犬の目やにが多くなる原因とは? 病気の可能性や取り方・対策を解説

「最近、愛犬の目やにが多い…」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。目やには老廃物と粘液が混じりあってできるものなので、少量であれば気にする必要はありません。

しかし、目やにが多い場合は目の炎症や病気にかかっているケースも考えられます。そこで今回の記事では、犬の目やにが多くなる原因について詳しく解説します。

病気との見分け方や取り方、対策もあわせて紹介するので、愛犬の目やにが気になる方はぜひ参考にしてください。

犬の目やにが出る原因

目やには、老廃物と目を保護している粘液が混じり合ってできるものです。通常、まばたきをする際に涙と一緒に流れますが、寝ているときはまばたきをしないため、起きたときに目やにができていることがあります。

生理現象のひとつなので、少量であれば過度に心配しなくても大丈夫です。しかし、多い場合は、目の炎症や病気などが考えられます。早めの受診が必要なケースもあるため、日頃から愛犬の様子をよく観察しておくことが大切です。

犬の目やにが多くなる7つの原因

犬の目やにが多くなる原因として、以下の7つが挙げられます。

  • アレルギー
  • ドライアイ
  • 逆さまつ毛・異所性睫毛
  • 結膜炎
  • 角膜炎・角膜潰瘍
  • 流涙症(りゅうるいしょう)
  • 眼瞼内反症・外反症

特に、シニア犬や眼球が突出しているチワワやシー・ズー、ブルドッグなどは、異物や目元の毛の影響を受けやすく目やにが出やすいです。

しかし、病気にかかっている可能性もあるため、心配なときは動物病院へ連れていくことをおすすめします。

アレルギー

ハウスダストやノミ・ダニ、食べ物などがアレルギーの原因になる場合が多いです。しかし、中には人間と同じように花粉症の場合もあります。アレルギーは、目のかゆみだけでなく、充血するのが特徴です。

涙も多くなるので愛犬が目を頻繁にこすっていたら、アレルギーによるものかもしれません。こすりすぎて目の周りの皮膚に炎症が起こると、炎症箇所が赤くなることもあります。

ドライアイ

ドライアイは、涙腺から分泌される涙の量が不足していたり、涙が角膜に十分行き渡らなかったりすることで、角膜が乾燥している状態を指します。主な原因は、ウイルス性疾患、アレルギー、外耳炎、涙腺の崩壊などです。

角膜炎の症状と似ていて、白目は赤く、黒目は白く濁ったような色になります。眩しそうに目を閉じるのも代表的な症状です。

逆さまつ毛・異所性睫毛

逆さまつ毛は、まつ毛の生える向きが本来と逆になっている状態を指します。また、異所性睫毛は、本来生えない場所にまつげが生えてしまうことです。

どちらもまつげが角膜表面に当たるため眼球が傷つき、痛みや違和感を伴います。多くの場合は先天的なもので、まばたきや目を閉じている回数が多くなります。

結膜炎

結膜炎とは、まぶたの内側にある結膜が炎症を起こす病気です。結膜炎には、感染性と非感染性の2種類に分けられますが、犬の場合はほとんどが非感染性となります。

アレルギーや異物による刺激などによって引き起こされる場合が多く、目やにが多くなったり、目が充血したり、まぶたが腫れたりします。

角膜炎・角膜潰瘍

角膜炎とは、角膜の表面が炎症を起こす病気です。さらに、その角膜炎が進行し、角膜の内部が炎症している状態を角膜潰瘍と呼びます。主な原因は、ドライアイ、逆さまつ毛、細菌やウイルスの感染、免疫の異常などです。

初期は基本的に無症状ですが、悪化すると目やにが多くなったり、眩しそうに目を閉じたりします。また、白目は赤く、黒目は白く濁ったような色になります。

流涙症(りゅうるいしょう)

流涙症とは、常に目の周りに涙があふれてしまう病気です。溢れ出した涙が犬の目頭や鼻の横にかけて被毛にこびりつき、変色する「涙やけ」が見られる場合もあります。また、目やにが多くなったり、湿疹や皮膚炎のリスクが高くなったります。

眼瞼内反症・外反症

眼瞼内反症とは、まぶたが内側にめくれてしまう病気です。反対に、外側にめくれてしまう病気を眼瞼外反症と呼びます。逆さまつ毛と同様、生まれつきの場合が多いです。

しかし、重度の結膜炎や外傷によるまつ毛の変形、目の周りの神経や筋肉異常などが原因になることもあります。

角膜や結膜が刺激を受けるため痛みやかゆみが生じ、目やにが多くなるだけでなく涙の量も増加します。

病気の可能性が高い目やにの特徴

少量の目やにであれば基本的に問題ありませんが、目やにが以下のような場合は、病気の可能性が高いと言えます。

  • ネバネバしている
  • 黄色や緑色
  • 量が多い
  • 臭い

目やにの色が黒色や灰色、茶色であれば、汚れや老廃物が固まったものです。また、目頭についている白い目やにも、分泌液や粘液が固まったものなので心配ありません。

なお、めやにの状態や場所が病気の診断材料となるため、目やにがある状態で動物病院へ連れて行くことをおすすめします。

ネバネバしている

ネバネバした目やにが大量に出ていたら、目に何かしらのトラブルを抱えている可能性が高いです。飼い主で判断することはできないため、できるだけ早く受診しましょう。

黄色や緑色

黄色や緑色でドロっとしている目やには、結膜炎の初期症状やドライアイの可能性が高いです。

量が多い

粘り気がなく、さらさらしている目やにでも、量が多いときは動物病院で受診することをおすすめします。結膜炎や角膜炎の初期症状であった場合、放っておくと量がさらに増えたり、色味が変わったりします。

臭い

不快な臭いがする目やには、細菌が繁殖している可能性が高いです。早い段階で繁殖を抑えるために、動物病院へ連れていきましょう。

犬の目やにが多くなったときの対策

犬の目やにが多くなったときの対策として、以下の2つが挙げられます。

  • 目薬をさす
  • コットンやガーゼなどで取り除く

通常の目やにでも、そのまま放置せず取り除いてあげることが大切です。どちらも簡単に家でできるセルフケアなので、愛犬の目やにが気になったときに試してみてください。

目薬をさす

ドライアイが原因で目やにが出ている場合は、目薬によって目やにの量を減らすことができます。犬の目は特に乾燥しやすいため、目に付着している時間が長い目薬がおすすめです。

市販薬を利用する場合は、保存料不使用で刺激がない医療用のヒアルロン酸角膜保護点眼薬を選びます。自分で選ぶのが心配な方は、動物病院で処方してもらうと良いです。

コットンやガーゼなどで取り除く

水やぬるま湯でふやかしてから、コットンやガーゼなどで優しく取り除くことが大切です。無理に引っ張ったり、指でゴシゴシしたりする方法は絶対にやめましょう。眼球に傷がついてしまう可能性があります。

目やに取りに最適なタイミング

目やりを取るのに最適なタイミングは、散歩の後です。散歩後は目の周りに異物がついていることも多く、帰宅したら毎回チェックするのを習慣化すると良いです。

目やに取りを嫌がるときの対処法

愛犬が目やにを取るときに嫌がってしまう場合は、おやつをあげてリラックスさせる方法がおすすめです。目の周りを触れられるのに恐怖を感じてしまう犬は多くいます。

いきなり目を拭うのではなく、優しく目の周りを触れてから段階的に取り除いていくようにしましょう。目やにを取るのが嫌なことだと、思わせないようにするのがポイントです。

犬の目やにを予防する方法

犬の目やにを予防する方法として、以下の2つが挙げられます。

  • 顔周りを清潔に保つ
  • 外的な刺激に注意する

生理現象である目やにを減らすのは難しいですが、目やにが多くなるトラブルのリスクを軽減させることができます。

顔周りを清潔に保つ

長く伸びた毛が目に入らないよう、定期的にトリミングをする必要があります。また、衛生状態を保つために、グルーミングも大切です。

外的な刺激に注意する

草むらなどに勢いよく入り、草や枝で目を傷つけないよう注意が必要です。また、感染性の結膜炎もあるため、他の犬と密にコミュニケーションを取るときも気をつけましょう。

犬の目やにが多いときは動物病院に連れて行こう

今回は、犬の目やにが多くなる原因や病気の可能性などを詳しく解説しました。人間と同様、犬も生理現象で目やにが出ます。

少量であれば問題ありませんが、多いときは病気にかかっている可能性が高いです。目の病気にかかると痛みやかゆみを伴ったり、目の色が変わったりします。

早期に発見するためにも、日頃から愛犬の様子をよく観察することが大切です。この記事で紹介した症状に少しでも当てはまる場合は、早めに動物病院へ連れていきましょう。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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