マルチーズの平均寿命は? 長生きのコツや気を付けるべき病気を解説

「マルチーズの寿命は長い?平均寿命は?」
「マルチーズを長生きさせるコツは?」
「とくに気を付けるべきマルチーズの病気は?」

これからマルチーズと暮らしたいと考えている方は、寿命についての疑問をお持ちではないでしょうか。マルチーズは、長生きする小型犬のなかではやや寿命が短い犬種と言われています。

しかし、寿命は健康管理や生活環境、食生活などに大きく左右されるため、飼い主さんが日頃から気をつけていれば長生きも可能です。

そこで今回は、マルチーズの平均寿命や長生きするコツ、気をつける病気について紹介します。またシニア期の過ごし方についてもお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。

マルチーズの平均寿命は何歳?最高齢は?

まずは、マルチーズの平均寿命や最高齢について確認しておきましょう。

マルチーズの平均寿命13.6歳

アニコムが発表する「家庭どうぶつ白書2022」によると、マルチーズの平均寿命は13.6歳です。この年齢は、犬の平均寿命である14.1歳をやや下回ります。比較的、長寿と言われる小型犬のなかでは、短めに感じる寿命です。

ただし、この年齢はあくまで平均寿命であって必ずしも、すべてのマルチーズが13歳で亡くなるわけではありません。犬の寿命は生活環境や健康管理、食生活などに大きく左右されるからです。

愛犬が長生きできるように生活環境や食生活を整えて、病気の早期発見・早期治療ができるようにお世話しましょう。

マルチーズの年齢を人間年齢に換算

マルチーズの平均寿命である13歳は、人間年齢に換算すると68歳です。マルチーズは、産まれてから2歳までの間に急激に成長し、人間年齢の23歳にまで達します。

2歳以降は成長スピードが緩やかになり、1年間で人間年齢の4歳に値するほどの成長スピードで歳をとっていくのです。マルチーズの年齢を、人間の年齢に換算し以下の表にまとめました。

マルチーズの年齢 人間の年齢に換算
1カ月 1歳
6カ月 9歳
1歳 17歳
2歳 23歳
3歳 28歳
4歳 32歳
5歳 36歳
6歳 40歳
7歳 44歳
8歳 48歳
9歳 52歳
10歳 56歳
11歳 60歳
12歳 64歳
13歳 68歳

この表は一般的な小型犬の年齢を人間年齢に換算したものです。犬の成長スピードは生活環境や食生活など、さまざまな要因によって変わるので目安としてご覧ください。

マルチーズの最高齢は?

SNS上には19歳まで生きたマルチーズが数頭ほど紹介されていましたが、ギネス世界記録にマルチーズの最高齢は登録されていませんでした。

マルチーズの19歳は、人間の年齢に換算すると92歳です。このことからも平均寿命である13歳はあくまで目安で、寿命には個体差のあることがわかります。

マルチーズがとくに気をつけたい病気

マルチーズを長生きさせるためには、かかりやすい病気について理解しておく必要があります。とくに気をつけたい病気は以下の通りです。

  • 膝蓋骨脱臼(パテラ)
  • 心臓病
  • 水頭症
  • 気管虚脱
  • 流涙症(涙やけ)
  • 白内障
  • 外耳炎

マルチーズがかかりやすい病気について理解しておけば、病気の兆候が見られたときに対処しやすくなるでしょう。

膝蓋骨脱臼(パテラ)

マルチーズがかかりやすい病気のひとつに、膝蓋骨脱臼(パテラ)が挙げられます。パテラは、後ろ足の膝にある膝蓋骨が正しい位置から外れ、脱臼してしまう病気です。

小型犬によく見られる病気で、その多くは先天性のものであると言われています。3本足でスキップするように歩いたり、後ろ足を引きずるように歩いたりする行為が見られたらパテラかもしれません。

予防や進行を遅らせるためには、膝にかかる負担を減らすことが大切です。室内は滑りにくい床材に変え、足の裏の毛をカットするほか、体重管理も欠かせません。またジャンプやターン、ダッシュなどの動きは控えさせましょう。

心臓病

マルチーズがとくに気をつけるべき病気のひとつに、心臓病の僧帽弁閉鎖不全症があります。僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の弁が閉じなくなり血液が逆流する病気です。

他の犬種に比べ、マルチーズは僧帽弁閉鎖不全症を発症しやすいと言われています。初期症状はほとんどなく、気がついたときには重症化していることも少なくありません。

早期発見・早期治療に努めることで、寿命が大きく変わってきます。発症率が上がる6歳以降は、定期健診で聴診を受けるようにしましょう。

水頭症

マルチーズが、かかりやすい病気のひとつに水頭症があります。脳室に過剰な液体がたまることで脳を圧迫し、けいれん発作や斜視、麻痺など数々の脳障害を起こす病気です。

水頭症の原因は、先天的と後天的にわかれ、マルチーズは先天的に発症しやすい犬種と言われています。先天的であれば子犬のころから症状が現れ、1歳前後には診断されることが多いでしょう。

水頭症は早期発見・早期治療が大切です。少しでも様子がおかしいと感じたら、早めに動物病院を受診しましょう。

気管虚脱

マルチーズが気をつけたい病気のひとつに、気管虚脱が挙げられます。空気の通り道である気管がつぶれ、呼吸に障害が出る病気です。

乾いた咳やガーガーと呼吸音を立てるなどの症状が見られたら、気管虚脱かもしれません。首輪による圧迫や肥満、歯周病のほか、遺伝的なものが原因として考えられます。

散歩のときに引っ張り癖のある犬の場合は、ハーネスを使用した方が安全です。また体重管理を心掛け、毎日のデンタルケアで歯周病を予防しましょう。

流涙症(涙やけ)

マルチーズが気をつけたい病気に、流涙症が挙げられます。いわゆる涙やけのことで、目からあふれ出た涙で目の下の被毛が赤茶色に変色する病気です。

純白の被毛を持つマルチーズは、赤茶色の変色が目立ちやすく、気にする飼い主さんも少なくありません。流涙症のおもな原因は、鼻涙管の閉塞のほか、アレルギーや目の病気、異物による目の刺激が挙げられます。

マルチーズは、鼻涙管が細く流涙症を起こしやすい犬種です。ただし原因は、鼻涙管の閉塞だけとは限りません。原因によって治療法が異なるため、まずは動物病院で原因を特定しましょう。

白内障

マルチーズが気をつけたい病気に、白内障があります。白内障は、レンズの役割を持つ水晶体が白く濁り、視力が低下する病気です。症状が進行すると、視力を失う恐れがあります。

白内障の初期症状はわかりにくく、飼い主さんのチェックで発見するのは困難です。「物にぶつかるようになった」「おもちゃを見つけられない」「目が白くなった」このような症状が見られた時には、ある程度、進行しています。

白内障は、早期発見・早期治療の大切さが指摘されています。1歳からは眼科健診を受け早期発見に努めましょう。

外耳炎

マルチーズのかかりやすい病気に、外耳炎があります。外耳炎は、雑菌の繁殖や寄生虫の感染などが原因で、炎症を起こす耳の病気です。

たれ耳のマルチーズは、耳の中に熱がこもりやすく外耳炎を起こしやすい傾向にあります。とくに湿度の高い梅雨時期や夏場は、注意が必要です。

「耳を床にこすりつける」「頭をよく振る」「耳をしきりに掻く」このような症状が見られたら、耳の中をチェックしてください。

異臭や赤み、黒い汚れが見られたら外耳炎の恐れがあります。外耳炎は慢性化しやすく、やっかいな病気です。早めに動物病院を受診し、適切な治療を受けましょう。

マルチーズを長生きさせるコツ

マルチーズは、年齢だけではなく生活環境や食生活などによって成長スピードに差が生まれることがわかりました。ここでは、マルチーズを長生きさせる次のコツを紹介します。

  • 適度なスキンシップをとる
  • マルチーズに適した食事を与える
  • 適度な運動を心掛ける
  • 毎日のブラッシングを習慣にする
  • 室内の環境を整える
  • 定期的に健康診断を受ける

それぞれ詳しく確認していきましょう。

適度なスキンシップをとる

マルチーズは、適度なスキンシップが大切です。世界最古の愛玩犬であるマルチーズは、飼い主さんと過ごすことに幸せを感じます。一緒に遊んだりお手入れをしたりするなど、スキンシップの時間を設けましょう。

ただし過剰なスキンシップは、分離不安の原因になります。マルチーズが一人になる時間を設けたりお留守番をさせたり、適度な距離感を保つようにしましょう。

マルチーズに適した食事を与える

マルチーズを長生きさせるためには、適切な食事を与える必要があります。栄養バランスの取れた食事は、犬の健康に大きな影響を与えるからです。

マルチーズは、食が細く食べムラの激しい犬種と言われています。少量でも、しっかりと栄養が摂れる肉や魚がメインになっているフードがおすすめです。小粒タイプを選び、食べやすさにも配慮してあげるとよいでしょう。

また脂質が控えめで添加物不使用のフードであれば、消化しやすく涙やけ予防につながります。

適度な運動を心掛ける

マルチーズを長生きさせるためには、適度な運動は欠かせません。運動にはストレス発散や筋力アップ、肥満予防などさまざまな効果があるからです。

室内の運動だけではなくストレス発散や好奇心を満たすためにも1日2回、10〜20分程度の散歩に行きましょう。

ただしマルチーズは、骨が細く関節も弱いため過度な運動は逆効果です。愛犬の様子を見ながら、散歩の時間を調整してください。

毎日のブラッシングを習慣にする

毎日のブラッシングを習慣にして、マルチーズの被毛を清潔な状態に保ちましょう。絹糸のように繊細なマルチーズの被毛は、1日でもブラッシングをサボると毛玉やもつれができるので注意してください。

毛玉やもつれは、皮膚病の原因になることもあります。マルチーズは、皮膚も弱く繊細です。スリッカーブラシとコームを使い、丁寧に被毛をとかし常に清潔な状態に保ちましょう。

またマルチーズは、定期的なカットが必要な犬種です。1カ月に1回を目安にトリミングサロンでカットしてもらいましょう。

室内の環境を整える

マルチーズを迎える前に、室内の環境を整えて病気やケガを防ぎましょう。マルチーズは骨が細く関節も弱いため、骨や関節に負担がかからないように配慮しなくてはいけません。

室内がフローリングの場合は、カーペットやマットを敷き滑りにくくしましょう。またソファーなどの段差は、骨折の原因にもなります。スロープなどを用意し段差をなくしてください。

またシングルコートのマルチーズは、暑さにも寒さにも弱く体温調整が苦手です。エアコンなどを使用して室温23~25℃、湿度50%前後に保つようにしましょう。

定期的に健康診断を受ける

マルチーズを長生きさせるためには、定期的な健康診断が重要です。犬は人間のように、言葉で体の不調を訴えることはできません。

また本能から、犬は体の不調を隠す傾向があります。そのため犬の健康状態を把握するには、飼い主さんの気配りが必要です。

定期的な健康診断で、愛犬の健康状態をチェックしてください。病気やケガを早期発見できれば、早期治療が実現します。健康診断は、1年に1回を目安に受けるとよいでしょう。

マルチーズは何歳から老犬?シニア期に気をつけること

マルチーズは7歳ごろから老犬と呼ばれ、シニア期に入ります。加齢による変化が見られるようになると、以下の点に注意が必要です。

  • シニア用のフードに切り替える
  • 室内の環境を見直す
  • 半年に1回の健康診断で病気の早期発見
  • 毎日の健康チェックを習慣にする

それぞれの注意点について詳しく紹介します。

シニア用のフードに切り替える

愛犬がシニアになったら、フードの切り替えを検討しましょう。犬も人間と同様に、シニアになると基礎代謝や活動量、消化能力が低下します。

若いころと同じフードを食べていたら、中年太りを起こしてしまうことも珍しくありません。犬はシニアになると、1日に必要な摂取カロリーが15〜20%ほど低下すると言われているからです。

ただし、カロリーは減らしても、筋力低下を防ぐためにタンパク質はしっかりと摂らせてください。シニア犬には、低カロリー・低脂質・高タンパク質のシニア用フードがおすすめです。

室内の環境を見直す

マルチーズがシニア期に入ったら、室内の環境を見直しましょう。愛犬の身体機能の低下に合わせた、環境作りが求められるからです。

たとえば足腰の衰えから、ちょっとした段差でも、シニア犬にとっては障害になります。視力の低下から、物にぶつかることも増えるでしょう。

ベッドやトイレトレーを段差のないものに変更し、障害になりそうな家具を片付けておけば犬は安心して移動できます。またトイレの回数が増えることを想定して、トイレの数を増やしておきましょう。

半年に1回の健康診断で病気の早期発見

愛犬がシニア期に入ったら少なくとも半年に1回は健康診断を受け、病気の早期発見に努めてください。加齢による身体機能の衰えから心臓病や腎臓病、ガンなど、さまざまな病気を発症しやすくなるからです。

犬の1年は人間の4〜5年に値すると言われ、病気もあっという間に進行します。気がついたときには、手遅れになっていることも少なくありません。少なくとも半年に1回は健康診断を受け、隠れている病気はないかチェックしましょう。

毎日の健康チェックを習慣にする

愛犬の体の変化に気がついてあげられるのは飼い主さんだけです。次のような健康チェックを毎日の習慣にして、変化を見逃さないようにしてください。

  • 口臭や歯茎の色、腫れはないか
  • 眼の充血や目やにはないか
  • 耳の中に赤みや耳垢、異臭はないか
  • 皮膚に脱毛や湿疹、腫れはないか
  • 睡眠時間に変化はないか
  • 食事量や飲水量に変化はないか
  • 排泄物の量や匂い、回数などの変化はないか
  • 呼吸音や呼吸回数に変化はないか

健康チェックで愛犬に変化が見られたら、できるだけ早く動物病院を受診してください。

マルチーズが長生きできるように毎日お世話をしよう

今回はマルチーズの寿命について、詳しくお伝えしてきました。マルチーズの平均寿命は13.6歳と小型犬のなかではやや短めです。ただし平均寿命は、すべてのマルチーズに当てはまるわけではありません。

健康管理・栄養管理に取り組み、マルチーズがストレスなく暮らせるように生活環境にも配慮すれば、18歳や19歳まで元気に生きられるのです。

マルチーズを家族として迎える前に、かかりやすい病気を理解し予防に努めましょう。これまでお伝えした長生きのコツや気をつけたい病気を参考に、マルチーズを迎える準備をしてください。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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