犬のトイレをしつける方法は? トレーニングのコツや排泄失敗の原因

「犬のトイレはどうしつければいい?」
「犬がトイレを覚えてくれない」
「犬が家中で排泄して困っている」

犬を飼いはじめてトイレのしつけで悩んでいる方も多いはずです。犬がトイレを失敗するたびに「愛犬はこのままトイレを覚えてくれないのでは?」と、心配になるかもしれません。でも、正しい方法でしつけを行えば犬は必ずトイレを覚えてくれます。

今回は犬がトイレを失敗する原因や教える簡単な方法について解説します。犬のトイレのしつけで注意するポイントもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

犬のトイレのしつけが重要な理由

犬のトイレのしつけが重要な理由は、飼い主さんが教えてあげないと家中どこでも排泄してしまうからです。犬には決まった場所だけで排泄する習性がないため、ケージのなかにトイレを用意しただけでは認識できません。

犬が家中で排泄すると、不衛生で臭いもひどくなり、人も犬も快適に暮らせなくなります。そのため、犬のトイレのしつけは、犬が人と暮らす上で欠かせないのです。

犬がトイレを失敗する原因を6つ紹介

犬のトイレをしつけるためには、失敗する原因を理解しておくことが大切です。原因を知ることで、改善にもつながるでしょう。犬がトイレを失敗する主な原因は以下のとおりです。

  • 犬の落ち着かない場所にトイレがある
  • 犬の体の大きさにトイレのサイズが合っていない
  • 犬のベッドとトイレが近すぎる
  • トイレシートが汚れている
  • 飼い主さんに注目してほしい
  • トイレの場所をわかっていない

失敗する原因について詳しく解説していきます。

犬の落ち着かない場所にトイレがある

犬が頻繁に粗相してしまうのは、トイレの場所が落ち着かないのかもしれません。犬は安心できる静かな場所で排泄することを好みます。無防備な姿勢になる排泄時は、身の安全を確保する必要があるからです。犬のトイレが安心できる場所にあるか確認してみましょう。

犬の体の大きさにトイレのサイズが合っていない

愛犬の排泄物がトイレシートからはみ出してしまう場合は、トイレのサイズが合っていない可能性があります。トイレシートは、犬がくるくると回れる広さが必要です。

大きさの目安は、小型犬であればワイドサイズ中型犬にはスーパーワイドサイズが適しています。大型犬の場合は、スーパーワイドサイズを2枚並べて使いましょう。

いつもトイレシートから排泄物がはみ出て困っている飼い主さんは、愛犬の体の大きさに合ったトイレになっているかを確認してください。

犬のベッドとトイレが近すぎる

犬をケージから出した途端に部屋でトイレをしてしまうのは、ベッドとトイレが近すぎるのかもしれません。犬はとてもきれい好きで、自分の寝床であるベッドが排泄物で汚れるのを嫌います

そのため、ベッドの近くにあるトイレで排泄したがらない犬は少なくありません。同じケージ内にベッドとトイレを設置している場合は、一度別々のケージに分けるか仕切りを設けるなど工夫をしましょう。

トイレシートが汚れている

トイレシートが汚れていると、トイレを使いたがらない犬もいます。犬も人と同様に個性や性格はさまざまです。トイレシートが汚れていてもまったく気にしない犬もいれば、足が汚れるのを嫌ってトイレを使わなくなってしまう犬もいます。

犬のなかには汚れたトイレシートを嫌って、別のところでトイレをしてしまうこともあるのです。このような犬の場合は、排泄したらその都度トイレシートを変えることで改善されます。

飼い主さんに注目してほしい

飼い主さんに注目してほしくて、犬はわざとトイレを失敗することがあります。たとえば大切にしているラグやブランケットなどに犬が排泄しているのを見ると、驚いて大きな声を出したり騒いだり過剰に反応してしまうでしょう。

犬は飼い主さんのその反応を見て、「この場所で排泄すると構ってもらえる」と勘違いします。そのため、飼い主さんに注目してほしいときに、わざとトイレを失敗するようになってしまうのです。犬がトイレを失敗したときは、騒がず静かに片付けてください。

トイレの場所をわかっていない

そもそもトイレの場所を認識できていないことが失敗の原因かもしれません。犬にトイレの場所を認識させて、「排泄はこの場所でするものだ」と理解できるように、しつけを一からやり直してみましょう。

犬のトイレのしつけを始める前に用意するもの

犬のトイレのしつけを始める前には、準備が必要です。以下3つの物を用意しておきましょう。

  • トイレシート
  • トイレトレー
  • サークルやケージ

必要な3つの物について詳しく解説していきます。

トイレシートとトイレトレーを用意する

トイレシートとトイレトレーは、犬の体の大きさに合ったものを用意しましょう。トイレトレーはなくても構いませんが、トイレシートを噛んで遊んでしまう場合はあったほうがイタズラ防止になります。

また犬によってはトイレトレーの網目を嫌がる子もいるので、愛犬にあったトイレトレーを選んでください。

サークルやケージを用意する

トイレ用のサークルやケージを用意しましょう。普段、使用している物でも構いません。屋根の付いていないサークルのほうが、ペットシートを変えやすくて便利でしょう。犬がジャンプして飛び出してしまう場合は、屋根付きのケージにしてください。

サークルやケージを選ぶときは、犬がクルクル回れる広さのあるものを選びましょう。市販で気に入ったものが見つからない場合は、100均のワイヤーネットと結束バンドを使って簡単にDIYできます。

犬にトイレを簡単にしつける方法を紹介

犬にトイレを簡単にしつける方法を紹介します。子犬を迎えたら2~3週間ほどでマスターできるように、集中して取り組みましょう。

しつけ方法①犬が排泄しやすいタイミングでサークルに誘導

犬が排泄しやすいタイミングは「寝起き・食後・遊んだあと」です。このタイミングで、子犬をサークルに誘導します。

これらのタイミング以外にも、子犬がクンクンと床を嗅いだり、ウロウロしたりしているときは排泄のタイミングです。素早くサークルに誘導してください。子犬が排泄するまでは、サークルから出さないようにして近くで見守ります。

しつけ方法②犬が排泄を始めたら「ワンツー」の掛け声を

子犬が排泄をしている間は「ワンツー、ワンツー」と声をかけ、コマンドを覚えさせます。子犬の排泄が終わったら、すぐに褒めてオヤツを与えサークルから出して遊んであげましょう

これを根気よく繰り返します。犬がコマンドで排泄できるようになると、旅行や外出先で便利なので必ず覚えてもらいましょう。

犬のトイレのしつけで注意するポイント

犬のトイレのしつけで注意するポイントを紹介します。ポイントを押さえて犬のしつけに取り組んでください。

  • 犬のトイレの近くにラグなどの布製品を敷かない
  • 犬にトイレを失敗させないように観察する
  • 犬がトイレを失敗しても叱らない
  • 犬がトイレを成功したらすぐに褒める

それぞれのポイントについて詳しく紹介します。

犬のトイレの近くにラグなどの布製品を敷かない

犬にトイレのしつけをしている期間は、ふわふわした柔らかい素材のラグやブランケットなどを床に敷かないようにしましょう。犬はふわふわした柔らかい場所を、トイレだと勘違いするからです。

犬の滑り止めの役割を果たすジョイントマットやコルクマットであっても、トイレのしつけが終わるまでは避けたほうがよいでしょう。

犬にトイレを失敗させないように観察する

犬のトイレのしつけは、失敗させないことがもっとも大切です。犬をケージから出しているときは、絶対に目を離さないでください。短時間であっても犬から離れるときは、サークルやケージに犬を入れておきましょう。

犬がトイレを失敗しても叱らない

犬がトイレを失敗しても、絶対に叱ってはいけません。犬は排泄そのものを叱られたと勘違いして、我慢したり隠れて排泄したりするようになってしまうからです。また、大声をあげて驚かせてもいけません。

犬がソファーやカーテンなど驚くような場所で排泄していると、驚いて声をあげたくなってしまうものです。しかし大きな声をあげて犬を驚かせる行為も避けたほうがよいでしょう。犬がトイレを失敗しても静かに片付けてください。

犬がトイレを成功したらすぐに褒める

犬がトイレに成功したら、すぐに褒めてオヤツをあげましょう。犬の短期記憶は、数秒から数十秒の短時間です。時間が経ってから褒めてもトイレのことだとは思いません。

最初はすぐにご褒美のオヤツがあげられるように、犬のトイレの近くで準備しておくとよいでしょう。

犬のトイレのしつけにまつわるQ&A

最後に犬のトイレのしつけにまつわる疑問についてお答えしていきます。

犬のトイレのしつけはいつから始めたらよいですか?

犬のトイレのしつけは、家に迎えた日から始めましょう。これまで説明した通り、犬のトイレのしつけは失敗させないことがもっとも大切です。

迎えた日からトイレシートで排泄ができるようにトイレシートやトイレトレー、サークルを準備しておきましょう。

成犬でもトイレのしつけはできますか?

成犬であってもトイレのしつけはできます。トイレのしつけは、子犬も成犬も同じ方法です。犬によって個体差はありますが、子犬に比べ成犬はトイレを覚えるまでに時間がかかります

一度ついてしまった習慣を変えるには、それなりに時間がかかるものです。犬が失敗しても焦ることなく根気よく続けていきましょう。

犬の食糞はやめさせられますか?

犬の食糞は、やめさせられます。犬の食糞は子犬によく見られる本能的な行為で、異常行動ではありません。犬の食糞のおもな原因は、栄養不足や好奇心、飼い主さんの気を引きたいなどが挙げられます。

犬の成長とともに落ち着き、見られなくなる場合がほとんどです。ただし放置すると習慣になってしまう場合があるので、早めに対処する必要があります。

犬のトイレは失敗させないように根気よくしつけよう

今回は犬のトイレのしつけ方法と失敗する原因、注意するポイントについてお伝えしてきました。犬のトイレのしつけは、人と犬が快適に暮らすために欠かせないものです。

犬にはトイレで排泄するといった概念がありません。人が排泄してほしい場所を犬に教えてあげる必要があるのです。犬にトイレを失敗させないように気をつけ、根気よく教え続ければ必ず犬はトイレを覚えてくれます。

犬が快適に排泄できるトイレの環境を整えてしつけを始めましょう。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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