「犬のシャンプーの頻度はどれくらい?」
「犬種や年齢でシャンプーの頻度は変わる?」
「そもそも犬にシャンプーは必要?」
犬のシャンプーについて、こんな悩みを持つ飼い主さんも多いはずです。シャンプーは愛犬を清潔に保って健康を維持するためには欠かせません。ただし、過度なシャンプーは犬にとって負担になるため注意が必要です。
そこで今回は、犬のシャンプーの適切な頻度について解説していきます。また、シャンプーの必要性や洗い方のポイントもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
犬のシャンプー頻度はどれくらいがベスト?
愛犬にシャンプーを行う場合、どれくらいの頻度が良いのでしょうか。ここでは、適切な犬のシャンプー頻度について紹介していきます。犬の年齢によって適切なシャンプー頻度は異なるので参考にしてください。
月に1~2回が目安
一般的に犬のシャンプーの頻度は、月に1〜2回が適切です。日々の散歩による汚れを落とすためには、この頻度でシャンプー洗いを行う必要があります。ただし、季節や天気など状況によっては調整が必要です。
汗をかく夏場は必要に応じて回数を増やしてください。また、雨の日の散歩後は犬の体が汚れやすいです。部屋を汚さないためにも、状況に応じてシャンプー洗いをしましょう。
高頻度のシャンプーはNG
犬の体に付着した汚れを落とすために、シャンプー洗いを行うことは大切です。しかし、何度もシャンプーを行ってしまうと、犬の心身に負担をかける恐れがあります。
適切な温度でシャンプー洗いをしたとしても、毛が乾くまで時間がかかるでしょう。その間に犬の体が冷えてしまうなど負担がかかります。また、お風呂が嫌いな犬に何度もシャンプー洗いをしていると、精神的な負担にもなるでしょう。
必要なとき以外はシャンプー洗いをせず、基本的には月に1〜2回程度の頻度を守ることが愛犬の心身を守るためにも大切です。
子犬のシャンプー頻度の目安とポイント
子犬の場合、体が大きくなる前にシャンプーすると負担がかかってしまう恐れがあります。そのため、生後2ヵ月を過ぎてから体を洗うようにしましょう。
子犬のシャンプー頻度は、成犬と同じで月に1〜2回程度が目安です。シャンプーを始めるのは、ワクチン摂取が全て完了してからにしてください。ただし、ワクチン摂取してからすぐにシャンプーをするのは避けましょう。
ワクチン摂取後は体調不良を引き起こしやすいので、体を濡らすと風邪を引いてしまう可能性があります。ワクチン摂取してから1週間程度は日にちを空けるのがおすすめです。
また、子犬の場合は初めて水に触れるときに怖がることがあります。恐怖心を抱かせないよう、シャンプーを行う前に水に慣れさせてあげてください。
成犬のシャンプー頻度の目安とポイント
成犬の場合は、前述した通り月に1〜2回程度のシャンプー頻度が好ましいでしょう。ただし、犬種によって短毛・長毛と特徴が異なるので、状況に合わせてシャンプーの回数を調整してください。
顔の周辺を濡らすと怖がる犬が多いので、シャンプーするときは、スポンジやタオルを濡らして拭いてあげると良いでしょう。シャンプーが完了した後は、風邪を引かないためにも、しっかり毛を乾かしてあげてください。
老犬のシャンプー頻度の目安とポイント
7歳以上の犬は老犬の扱いになり、できるだけ体への負担がかからないよう配慮する必要があります。そのため、子犬や成犬よりも頻度を減らしてあげてください。シャンプー頻度の目安は2ヵ月に1回程度が好ましいです。
老犬は体調を崩してしまうことも少なくありません。体調が悪いときは、シャンプーをせずに濡らしたタオルで体を拭いてあげるだけでも問題ありません。
犬に定期的な頻度でのシャンプーが必要な理由
そもそも犬にシャンプーは必要なのかと考える方もいるでしょう。結論をお伝えすると、定期的なシャンプーは犬のために必要です。主な理由は以下のとおりです。
- 散歩のときの汚れが溜まる
- 花粉を持ち帰ることがある
それぞれを詳しく確認していきましょう。
散歩のときの汚れが溜まる
見た目には汚れていないと思っていても、実は散歩のときにかなりの汚れが犬の体毛に付着しています。また、外部からの汚れだけでなく、犬の皮脂や排泄物はシャンプーしないと綺麗に除去できません。
皮脂や排泄物の汚れは、放置すると皮膚疾患の原因になる恐れがあります。そのため、定期的にシャンプーを行い、愛犬の体を清潔な状態に維持してあげることが大切です。
花粉を持ち帰ることがある
花粉の量が多いときに散歩すると、飼い主の衣服だけでなく愛犬の体毛にも花粉が付着することがあります。花粉は犬の頭や体だけでなく、肉球などにも付着するケースがあるので綺麗に洗浄しないと家に持ち帰ってしまう恐れがあるのです。
花粉症に悩まされている方は、愛犬の散歩の後に花粉を持ち帰らないよう、体毛を拭くなどの対応が求められます。
愛犬にシャンプーするときの正しい手順
初めて愛犬の体を洗うとき、正しいシャンプーの手順がわからないという方も多いはずです。そんな方のために、正しいシャンプーの手順について解説していきます。
手順①:浴室に連れて行く
まず、犬の体を洗うなら温かいお湯が出る浴室まで連れていく必要があります。庭で体を洗おうと考える飼い主さんもいますが、犬が風邪を引くリスクがあるため避けてください。濡れた状態で外の風にさらされてしまうと、体調不良を引き起こす可能性があります。
どうしても庭でシャンプーしないといけないときは、防寒対策をして体を洗ってあげてください。できるだけ暖かい日に体を洗うなど、犬の体を労わってシャンプーしていきましょう。
手順②:まずは足先から濡らす
急に顔や体にお湯をかけてしまうと、犬は驚いてしまいます。最初は足先にシャワーをかけてあげて、徐々に上を濡らしてあげましょう。体全体を濡らしてあげた後は、犬専用のシャンプーを泡立てて洗っていきます。
このときに、犬が嫌がらないよう力加減は優しくしてあげることがポイントです。また、シャンプーの泡が犬の耳や目に入らないよう、顔の周りは慎重に洗ってあげましょう。
手順③:全体を洗ったらシャンプー剤を洗い流す
犬の体全体をシャンプーで洗ってあげた後は、綺麗にシャンプー剤を流していきます。このときに泡が残ってしまうと、後で犬が舐める危険性があるので入念に流してください。体を洗うとき同様、犬の耳や目にシャワーの水が入らない工夫を施しましょう。
手順④:ドライヤーでしっかり乾かす
シャワーで泡を洗い流した後は、バスタオルでしっかり水分を拭きとります。その後に、水分が残って犬が風邪を引かないよう、ドライヤーを使って乾かしていきましょう。
このときに、ドライヤーは「熱風」を利用しないことが大切です。熱風設定で乾かすと、犬がやけどを負ってしまう恐れがあります。
また、ドライヤーとの距離も30cm以上は離して使いましょう。距離が近すぎると聴覚が優れている犬にとって、ドライヤーはストレスの原因になることがあります。ドライヤーの扱いには十分注意し、しっかり犬の体毛を乾かしてあげましょう。
手順⑤:褒めてあげる
シャンプーが終わった後は、しっかり犬を褒めてあげましょう。飼い主さんが褒めてあげることで、シャンプーという行為が楽しいものだと感じるようになります。おやつを与えながら褒めてあげれば、さらに良い印象が与えられるでしょう。
犬にとってシャンプーは、ストレスになることがあります。おやつをあげたり褒めたりしてあげることで、シャンプーが楽しいイベントだと考えてもらえるようになるでしょう。
愛犬をシャンプーするときのポイント
愛犬をシャンプーするとき、いくつか守っておきたいポイントがあります。主なポイントは、以下のとおりです。
- 必ず犬用のシャンプーを使用する
- お湯の温度には注意
- 無理にシャンプーをしない
- 状況に応じて入浴させる
それぞれのポイントを詳しく解説していきます。
必ず犬用のシャンプーを使用する
犬は人と比べて皮膚がデリケートであるため、シャンプーするときは必ず犬用のシャンプーを使ってください。人間用のシャンプーは、皮脂を余分に落としてしまい、犬に使うと肌が乾燥してしまうリスクがあります。必ず犬用のシャンプーを購入してください。
お湯の温度には注意
犬をシャンプーするときは、お湯の温度設定に注意してください。熱すぎると犬が驚いてしまうので、少しぬるいくらいの37~38℃程度が目安です。ただし、季節によっては寒く感じることもあるので、目安の温度よりも1℃上げるなど臨機応変に対応してください。
無理にシャンプーをしない
犬によっては、シャワーやシャンプーの泡を嫌がることがあります。嫌がる犬に無理やりシャンプーしてしまうと、苦手意識がつく恐れがあるので注意してください。
犬にとって体が濡れたりシャンプーの臭いがついたりするのは、大きなストレスに繋がります。そのため、犬がシャンプーを嫌がるときは無理せず、違う日にシャンプーするなど臨機応変に対応することが大切です。
シャンプー自体を嫌がるときは、まず水に慣れさせることから始めてみてください。水に慣れていけば、徐々にシャンプーも許してくれます。愛犬がシャンプーを楽しめるように、気長にトレーニングしていきましょう。
状況に応じて入浴させる
愛犬が嫌がらないならシャンプーだけでなく、入浴させるのもおすすめです。温かいお湯に浸かれば、血行が良くなり健康的になります。また、入浴は犬にもリラックス効果があると言われているので、嫌がらないなら入れてあげてみてください。
シャンプー直後に犬の体が汚れたときの対処法
先ほどお伝えしたように、シャンプーの頻度は月に1~2回が目安です。しかし、シャンプーして数日で犬が汚れてしまうケースも少なくありません。そんなときは、以下の方法で対処してください。
- ブラッシングで汚れを取る
- シャンプーを使わずお湯だけで洗う
- 濡れたタオルやシートで体を拭く
- ドライシャンプーで洗う
対処法を詳しく解説していきます。
ブラッシングで汚れを取る
ブラッシングは毛と一緒に、散歩のときに付着した汚れも一緒に除去する効果が期待できます。簡単な汚れなら落とすことができるので、気になる汚れがあるときは実践してみてください。
ブラッシングは愛犬とのコミュニケーションにも活用できるので、汚れを落とす目的以外にも定期的にやってあげてください。2〜3日に1回の頻度でブラッシングしてあげるのがおすすめです。
シャンプーを使わずお湯だけで洗う
シャンプーを使わずにお湯だけで洗うのも対処法のひとつです。お湯だけであれば、敏感な犬の肌に負担をかける心配もありません。シャンプーを行うときと同様、お湯の温度は37〜38℃に設定して犬がやけどしないよう配慮してください。
濡れたタオルやシートで体を拭く
濡れたタオルやシートを使って犬の汚れを取る方法もあります。雨の日の散歩は、足の裏やお腹の毛に泥がつきやすいです。綺麗に拭きとってあげれば、外の汚れを室内に持ち込む心配はありません。
濡れたタオルで拭いた後、水滴が少し残っているようなら乾いたタオルで拭いてあげるか、ドライヤーで毛を乾かしてあげましょう。
ドライシャンプーで洗う
お湯を使って体を濡らすシャンプーは、犬に負担がかかりますが、ドライシャンプーなら負担は最小限に留められます。
犬用のドライシャンプーは商品によって特徴は異なりますが、主に泡・スプレー・パウダー・ボディーシートの4種類です。泡やスプレータイプの商品は、汚れを落とす力が強いのでおすすめです。
犬種でシャンプーの頻度は異なる?ポイントを解説
犬種によって適切なシャンプーの方法が異なるため、愛犬に合った洗い方を実践することが重要です。犬種別に、どのようなシャンプーのやり方が適切なのかポイントを細かく解説していきます。
長毛種の場合
長毛種の場合は、毛が多く汚れが付着しやすい傾向があります。そのため、シャンプー頻度は通常よりも少し多めにするのがおすすめです。長毛種は主にマルチーズやゴールデンレトリバーなどが該当します。
日頃のブラッシングだけでは汚れを落とすのが難しいので、汚れ具合を見極めて適切なタイミングでシャンプーしてあげてください。また、長毛種はドライヤーで乾かすときに毛玉になりやすいです。ブラシをうまく使いながら、毛玉にならないよう配慮してあげましょう。
短毛種の場合
短毛種の場合は、毛が短いことから皮膚が弱い傾向にあります。そのため、必要以上にシャンプーをせず、状況によっては頻度を少なくすることが重要です。短毛種はチワワやミニチュアダックスフンドなどが該当します。
また、シャンプーのときに皮膚に負担がかからないよう、皮膚を保護する成分配合のシャンプーや低刺激のシャンプーを選ぶのがおすすめです。
ダブルコートの場合
毛が二重構造になっているダブルコートは、無駄なアンダーコートをブラッシングで除去してからシャンプーする必要があるでしょう。アンダーコートとは下毛のことで、主に柴犬やコーギーなどに生えています。
不要なアンダーコートを除去しないと、シャンプーが毛の根元まで届かず、皮脂汚れが除去できない可能性があるでしょう。綺麗に汚れを落とすためにも、事前に入念なブラッシングを行うことが大切です。
短頭種の場合
比較的皮脂の分泌量が多いと言われている短頭種の場合は、汚れが蓄積しやすいのでシャンプーの頻度は多めにしたほうが良いでしょう。
特にシワが多い顔周辺は汚れが溜まりやすいので、スポンジやタオルなど柔らかい物を使って、丁寧に除去してあげてください。事前にスポンジやタオルを濡らしておけば、綺麗に汚れが落とせます。
乾燥肌や脂漏症の場合
乾燥肌や皮脂の量が多い脂漏症の犬は、それぞれ適したシャンプーを利用する必要があります。乾燥肌用シャンプーや脂漏症シャンプーが販売されているので、愛犬の肌の状態が気になる方は一度使ってみてください。
ただし、専用のシャンプーを使っても症状が緩和されない可能性があります。そんなときは、一度獣医師に治療法を相談してみてください。
適切な頻度のシャンプーで愛犬を清潔に保とう
見た目には汚れていないと思っていても、日頃の散歩などで犬の体には汚れが蓄積されていきます。汚れを放置すると、皮膚トラブルや病気などの原因になることがあるため、適切な頻度のシャンプーが必要です。
ただし、嫌がる愛犬を無理やりシャンプーしては、苦手意識がついてしまう原因になりかねません。嫌がるときは、別の日に回したりおやつをあげてご機嫌をとったり、楽しくシャンプーできるよう工夫してみてください。
愛犬の健康を維持するためにも、定期的なシャンプーで清潔に保ってあげましょう。
執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季
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