの多くは、小型犬向きです。中型犬や大型犬の場合は、他の方法で寒さ対策をする必要があります。

湯たんぽを使う

湯たんぽは持続性があるため、留守番時や睡眠時におすすめです。暑いときは離れて、寒いときだけくっつくなど、犬が自分で調節できます。

ただし、湯たんぽに長時間触れていると低温火傷になる恐れがあるため注意が必要です。湯たんぽにカバーを付けて、35℃程度のお湯を中に入れると良いです。

ペット用のヒーターを使う

ペット用のヒーターは人間用のヒーターとは異なり、熱くなりすぎる心配がありません。ただし、愛犬がコンセントを噛んで感電したり、漏電が原因で火災が発生したりする恐れがあります。

そのため、感電対策のあるヒーターを選ぶことが大切です。また、留守番時や睡眠時の使用はおすすめできません。

毛布を敷く

毛布は暖かいだけでなく、安心感を与えます。また、一人遊びができるため、毛布を好む犬も多いです。

電気代がかからない上、効果がなくなることもありません。寒さが厳しい時期は、愛犬のベッド内などに毛布を常時敷いておくことをおすすめします。

蓄熱材・ジョイントマットを活用する

フローリングと愛犬のベッドの間に蓄熱材やジョイントマットを使うと、底冷えを軽減できます。蓄熱材やジョイントマットの大きさは様々なので、使用する場所に応じて選ぶことができます。

散歩での寒さ対策3選

散歩での寒さ対策として、以下の3つが挙げられます。

  • 防寒服を着せる
  • 散歩の前後にマッサージをする
  • 日が昇っている時間を選ぶ

愛犬のために散歩をしても、寒すぎて負担になってしまうこともあります。特に寒さに弱い犬を散歩に連れていくときは、寒さ対策が必須です。

防寒服を着せる

冬に散歩をする際は、防寒服を着せると良いです。ただし、綿やポリエステル、ウール素材のドッグウェアは防寒効果が低いためおすすめできません。ナイロン素材のドッグウェアやダウンコートなどが最適です。

散歩の前後にマッサージをする

シニア犬が寒い日に散歩をする場合は、マッサージを行いましょう。血流を良くすることで、体が温まります。特に耳、足先、しっぽなど冷えやすい箇所を重点的に行うと良いです。

日が昇っている時間帯を選ぶ

寒い時期は日が昇っている間に散歩をすると良いです。日が昇っている時間帯は、早朝や夜よりも寒さが軽減されます。

また、暗い時間帯は足元が見えにくいため、怪我をしたり、事故に巻き込まれてしまったりするリスクも高いです。

犬の誤った寒さ対策3選

犬の誤った寒さ対策として、以下の3つがあげられます。

  • 服を長時間着せたままにする
  • ご飯の量を増やす
  • カイロを貼る

誤った方法で寒さ対策をすると、トラブルの原因にもなるため注意が必要です。

服を長時間着せたままにする

寒いからといって服を長時間着せたままにするのは避けましょう。通気性が悪くなったり、服と皮膚が擦れたりすることで、皮膚トラブルにつながります。

室内で飼っている犬は、散歩で外に出るときだけなど、服を着る時間を決めておくことをおすすめします。

ご飯の量を増やす

寒い時期はエネルギーの消費が早くなるからといって、ご飯の量を増やすこともNGです。室外犬の体重が少し減っていたら増やすなどの工夫は問題ありません。しかし、気温だけでご飯の量を調節すると冬太りの原因になります。

カイロを貼る

犬にカイロを貼ると、低温やけどの原因になります。ただし、カイロをタオルに包み、湯たんぽのような使い方をするのは問題ありません。

犬の寒さ対策で注意するべき5つのポイント

犬の寒さ対策で注意するべきポイントは以下の5つです。

  • 低温やけど
  • 脱水
  • 寒暖差
  • 乾燥
  • 火災

犬の寒さ対策には、さまざまなリスクがあります。愛犬を危険にさらさないように、暖房器具などを使用する際は注意が必要です。

低温やけど

ヒーターや湯たんぽを使用する場合、低温やけどのリスクがあります。そのため、ヒーターの周りに柵を設置したり、湯たんぽの温度を低くしたりするなどの工夫が必要です。

脱水

犬は寒い時期になると、水を飲む量が減ることが多いです。そのうえ、エアコンなどを利用すると室内が乾燥し、脱水症状になる恐れがあります。

愛犬がなかなか水を飲んでくれない場合は、常温の水を用意したり、鰹節で作っただし汁を少しだけ水に混ぜたり、犬用ミルクを少量入れたりすると良いです。

寒暖差

より愛犬が快適に過ごせるように、室内でも少し寒暖差をつけることが大切です。例えば、カーペットを一部だけ敷いたり、ヒーターを一箇所だけ置いたりなど、少し工夫することで好きな場所を選べるようになります。

乾燥

エアコンやヒーターなどの暖房器具を長時間使用すると、室内が乾燥します。乾燥すると、シニア犬や持病のある犬は咳が出やすくなり、呼吸しづらくなることもあるため、加湿器も併用することが大切です。

火災

子犬や噛み癖のある犬は、何でも噛んでしまいます。電気製品は感電や漏電の恐れがあるため、コードを隠すなどの対策が必要です。漏電すると最悪の場合、火災につながります。エアコンを除き、留守番中に電気を使う寒さ対策は避けた方が無難です。

寒さ対策を万全にして愛犬の健康を守ってあげよう

今回は、犬の寒さ対策について詳しく解説しました。犬は人間よりも寒さに強いと言われていますが、厳しい寒さが続くとさまざまなリスクが出てきます。

特に寒さを感じやすい犬の場合は、より一層気をつけなければなりません。飼い主と家にいるとき、留守番するとき、散歩のときなど、状況に応じて最適な方法で寒さ対策を行うことが大切です。

また、寒さ対策だけでなく、低温やけどや脱水、乾燥などにも注意が必要です。ぜひ本記事を参考にして、愛犬と一緒に寒い時期を乗り越えてください。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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