トイプードルの平均寿命は長い? 健康・長生きのコツや気をつける病気

「トイ・プードルの寿命は長い?平均寿命は?」
「トイ・プードルを長生きさせるコツは?」
「とくに気を付けるべきトイ・プードルの病気は?」

トイ・プードルの購入を検討している方や一緒に暮らしている方で、このような疑問をお持ちの方は多いでしょう。トイ・プードルは、小型犬のなかでも長生きする犬種です。

この記事では、トイ・プードルの平均寿命や最高齢の年齢、長生きさせる秘訣について紹介します。健康寿命を伸ばすために気をつけるべき病気についても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

トイ・プードルの平均寿命は?最高齢は何歳?

愛犬とは一日でも長く一緒に過ごしたいものです。長寿といわれるトイ・プードルですが、どのくらいの年月を一緒にすごせるのでしょうか。ここではトイ・プードルの平均寿命や最高齢について紹介します。

  • トイ・プードルの平均寿命4歳
  • トイ・プードルの年齢を人間年齢に換算
  • トイ・プードルのギネス記録の年齢は?
  • トイ・プードルは何歳から老犬?

それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

トイ・プードルの平均寿命15.4歳

アニコムが発表する「家庭どうぶつ白書2022」によると、トイ・プードルの平均寿命は15.4歳。犬の平均寿命である14.1歳を大きく上回る年齢です。このことからトイ・プードルは、犬のなかでも比較的長寿の犬種だといえるでしょう。

ただし、この年齢はあくまで平均寿命であって、すべてのトイ・プードルが長生きするわけではありません。飼育環境や健康管理、遺伝的な要因などが寿命に大きな影響を与えるからです。

愛犬が長生きできるように飼育環境を整えて、病気の早期発見・早期治療ができるように健康管理を怠らないようにしましょう。

トイ・プードルの年齢を人間年齢に換算

トイ・プードルの平均寿命である15.4歳は、人間に換算するとおよそ78歳です。トイ・プードルは生まれてから2年間の間で急激に成長し、成犬になってからはゆるやかに成長します。トイ・プードルの年齢を人間の年齢に換算し以下の表にまとめました。

トイ・プードルの年齢 人間の年齢に換算
1ヵ月 1歳
6ヵ月 9歳
1歳 17歳
2歳 23歳
3歳 28歳
5歳 36歳
6歳 40歳
7歳 44歳
8歳 48歳
9歳 52歳
10歳 56歳
11歳 60歳
12歳 64歳
13歳 68歳
14歳 72歳
15歳 76歳

この表は一般的な小型犬の成長スピードを、人間の年齢に換算したものです。成長スピードは、飼育環境や健康状態、からだのサイズなどによって個体差があります。あくまでも目安として参考にしてください。

トイ・プードルのギネス記録の年齢は?

アメリカのUncleChichiちゃんは、推定25〜27歳まで長生きしました。しかし、シェルター出身で正式な出生日が不明だったことから非公認とされています。

また以前は、アメリカのseamusちゃんが20歳と298日でギネス世界記録に登録されていたようです。しかし現在は、正式な記録は見つけられません。

筆者の友人のトイ・プードルは、老衰で亡くなる19歳11ヵ月まで元気に暮らしていました。これらのデータを踏まえると、トイ・プードルは長生きする犬種だと改めて確認できます。

トイ・プードルは何歳から老犬?

トイ・プードルは7〜8歳頃になると、老犬と呼ばれるシニア期に入ります。一般的に犬は、平均寿命の半分の年齢になると、シニア期に入ったとされるからです。

犬はシニア期に入ると、加齢に伴う疾患にかかりやすくなります。シニア期のトイ・プードルが注意しなければならない疾患は以下のとおりです。

  • 関節の病気
  • 目の病気
  • 歯周病
  • 肥満
  • 腎臓病
  • 心臓病

ただし、老化のスピードは個体差があるため、シニア期に入ってからも元気な犬もいれば、病気がちで寝てばかりの犬もいます。

老化のスピードは、子犬の頃からの生活環境や健康管理、栄養管理によって個体差が出るからです。元気なシニア期を過ごせるように、子犬の頃からケアを怠らないようにしましょう。

トイ・プードルの寿命を伸ばす5つの秘訣

これまでお伝えしてきたように、トイ・プードルは年齢だけではなく、個々の体質や生活環境によって寿命に差が生まれます。そのため、長生きしてもらうには、飼育に気をつけなくてはなりません。トイ・プードルの寿命を伸ばす主な秘訣は次の5つです。

  • トイ・プードルに適したドッグフードを選ぶ
  • 毎日の散歩でストレスを発散させる
  • 室内の環境を整えて体にかかる負担を減らす
  • トリミングで清潔な状態を保つ
  • オーラルケアで歯周病を予防する

それぞれの秘訣について詳しく紹介します。

トイ・プードルに適したドッグフードを選ぶ

トイ・プードルを長生きさせるためには、健康的な食事が欠かせません。人間と同様に、犬の身体も食事によって作られているからです。シニア期に入ってから病気にかかりやすくなるか、ならないかは子犬の頃からの食生活によって変わってくることがわかっています。

食事で必要な栄養が摂れているトイ・プードルは、高齢になってからも病気になりにくく元気な犬が多いのです。犬の個々の体質によって適切なドッグフードは変わってきますが、以下のポイントに注意して選ぶとよいでしょう。

  • 小粒で小型犬のトイ・プードルでも食べやすい大きさ
  • 成長期や維持期、シニア期などの年齢ステージに合った栄養が含まれている
  • 脂質が控えめで胃腸に優しい原材料で作られている
  • 主原料が肉類や魚類で良質なたんぱく質が摂取できる
  • 着色料や香料、保存料などの添加物が使用されていない
  • 食物アレルギーに配慮されている

これらの点に注意して、愛犬の体質に合ったドッグフードを選びましょう。

毎日の散歩でストレスを発散させる

トイ・プードルが健康的な生活を送れるように、毎日の散歩でストレスを発散させましょう。ストレスの多い生活は、犬の健康寿命を損なう恐れがあります。

また健康を維持する上で、適度な運動は欠かせません。トイ・プードルは、ぬいぐるみのような愛らしい見た目からは想像できないほど、活発で運動量の多い犬種です。年齢や身体のサイズなどで異なりますが、1日2回、1回あたり15〜30分の散歩が好ましいでしょう。

また活発で遊ぶことが大好きなトイ・プードルは、歩くだけの散歩では満足できないかもしれません。ボールやディスクを使った遊びの時間を設けることで、満足度が高まりストレスを発散できるでしょう。

室内の環境を整えて体にかかる負担を減らす

室内の環境を整えて、トイ・プードルの病気やケガを予防しましょう。とくに自宅がフローリングの場合は、トイ・プードルが滑らないように配慮する必要があります。滑りやすい床材は、骨折や関節の病気を招いてしまうからです。

骨折や関節の病気は、手術が必要になるケースも多く犬の身体に大きな負担がかかります。予後が悪く歩行や立ち上がりが困難になってしまうと、寿命にも影響を与えかねません。

また、シングルコートのトイ・プードルは、寒さや暑さに弱く体温調整が苦手です。エアコンを使用し室内の温度を25℃前後、湿度は50%前後に保つようにしましょう。

トリミングで清潔な状態を保つ

定期的なトリミングで、被毛や皮膚を清潔な状態に保ちましょう。シングルコートで毛が伸び続けるトイ・プードルは、3週間〜1ヵ月に1回のトリミングが必要です。トリミングは見た目をかわいく整えるだけではなく、病気やケガを予防する働きもあります。

たとえば被毛を伸ばしたまま放置すると、毛がもつれたり毛玉ができたりして皮膚病や脱毛の原因になってしまうのです。

また、目や耳、足の裏といった部分的な毛を整えることで、目や耳の病気、転倒によるケガを防ぐ効果もあります。病気やケガを未然に防ぎ、トイ・プードルの健康寿命を延ばしましょう。

オーラルケアで歯周病を予防する

子犬の頃からオーラルケアを習慣にして、歯周病を予防しましょう。歯周病は、口の小さなトイ・プードルがかかりやすい病気のひとつです。歯周病が進行すると、歯が抜け落ちたり歯茎が溶け出したりして、食事を取ることも難しくなってしまいます。

また歯周病は、歯だけの問題ではありません。心臓病や腎臓病、認知症など、さまざまな病気を引き起こす原因になってしまうのです。歯周病を予防し口腔内の健康を保つことは、寿命を伸ばすためには欠かせないでしょう。

トイ・プードルがとくに気をつけたい病気やケガ

犬は犬種ごとに、かかりやすい病気やケガが異なります。トイ・プードルが気をつけなければならない以下の病気やケガを把握しておけば、兆候が見られたときに対処しやすくなるでしょう。

  • 皮膚炎
  • 外耳炎
  • 流涙症(涙やけ)
  • 白内障
  • 僧帽弁閉鎖不全症
  • 膝蓋骨脱臼(パテラ)
  • 骨折

それぞれの病気の原因や治療方法について詳しく紹介します。

皮膚炎

トイ・プードルの皮膚に赤みやかさつき、フケが多く見られたら皮膚病の可能性があります。トイ・プードルには、かかりやすいと言われるいくつかの皮膚病があるからです。かかりやすい主な皮膚病は以下のとおりです。

  • 脂漏症
  • マラセチア性皮膚炎
  • アトピー性皮膚炎
  • 心因性掻痒症

病気によって症状は異なりますが、進行すると痒みから掻きすぎて皮膚が厚くなったり脱毛が見られたりします。強い痒みは犬にストレスを与え、生活の質を低下させるでしょう。赤みやかさつきが見られた時点で、早めに動物病院を受診し適切な治療を受けてください。

外耳炎

トイ・プードルが気をつけたい病気のひとつに、外耳炎が挙げられます。外耳炎とは、真菌や細菌、寄生虫の感染などが原因で耳の中の皮膚が炎症を起こす病気です。強い痒みや痛みを伴うため、頻繁に耳をかく、頭を振るといった行為が増えます。

このような行為が見られたら、耳の中が赤く腫れていないか、異臭はしていないか確認してください。とくに高温多湿の梅雨時期や夏場は、外耳炎を発症しやすくなるため注意が必要です。日ごろから耳の中をチェックし、定期的に耳洗浄を受けるようにしましょう。

犬の外耳炎は、慢性化しやすい病気です。慢性化し症状が進行すると、手術が必要になるケースもあります。早めに動物病院を受診し、適切な治療を受けましょう。

流涙症(涙やけ)

トイ・プードルがかかりやすい病気に、流涙症が挙げられます。流涙症とは、いわゆる涙やけのことです。流涙症は、目からあふれ出た涙が目の周りに付着し、酸化することで目の下が茶色く変色します。

クリームやホワイトなど毛の色が薄いトイ・プードルは、涙やけが目立ちやすく気にする飼い主さんは多いでしょう。流涙症は見た目の問題だけではありません。放置すると皮膚炎を起こし、強いかゆみを伴うことがあります。

かゆみから目をかくことで症状が悪化し、角膜を傷つけることもあるため早めに治療しなくてはいけません。流涙症は生まれつき涙管の細い犬に多く見られる病気ですが、それ以外にも目頭の内側に毛が生えていることやアレルギーが原因になっている場合もあります。

原因によって対処方法や治療方法は異なるため、早めに動物病院を受診してください。

白内障

白内障もトイ・プードルが気をつけたい病気のひとつです。人間の白内障は高齢の方に多いイメージですが、犬の白内障は若年性がほとんどです。多くが6歳未満で発症し、わずか1週間ほどで重症化する場合もあります。

現在のところ白内障を治す薬はなく、手術以外に治療方法はありません。そのため白内障は、早期発見し進行を遅らせることが重要になってくるのです。愛犬が1歳を過ぎたら、眼科検診を受けるようにしましょう。

僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症は、中高齢のトイ・プードルがかかりやすい病気です。心臓にある逆流を防ぐ弁が閉じなくなることで、血液が逆流しさまざまな問題が起こります。初期のころは、目立った症状はありません。

しかし、進行すると咳をしたり、ふらついたりするようになります。さらに病状が進行すると肺に水が貯まり、呼吸すら苦しくなってしまうのです。加齢によって弁がもろくなることや歯周病などの細菌感染、過度な肥満が原因になるといわれています。

オーラルケアで歯周病を予防し、体重管理を怠らないようにしましょう。また僧帽弁閉鎖不全症は、早期発見・早期治療が大切です。年に1回は健康診断を受けるようにしましょう。

膝蓋骨脱臼(パテラ)

膝蓋骨脱臼(パテラ)は、後ろ足の膝のお皿のような骨が正しい位置から外れた状態になる病気のことです。原因は、先天性と後天性にわかれ、トイ・プードルは先天性の発症が多く見られます。

子犬の頃から症状が出ている場合もあれば、成長とともに出てくる場合もあるでしょう。サプリメントや体重管理、生活環境の改善で進行を抑えられることもありますが、根本的な解決にはなりません。慢性化し痛みが強い場合は手術の検討が必要です。

骨折

骨折はトイ・プードルに多く見られる、ケガのひとつです。活発で走り回ったりジャンプしたり、遊ぶことが大好きですが足の骨は細く3〜5㎜ほどしかありません。

そのため、ソファーから飛び降りたりジャンプの着地に失敗したりといった比較的、軽い衝撃であっても骨が折れてしまうのです。とくにトイ・プードルは、ジャンプするクセが付きやすい傾向にあります。

子犬の頃から、ジャンプのくせがつかないようにしてください。またトイ・プードルの骨折は、生後10ヵ月までに多く発生します。運動や遊びは、飼い主さんの管理下で行うようにしましょう。

トイ・プードルの寿命に関するQ&A

最後にトイ・プードルの寿命について多くの方が持つ疑問についてまとめました。Q&A形式でお伝えするので、同じ疑問を持つ方はぜひ確認してください。

トイ プードルは毛の色で寿命が異なる?

トイ・プードルは、毛の色で寿命の長さが変わることはありません。ただし一般的にブルーの毛色を持つ犬は、遺伝性疾患の出る可能性が高いといわれています。

ブルーカラーのトイ・プードルを購入する際は、遺伝学の知識が豊富で信頼できるペットショップやブリーダーから購入してください。

トイ プードルはサイズで寿命が異なる?

トイ・プードルは、サイズで寿命が変わることはありません。トイ・プードルのなかでもサイズが小さいタイニーやティーカップは誕生して間もない犬種のため、正確な平均寿命はわかりませんが、同じく15歳前後が平均寿命と言われています。

ただし、その人気から未熟児や発育不全を、タイニーやティーカップと称して販売している場合もあるため注意が必要です。タイニーやティーカップサイズのトイ・プードルを購入する際は、信頼できるペットショップやブリーダーを選びましょう。

売れ残りや値段が安いトイ・プードルは短命になる?

犬の値段が安いからといって、短命になるとは限りません。犬の値段は、さまざまな理由で決まるからです。ただし健康状態が理由で安くなっている場合は、注意が必要です。ペットショップやブリーダーの担当者から、よく話を聞き納得した上で購入を検討しましょう。

「ペットを購入したあとに病気が判明した」という相談は、国民生活センターに多く寄せられています。トイ・プードルに必要とされる遺伝子検査の結果が提示されている子犬であれば、病気のリスクが減り安心できるでしょう。

確認するべき遺伝子検査の項目は、以下のとおりです。

  • DM変性性脊髄症
  • PRA進行性網膜萎縮症
  • フォン・ウィルブラント病

トイ・プードルの健康寿命が伸びるようにお世話をしよう

今回はトイ・プードルの寿命について詳しくお伝えしてきました。トイ・プードルは、小型犬のなかでも比較的、長寿な犬種です。ただし、健康管理や栄養管理を怠ると病気やケガを発症し若くして亡くなることもあります。

トイ・プードル特有のかかりやすい病気やケガを理解して、予防や早期発見に備えることが重要です。ここでお伝えした長寿の秘訣や気をつけるべき病気・ケガを参考にして、トイ・プードルの健康寿命が伸びるようにお世話をしましょう。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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