「愛犬が肥満になって心配」
「犬が太ってしまう原因は?」
「愛犬の肥満予防はどうすればいい?」
こんな悩みや疑問を持つ飼い主の方も多いのではないでしょうか。犬の肥満の原因はさまざまありますが、主に普段の食生活や運動不足が起因している可能性があります。
犬は一度肥満になると、簡単に痩せられないので注意しなくてはなりません。そのため、太らないための予防法を理解する必要があります。今回は、犬の肥満の原因や予防について解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
肥満の犬は寿命が短くなる?太るリスク
愛犬が肥満になったとき、心配なのは病気のリスクです。肥満は以下のような病気を発症させるリスクがあります。犬の寿命を縮めてしまう原因にもなりかねないので、日頃から太り過ぎには注意が必要です。
肥満によって引き起こされる可能性がある病気には、以下のものがあげられます。
- 関節炎
- 呼吸器疾患
- 椎間板ヘルニア
- 心臓病
症状によっては歩くことが困難になる恐れがあるので、病気になる前に肥満を解消させることが大切です。
犬の肥満チェック方法
愛犬が太ってきたと気になったときには、「ボディ・コンディション・スコア(BCS)」という9段階の体型指標で肥満のチェックが可能です。犬の体の状態を見たり触ったりすることで、愛犬の肥満度を客観的に判断できます。
犬が肥満になる3つの原因
犬の体重が増えて肥満に陥ってしまうのは、どのような原因が考えられるでしょうか。愛犬が肥満にならないためにも、原因を特定して予防する必要があります。主に考えられる肥満の原因は次のとおりです。
- 日頃の運動不足
- 普段から食事を与えすぎ
- 去勢・避妊手術による影響
肥満の原因について、具体的に確認していきましょう。
日頃の運動不足
犬は毎日の散歩で代謝を上げて、脂肪を燃焼させます。そのため、普段から散歩時間が短い、散歩に行かない日があるなど、定期的な運動をさせないと肥満になる恐れがあるのです。
また、犬は外の景色を見て脳が刺激されることで、日頃のストレスを解消させています。散歩に行かない日があれば、徐々にストレスが蓄積されていき、体調不良の原因にもなるのです。大切な愛犬を肥満にさせないためにも、毎日の散歩を欠かさないようにしましょう。
普段から食事を与えすぎ
犬は人間と同じように、食べすぎると脂肪が蓄えられて肥満になる可能性があります。肥満を予防するためにも、普段から与えるドッグフードやおやつの量は制限し、適切な量だけをあげるようにしましょう。
特に脂質の多い食事は太る原因になるので、人間の食事を与えるなどの行為は危険です。肥満になるだけでなく病気になるリスクも高まるので、与える食事は犬にとって体に良い物にしてあげてください。
去勢・避妊手術による影響
去勢・避妊手術を行った場合、ホルモンバランスの影響で基礎代謝が下がることがあります。そのため、手術前と同様の食事量や運動量でも肥満になる可能性があるので注意が必要です。
去勢・避妊手術を行った後は1日に必要な摂取カロリーが少なくなるので、以前よりも食事量を減らすことが肥満予防に効果的です。
犬が急に太ったときは病気の可能性がある
日常に潜んでいる犬の肥満の原因について紹介してきましたが、実は病気を発症したことが原因で急激に太ることがあります。犬が急激に太る原因で考えられる病気は、次のとおりです。
- 副腎皮質機能亢進症
- 甲状腺機能低下症
- 肝臓疾患
- 循環器疾患
どのような病気なのか、詳しく紹介していきます。
副腎皮質機能亢進症
副腎と呼ばれている臓器から分泌されているホルモン物質が過剰な反応をする病気が「副腎皮質機能亢進症」です。症状としては、お腹が膨れたように張っていき、体がたるんでいるように見えます。
一見すると肥満になっているように見えるので、急激に太ったと感じたときは病気のリスクが考えられるでしょう。違和感を覚えたときは、速やかに獣医師に相談してください。
症状は他にも、水をよく飲んだり毛が抜けたりします。症状が進行すると、足腰が弱くなるなどが考えられるので、愛犬の様子がおかしくないかチェックしてあげてください。
甲状腺機能低下症
甲状腺の機能が低下する病気で、急激に太るなどの症状が出ます。動きも鈍くなる傾向があり、活発な行動が見られなくなるといった症状です。
いつも元気に遊んでいる愛犬が急に大人しくなったときは、いつもより気をつけて様子を見てあげてください。明らかに元気がないときは、動物病院で診察してもらうことをおすすめします。
他にも毛が抜けて皮膚が見える症状が出ることがあるので、抜け毛が多いときも注意が必要です。
肝臓疾患
肝臓の機能が何らかの原因で低下すると、肥大化することがあります。そのため、犬のお腹が膨らんで見えると肝臓疾患が発症している恐れがあるでしょう。
肝臓疾患は悪化すると肝不全を引き起こし、腹水が溜まることがあります。それが原因でお腹が膨らみ肥満に見えることがあるのです。急激に太った、お腹が張っているなどの異常が発生しているときは、速やかに動物病院で診察してもらってください。
循環器疾患
心臓病を発症していると、腹水が溜まることがあります。そのときにお腹が張って、肥満のように見えることもあるのです。
犬の調子がいつもと違ったり活発な動きが見られなかったりなど、違和感を覚えたときは、病気の可能性があるので注意してください。
愛犬の肥満予防【食事編】
ここからは、愛犬の肥満を予防する方法について解説していきます。食事面での主な予防方法は以下のとおりです。
- 適正な量の食事を与える
- ドッグフードを変える
- 食事を複数回に分けて与える
具体的にどのような予防法が効果的なのか、詳しく解説していきます。
適正な量の食事を与える
毎日の食事量は、犬のサイズによって異なります。適正な量を見極めて、肥満にならないよう与えすぎに注意することが大切です。
しかし、愛犬の適正な食事量がわからない方も多いでしょう。そんなときは、最寄りの動物病院に足を運び、獣医師に相談してみてください。獣医師であれば愛犬の犬種やサイズに合わせて、食事の適正量を見極めてくれます。
ただし、普段の食事よりも急激にドッグフードの量を減らすと、ストレスの原因になる恐れがあるので気を付けてください。
ドッグフードを変える
現在、愛犬に与えているドッグフードのカロリーや脂質が多い場合は、他の商品に変更しましょう。肥満予防のためには、低カロリー商品の選択が効果的です。
おすすめは、炭水化物よりもタンパク質が多い商品です。高タンパクな食事であれば、筋肉がつきやすくなるので脂肪を燃焼させやすくなります。
食事を複数回に分けて与える
愛犬が肥満にならないためとはいえ、普段の食事量を急激に減らしてしまうと、ストレスに繋がります。満腹感が得られるように、さまざまな工夫を施し、愛犬が不満を抱かない対応を心掛けてください。
ストレスを緩和させながら肥満を予防するには、食事を複数回に分けて与える方法がおすすめです。摂取カロリーを増やさないよう1回あたりの食事量を減らしながらも、与える回数を増やしていけば十分に満腹感が得られるでしょう。
愛犬の肥満予防【運動編】
愛犬を太らせないためには、食事面だけでなく運動面にも対策を講じておくことが大切です。定期的な運動は消費カロリーを増やし、脂肪をしっかり燃焼させてくれます。運動面で肥満を予防する主な方法は以下のとおりです。
- 散歩時間を見直す
- 屋内でも運動させる
- 運動できるイベントに参加する
具体的にどのような予防法が効果的なのか、詳しく解説していきます。
散歩時間を見直す
愛犬を肥満にさせないためには、毎日散歩しましょう。愛犬のサイズによって適切な散歩時間は異なるので、事前に把握しておくことが大切です。散歩時間が短いと肥満に繋がり、長いと体への負担になる可能性があるので注意してください。
屋内でも運動させる
雨の日など天気が悪い日は、散歩に行けないときがあります。しかし、そのまま散歩に行かないのは運動不足の原因になるので、屋内で運動させる必要があるのです。
例えばボールを使った遊びをするなど、飼い主さんと愛犬が一緒に遊べる方法を検討しておきましょう。一緒に遊ぶ時間を設ければ、愛犬とのコミュニケーションに繋がります。
運動できるイベントに参加する
愛犬と一緒に遊べるイベントが、各所で開催されていることがあります。例えばドッグヨガやドッグダンスなどは、飼い主さんも一緒に運動できてコミュニケーションの機会が増えるのでおすすめです。
また、一度イベントに参加すれば、ヨガやダンスのやり方が覚えられるので自宅でも実践できます。屋内でもできる運動方法について知りたい方は、一度イベントに参加してみてください。
犬の肥満にまつわるQ&A
最後に、犬の肥満について多くの方が持っている疑問をまとめました。Q&A形式で解説しているので、参考にしてください。
太りやすい犬種はいますか?
狩猟犬や牧羊犬などの犬種は遺伝的に運動量が多い傾向にあるので、散歩時間は長めに確保しないと太りやすい傾向にあります。反対に運動量が少ない小型犬などは、散歩時間が長すぎると体に負担がかかるため注意が必要です。
年齢を重ねると太りやすいですか?
基本的にシニアと呼ばれる年齢になると、運動量が少なくなります。そのため、自然と運動不足に陥って肥満になるリスクは高くなるでしょう。シニアでも運動しやすいよう、犬専用プールなどを利用して足腰に負担がかからない運動をさせることが大切です。
高齢になってくると、散歩をするのも大変になってきます。少しでも調子が悪いと感じたときには、散歩を中断するといった対応も重要です。その代わり、屋内でも遊べるような工夫を施し、慢性的な運動不足に陥らないよう対策してあげましょう。
小型犬のほうが太りやすいですか?
大型犬などの体のサイズが大きい犬種の場合は、食事量が多くても太りにくい可能性があります。しかし、小型犬の場合は、体のサイズが小さいので与える食事量が多いと太りやすい傾向にあるでしょう。
適正な量の食事量を見極めて与えすぎに注意してください。適正な量の食事がわからないときは、一度獣医師に相談してみましょう。愛犬の体のサイズから、どの程度の食事を与えれば良いのかアドバイスを与えてくれます。
愛犬が肥満にならないように予防しよう
肥満は犬の病気のリスクを高める危険なものです。犬が肥満になる主な原因は、運動不足や食事の与えすぎです。毎日の散歩を欠かさず行い、与えるドッグフードの量は適正に調節することが肥満予防に繋がるでしょう。
また、年齢を重ねると足腰が弱くなり、運動不足に陥る可能性が高くなります。そんなときは犬専用プールなどを利用して、できるだけ体に負担がかからない方法で適度な運動をさせてください。
食事面や運動面で肥満予防を行い、愛犬が健康的な毎日が過ごせるよう配慮していきましょう。
執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季
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