マルチーズは飼いやすい? 性格や育て方のコツ・注意すべき病気や寿命

「マルチーズって飼いやすい?飼うコツは?」
「マルチーズはどんな性格?」
「マルチーズがなりやすい病気や寿命は?」

マルチーズを家族として迎えたいと考えている方で、このような疑問をお持ちの方は多いでしょう。

マルチーズは絹のように柔らかな純白の被毛に、クリクリとした黒い瞳がぬいぐるみのように愛らしい人気の小型犬です。また、明るくおっとりした甘えん坊な性格から、飼育しやすい愛玩犬としても知られています。

今回はマルチーズの特徴や飼い方のコツ、お手入れ方法について紹介します。マルチーズの相場価格や迎える方法についても触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

マルチーズはどんな犬種?

マルチーズは、どのような犬種なのでしょうか。マルチーズを家族に迎える前に、基本的な情報を確認し理解を深めておきましょう。ここでは以下の点について紹介します。

  • マルチーズのサイズと体重
  • マルチーズの被毛の毛色と特徴
  • マルチーズの性格

それぞれ詳しく見ていきましょう。

マルチーズのサイズと体重

マルチーズの体重とからだのサイズは以下のとおりです。

  • <男の子>体重:3~4kg 体高:21〜25cm
  • <女の子>体重:3~4kg 体高:20~23cm

マルチーズは、性別や個体による体格差がほとんどなく、小型犬に分類されます。体高に比べ体長はやや長く、背中は尻尾まで真っすぐ水平です。

マルチーズの被毛の毛色と特徴

マルチーズの被毛の色は、真っ白なピュアホワイトです。淡いアイボリーや淡いオレンジもありますが、淡いオレンジはドッグショーでは認められません。つややかな直毛の被毛は、絹のようになめらかで触り心地のよさは抜群です。

また抜け毛の少ないシングルコートで、匂いもほとんどないことから室内で飼育しやすい犬種として知られています。一方で真っ白なピュアホワイトの被毛は、丁寧なお手入れが必要です。

毛玉や汚れを防ぐために、毎日の丁寧なブラッシングやケアは欠かせないでしょう。またシングルコートで伸び続ける被毛は、毎月のトリミングが必要です。

マルチーズの性格

マルチーズは、明るく活発で遊び好きな性格です。小さなからだで、ボールやおもちゃを追いかけて遊ぶ子も多くいます。愛玩犬として長い歴史を持つマルチーズは、非常に愛情深く飼い主さんの側にいることが大好きです。

また飼い主さんに従順でしつけのしやすいマルチーズであれば、初めて犬と暮らす方であっても飼育は容易でしょう。ただし小型犬特有の怖がりな一面を持ち合わせているため、吠え癖がつくこともあります。

子犬のころから飼い主さん以外の人や犬、物音に慣れさせるなど社会化トレーニングが求められるでしょう。

マルチーズの歴史と原産国は?

マルチーズの原産国は、中央地中海沿岸地域です。マルチーズの歴史は非常に古く、世界最古の愛玩犬と言われています。マルチーズの起源については諸説ありますが、紀元前1500年ころにフェニキア人がマルタ島に持ち込んだ説が有力です。

その後、ローマやギリシャ、エジプトにも広まり王族や学者に寵愛されました。中世になるとヨーロッパ貴族の間で「抱き犬」として流行し、人気を集めたのです。

日本には、1960年ころに伝わり「お座敷犬」として一大ブームを巻き起こし、それまで屋外で飼育するものとされていた犬の室内飼育を定着させたのです。

マルチーズの平均寿命は13.6歳

マルチーズの平均寿命は13.6歳です。これは犬の平均寿命である、14.1歳をやや下回ります。犬の13.6歳は人間年齢に換算すると68歳で、寿命としてはやや短命に感じるものです。

ただし、あくまでこの数値は平均寿命であって、すべてのマルチーズに該当するわけではありません。犬の寿命は、生活環境や食事、健康管理などに大きく左右されるからです。

マルチーズが長生きできるように、生活環境や食生活を整え病気の早期発見・早期治療に努めましょう。

マルチーズは育てやすい?飼育の注意ポイント

世界最古の愛玩犬であるマルチーズは、穏やかな性格と抜け毛や体臭の少なさから、飼育しやすい犬種として世界中で愛されています。マルチーズは、小型犬のなかでも飼いやすい犬種ですが、以下の飼育の注意ポイントを覚えておいてください。

  • 子犬のうちに社会化トレーニングをする
  • 被毛を清潔な状態に保つ
  • 室内を快適な温度に保つ
  • 適切な食事を選ぶ
  • 適度に運動をさせる

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

子犬のうちに社会化トレーニングをする

マルチーズは、子犬のうちに社会化トレーニングをしましょう。犬の社会化トレーニングとは、人の社会で暮らすために必要な物事に順応する力を身につけることです。

社会化できていれば、飼い主さん以外の人や他の犬、チャイムなどの生活音を怖がって吠えることもありません。社会化トレーニングは、犬がストレスなく暮らすために欠かせない大切なトレーニングなのです。

とくにマルチーズは、怖がりで恐怖心を持ちやすい傾向にあります。子犬のうちにしっかり社会化トレーニングを行い、恐怖の対象を克服しておきましょう。

被毛を清潔な状態に保つ

マルチーズは、毎日欠かさず被毛のお手入れをしましょう。マルチーズの絹糸のように細く繊細な被毛は、絡まりやすく毛玉やもつれができやすい毛質です。

とくに空気の乾燥する冬場は、静電気が起きやすく1日でもブラッシングをサボると、あっという間に毛玉だらけになることも珍しくありません。少なくとも1日1回は、スリッカーブラシとコームを使い、根元から丁寧に被毛をとかしましょう。

また真っ白なピュアホワイトの被毛は、汚れも目立ちます。とくに目や口の周りは汚れやすいので、こまめに汚れを拭き取り、清潔な状態を保ちましょう。

室内を快適な温度に保つ

マルチーズを飼育する際は、室内を快適な温度に保ってください。シングルコートのマルチーズは、体温調整が苦手で暑さも寒さも得意ではありません。

とくに温暖な地中海沿岸でうまれた犬種であるマルチーズは、寒さに弱いと言われています。エアコンなどを使用し、室内の温度は23〜25℃・湿度50%前後を保つようにしましょう。

適切な食事を選ぶ

マルチーズに与えるフードは、高タンパク質で食べやすい小粒タイプを選びましょう。マルチーズは、他の犬種に比べ食が細く、その日の気分によっては食事を食べないこともあるほどです。

良質のタンパク質を多く含むフードは嗜好性が高く、食の細いマルチーズの食欲を掻き立てられます。また小粒タイプで食べやすさに配慮してあげることで、食いつきもよくなるでしょう。

また涙やけが気になる場合は、着色料や発色剤などの添加物を多く含むフードは避けてください。消化の負担を減らすことで、涙やけの改善が期待できるでしょう。

適度に運動をさせる

マルチーズを飼育する際は、適度な運動をさせる必要があります。室内の運動だけではなく、毎日の散歩は欠かせません。活発で好奇心旺盛なマルチーズは、室内の運動だけではストレスが溜まってしまうからです。

年齢や個体によって異なりますが、1回10〜20分程度を目安に朝夕2回の散歩に行きましょう。ただしマルチーズのピュアホワイトの被毛は汚れやすいため、雨の日や天候の悪い日の散歩は控えてください。

マルチーズがとくに注意すべき病気

マルチーズが注意すべき病気は以下のとおりです。

  • 膝蓋骨脱臼
  • 心臓病
  • 流涙症(涙やけ)
  • 外耳炎

それぞれの病気について詳しく見ていきましょう。

膝蓋骨脱臼

マルチーズが発症しやすい病気のひとつに、膝蓋骨脱臼が挙げられます。膝蓋骨脱臼はパテラとも呼ばれ、後ろ足の膝蓋骨が正しい位置から外れてしまう関節の病気のことです。

骨が外れるとキャンと鳴いて後ろ足をあげたり、スキップしたりするなどの症状が見られます。さらに症状が進行し重度になると、上手に歩けなくなり強い痛みが伴うことも。マルチーズが膝蓋骨脱臼を発症する原因は、先天的なものがほとんどです。

子犬のころから症状が現れ、生涯を通して付き合う病気になるケースもあります。ただし予防によって症状の悪化を防ぎ、進行を抑えられる場合も少なくありません。

心臓病

マルチーズが注意すべき病気のひとつに、心臓病が挙げられます。心臓病のなかでも、マルチーズに多くみられるのは「僧帽弁閉鎖不全症」です。僧帽弁閉鎖不全症は、その名のとおり僧帽弁の閉鎖がうまくいかなくなり、血液が逆流する病気のことを言います。

初期症状が見られないことから、気がついたときには病気が進行してしまっていることも少なくありません。重度になると突然倒れたり、食欲がなくなったり動くのを嫌がるようになります。定期的に健康診断を受け、早期発見に努めましょう。

流涙症(涙やけ)

マルチーズが注意すべき病気に「流涙症(りゅうるいしょう)」が挙げられます。流涙症とは、「涙やけ」のことで、目からあふれた涙で目の周りの被毛が茶色く変色する病気のことです。

涙やけのおもな原因は、鼻涙管の詰まりやアレルギー反応、結膜炎などの病気によるものが挙げられます。マルチーズは先天的に鼻涙管が狭く、流涙症を発症しやすい犬種です。

涙やけは仕方がないといって放置すると、皮膚炎を起こすリスクがあります。早めに動物病院を受診し、原因にあった治療を受けてください。

外耳炎

マルチーズが注意すべき病気に、外耳炎が挙げられます。外耳炎とは、細菌や真菌の繁殖や耳ダニなどの寄生虫の感染が原因で、炎症を起こす病気のことです。たれ耳のマルチーズは、耳の中に熱がこもりやすく外耳炎を発症しやすい傾向にあります。

しきりに耳をかいたり、頭をふったりするような行為が頻繁に見られたら注意してください。耳の中が赤くなっていないか、異臭がしないか確認しましょう。犬の外耳炎は慢性化しやすくやっかいな病気です。早めに動物病院を受診し、適切な治療を受けましょう。

マルチーズを迎える方法

マルチーズを迎える、おもな方法は以下の2つです

  • ペットショップから迎える
  • ブリーダーから迎える

ペットショップとブリーダーでは、特徴が異なります。それぞれの違いをよく理解し、自身に適した方法を選びましょう。

マルチーズをペットショップから迎える

マルチーズを迎える方法として、もっとも一般的な方法はペットショップです。ペットショップはショッピングモールやホームセンターなど、利便性の高い場所に店舗を構えているため気軽に見学できます。

またペットショップは多くの犬種を多く取り扱っているため、マルチーズ以外の犬種と比較検討したい場合に適しているでしょう。欲しい時に気に入った子犬をすぐに迎えられるという購入のしやすさも魅力です。

ペットショップから迎える場合は、店内は清潔な状態を保たれているか、アフターケアは万全な体制かなどを確認しましょう。

マルチーズをブリーダーから迎える

次に挙げられるのは、ブリーダーからマルチーズを迎える方法です。ブリーダーはペットショップのように、多くの犬種を取り扱っている場合は、ほとんどありません。そのため同時に他の犬種と見比べることは難しくなります。

ただしマルチーズにこだわって繁殖しているブリーダーであれば、犬種について高い専門性を持ち合わせているため、さまざまな相談に乗ってもらえます。

また両親がチャンピオン犬であるなど、血統のよいマルチーズが多い点も魅力です。マルチーズに絞って探している方や良血統にこだわりたい方に、適した方法といえるでしょう。

マルチーズにかかる飼育費用

マルチーズの飼育にかかるおもな費用は以下のとおりです。

  • 生体代
  • 初期費用
  • 飼育費用

それぞれの費用について詳しく紹介します。

マルチーズの相場は25~35万円

マルチーズの相場は、25〜35万円です。マルチーズの価格は、性別や月齢、からだの大きさによって異なります。性別は男の子に比べ女の子のほうが高く、からだのサイズが小さいほど高額です。

月齢は生後2〜3カ月の子犬がもっとも高く、それ以降は徐々に価格が下がります。また親がチャンピオン犬であるなど、血統のよいマルチーズは高額な傾向です。

マルチーズにかかる初期費用

マルチーズを家族に迎える際は、多くの初期費用が発生します。犬と暮らすためには、さまざまなグッズや準備が必要になるからです。

マルチーズを迎えるときにかかる初期費用を以下の表にまとめました。あくまでも目安の価格ですが、参考までにご覧ください。

項目 費用
生体代 350,000円
事前に準備するグッズ
(サークル、クレート、リード、ハーネス、食器、トイレトレーなど)
30,000円
混合ワクチン 22,500円(7,500円×3回)
狂犬病ワクチン 3,500円
健康診断 5,000円
蓄犬登録費用 3,000円
合計 414,000円

マルチーズと暮らすためにかかる年間飼育費用

マルチーズと暮らすためにかかる年間飼育費用についても見ていきましょう。

項目 費用
フード・オヤツ 70,836円
トリミング代 55,768円
ケガや病気の治療費 57,727円
ペット保険料 45,500円
ワクチンや予防薬など 32,355円
ペットホテル・ペットシッター 12,178円
ドッグランなどのレジャー 12,418円
日用品 46,612円
年間合計 333,394円

参考:アニコム「家庭どうぶつ白書2022」

この金額はあくまでも一般的な小型犬にかかる飼育費用の目安であり、個体によっては多くの治療費やフード代がかかることを理解しておきましょう。

マルチーズの特徴や育て方をよく理解してから迎えよう

今回はマルチーズの特徴や育て方などについて、詳しくお伝えしてきました。マルチーズは、明るくおっとりした甘えん坊な性格で、抜け毛や体臭がほとんどないことから飼育しやすい犬種です。

ただし小型犬特有の怖がりな一面があるため、社会化トレーニングは欠かせません。またマルチーズの美しいピュアホワイトの被毛を保つためには、毎日の丁寧なブラッシングや定期的なトリミングが必要です。

ここでお伝えしたお手入れ方法や飼育方法を参考にして、迎える準備をしましょう。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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