「犬の散歩は毎日するべき?」
「犬はどれくらい散歩させればいいの?」
「子犬はいつから散歩できる?」
初めて犬を飼う方は、散歩について多くの疑問や不安を持っているでしょう。散歩は犬にとって欠かせないものです。しかし、適切な時間や回数は、犬種や体の大きさ、年齢によって異なります。そのため、愛犬に合った散歩のルールを見つけなくてはなりません。
そこで今回は、犬の散歩時間の目安や注意点について解説していきます。また、必要なグッズや子犬の散歩デビューのタイミングについてもお伝えするので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
犬にとって散歩が必要な理由
犬に散歩が必要なことは多くの方が認識しています。しかし、どうして犬が散歩を必要としているかを知っている方は少ないはずです。犬が散歩を楽しみにしている主な理由として、以下のことが考えられます。
- 生まれ持った本能
- 運動不足の解消
- ストレス解消
なぜ犬にとって散歩が必要なのか、詳しく解説していきます。
生まれ持った本能
犬はオオカミが先祖であると言われています。そのオオカミは、群れで生活する本能を持っているのです。その本能から犬は、社会性を求めて他の犬と交流するために散歩を求めていると考えられています。
実際に犬をドッグランに連れていくと、他の犬と楽しく遊ぶ姿が見られるでしょう。これは社会性を求めて、犬同士が交流を深めているのです。また、外出すれば五感が刺激されます。この刺激を求めて犬は、散歩に出かけたがるのです。
運動不足の解消
犬も人間と同様に、定期的に散歩をしないと運動不足に陥ってしまいます。運動不足は病気になるリスクが高く、糖尿病や関節炎などの原因につながるため危険です。
また、散歩に行かないと脳への刺激が少なくなり、年齢を重ねたときに認知症になってしまうリスクが高くなります。散歩は五感が刺激されることから脳に良い影響を与えてくれるのですが、回数が少ないと脳は活発化せずに衰えてしまうのです。
健康的な肉体を維持するためにも、犬には定期的な散歩が必要となります。
ストレス解消
犬は人間と一緒に暮らす場合、ほとんど同じ場所・同じ環境で過ごしています。そのため、刺激が少なく退屈な気持ちを抱えている飼い犬も少なくありません。
犬は刺激が少ないと徐々にストレスを溜め込んでしまいます。そして、家の中のものを噛んだり壊したり、病気がちになったりしてしまいます。
散歩をすれば、外の景色を見たり他の犬と交流したりなどで、退屈な気持ちが解消されるでしょう。ストレスを溜め込まないためにも、定期的な散歩が必要なのです。
犬の散歩時間の目安
犬にとって散歩は、運動不足の解消やストレス発散の手段として欠かせないものです。ただ、初めて犬を飼う場合、どれくらいの散歩時間が必要なのか知らない方も多いでしょう。
犬の散歩時間は、犬の大きさによって目安が異なります。小型犬・中型犬・大型犬それぞれの散歩時間の目安について解説していきます。
小型犬の散歩時間の目安
犬の中でも体のサイズが小さい「小型犬」の散歩時間は、1日に1〜2回程度、時間にして1回30分以内が目安です。体が小さいため、長時間の散歩は必要ありません。反対に長時間の散歩は小型犬には負担になるため、適度な散歩距離・時間に留めておきましょう。
小型犬は、チワワやミニチュアダックスフンド、トイプードル、パグなどが代表的な犬種です。
中型犬の散歩時間の目安
平均的な大きさの「中型犬」の散歩時間は、1日に2回程度、時間にして1回30〜40分程度が目安です。散歩距離にすると2km程度が目安になります。
小型犬と比べれば、やや長い散歩時間が必要です。しかし、犬によって運動量は異なります。犬の様子を確認しながら、無理をさせない程度に散歩を切り上げるようにしましょう。
中型犬は、ボーダーコリーや柴犬、スタンダードダックスフンド、コーギーなどが代表的な犬種です。
大型犬の散歩時間の目安
体のサイズが大きい「大型犬」の散歩時間は、1日に2回程度、時間にして30~60分程度が目安です。散歩距離にすると2~4kmが目安になります。
大型犬は体が大きい分、運動量も中型犬よりは多いです。しかし、運動のさせすぎは関節部分に負担をかける結果に繋がります。ある程度の運動は大切ですが、走らせるなどの激しい運動のさせすぎには十分注意が必要です。
大型犬は体の大きさから、股関節形成不全などの病気にかかるリスクがあります。過度な運動から発症する恐れがあるので、犬の様子を見ながら無理させない程度の散歩を心掛けましょう。
大型犬は、秋田犬やラブラドールレトリーバー、ダルメシアンなどが代表的な犬種です。
子犬の散歩デビューはいつから?
活発な子犬の時期は、屋内で生活しているとストレスが溜まって家具などにイタズラをしてしまうことがあります。そのため、すぐに散歩に連れて行きたいと考えるかもしれません。しかし、子犬の散歩デビューのタイミングは、基本的にワクチンを3回摂取してからです。
子犬は免疫が安定していないため、ワクチン摂取していない状態で外に出すと感染症などのリスクが高まります。ワクチンを3回摂取した後、14日以上は様子を見て問題ないと判断してから散歩をさせましょう。
また、子犬の頃は外に警戒心を抱いている傾向があるので、ゆっくりと外に慣れさせて社会性を身に着けさせることも重要です。リードを着けて散歩をさせる前に、キャリーバッグに入れた状態で外を歩き、景色に慣れさせてから散歩するのがおすすめです。
犬の散歩に必要・便利なグッズ
初めて犬を散歩させるとき、何が必要なのかわからない方も多いはずです。そんな方のために、犬の散歩に必要・便利なグッズを紹介します。主なグッズは、次のとおりです。
- 首輪やリード
- ウェストポーチ
- ビニール袋やお水
なぜ散歩に必要なのか、詳しくお伝えしていきます。
首輪やリード
散歩の必需品とも言えるグッズが「首輪」と「リード」です。首輪は犬の首を締めすぎないために、柔らかい素材のものが良いでしょう。硬い素材だと、引っ張ったときに犬が苦しいと感じてしまうことがあります。
また、リードは飼い主が持ちやすく、ある程度の長さは伸びるタイプの物がおすすめです。最初からリードが長いと、犬が離れてしまったときに心配になります。長さが調整できるタイプなら、状況に応じてリードの長さが変えられるので安心です。
ウェストポーチ
犬の散歩をさせるとき、リードを持つ必要があるため片手しか空きがありません。ウンチを入れるための袋やスコップを手に持つと、いざというときに両手が自由に使えず困ってしまうことがあります。
そんなときに持っておくと便利なのが、ウエストポーチです。ウエストポーチなら、さまざまなグッズをポーチの中に入れられるので、片手を空けた状態で散歩できます。
ビニール袋やお水
散歩中に犬がおしっこやウンチをしたとき、飼い主が後始末をしなくてはなりません。そのために必要なのが、ウンチを入れるビニール袋やおしっこを流すためのお水です。
散歩マナーとしてトイレ処理は重要なので、忘れずに持っていくようにしましょう。このときにウエストポーチがあると、便利に収納できるのでおすすめです。
上手な犬の散歩方法
初めて犬を散歩させる場合、うまく散歩させられるか不安な方もいるでしょう。そんな方のために、上手な犬の散歩方法について紹介していきます。
犬が歩くポジションを決めておく
犬を散歩させるときは、自分から見て右か左、どちらを歩かせるかポジションを決めておく必要があります。左右どちらでも問題ありませんが、右利きの方は左側に犬を歩かせたほうが良いでしょう。犬のトイレ処理を行うとき、利き手のほうがやりやすいからです。
利き手が塞がっていると、作業するときに不便になります。利き手が空くように、犬が歩くポジションを決めておくのがおすすめです。
しつけをしながら散歩をする
しつけをしながら散歩をするのも、上手な方法のひとつです。例えば、飼い主が止まったときに犬も一緒に立ち止まるよう訓練すれば、犬が交通事故に巻き込まれるリスクが低くなるでしょう。
具体的なしつけ方法としては、飼い主が止まったときに犬も一緒に立ち止まってくれるか確認します。その後に、動き出しの合図として「GO」や「行こう」といった声かけをしましょう。
しつけを守ったときにご褒美としておやつをあげれば、次回からも犬が楽しみながら訓練を行ってくれます。
犬がより楽しめる散歩方法
散歩は犬にとってストレスを解消する大切な時間です。そのため、犬がより楽しめる工夫をしてあげることも飼い主の役割のひとつといえるでしょう。ここでは、おすすめの散歩方法について詳しくお伝えしていきます。
散歩ルートを変える
犬が楽しめる散歩方法のひとつが、散歩ルートを変えることです。新しい散歩ルートに行くことで脳が刺激されて犬がいつもより楽しいと感じてくれることがあります。飼い主も新しい場所を歩くことで、犬と一緒になって楽しめるはずです。
ただし、慣れない散歩ルートを不安がる犬もいるので注意してください。犬が引き返そうとしたときは、無理をせずに普段と同じルートで散歩を楽しみましょう。
おもちゃを使いながら散歩をする
公園や空き地など犬が遊べる広い場所があるなら、散歩の途中でおもちゃを使った遊びを始めてみてください。場所を広く使った遊びは、開放的な気分になるのでとても喜びます。
このとき、おもちゃを使って「待て」「良し」などのしつけを外で行うのもおすすめです。犬が楽しい気持ちのまま訓練できるので、いつもよりも積極的に言うことを聞いてくれることがあります。
また、広場で遊ばせるときは、リードの長さが調整できるグッズを用意しておきましょう。周りの状況に合わせてリードが調整できるので便利です。
犬を散歩させるときの注意点
犬との散歩は楽しいものですが、いくつか注意しておきたい点があります。注意点を無視して散歩を始めると、トラブルに発展する恐れがあるので気を付けてください。主な注意点は次のとおりです。
- リードはたるませる
- 拾い食いはさせない
- 害虫対策を行っておく
- 他の犬との接触に気をつける
- 季節や気温で時間を調整する
それぞれの注意点を詳しく解説していきます。
リードはたるませる
犬を散歩させるとき、基本的にリードはたるませておきましょう。リードを常に引いていると、犬の呼吸が乱れてしまう恐れがあるので注意が必要です。
また、飼い主がリードを力強く一気に引くと、犬の首に負担がかかってしまいます。犬が苦痛を感じて、散歩嫌いになるリスクがあるので気を付けましょう。常にリードをたるませて飼い主の横を歩かせる「リーダーウォーク」を意識して散歩してください。
拾い食いはさせない
犬は好奇心旺盛であるため、散歩の途中で落ちている物を口にしてしまうことがあります。ゴミや毒性のある植物など、さまざまな物が落ちている可能性があるので注意が必要です。
拾い食いをしてしまうと、その後の散歩でもクセになってしまったりお腹を壊したりしてしまうので、しっかりしつけを行い改善する必要があります。
害虫対策を行っておく
散歩するときに気を付けておきたいのが、「ノミ」や「ダニ」などの害虫対策です。室内飼いでも、散歩のときにノミやダニと接触するリスクがあります。事前に対策を講じておき、犬が寄生されないよう注意を払いましょう。
おすすめの害虫対策は、犬用の虫よけスプレーです。散歩前に虫よけスプレーを犬にかけてあげると安心です。また、蚊が多い時期はフィラリアに感染するリスクがあります。事前に動物病院で予防薬を処方してもらいましょう。
他の犬との接触に気をつける
散歩中に、他の犬と接触する機会は少なくありません。このときに、愛犬が他の犬を怖がっている場合は、速やかに距離を取ってあげてください。一度他の犬に恐怖を感じてしまうと、散歩が怖くなり外出を避けるようになることがあります。
相性が良い犬であれば問題ありませんが、愛犬の様子がおかしいときは接触を避けるように散歩をさせてあげてください。
季節や気温で時間を調整する
犬は体の位置が低いため、地面の熱の影響を強く受けてしまいます。特に夏はコンクリートやアスファルトが、やけどするほど高温になっている場合もあるので注意が必要です。日中は避けて陽が落ちる夕方や夜間に散歩しましょう。
反対に寒い季節の場合は、地面が冷たく長時間の散歩は犬が風邪をひくリスクがあります。服を着せたり時間帯を日中にしたりなど、防寒対策をして散歩させてあげましょう。
犬の散歩にまつわるQ&A
最後に犬の散歩にまつわる以下の疑問にお答えしていきます。
- 老犬の散歩で気をつけることは?
- 雨の日の散歩はどうすればいい?
- 多頭飼いしている場合の散歩は?
- 首輪とハーネストはどっちがいい?
それぞれを詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
老犬の散歩で気をつけることは?
散歩は脳への良い刺激になるので、老犬でも1日に1回は必要です。ただし、年を重ねた犬は足腰が弱っている可能性があるため、歩くスピードや時間には十分に配慮してください。
散歩時間は10分以内にするなど距離を短くして、犬のペースに合わせてゆっくり歩いてあげましょう。犬の様子や健康状態、呼吸の度合いをチェックしながら適切な対応を心掛けてください。
歩くことが難しい場合は、ドッグカートに乗せて外の景色を見せてあげましょう。元気なときであれば、柔らかい芝生の上で少し歩かせてあげるだけで良い運動になります。
雨の日の散歩はどうすればいい?
基本的に、雨の日は無理に散歩しなくても問題ありません。反対に無理して散歩をすると犬が雨に濡れてしまい、体調を崩して風邪をひくリスクが高くなります。
ただし、屋外でしかトイレをしない場合は、カッパなどの雨具を着せて少し歩いてあげることが大切です。家に帰ったらすぐに体を拭いてあげて、風邪をひかないよう配慮してあげましょう。
多頭飼いしている場合の散歩は?
体のサイズや年齢などが異なる犬を多頭飼いしている場合は、1匹ずつ散歩してあげましょう。犬によって適切な散歩時間や距離が違うので、散歩ルートを変える必要があるからです。また複数の犬を連れていくと、それぞれが違う方向に進みケガをすることがあります。
首輪とハーネスはどっちがいい?
基本的に首輪がおすすめです。首輪ならリードを使った、「待て」「進め」などの指示が出しやすくなります。
首輪を嫌がる犬がいるので、自宅で装着して慣れさせてから散歩に出かけてください。首輪を着けたときにおやつをあげて褒めるなど工夫をすれば、上手に着けられます。
老犬になってくると、首輪を着けての散歩は首への負担が大きくなります。そのため、ハーネスに変更して首への負担を軽くしてあげましょう。また、ハーネスにすれば犬の体が支えられるため、足元がフラフラしたときでも転倒から身を守ってあげられます。
愛犬に無理をさせず楽しく散歩しよう
散歩は犬がストレスやエネルギーを発散させる大切な時間です。しっかりと運動をさせることで、健康維持にもつながります。
ただし、散歩の際には拾い食いや害虫対策、気温に合わせた配慮が必要です。十分に注意しないと犬の体調不良の原因になる恐れがあります。
犬種や体の大きさ、年齢に合わせて時間を適切に調整し、無理なく愛犬に楽しい散歩をさせてあげましょう。
執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季
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