トイプードルは飼いやすい? 性格や育て方のコツ・注意すべき病気や寿命

「トイ・プードルって飼いやすい犬種?」
「トイ・プードルはどんな性格?」
「トイ・プードルの寿命やなりやすい病気は?」

トイ・プードルを家族として迎えたいと考えている方は、このような疑問をお持ちではないでしょうか。

トイ・プードルは、クルクルとした巻き毛がぬいぐるみのように愛らしい人気の小型犬です。見た目の愛らしさだけではなく、性格も明るく活発でフレンドリーなトイ・プードルは、飼いやすい犬としても知られています。

今回はトイ・プードルの特徴や飼い方のコツ、お手入れ方法について紹介します。迎える方法や費用についてもお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。

トイ・プードルはどんな犬種?歴史や特徴

トイ・プードルとは、どんな犬種なのでしょう。トイ・プードルを迎えるまえに、基本的な情報を確認しておきましょう。ここでは以下について詳しく紹介します。

  • トイ・プードルの歴史
  • トイ・プードルの種類と大きさ
  • トイ・プードルの被毛の特徴
  • トイ・プードルの性格

トイ・プードルの歴史

トイ・プードルは、大型犬のスタンダード・プードルを小型に改良して作られた犬種です。原種であるスタンダード・プードルは何世紀にもわたりヨーロッパで知られ、その歴史の古さから起源については諸説あり、はっきりしたことはわかっていません。

ただし国際畜犬連盟(FCI)がフランスを発祥の地として認定していることから、フランス原産とされています。プードルはもともと水鳥猟の狩猟犬として活躍していましたが、その華麗な姿から貴族に愛されるようになりました。

17世紀にはフランスのブリーダーによって小型化が始まりミディアム・ミニチュアが生まれ、最後に生まれたのがトイ・プードルです。トイ・プードルは、1984年に国際畜犬連盟(FCI)から正式なプードルとして認められています。

トイ・プードルの種類と大きさ

トイ・プードルの大きさは、体重3kg前後で体高は24〜28cmとされています。プードルは、からだの大きさによって4種類に分けられ、その中でもっとも小さいサイズにあたるのがトイ・プードルです。プードルの種類と大きさは次のとおりに分けられます。

  • スタンダード:体重15~25kg、体高45~60cm
  • ミディアム:体重8~15kg、体高35~45cm
  • ミニチュア:体重6~7kg、体高28~35cm
  • トイ:体重3kg前後、体高24~28cm

これらの他にトイ・プードルよりさらに小さい「ティーカップ」「タイニー」もありますが、現在のところ正式には認められていません。大きさの他にトイ・プードルの体型は「ハイオン」「スクエア」「ドワーフ」の3種類に分けられ、それぞれ特徴が異なります。

トイ・プードルの被毛の特徴

トイ・プードルの被毛は、クルクルした巻きが特徴です。抜け毛の少ないシングルコートで、匂いはほとんどありません。その抜け毛の少なさから、アレルギー体質の方でも飼いやすい犬として知られています。

一方で、からまりやすく毛玉になりやすいことから日々のブラッシングは欠かせません。また伸び続ける被毛は、毎月のトリミングが必要です。

毛色の種類は多く「ブラック」「ホワイト」「グレー」「ブラウン」「アプリコット」「レッド」など、さまざまです。加齢とともに、毛色が薄くなることもあります。

トイ・プードルの性格

トイ・プードルは、明るく活発でフレンドリーな性格です。飼い主さんに従順で知能指数が高く、しつけをしやすい犬種としても知られています。ただしその頭のよさからしつけを怠ると、わがままになってしまうため注意しなくてはいけません。

またトイ・プードルは、他の小型犬に比べ活発で運動量は豊富です。トイ・プードルの原種であるスタンダード・プードルは、もともと水鳥猟で撃ち落とされた獲物を泳いで回収する狩猟犬として活躍していました。

そのためトイ・プードルも育った環境や個体差はありますが、運動量は豊富でボールを取りに行く遊びや水遊びを好む傾向にあります。

トイ・プードルの平均寿命はどれくらい?

アニコム「家庭どうぶつ白書2022」によると、トイ・プードルの平均寿命は15.4歳です。犬の15歳は人間の75歳に該当します。犬の平均寿命である14.1歳を大きく上回っています。トイ・プードルは小型犬のなかでも、トップクラスの寿命の長さが特徴です。

ただし、この年齢はあくまでも平均寿命であって、すべてのトイ・プードルが長生きするわけではありません。生活環境や個々の体質によっても、寿命は変わってくるでしょう。ストレスをなくし健康的な食事を心がければ、長い期間一緒に過ごせる犬種といえます。

トイ・プードルは飼いやすい?育て方のコツ

トイ・プードルは、抜け毛や体臭が少なく、室内飼育しやすい犬として人気を集めています。ジャパンケンネルクラブが発表する飼育頭数では、2008年から変わらず1位の座を守る人気の犬種です。

トイ・プードルは飼いやすい犬種ですが、育てる際には以下のコツを理解しておく必要があります。

  • 無駄吠えしないようにしつける
  • 一緒に遊ぶ時間をしっかりと確保する
  • 睡眠をきっちりとらせてあげる
  • フードは小さくて食べやすいものを選ぶ
  • 滑りにくい床材を選んであげる
  • 目や口内のケアを徹底する
  • 被毛の手入れをこまめに行う

それぞれのコツについて詳しく紹介します。

無駄吠えしないようにしつける

トイ・プードルは、無駄吠えしないようにしつけましょう。無駄吠えのおもな原因は「要求」と「警戒」です。トイ・プードルは非常に賢く、一度吠えたことで要求が通るとその後も吠えて要求を叶えようとします。

たとえばケージから出たいときに吠えて出してもらった経験があると、ケージから出たくなると吠えて要求を通そうとするのです。

またトイ・プードルは警戒心の強い一面があるため、インターホンの音や来客に警戒して吠えることもあります。子犬の時期から無駄吠えをしないように、しっかりしつけましょう。

一緒に遊ぶ時間をしっかりと確保する

トイ・プードルを飼育する際は、一緒に遊ぶ時間をしっかり確保しましょう。もともと水鳥猟で狩猟犬として活躍していたとされるトイ・プードルは、小型犬のなかでも活発で運動量の多い犬種です。

1回15〜30分程度を目安に、朝夕2回の散歩が必要とされています。年齢や個体差はありますが、なかには30分では物足らなさを感じる犬もいるほどです。また散歩で歩くだけではなく、ボールやディスクを使った遊びの時間を設けると満足度が上がるでしょう。

睡眠をきっちりとらせてあげる

トイ・プードルは、睡眠をきっちりとらせる必要があります。トイ・プードルは、飼い主さんと一緒に遊ぶことが大好きです。そのため飼い主さんが構ってくれると、うれしくなってずっと一緒に遊んでしまうことがあります。

しかし人間に比べ、犬は多くの睡眠時間が必要です。年齢や環境によって異なりますが、1日12〜18時間の睡眠をとる必要があります。遊ぶ時間と休息の時間のメリハリをつけて、犬が快適に寝られるように環境を整えてあげましょう。

フードは小さくて食べやすいものを選ぶ

トイ・プードルに与えるフードは、小さくて食べやすい小粒タイプを選びましょう。小型犬のトイ・プードルは口が小さく、食道も細めです。

そのため、大粒のドッグフードを与えてしまうと、喉に詰まらせたりむせたりする場合があります。また、うまく飲み込めないと吐いてしまうことがあるので、5〜8mm程度の小粒タイプがおすすめです。

滑りにくい床材を選んであげる

トイ・プードルが生活する場所は、カーペットやコルクマットを敷いて滑りにくくしてあげましょう。骨が細く関節の弱いトイ・プードルは、骨折や脱臼を起こすリスクが高いからです。

部屋の中で遊んでいるときに足を滑らせて骨折したり、ソファーから飛び降りて前足を骨折したりしてしまうトイ・プードルは少なくありません。また、トイ・プードルは、関節が弱く膝蓋骨脱臼(パテラ)などの病気にかかりやすい犬種です。

日ごろから関節に負担がかからないように、滑りにくい床材を選んで環境を整えてあげましょう。

目や口内のケアを徹底する

トイ・プードルは、目や口内のケアを徹底して行いましょう。トイ・プードルは、先天的な理由から涙やけを起こしやすい犬種です。目元が涙で溢れていたら、その都度清潔なガーゼやコットンで優しく拭き取ってください。

目元を涙でぬれたまま放置すると、雑菌が繁殖するなど涙やけが悪化する原因になります。ホットアイマスクで目元を温める方法も、毎日のケアとしておすすめです。

また口内を健康に保つためには、毎日の歯みがきも欠かせません。歯石がたまると歯周病の原因になり、ひどい場合は抜歯の手術が必要になります。

被毛の手入れをこまめに行う

トイ・プードルは、毎日欠かさずブラッシングをしましょう。トイ・プードルのクルクルした巻き毛は、絡みやすく毛玉やもつれが起こりやすい毛質です。もつれや毛玉をできたまま放置すると、そこに皮脂などの汚れがたまり皮膚病の原因になります。

毎日スリッカーブラシやコームを使い、被毛の手入れをこまめに行ってください。またブラッシングには毛玉予防以外にも、血行をよくし皮膚病などの病気を早期発見できるといったメリットもあるのでおすすめです。

トイ・プードルが特に注意すべき病気やケガ

トイ・プードルが特に注意すべき病気やケガは次のとおりです。

  • 外耳炎
  • 流涙症
  • 白内障
  • 水頭症
  • 膝蓋骨脱臼
  • 骨折

それぞれの病気について詳しく見ていきましょう。

外耳炎

たれ耳のトイ・プードルは、耳の通気性が悪く外耳炎になりやすい傾向にあります。外耳炎とは、細菌や真菌の繁殖、耳ダニなどの寄生虫感染が原因で炎症を起こす病気です。かゆがって耳をかいたり、床に耳をこすりつけたりする行為が見られたら注意してください。

耳の中が黒く汚れていないか、変な臭いはしないか確認しましょう。外耳炎は早期治療が大切です。早めに動物病院を受診し、適切な治療を受けましょう。

流涙症

トイ・プードルは先天的に鼻涙管が狭く、流涙症(りゅうるいしょう)になりやすい犬種です。流涙症とは「涙やけ」のことで、目からあふれた涙で目頭の毛の色が茶色く変色します。

とくにホワイトやアプリコットの薄い毛色は、茶色く変色した涙やけが目立ちやすく気にする飼い主さんも多く見られます。涙やけだから大丈夫と軽く見て、そのまま放置すると、皮膚炎や湿疹を起こすこともあるため注意が必要です。早めに動物病院を受診しましょう。

白内障

トイ・プードルは、白内障になりやすい犬種のひとつです。白内障というと「加齢によって発症する病気」といったイメージを持つ方は多いでしょう。しかし犬の場合は、加齢だけが原因ではありません。

白内障には先天的なものと後天的な原因で起こるものがあり、先天的なものであれば2歳までに発症しやすいといわれています。若年性の場合は、1週間ほどで重症化することもあるため注意が必要です。1歳を過ぎたら定期的に眼科検診を受けるようにしましょう。

水頭症

水頭症は小型犬に多くみられる脳の病気で、トイ・プードルも発症しやすいといわれています。水頭症とは脳の中に過剰な水がたまることで脳を圧迫し、けいれんや旋回運動、麻痺などさまざまな症状が起こる病気です。

原因は先天性と後天性のものがあり、多くは先天性のもので遺伝的な原因であることがほとんどです。先天性のものであれば生後2〜3カ月ころから症状が現れ、1歳頃には診断される傾向にあります。

膝蓋骨脱臼

トイ・プードルのかかりやすい病気のひとつに、膝蓋骨脱臼が挙げられます。膝蓋骨脱臼はパテラとも呼ばれ、後ろ足の膝にあるお皿のような骨が正しい位置から外れる関節の病気です。骨が外れると急にキャンと鳴いて後ろ足を上げたりします。

酷くなると足を持ち上げ腰を丸めて歩くようになります。トイ・プードルの場合は、子犬のころから症状が現れやすい病気です。生活環境の改善や体重管理、サプリメントの投与などによって、症状の進行を抑えられる場合もあります。

骨折

トイ・プードルは、骨折しやすい犬種として知られています。小型犬であるトイ・プードルの骨は細く、3〜5㎜ほどしかありません。そのため、ソファーや椅子から飛び下りるといった比較的軽い力であっても、衝撃に耐えられずに折れてしまうのです。

とくにトイ・プードルの骨折は、骨が未発達な生後10カ月までに発生しやすいことがわかっています。骨が十分に発達し成長するまでは、飼い主さんの正しい知識と犬への配慮が求められるでしょう。

トイ・プードルの迎え方

トイ・プードルを迎えるおもな方法は次の2つです

  • ペットショップから迎える
  • ブリーダーから迎える

ペットショップとブリーダーでは、それぞれ特徴が異なります。違いをよく理解し、自身に適した方法でトイ・プードルを迎えましょう。

ペットショップから迎える

トイ・プードルを迎える方法として、もっとも一般的な場所はペットショップです。気軽に見学できて、同時に多くの子犬を見比べられます。トイ・プードル以外の犬種もあわせて検討している場合に適しているでしょう。

また欲しい時に気に入った子犬を迎えられる、といったメリットも挙げられます。ペットショップから迎える場合は、店内は清潔に保たれているか、子犬の手入れは行き届いているかなど確認しましょう。

ブリーダーから迎える

次に挙げられるのは、ブリーダーからトイ・プードルを迎える方法です。ペットショップのように、多くの犬種を取り扱っているブリーダーはほとんどありません。そのため同時に他の犬種を見ることは難しくなるでしょう。

ただしトイ・プードルにこだわって飼育しているブリーダーであれば、犬種について高い専門性を持ち合わせているため、さまざまな相談に乗ってもらえます。

トイ・プードルに絞って子犬を探している場合に、適した方法といえるでしょう。また犬舎を見学した際には、飼育環境の確認や親犬にも会えるといった安心感もあります。

トイ・プードルにかかる飼育費用はいくら?

犬を飼育するためには、多くの費用がかかります。トイ・プードルを迎える前に、犬を飼育するためには一体いくら必要なのか確認しておくことが大切です。ここでは、トイ・プードルの相場や初期費用、年間にかかる飼育費用について紹介します。

トイ・プードルの相場

トイ・プードルの相場は30〜50万円ほどです。価格は、血統や健康面だけではなく、性別や被毛のカラー、からだの大きさによって異なります。

性別では男の子に比べ女の子のほうが高く、人気カラーのレッドやアプリコットは他のカラーに比べ高額です。また、タイニーやティーカップのように、サイズが小さくなるほど価格は上がります。

トイ・プードルを迎える準備にかかる費用

トイ・プードルを迎えるためには、さまざまなグッズを準備しなくてはいけません。また混合ワクチンや狂犬病ワクチン、蓄犬登録費用も必要です。

トイ・プードルを迎える準備にかかる費用を以下の表にまとめました。あくまでも目安の価格になりますが、参考までにご確認ください。

項目 費用
事前に準備するグッズ
(サークル、クレート、リード、ハーネス、食器、トイレトレーなど)
30,000円
混合ワクチン 15,000円(7,500円×2回)

※3回の場合もあり

狂犬病ワクチン 3,500円
健康診断 5,000円
蓄犬登録費用 3,000円
合計 56,500円

トイ・プードルの飼育にかかる費用

続いてトイ・プードルの飼育にかかる年間費用について見ていきましょう。

項目 費用
フード・オヤツ 85,000円
トリミング代 102,000円
ペット保険料 36,000円
ワクチンや予防薬など 30,000円
ペットホテル・ペットシッター 20,000円
ドッグランなどのレジャー 2,500円
日用品 15,000円
年間合計 290,500円

あくまでも目安の費用であり、このほかにも病気やケガなどの際に治療費がかかることを理解しておきましょう。

トイ・プードルの特徴や飼育方法を理解して迎えよう

今回はトイ・プードルの特徴や飼育方法などについて詳しくお伝えしてきました。トイ・プードルは、明るく従順な性格で飼いやすい犬種です。ただし、飼いやすいからと言って、しつけを怠るとわがままになったり無駄吠えするようになったりします。

また小型犬特有のかかりやすい病気もあるため注意が必要です。トイ・プードルを迎える前に環境を整えることで、予防できる病気やケガもあります。これまでお伝えした育て方のコツやかかりやすい病気を参考にして、トイ・プードルを迎える準備をしましょう。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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