「愛犬の口臭が強いけど病気のサイン?」
「犬の口臭は何が原因?」
「犬の口臭予防はどれが効果的?」
犬の口臭について、このような不安や疑問を持っている飼い主さんも多いはずです。犬の口臭は、対策をすれば予防や改善できるケースもあります。しかし、原因によっては動物病院での治療が必要になるため注意が必要です。
そこで今回は、犬の口臭の原因や対処方法についてお伝えしていきます。また、自宅でできるデンタルケアも紹介するので、愛犬の口臭が気になる方はぜひ参考にしてください。
犬の口臭が強い!主な4つの原因
そもそも犬の口臭はどんなことが原因でキツくなってしまうのでしょうか。犬の口臭の主な原因として考えられるのは、以下の4つです。
- 口の乾燥
- 歯周病・口腔内疾患
- 内臓疾患
- ペットフードが古い
愛犬の口臭が強いと感じたとき、どんな臭いがしたかで原因がわかる場合があります。適切な対処につながるため、注意して確認しておきましょう。
口の乾燥
犬の口内は本来唾液で潤っていますが、水分不足や口呼吸が多いと乾燥してしまうことがあります。慢性的に口が乾燥していると、唾液が濃縮されて口臭が強くなる原因になるのです。
口が乾燥しているときの臭いは、生臭い・魚臭いといった印象を受けます。このような臭いを感じた際には、愛犬にできるだけ多く水を飲ませてあげてください。水分を補えば、口の乾燥が緩和されて口臭が改善される可能性があります。
また、暑い季節は体温調整のために口呼吸を行う頻度が多くなり、口が乾燥する原因になります。エアコンを利用するなど、快適な室温を維持してあげてください。
歯周病・口腔内疾患
犬の口臭が強い場合、歯周病や口腔内疾患にかかっている可能性も考えられます。犬は人よりも歯垢から歯石に変化するスピードが早く、定期的な歯のお手入れを行わないと、すぐに歯周病になってしまう恐れがあるのです。
歯周病が発生している場合、犬の口から腐敗臭がします。臭いが気になったときは、動物病院に足を運び、口腔内の状態をチェックしてもらいましょう。状況によっては、抜歯が求められることもあります。
他にも、以下のような口内環境の悪化により、口臭が強くなることがあります。
歯肉炎 | 歯垢の中にある細菌によって、歯肉に炎症を引き起こす。 |
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口内炎 | 口腔内に炎症を引き起こす。ただれや潰瘍によって、痛みが伴うケースがある。 |
口腔内腫瘍 | 良性腫瘍・悪性腫瘍がある。悪性の場合は、メラノーマ、扁平上皮癌、線維肉腫などがあり、早急に治療を施すことが求められる。 |
口腔内疾患の場合は、腫瘍が発生していることで口臭が強くなっている可能性が考えられます。特に悪性腫瘍の場合は骨組織まで症状が進行し、痛みが伴うこともあるので注意が必要です。
悪性腫瘍が発生しているときは、犬は食欲低下やよだれが出るといった症状が見られます。犬の様子に違和感を覚えた際には、素早く動物病院を受診して適切な処置を施してもらいましょう。
内臓疾患
愛犬が胃や腸、肝臓、腎臓など、内臓に問題を抱えている場合、口臭が強くなることがあります。臭いによってどこに不調を抱えているのか判断できるケースもあるので、把握しておけば動物病院ですぐに治療が受けられるでしょう。
例えば、愛犬の口がすっぱい臭いをしているとき、胃腸関係に疾患を抱えている可能性があります。胃酸が過剰分泌し口臭に影響を与えていることがあるからです。胃酸が増える原因はさまざまですが、長時間の空腹状態が続いたことなどが考えられます。
他にも次のような内臓疾患が原因で口臭が発生する可能性があります。
腎機能不全 | 尿として出るはずの毒素が機能障害によって排泄できない。体内に毒素が溜まり、アンモニア臭が発生する。 |
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肝機能不全 | 肝臓で代謝されるはずの毒素が機能障害によって排泄できない。体内に毒素が溜まり、口臭の原因になる。急性肝臓病や慢性肝臓病など。 |
腸閉塞 | 腸にある物が通過できないほど塞がっている状態で、便が排泄できない。機能障害により毒素が溜まり、口臭の原因になる。 |
口臭がアンモニアのような臭いを放っている場合、腎臓や肝臓に疾患を抱えている可能性が高いです。本来なら腎臓や肝臓の働きで排泄される物質が、正常に機能が働いていないことで体内に残り、口からアンモニア臭が出てしまいます。
他にも口臭から便のような臭いがする場合、腸に何らかのトラブルを抱えている可能性があるでしょう。口臭の変化は、便秘による軽度な症状から腸閉塞などの重篤な症状まで考えられるので、少しでも違和感を覚えるときは動物病院で相談してみてください。
ペットフードが古い
古くなったペットフードを愛犬に与えることも、口臭が強くなる原因のひとつです。特に一度開封して空気に触れたペットフードは、徐々に酸化して劣化します。劣化した古いペットフードは、下痢や嘔吐など体調不良の原因になってしまうのです。
愛犬の健康を守るためにも、ペットフードの期限は注意して管理しましょう。また、期限内で合っても開封したペットフードは、できるだけ空気に触れないよう対策を講じてください。
犬の口臭を予防する方法
犬の口臭が強くなる原因は、口の乾燥や歯周病、内臓疾患などさまざまです。原因によっては動物病院で長期的な治療が必要になり、愛犬への負担が大きくなってしまいます。そのため、口臭が発生しないように普段から以下のような対策を講じておくことが大切です。
- 食後は多めに水分を摂らせる
- 日常的に歯磨きを行う
- ドッグフードの管理を徹底する
- 動物病院で歯石を除去してもらう
具体的にどのような予防方法を実践すべきなのか、詳しく解説していきます。
食後は多めに水分を摂らせる
愛犬に普段から水分を多く摂らせるのも、口臭対策のひとつです。水分を多く摂らせることで、口臭の原因である口の乾燥が予防できます。また、食後は食べカスや歯垢などが口内に残っているので、特に多めに水分を摂るように促してあげましょう。
食後に水を多く飲むことで、食カスや歯垢が口内に溜まらないようにでき、虫歯や歯周病を抑制するきっかけにもなります。
日常的に歯磨きを行う
歯周病による口臭の悪化を防ぐため、日頃から歯磨きの習慣をつけていきましょう。日常的に歯垢や歯石が溜まらないよう歯磨きを行っていけば、清潔な口内が維持できるので歯周病になるリスクが下げられます。
人間と同じように歯ブラシで愛犬の歯や歯茎を磨いてあげましょう。慣れていないうちは、歯磨きを嫌がる犬も多いです。まずは歯や歯茎を触るなど、口に触れることに慣れさせてから歯磨きしてあげてください。
ドッグフードの管理を徹底する
ドッグフードが古くなっていることに気付かず、そのまま犬に与えていると口臭の悪化だけでなく体調不良の原因にもなります。ドッグフードは空気に触れている時間が長いほど酸化が激しくなるので保存方法など、管理は徹底しておくことが大切です。
ドッグフードの中には、しっかり袋の口が綴じるタイプの商品があります。ドッグフードを購入する際には、成分だけでなく袋のまま管理できる商品なのか見極めてから選びましょう。
動物病院で歯石を除去してもらう
すでに愛犬の口内に歯石ができている場合は、動物病院で歯石除去してもらう必要があります。動物病院では専用器具を使って、歯の表面や歯周ポケットに溜まっている歯石を綺麗に除去してくれるので歯周病の予防に繋がります。
ただし、歯周ポケットの奥深くに歯石が溜まっているときは、全身麻酔をして除去しなくてはなりません。全身麻酔は愛犬に負担がかかるため、そのような状況にならないように、日頃から歯磨きを行って予防しておきましょう。
また、動物病院でドクターに相談すれば、適切な口臭対策についてのアドバイスも聞けます。さらに、定期的な健診も行えるので、口臭の原因となる内臓疾患の早期発見にも繋がるでしょう。
犬の口臭予防におすすめのアイテム
犬の口臭予防は、アイテムを活用するとより便利に効果的に行えます。特におすすめの口臭予防アイテムは以下のようなものです。
- おやつとして楽しめるデンタルガム
- 舐めるだけの歯磨きペースト
- 水に混ぜるだけの液体デンタルケア
- 犬のサイズに合うデンタルブラシ
- 犬用の口臭対策サプリ
それぞれのおすすめポイントについて解説していくので、参考にしてみてください。
おやつとして楽しめるデンタルガム
歯ブラシを嫌がる愛犬のためにおすすめしたいアイテムが、「デンタルガム」です。噛むだけで口内ケアができるため、お口の中を清潔に保つことができます。犬もおやつ感覚でデンタルガムを噛んでくれるので、無理なく口内ケアが実現できるのです。
ただし、歯の隙間など細かい部分の掃除が難しいという欠点もあります。より徹底した口内ケアをするためには、別の予防方法と組み合わせて使う必要があるでしょう。
舐めるだけの歯磨きペースト
普段の歯磨きが楽しめるように、美味しいフレーバー付きの歯磨きペーストがあります。飲み込んでも安全な成分で作られているので、愛犬もおやつを食べているような感覚で歯磨きを楽しんでくれるでしょう。
酵素が含まれている歯磨きペーストなら、犬が舐めるだけで口内ケアの効果が期待できるので、手軽に利用できます。さまざまな味の歯磨きペーストが販売されており、愛犬が気に入った味の商品を利用すれば喜んで歯磨きに協力してくれるはずです。
水に混ぜるだけの液体デンタルケア
犬が飲む水に混ぜるだけで、口内ケアが簡単にできるアイテムが「液体デンタルケア」です。歯磨きをする手間がないので、忙しい飼い主の方でも取り入れられます。
ただし、歯に付いている歯垢など、細かい部分の洗浄は難しいため、別の口臭対策と合わせて行うのが理想です。
犬のサイズに合うデンタルブラシ
虫歯や歯周病を避けるためには、普段から歯磨きを行う必要があります。そんなときに便利なのが、犬用のデンタルブラシです。犬用のデンタルブラシなら、歯の表面に付いている歯垢や食べカスを除去できるので、口腔内を清潔な状態に維持できます。
ただし、犬によって適切な歯ブラシのサイズが異なるため、愛犬の体に合わせて商品を購入しましょう。
犬用の口臭対策サプリ
愛犬の口臭が気になる方は、犬用の口臭対策サプリを利用する方法があります。口臭対策サプリはさまざまな種類があり、タブレットタイプやパウダータイプなど愛犬に合う商品を選ぶことが大切です。
犬用の口臭対策サプリには、口内の虫歯菌などが増えないように口内細菌のバランスを整える成分が配合されています。犬に与えれば、デンタルケアに繋がるので虫歯や歯周病対策も期待できるでしょう。
愛犬の口臭予防|歯磨きの手順とコツ
愛犬の口臭予防には歯磨きが効果的です。ここでは、犬の歯磨きの手順とコツについて詳しく解説していきます。歯磨きの手順は次のとおりです。
- 手順①まずは口周りに触れていく
- 手順②歯磨きシートで磨いていく
- 手順③歯ブラシで口内ケアしていく
詳しく確認していきましょう。
手順①まずは口周りに触れていく
歯磨きのためとはいえ、いきなり口を触られると嫌がる犬は多いです。そのため、歯磨きを行う前に口の周りに触れていき、慣れさせていく必要があります。
うまく慣れさせるコツは、口の周りに触れて後はご褒美におやつを上げてみてください。歯磨きをすれば良いことがあると覚えさせられるので、喜んでしてくれるようになります。
焦らずゆっくりと慣れさせる必要があるので、愛犬が嫌がるときは無理せずに別のタイミングに試してみてください。
手順②歯磨きシートで磨いていく
口の周りに触れられるようになったら、次は歯磨きシートを使って歯や歯茎を磨いていきます。このときに、ゴシゴシと力を入れて磨くと犬は嫌がってしまい、歯磨きに対して苦手意識を持ってしまうことがあるので注意してください。
最初は比較的触りやすい犬歯から磨いていき、徐々に奥歯のほうに進んでいきましょう。丁寧に1本ずつ磨いていくのがコツで、力を入れすぎないよう注意してください。犬が嫌がるそぶりを見せたら一度中断して様子を見て再開しましょう。
手順③歯ブラシで口内ケアしていく
最後に歯ブラシを使って、1本ずつ歯を磨いていきます。できるだけ優しい力で1本1本丁寧に磨いていきましょう。
はじめのうちは、一度に全ての歯を磨くのは難しいので、1本磨くごとにおやつを与えてください。また、いきなり長時間の歯磨きは、犬が嫌がるかもしれません。少しずつ慣れさせていき、歯磨きは楽しいものと思わせることが大切です。
愛犬の歯磨き時は姿勢も重要
愛犬の歯磨きを日常的に実践していくなら、姿勢にも注意する必要があります。犬によって好きな姿勢があるので、いろいろと試してみて愛犬に合った体の向きを見つけてください。
飼い主と向かい合わせで磨く
飼い主の顔が見えるように、向かい合わせで磨くのが好きな犬は多いです。犬が安心して歯磨きに応じてくれる可能性が高いので、最初に試してみると良いでしょう。飼い主と犬が楽な姿勢で歯磨きができるのでおすすめです。
愛犬を抱きかかえて磨く
愛犬を抱きかかえた状態で歯磨きを行う方法があります。犬が体を委ねられるので、安心して歯磨きをさせてくれる可能性があるでしょう。ただし、大型犬は抱きかかえるのが難しい場合があります。
また、犬を押さえる意識が強くなると、力を入れ過ぎることがあるので注意が必要です。愛犬が苦しくならないように、できるだけ優しく抱いてあげましょう。逃げてしまうときは無理をせず、タイミングを見計らって歯磨きしてあげてください。
寝転んでいる状態で磨く
犬を仰向けにして、寝転んでいる状態で歯磨きを行う方法です。飼い主に甘えているような体制なので、歯磨きの時間になったら喜んで仰向けになる犬もいます。リラックスした状態で歯を磨けるので、愛犬が歯磨きを好きになってくれる可能性もあるでしょう。
犬の口臭が気になる時は原因を把握しよう
犬の口臭が強くなる原因は、口の乾燥や口内環境の悪化、内臓疾患などさまざまです。なかでも、歯周病などの口内疾患が多いとされています。一度歯周病になってしまうと、治療に時間がかかったり抜歯が求められたりと愛犬に大きな負担がかかります。
そのため、飼い主さんが普段から愛犬のデンタルケアを行うことが大切です。日常的に歯磨きを行い、口内を清潔な状態に保ってあげましょう。さらに、口臭予防に効果的なアイテムを取り入れると、より便利に徹底したケアが実現します。
また、犬の口臭は病気や体調不良のサインでもあるので、違和感を覚えたときは、速やかに動物病院を受診しましょう。
執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季
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