柴犬の寿命は何歳? 平均や最高齢・長生きのコツや気をつけるべき病気

昔から身近な存在である柴犬は、他の犬種に比べて寿命が長いというイメージを持っている方も多いかもしれません。では、本当に柴犬は他の犬種よりも長生きなのでしょうか。

この記事では、柴犬の平均寿命や長生きのコツ、気をつけておきたい病気について解説します。

また、年齢による変化なども詳しくお伝えするので、柴犬を家族に迎え入れようと検討している方は、ぜひ最後まで読んでください。

柴犬の寿命は平均何歳?

長生きするイメージが強い柴犬ですが、実際の平均寿命はどれくらいなのでしょうか。ここでは、柴犬の寿命について詳しくお伝えしていきます。

柴犬は比較的長生きをする犬種である

柴犬の平均寿命は12〜15歳程度です。アニコム損保のペット保険による「犬の寿命に関する調査・分析」によると、柴犬の平均寿命は全犬種の4位に位置しています。

このことからも、数多く存在している犬種の中でも比較的長生きであることがわかります。

柴犬の最高齢は?ギネス記録を紹介

ギネスに登録されている最高齢の犬は柴犬とミックス犬の雑種で、その年齢は26歳8ヵ月です。もともと長生きする柴犬ですが、飼い方次第で、さらに長寿になることがわかります。

柴犬を外で飼うと長生きできない?

柴犬は番犬として生活を共にしてきた歴史があるため、外で飼うというイメージが強いかもしれません。しかし、日本の気候や環境は日々変化しています。

昔に比べて夏場の気温は高くなっていますし、ノミやダニ、蚊などの感染症や大気汚染などのリスクも高いです。そのため、外飼いは柴犬の寿命を縮める原因になります。

愛犬と長く一緒に暮らすためにも室内で飼育するようにしてください。

柴犬の年齢を人間に換算すると何歳?

柴犬の平均寿命である12〜15歳は、人間の年齢に換算すると64〜76歳です。また、犬は一般的に7歳頃からシニア期に入るといわれています。柴犬の年齢を人間年齢に換算して、次の表にまとめました。

柴犬の年齢 人間の年齢
3ヵ月 3歳
6ヵ月 10歳
1歳 15歳
2歳 24歳
3歳 28歳
4歳 32歳
5歳 36歳
6歳 40歳
7歳 44歳
8歳 48歳
9歳 52歳
10歳 56歳
11歳 60歳
12歳 64歳
13歳 68歳
14歳 72歳
15歳 76歳
16歳 80歳
17歳 84歳
18歳 88歳

犬は生まれてから1年で、人間にいうと中学生程度まで成長します。ただし、犬の成長は生活環境や食事によって多少の変化が起こることを理解しておきましょう。

柴犬の年齢による変化について

柴犬に限らず犬は年齢を重ねながら、次のライフステージを進んでいきます。

  • 子犬期
  • 青年期
  • 壮年期
  • シニア期

それぞれのライフステージの特徴や身体の変化について解説していきます。

子犬期

子犬期は生後7ヵ月頃までを指しており、しつけが最も重要な時期です。他の犬の鳴き声や電話、インターホンの音、さまざまな匂いなど、生活をしている間に発生するシチュエーションに慣れさせ、適切に社会化をさせる必要があります。

柴犬は子犬期のしつけに失敗をすると、後々の問題行動につながるので、生涯で最も大事な時期のひとつです。

青年期

青年期は3歳頃までを指しており、身体がしっかりとしてきて活発に動き回る時期です。身体のベースを作り上げる期間でもあるため、食事と運動の管理を徹底して、健康維持を意識してください。

壮年期

壮年期は7歳頃までを指します。人間でいう生活習慣病のような症状に気を付ける時期です。特に柴犬はこの時期に肥満になるケースが少なくありません。

肥満になってしまうと、さまざまな病気に発展する可能性が高くなるので注意が必要です。飼い主さんは、食事と運動量を計算して体重をコントロールしなくてはなりません。

シニア期

7歳以降はシニア期と呼ばれるようになり、食事量、運動量、睡眠量、瞬発力など、さまざまな部分で老化を感じるようになります。

柴犬は他の犬種よりも認知症になる確率が高いといわれているため、適度な運動などで刺激を欠かさないようにしてください。サプリメントを取り入れるのもおすすめです。

シニア期に突入したと判断する方法

お伝えしたように、柴犬は一般的に7歳頃からシニア期に入ります。しかし、犬によって成長スピードは異なるため、年齢以外でシニア期に入ったと判断できると便利です。

柴犬がシニア期に入ったと判断できる主な基準は以下の3つです。

  • 聴力や視力の衰えを感じたとき
  • 食欲や運動に違和感を感じたとき
  • 歩行機能の衰えを感じたとき

愛犬の変化にすぐに気づけるように、詳しく解説していきます。

聴力や視力の衰えを感じたとき

犬の老化を感じる瞬間のひとつに、聴力や視力の衰えが挙げられます。聴力や視力が衰えると、「何度呼びかけても反応がない」「歩いているときに物にぶつかる」などが頻繁に起こるので注意が必要です。

シニア期に入ったと判断した場合は、家具の配置やトイレの位置などを見直して、安全に生活できる環境を整えてあげましょう。

食欲や運動に違和感を感じたとき

食欲や運動能力の低下もシニア期に入ったと判断できる基準のひとつです。具体的には、以前と同じ量の食事を残したり、ボールやおもちゃへの反応が薄くなったりすることが考えられます。

ただし、老化ではなく病気が原因の可能性もあるため、心配な場合は動物病院を受診してください。

歩行機能の衰えを感じたとき

シニア期になると足腰の筋力が衰え、段々と歩き方が変化してきます。例えば、足を引きずるように歩いたり、段差に躓いたりなどです。

負担を減らすことは大切ですが、散歩や遊びをやめると、さらに筋力が衰えてしまいます。年齢や体力に合った適切な運動を心がけてください。

柴犬の健康寿命を延ばす6つのコツとは

柴犬は比較的長寿な犬種ですが、健康寿命を伸ばすためには以下の6つを心がけることが大切です。

  • 外飼いではなく、室内飼いをする
  • 被毛ケアやデンタルケアを徹底する
  • 避妊・去勢手術を検討してみる
  • 定期的に健康診断をする
  • 食事管理と体重管理を徹底する
  • 適切な運動と環境でストレスを軽減させる

それぞれを詳しく解説していきます。

外飼いではなく、室内飼いをする

昔は外飼いの柴犬も多くいましたが、健康的に長く一緒に暮らすためには室内飼いをすべきです。外飼いは熱中症や感染症のリスクが高く、犬の身体への負担が大きくなります。

また、事故やイタズラなどの可能性も高いです。柴犬を迎え入れることを検討している方は、室内で飼える条件や環境であるかを確認しておきましょう。

被毛ケアやデンタルケアを徹底する

柴犬は年に2回、換毛期と呼ばれる時期がくるため、抜け毛をきちんと取り除く必要があります。ブラッシングで被毛ケアをして清潔な状態を保ちましょう。

被毛ケアを怠ると皮膚病のリスクが高くなり、愛犬の身体に負担がかかります。ブラッシングを習慣にすると、皮膚病の早期発見にも繋がるでしょう。

また、デンタルケアも必須です。子犬の頃から歯磨きに慣らしておき、歯周病から愛犬を守ってください。さらに、動物病院で定期的に歯石除去を行いましょう。

避妊・去勢手術を検討してみる

避妊手術や去勢手術に対する考え方は飼い主によって異なりますが、メリットが多いのは事実です。例えば、発情期のストレスの緩和や前立腺ガンなどのリスクが軽減できます。

避妊手術や去勢手術とどのように向き合っていくのか、家族と共に検討しておくことが重要です。

定期的に健康診断をする

柴犬の健康を維持するために、年に1回は健康診断を受けてください。どれだけ健康そうに見えても、病気の可能性は潜んでいます。

健康診断を受けることで、病気の早期発見・早期治療につながるのです。狂犬病や混合ワクチンを接種するタイミングに合わせて実施すると良いでしょう。

食事管理と体重管理を徹底する

柴犬は比較的太りやすい犬種ともいわれており、食事管理と体重管理が必須です。肥満気味になっていないか常にチェックし、食事量やフードの種類で適切にコントロールしてください。

肥満になると、病気や怪我のリスクが跳ね上がります。長生きさせるためにも食事管理と体重管理は徹底しましょう。

適切な運動と環境でストレスを軽減させる

柴犬は活発な性格のため、運動を好む犬種です。ストレス発散のためには、散歩や室内遊びなどの適切な運動が欠かせません。散歩の目安は1日2回、それぞれ45分程度です。

柴犬が特に気を付けるべき8つの病気

柴犬が元気に長生きするためには、かかりやすい以下の病気について理解しておく必要があります。

  • アトピー性皮膚炎・アレルギー性皮膚炎
  • 外耳炎
  • 白内障
  • 緑内障
  • 認知症
  • 歯周病
  • 膝蓋骨脱臼
  • 僧帽弁閉鎖不全

早期に発見するためにも、それぞれの特徴を確認していきましょう。

アトピー性皮膚炎・アレルギー性皮膚炎

柴犬はアトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎などの皮膚病を発症するケースが少なくありません。それぞれ原因や症状が異なるため、詳しく見ていきましょう。

アトピー性皮膚炎

概要 環境中のアレルゲンに反応して皮膚が影響を受けている状態
原因 ノミ、ダニ、花粉などの接触
症状 舐める、噛む、擦り付ける、など
治療法 飲み薬、塗り薬

アトピー性皮膚炎は環境中にあるダニや花粉などのアレルゲンに対して、皮膚が過剰に反応している状態です。一度発症すると完治は難しく、定期的に病院へ通い悪化させないように向き合って生活していく必要があります。

アレルギー性皮膚炎

概要 アレルゲンによって皮膚が過剰に反応し、炎症してしまう状態
原因 吸引、食事性、ノミ、接触によるアレルゲンとの触れ合い
症状 抜け毛、かゆみ、赤み、など
治療法 アレルゲンの特定、除去

そもそもアレルギー性皮膚炎とは、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーを総称した病名です。アレルギー性皮膚炎であると診断されたら、まずは何がアレルゲンであるのかを突き詰めましょう。アレルゲン物質を遠ざけた生活をし、スキンケアと薬でコントロールしていきます。

外耳炎

概要 外耳部分が炎症を起こしている状態
原因 ダニ、アトピー、アレルギー、など
症状 痒み、赤み、など
治療法 定期的な耳洗浄

犬の耳は人間よりも作りが複雑になっており、外側から「耳介・外耳道・鼓膜・中耳・内耳」と分けられます。外耳炎は外耳道の部分が炎症を起こしている状態です。

マラセチアと呼ばれる菌の繁殖や、脂漏症や甲状腺機能低下症などの病気が原因になることがあります。高温多湿になる夏の時期に外耳炎になることが多いので、特に注意してください。

白内障

概要 水晶体が不透明になっている状態
原因 先天性、若年性、加齢性
症状 黒目が白くなる、視力が悪くなる
治療法 内科治療、外科治療

年齢を重ねると白内障を患うリスクが高くなります。放置していると合併症を引き起こす可能性もあるので注意が必要です。点眼薬やサプリメントを生涯続けるケースもあるため、できるだけ早く対処しましょう。

緑内障

概要 眼圧が上がっている状態
原因 先天性、原発性、続発性
症状 物に良くぶつかる、涙が多い、充血
治療法 内科的治療、外科的治療

緑内障は、眼圧が上昇し視力の低下や失明につながる病気です。一度発症すると完治することはなく、進行を止めるための治療を続けます。

遺伝的な問題が関係している場合や、他の病気による影響で発症するなど原因はさまざまです。異変を感じたら速やかに病院で診察を受けましょう。

認知症

概要 認知機能が徐々に低下し、行動障害がみられる状態
原因 老化、病気の影響による脳神経細胞や自律神経機能の低下
症状 徘徊、旋回、夜鳴き、昼夜逆転、見当識障害
治療法 サプリメントや処方食の利用

柴犬は比較的長寿であるため、老化と共に認知症になることも珍しくありません。10歳を超えると、徘徊や夜鳴きなどが見られることがあります。

段々と進行していくため最初は気が付かないことが多いですが、12歳を越えると症状が目立つようになり、昼夜逆転の生活を送っているということも少なくありません。

認知症になると怪我や事故などが起こりやすくなるため、安全に生活できるように環境を整えることが重要です。

認知症は一度発症すると完治が見込めないため、オメガ3脂肪酸やビタミンE、レシチンなどを含んだサプリメントや処方食で対応していきます。

歯周病

概要 歯垢が溜まり、炎症が起きている状態
原因 歯垢の付着
症状 口臭、歯茎の腫れ、口内での出血、歯が抜けるなど
治療法 歯石の除去、投薬、抜歯など

歯に付着したドッグフードやおやつが溜まり歯垢となり、数日で歯石へ変化、積み重なると歯肉炎に発展します。歯肉炎がさらに進行すると歯周炎になり、歯肉が衰えたり口臭が発生したりするので注意してください。

子犬の頃から歯磨きをする習慣を身につけ、口内の健康を維持しましょう。歯石が気になったときは、動物病院で治療を受けてください。

膝蓋骨脱臼

概要 膝を支えている膝蓋骨が内側や外側に外れている状態
原因 遺伝などの先天的なもの、または怪我や転倒などの後天的なもの
症状 後ろ足を頻繁にあげる、足を気にする様子がある、よくスキップするなど
治療法 鎮痛剤などの投薬、外科的手術

パテラはどの柴犬の年齢に関係なく発症する可能性があります。膝に負担がかからないように肥満に気をつけたり、フローリングで滑らないように生活環境を整えたりしてください。

パテラの症状が見られたら、ソファやベッドの上り下り、階段などの足腰に負担がかかる行動は控えさせましょう。

僧帽弁閉鎖不全

概要 僧帽弁が正常に機能せず、心臓内の血液が逆流する
原因 先天性、加齢による弁の変形
症状 息切れ、呼吸困難など
治療法 抗生物質の投与、酸素吸入など

僧帽弁閉鎖不全症は老化と共に発症する可能性が高くなります。目に見えて分かる初期症状がほとんどないため、飼い主さんが気づかない間に進行していることも少なくありません。

10歳を超えて咳などの症状が頻繁に見られるときは、一度動物病院に相談してみましょう。

柴犬は長寿な犬種だが適切なケアやお世話は必須

今回は柴犬の寿命について詳しくお伝えしてきました。柴犬の平均寿命は12〜13歳と比較的長寿の犬種です。しかし、食事や生活環境などで寿命は変化するため、飼い主さんによる適切なケアが欠かせません。

それぞれのライフステージでの身体の変化や飼い方のポイント、かかりやすい病気などについて十分に理解しておきましょう。

ここでお伝えしたことを参考に準備をして柴犬を迎え入れれば、家族として長く一緒に暮らせるはずです。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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