一人暮らしで犬を飼うのは無理? 条件や必要な準備・心構えを解説

一人暮らしの方は犬を飼うといっても、「何を準備すれば良いのかわからない」「一人で犬の世話をできるの?」という疑問や不安が多いはずです。犬を飼うには責任が伴うため、事前準備や心構えをしっかり理解しておかなくてはなりません。

そこで今回は、犬を飼う検討をしている一人暮らしの方に向けて、必要な準備や心構えをお伝えしていきます。最後まで読んでいただければ、一人暮らしで犬を飼う疑問や不安が解消できる内容になっているので、ぜひ参考にしてください。

一人暮らしで犬を飼う必須条件

一人暮らしで犬を飼うなら、犬を引き取る前に満たしておくべき条件があります。条件を満たさないと、途中で犬を手放さないといけなくなる恐れがあるので、事前に把握しておくことが大切です。

一人暮らしの方が犬を飼う必須条件には、次のようなことが考えられます。

  • ペット可物件に住んでいる
  • 犬を飼う経済的な余裕がある
  • 責任を持って飼い続ける気持ちがある

具体的にどのような条件を満たす必要があるのか、詳しく解説していきます。

ペット可物件に住んでいる

マンションやアパートなどの賃貸物件では鳴き声や臭いトラブルを回避するため、犬などのペット飼育を禁止していることが多いです。知らずに犬を飼うと住民トラブルに発展し、最悪の場合は退去を命じられる可能性があります。

そのため犬を飼う前に、住んでいる賃貸物件はペット可物件なのか確認しておいてください。また、ペット可物件だからといって、全ての犬が飼えるわけではありません。大型犬の飼育はできないなど、制限が設けられていることがあります。

他にも、事前に管理組合への届け出が必要などの条件が課せられている場合もあります。賃貸物件で犬を飼うなら、前もって賃貸借契約書の内容を確認したり管理者に問い合わせたりして、条件や制限について確認しておきましょう。

犬を飼う経済的な余裕がある

犬をペットショップやブリーダーから購入する場合、生体価格として5〜30万円程度はかかります。さらに、日頃の食事代や病院代なども毎月かかってくるため、犬の飼育にかかる費用を捻出する経済的な余裕がなくてはいけません。

そのため、犬を飼い始める前に初期費用やランニングコストがいくらかかるのかを、しっかりと把握しておく必要があります。

責任を持って飼い続ける気持ちがある

2020年12月23日に「一般社団法人 ペットフード協会」が発表した「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査結果」では、犬の平均寿命は14.48歳と言われています。それだけの長い時間を共に過ごすとなれば、さまざまな責任が伴うでしょう。

若いときは元気で健康な犬でも、年齢を重ねると病気をしたり一人では排泄できなくなったりすることがあります。その場合、頻繁に病院へ連れて行くことはもちろん、オムツを履かせるなどの排泄処理も必要になるでしょう。

介護の必要性などを理解した上で、一人暮らしの環境でも飼えるのかを考えておくことが大切です。

一人暮らしで犬を飼うときに必要な事前準備と心構え

一人暮らしの環境で犬を飼うには、次のような事前準備や心構えが重要です。

  • 仕事中の飼育環境を整える
  • 万が一のために預け先を用意しておく
  • 毎日の世話をする時間を確保しておく
  • しつけトレーニングを行う必要がある

それぞれを詳しく確認していきましょう。

仕事中の飼育環境を整える

一人暮らしの場合、仕事中は犬だけを家に残した状態になります。刃物や尖った物などを犬が触れる可能性のある場所に放置しておくと、ケガや事故の原因になるため危険です。

また、小物やゴミなどは誤飲してしまう危険があるため、犬の目が届かない場所に隠しておく必要があります。より安全面に配慮するなら、サークルを設けて行動範囲を定めておくのもおすすめです。

他にも、家のお留守番カメラなどを使って、外出先からでも様子がわかる機器を利用する方法もあります。仕事で家を空けているときも犬が安心して過ごせるよう、ケガや事故を防ぐ対策を考えておきましょう。

万が一のために預け先を用意しておく

事故や病気などで、どうしても家に帰れないという事態は誰にでも起こりえることです。場合によっては、数日帰れなくなることもあるでしょう。こんなとき、一人暮らしだと犬の世話ができなくなってしまいます。

そこで万一に備えて、犬を預けられる人やサービスを見つけておくことが重要です。家族や友人が近くに住んでいる場合は、事前に相談しておくと安心して犬の面倒を任せられるでしょう。

近くに預ける人がいない場合は、ペットホテルの利用が一般的です。費用は設備やサービスで異なりますが、3,300〜16,500円程度です。ペットホテルも近くになければ、かかりつけの動物病院に相談してみてください。預かりサービスを提供しているケースもあります。

毎日の世話をする時間を確保しておく

犬を飼うと食事やトイレ掃除、散歩など世話をする時間を確保しなくてはなりません。食事やトイレ掃除はもちろん、毎日の散歩は犬にとってストレスを解消するために重要です。犬はストレスを溜め込むと、部屋を荒らしたり物を噛んだりしてしまいます。

犬を世話する時間を確保できるかは、毎日のスケジュールを書き出してみると確認しやすいです。自分のライフスタイルを見える化することで、犬の世話ができるのかを判断できるでしょう。

しつけトレーニングを行う必要がある

犬を飼うなら、毎日のしつけトレーニングは欠かせません。しっかりしつけをしていないと、人に飛びかかってしまう危険もあります。特に「待て」や「お座り」などの基本的なしつけは、散歩の際に周囲へ迷惑をかけないために必要です。

また、しつけトレーニングは子犬の頃からしっかり行っておきましょう。成犬になってからのしつけは難しく、言うことを聞いてくれない可能性があります。自身でのしつけが難しいと判断したときは、しつけ代行や訓練教室などの利用を検討してみてください。

一人暮らしで犬を飼うメリット

ここまでお伝えしてきたように、一人暮らしで犬を飼うと大変なことも少なくありません。しかし、一人暮らしの方が犬を飼うメリットも多くあります。どのようなメリットがあるのかを具体的に紹介していきましょう。

犬が心を癒す存在になってくれる

一人暮らしの場合、仕事から家に帰っても出迎えてくれる人がいないため寂しい気持ちになることも多いでしょう。でも犬を飼えば、嬉しそうにしっぽを振って玄関で出迎えてくれたり甘えてくれたりと、寂しい気持ちを軽減してくれます。

犬は一人暮らしの孤独や寂しさを埋めてくれる家族のような存在です。一緒に過ごしているだけで毎日の疲れた心を癒してくれて、悩みやストレスの解消に繋がるでしょう。

生活のリズムが整う

一人暮らしで生活していると、休みの日はいつもより遅く起きるなど、不規則な生活リズムになりがちです。生活リズムが乱れると、体調不良の原因になる恐れがあります。

犬を飼えば散歩や餌やり、掃除など毎日の時間管理が必要になってくるので、生活リズムが規則的になりやすくなるでしょう。生活リズムが整えば、寝不足や肌荒れの心配が少なくなります。犬の生活に合わせれば、心身ともに健康的な毎日が送れるでしょう。

新たな交友関係につながる

犬を飼えば、毎日散歩に出かけるようになります。今まで行かなかったような場所まで足を運ぶことがあり、接点がなかった方とお話をする機会があるかもしれません。

他にも病院やドッグカフェに行けば、他の飼い主さんとも出会うきっかけがあるので、交友関係が広くなっていきます。

一人暮らしで犬を飼う方におすすめの犬種

一人暮らしで犬を飼うなら、犬種についても理解を深めておく必要があります。特に賃貸物件に住んでいる場合、犬種を意識して飼えばトラブルに発展するリスクを減らせるかもしれません。

一人暮らしで犬を飼う方におすすめの犬種の特徴は次のとおりです。

  • 部屋を広く使わない小型犬
  • 性格が穏やかで無駄吠えが少ない
  • しつけがやりやすい

具体的なおすすめの犬種について解説していきます。

部屋を広く使わない小型犬

一人暮らしの場合は、部屋を広く使わない小型犬がおすすめです。一人暮らしの部屋は、ファミリー向けの物件と比べれば間取りが狭い傾向にあるからです。

大型犬の場合は間取りが狭い環境では部屋を圧迫してしまいます。犬も体の大きさに合わない狭い環境では、ストレスが溜まってしまうでしょう。また、運動量が多く毎日1時間程度の散歩が必要なため、仕事で忙しい一人暮らしの方には不向きな犬種です。

性格が穏やかで無駄吠えが少ない

ペット可物件に住んでいても、無駄吠えが多い犬だと騒音トラブルに発展することがあります。そのため、一人暮らしの場合は隣人に迷惑をかけないよう、無駄吠えが少ない温和な犬種がおすすめです。

具体的には、シーズーやパグ、フレンチブルドッグなどの小型犬があげられます。なかでもシーズーは、運動量が比較的少ないので日頃の散歩にも大きく時間を取られることがありません。一人暮らしの方におすすめできる犬種のひとつです。

しつけがやりやすい

犬種によっては気難しく、しつけに時間がかかることがあります。そのため、仕事で忙しい一人暮らしの方には、しつけがしやすい犬種がおすすめです。

特におすすめしたい犬種としては、トイプードルなどが挙げられます。トイプードルはコミュニケーションが上手で、人の言うことをしっかり聞いて覚える賢い犬種です。トレーニングを短期間で終わらせたい方は検討してみてください。

一人暮らしで飼う犬はどこから迎え入れる?

初めて犬を飼う方は、どこから犬を迎えるのかわからない方もいるでしょう。基本的に、犬を迎え入れる方法としては、次の3つの方法が考えられます。

  • ペットショップ
  • 里親
  • ブリーダー

それぞれの入手方法で、どのようなメリット・デメリットがあるのか表でまとめました。犬を迎え入れるときの参考にしてみてください。

ペットショップでの購入 メリット いろんな犬種と出会える。
迎え入れるときに、ご飯やおもちゃなど必要なグッズを一緒に購入できる。
デメリット 購入費用がかかる。
店員による飼い方のアドバイスが受けられない可能性がある。
里親になる メリット 費用負担がほとんどかからない。
成犬が多いため、部屋の間取りにあったサイズか判別しやすい。
デメリット 犬種が選べないケースが多い。
成犬の場合はしつけがしにくい可能性がある。
ブリーダーから譲り受ける メリット 専門的に特定の犬種を取り扱っているケースが多いため、飼う上でのアドバイスが受けられる。

子犬の頃から育てられる。

デメリット 見学する際には事前予約が求められるケースが多い。
近くにブリーダーがいないときは、遠方まで足を運ぶ必要がある。

一人暮らしで犬を飼うときの上手なお留守番方法

一人暮らしで犬を飼う場合は、家を空ける時間が長いため留守番が重要なポイントになります。犬に安心して留守番をしてもらう主な方法は以下のとおりです。

  • 犬が触って危険な物は置かない
  • 留守番時のしつけを行っておく
  • 不安なときはペットシッターを活用する

具体的な内容について解説していくので参考にしてください。

犬が触って危険な物は置かない

犬を上手にお留守番させるひとつ目のポイントは、触って危険な物はそばに置かないことです。キッチンにある包丁などの刃物は全て棚にしまっておくなど、簡単に触れない場所に保管しておく必要があります。

他にも、小物類やゴミなど小さい物は犬が誤飲する恐れがあります。常に部屋は清潔にしておき、犬が口するような物は置いておかないように室内環境を整えておきましょう。

留守番時のしつけを行っておく

もともと犬は群れて行動する性質があるため、部屋に独り残されているとストレスを感じてしまいます。ストレスを感じた犬は、家具を噛んだり部屋のさまざまな場所で排泄したりすることがあります。

そのため、しつけを生後3ヵ月程度から始めておき、独りの過ごし方を教えてあげることが大切です。例えば独りでも遊べるおもちゃを用意して、飼い主がいないときでも遊べることを教えてあげれば、独りでもストレスを感じない犬にしつけられます。

ただし、いきなりお留守番をさせてしまうと失敗する可能性があるので、子犬の時に少しずつ独りに慣れさせてあげるのが良いでしょう。

不安な時はペットシッターを活用する

子犬の時期は好奇心旺盛で、部屋を探索したり物を噛んだりする傾向にあります。そのため、部屋に独り残しておくのが不安という方もいるでしょう。そんなときは、ペットシッターを活用してみてください。

飼い主が留守をしている間、犬の世話をしてくれるのがペットシッターです。犬の専門家に世話が任せられるので、安心して外出できます。ペットシッターによっては外出先からでも犬の様子がわかるよう、定期的に写真を送ってくれるサービスもあるようです。

一人暮らしで犬を飼うなら持っておきたいアイテム

一人暮らしで犬を飼うなら、事前に準備しておきたいアイテムがいくつかあります。おすすめできる主なアイテムは、次の通りです。

  • ペットカメラ
  • スマートリモコン
  • 自動給餌機

どのようなアイテムなのか、詳しい内容を紹介していきます。

ペットカメラ

外出中に犬が上手にお留守番しているか気になるときに便利なのが、「ペットカメラ」です。自宅にカメラを設置し、スマートフォンのアプリと連動させれば、外出先からでも犬の様子が確認できます。

特におすすめしたいのが、離れた場所からでも犬に声を届けられるスピーカー機能が搭載されているペットカメラです。犬の様子や行動がカメラを通してチェックできるので、安否がしっかり確認できます。

スマートリモコン

季節によっては、日中と夜間では温度差が激しいときがあります。空調を付けて家を出たとしても、時間帯によって適切な温度設定は異なるでしょう。そんなときに便利なのが「スマートリモコン」です。

スマートリモコンは外出先からでも部屋のエアコンや照明が操作できるアイテムで、時間帯に合わせて適切な温度に変更できます。犬が快適に過ごせる室内環境を離れた場所からでも設定できるので、安心してお留守番させられるでしょう。

自動給餌機

家を出るときにご飯をたくさん入れておいても、一気に食べてしまう犬もいます。帰宅するまでご飯が足りない場合もあるので、食事の調整は難しいでしょう。そんなときに便利なのが「自動給餌機」です。

自動給餌機は、事前にセットした時間帯にドッグフードを出してくれるアイテムなので、決まった時間にご飯が与えられます。量の微調整ができるなど機能はさまざまです。犬に合った自動給餌機を選択すれば、適切な食事管理が可能になります。

一人暮らしで犬を飼うときの注意点

一人暮らしの方が実際に犬を飼い始めたときには、いくつか注意しておきたい点があります。主な注意点は以下の通りです。

  • 近隣住民への配慮
  • ご飯をあげる時間帯は統一化する
  • 留守中の部屋の温度管理

具体的にどのような点に注意すべきなのかを解説していきます。

近隣住民への配慮

ペット可物件に住んでいるといっても、夜中に無駄吠えが多いと近隣住民から苦情が入るかもしれません。迷惑をかける不安がある場合は、事前に隣人へ犬を飼うことを伝えておきましょう。

また、防音対策も重要です。床には防音マット、窓付近には防音カーテンなどを取り付けておけば、外に漏れる音を軽減できます。犬を飼うなら近隣住民へ配慮し、節度ある行動を心掛けましょう。

ご飯をあげる時間帯は統一化する

犬にご飯をあげるのは「朝は○時」「夜は●時」など、時間帯は統一しておくことが大切です。犬が要求するからと頻繁にご飯を与えてしまうと、だらだら食べになり肥満の原因になります。

ただし、よく運動をした日などはご飯だけでは満足しないことがあるでしょう。そんなときは、ヘルシーなおやつを選んで、満腹感を与えてあげてください。

留守中の部屋の温度管理

夏や冬など、温度変化が激しい季節は空調を使って、室内の温度管理を徹底する必要があります。特に夏場は適切な室温を保たないと、犬が熱中症になってしまうリスクがあるので注意が必要です。

留守のときでも犬が快適に過ごせる室温が保てるように、スマートリモコンなどを用いるなどの工夫をしましょう。

一人暮らしで犬を飼うなら事前準備しておこう

一人暮らしで犬を飼うためには、ペット可物件を選ぶなど事前準備はしっかり行っておく必要があります。事前準備を怠ると、隣人との騒音トラブルなどに発展する恐れがあるので注意してください。

また、犬が上手に留守番できるのか不安な方も多いはずです。そんなときはペットカメラやスマートリモコンを使って様子を確認する手段も確保しておく必要があります。

一人暮らしで犬を迎えたいと考えている方は、今回紹介した内容をチェックして、どのような準備が必要なのか参考にしてみてください。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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