柴犬の性格や特徴は? 飼い方のコツや気をつけたい病気・迎えれる方法

柴犬と聞くと昔から共に生活をしてきた日本人とは縁のある犬種、というイメージが強いのではないでしょうか。中には警戒心が強くしつけが難しそうである、といったネガティブなイメージがある方もいると思います。

しかし、柴犬はクリクリとした愛らしい大きな黒目やコロンとした体型から多くのファンが存在しています。

この記事では実際に柴犬と暮らす上でどのようなことに気を付けるべきなのか、柴犬の性格や特徴、気をつけたい病気や飼い方まで紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

柴犬の性格や特徴まとめ

柴犬は長く愛されてきた犬種ですが、固定概念やイメージから犬種としての特徴を勘違いしている方もいます。

そのため、まずは柴犬という犬種としての性格や特徴など、基本的な情報から紹介していきましょう。

柴犬の性格

柴犬の祖先は猟犬であり、警戒心が強く勇敢です。忠誠心が強く頑固な性格でもあるため、飼い主以外の人とトラブルにならないようにトレーニングをしておく必要があります。

また、柴犬はボール遊びなどの活発な運動を好むため、日常的に散歩や遊びなどの運動を取り入れましょう。

柴犬の歴史

柴犬の祖先は猟犬であるとお伝えしましたが、人は縄文時代から共に暮らしており、1868〜1912年にかけて他犬種と積極的に交配をした過去があります。

しかし、交配を進めるにつれ段々と純粋な柴犬の頭数が減りました。頭数が減ってしまったことに危機を感じ、1928年から柴犬を保護する会が活動を始めます。1936年には柴犬が天然記念物に認定され、柴犬ブームが始まりました。

柴犬の特徴

柴犬は雑種と勘違いされるケースも多く、外見の特徴を知っておき、純粋な柴犬であると判断しなくてはなりません。そのためには、ジャパンケネルクラブが定めたスタンダードと呼ばれるサイズや毛色をあらかじめ知っておくことが必要です。

サイズ

柴犬のスタンダードサイズは体高35〜40cmとされており、オスとメスで多少のサイズ差があります。骨格がしっかりしているため体全体のバランスが良く、巻き尾と呼ばれる背中に向かって丸まっている尻尾が特徴のひとつです。

顔つきは凛としており、目元が少し釣り気味ですが黒目が大きく愛らしい顔をしています。ノズルと呼ばれる鼻部分は長く、耳はピンと立っているのが通常です。

毛色や毛質

柴犬はアンダーコートとオーバーコートと呼ばれる2種類の被毛で覆われており、春と秋には換毛期と呼ばれる抜け毛の多い時期があります。柴犬の毛色は赤、黒褐色、胡麻、黒胡麻、赤胡麻が多く、被毛ケアを徹底しないと皮膚病になりやすいため要注意です。

柴犬の寿命は何歳?小型犬よりも長い?短い?

最近はSNSなどで20歳を越える柴犬も多く、小型犬よりも長生きをしているイメージがある方も多いのではないでしょうか。柴犬の寿命は平均13〜16歳になり、平均寿命14歳の小型犬とほとんど変わらないことがわかります。

とはいえ柴犬は認知症になりやすいともいわれており、高齢になるとトラブルが発生する可能性も少なくありません。

柴犬を家族に迎え入れる3つの方法

柴犬を家族に迎え入れる場合、大きく分けて「ペットショップ」「ブリーダー」「里親」と3つのルートがあります。自分に合ったルートから迎え入れられるように、それぞれの方法について詳しく確認していきましょう。

ペットショップ

ペットショップは初めて犬を家族に迎えるという初心者家庭に向いており、一通りのアイテムをまとめて揃えられるメリットがあります。

デメリットは、店員によって知識に差があることです。そのため、柴犬に対する深い知識がない場合もあります。ただし、購入後も気軽に相談できるのは嬉しいポイントです。

ブリーダー

ブリーダーは何年も特定の犬種を扱っているため、かかりやすい病気や予防法などの必要な情報を熟知している傾向があります。また、両親の顔や性格まで確認できるのが大きなメリットです。

しかし、自宅近くのブリーダーを見つけられるわけではないため、遠くまで足を運ぶ必要があります。

里親

里親として柴犬を迎え入れるためには、それぞれの団体が定めている条件をクリアしなくてはなりません。また、必ず柴犬がいるというわけではないため、タイミングや運も必要です。

里親として柴犬を迎え入れたいのであれば、根気よく気長に運命の出会いが訪れるのを待つようにしましょう。

柴犬と豆柴の違いとは?

柴犬を家族として迎え入れたいと考えている方の中には、豆柴と呼ばれるひと回り以上小さいサイズの柴犬について知りたいという方も多いと思います。

豆柴は柴犬の小さいサイズと認識している方がほとんどですが、正式には豆柴という犬種は存在していません。小さい柴犬同士を交配し、標準サイズよりも小さく産まれているだけで血統書には柴犬と記載されているのです。

実は柴犬には5種類ある

柴犬は大きく以下の5種類に分けられます。

  • 信州柴
  • 美濃柴
  • 山陰柴
  • 縄文柴
  • 川上犬

それぞれの特徴を詳しく解説していきます。

信州柴

信州柴は現在見かける柴犬の9割であると言われており、筋肉質でしっかりとした体型が特徴です。飼い主に従順であり、丸くて可愛らしい顔立ちになります。

美濃柴

美濃柴は柴犬の中でも狩猟犬としての血が濃く、現在170頭ほどしか存在していません。美濃柴は天然記念物に指定されているだけでなく、緋赤な毛色が大きな特徴です。

山陰柴

山陰柴はよく見る柴犬のような巻き尾ではなく、差し尾や太刀尾といった見た目であることが多いです。温厚な性格のためトラブルも少なく、他の種類の柴犬よりも飼いやすいメリットがあります。

縄文柴

縄文柴は縄文時代から生き延びてきた種類というわけではなく、縄文時代の日本犬を再現する目的で交配された柴犬です。縄文柴は現在約300頭存在していますが、強い警戒心と忠誠心を兼ね備えているため初心者には飼うのが難しいともいえます。

川上犬

川上犬はニホンオオカミの血を受け継いでおり、現在約300頭存在しています。信州柴の仲間とされており、手足が長く柴犬よりも一回り大きいのが特徴です。

初心者でも飼いやすいって本当?柴犬の飼い方

柴犬は昔から日本人に愛されてきたため、初心者でも飼いやすい犬種であると聞いたことがある方もいると思います。

しかし実際にはきちんとしたケアやトレーニングも必要になるため、あらかじめ以下の飼い方について学んでおきましょう。

  • 運動量が必要なため散歩を日課にする
  • 社会化期のしつけとトレーニングが必要
  • ブラッシングなどの被毛ケアでコミュニケーションを図る

運動量が必要なため散歩を日課にする

柴犬は運動を好む犬種のため、朝晩30分の散歩は必須です。運動で定期的にストレスを発散しないと無駄吠えや噛み癖などのトラブルに発展するだけでなく、自虐行動を起こす可能性もあります。

家の中であってもボールなどのおもちゃも準備しておき、好きなタイミングで運動ができる環境を整えておきましょう。

社会化期のしつけとトレーニングが必要

柴犬は飼い主に対する忠誠心が強いため、家族の中でも順位づけをするケースがあります。普段からエサを用意している母親のいうことは聞くのに、普段関わらない父親は自分よりも下であると認識し言うことを聞かない、といった行動をとることもあるのです。

そのため柴犬を家族として迎える際には、社会化期と呼ばれる生後3ヵ月頃までに飼い主全員とコミュニケーションをとりましょう。順位づけに失敗するとトラブルに発展するだけでなく、家族として生活するのが難しくなるため要注意です。

ブラッシングなどの被毛ケアでコミュニケーションを図る

柴犬の被毛はダブルコートと呼ばれる2層構造のため、抜け毛が多くブラッシングは欠かせません。また、抜け毛をきちんと取り除かないと、皮膚トラブルになる可能性が高くなります。適切なケアでコミュニケーションを図り、皮膚トラブルを未然に防ぎましょう。

柴犬がかかりやすい病気8選

柴犬だけでなく、犬は犬種によってかかりやすい病気があります。犬種独自の特徴によって偏りがあるため、柴犬を家族として迎え入れる前にかかりやすい以下の病気について詳しく知っておきましょう。

  • 膝蓋骨脱臼
  • アレルギー性皮膚炎
  • アトピー性皮膚炎
  • 外耳炎
  • 緑内障
  • 膿皮症
  • 胃腸炎
  • 怪我などの外相

膝蓋骨脱臼

概要 膝を支えている膝蓋骨が内側や外側に外れている状態
原因 遺伝などの先天的なもの、または怪我や転倒などの後天的なもの
症状 後ろ足を頻繁にあげる、足を気にする様子がある、よくスキップするなど
治療法 鎮痛剤などの投薬、外科的手術

膝蓋骨脱臼はいわゆる「パテラ」と呼ばれる症状ですが、ほとんどの方が小型犬に発生する病気であると認識しているのではないでしょうか。

実際に小型犬がパテラを発症する確率はとても高いですが、柴犬のような活発に運動をする犬種はジャンプなどの衝撃からパテラになりやすいのです。

アレルギー性皮膚炎

概要 アレルゲンによって皮膚が過剰に反応し、炎症してしまう状態
原因 吸引、食事性、ノミ、接触によるアレルゲンとの触れ合い
症状 抜け毛、かゆみ、赤み、など
治療法 アレルゲンの特定、除去

アレルギー性皮膚炎は人間と同じく、特定のアレルゲンに反応して皮膚が炎症するという病気です。

ノミやダニ、ドッグフードに含まれている肉に反応するケースが多く、一度発症すると根気よく治療と向き合う姿勢が重要になります。頻繁に痒そうな仕草をしていたら、早急にかかりつけの病院で診てもらいましょう。

アトピー性皮膚炎

概要 環境中のアレルゲンに反応して皮膚が影響を受けている状態
原因 ノミ、ダニ、花粉などの接触
症状 舐める、噛む、擦り付ける、など
治療法 飲み薬、塗り薬

アトピー性皮膚炎はアレルギー性皮膚炎と似ていますが、アレルゲンの中でも特に皮膚の粘膜に接触した際に過剰反応が出るものを指しています。

そのため食べ物によるアレルギーではなく、ノミやダニなどの環境的なアレルゲンがほとんどです。飲み薬や塗り薬で対処しますが、簡単に完治できる病気ではないため要注意です。

外耳炎

概要 外耳部分が炎症を起こしている状態
原因 ダニ、アトピー、アレルギー、など
症状 痒み、赤み、など
治療法 定期的な耳洗浄

外耳炎は人間と同じく、耳の外耳と呼ばれる部分が炎症を起こしている状態になります。外耳炎になったときは定期的に耳洗浄で清潔な状態を保ち、マラセチアなどの二次感染に発展しないように気をつけましょう。

緑内障

概要 眼圧が上がっている状態
原因 先天性、原発性、続発性
症状 物に良くぶつかる、涙が多い、充血
治療法 内科的治療、外科的治療

緑内障は人間と同じく、目の中の眼圧が上がっている状態を指します。一度緑内障になると完治は難しく、悪化させないために病院で定期的に薬を処方してもらう必要があるのです。

緑内障は進行すると最終的に失明する可能性が高いので、不安な場合は早急に病院で診てもらいましょう。

膿皮症

概要 ブドウ球菌が異常に増えたときに発生する皮膚の病気
原因 ブドウ球菌
症状 赤み、かゆみ、フケ、色素沈着、脱毛など
治療法 飲み薬

膿皮症は常在菌であるブドウ球菌が異常に増加し、対応できずに発生する病気です。体の免疫力が落ちているときに発症しやすいため、日頃から健康を意識した生活が必要になります。

胃腸炎

概要 胃の中で炎症を起こしている状態
原因 食べ物、ストレス
症状 下痢、嘔吐、吐血、血便など
治療法 飲み薬、点滴

犬が引き起こす胃腸炎は、人間のと同じように食べ物やストレスが原因になっていることがほとんどです。子犬の場合、嘔吐や下痢が続くと脱水や低血糖により重体になるケースもあるため、病院で治療をしてもらってください。

怪我などの外傷

概要 擦り傷や切り傷などの外傷
原因 散歩、遊び、お出かけ、など
症状 出血、赤み、皮膚の外傷
治療法 塗り薬、外科的手術など

柴犬は散歩が必須なため、擦り傷や切り傷などの外傷を患うケースも少なくありません。外傷に気がついたときはきちんと洗い流し、菌が入り二次感染が発生しないように気をつけましょう。

傷が深い場合は傷口を縫うなどの治療も必要になるので、自分だけで対処せずに必ず病院に連れていってください。

柴犬を家族に迎え入れるなら事前に知識をつけておこう

今回は柴犬の性格や特徴、飼い方のポイントなどについて詳しく紹介してきました。柴犬は日本で古くから愛されている犬種で、現在も高い人気を誇ります。しかし、上手に飼うには、トレーニングやコミュニケーションなどを十分に理解しておくことが必要です。

また、かかりやすい病気についても知っておき、健康を守ってあげなくてはなりません。今回の記事でお伝えしたことを参考にして、柴犬を家族として迎え入れる準備を整えてください。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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