「犬が舌を出す理由を知りたい」
「最近、愛犬が舌を出すことが増えた」
「犬が舌を出しているのは病気が原因?」
などお悩みの方も多いのではないでしょうか。犬が舌を出す理由は体温調節や感情の表現、カーミングシグナルなどさまざまです。
また、病気の可能性もあるため、飼い主さんは日頃から愛犬の様子を良く観察しておかなくてはなりません。
そこでこの記事では、犬が舌を出す理由について詳しく解説しています。考えられる病気や対処法についてもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
犬が舌を出す理由
犬が舌を出す理由として、以下の6つが挙げられます。
- 体温を調節するため
- 興奮しているため
- リラックスしているため
- ストレスを感じているため
- 歯並びが悪いため
- カーミングシグナル
それぞれの理由について、具体的に解説していきます。
体温を調節するため
犬が舌を出す理由として最も有名なのが、体温を調節するためです。犬は人間のように汗をかかず、のどや舌を出して体温を下げようとします。
パンティングと呼ばれる行動で、ハアハアと舌を出して呼吸をしているときは暑いと感じている可能性が高いです。
興奮しているため
犬は興奮すると息が上がって呼吸が荒くなり、舌を出します。おもちゃなどを使って遊んだり、運動や散歩をしたりするときに見られることが多いです。
リラックスしているため
犬はリラックスすると口元の筋肉が緩むため、自然と舌が出てきます。全身の力が抜けている状態で、寝ているときにもよく見られます。
ストレスを感じているため
犬はストレスを感じると、自分の鼻をなめるために舌を出すことがあります。
気持ちを落ち着かせるための行動で、食事を与えるときや食後以外のときに見られる場合は何かしらのストレスを感じている可能性が高いです。
歯並びが悪いため
犬は人間に比べて舌が長く、歯が舌を押さえる役割があります。歯並びが悪かったり、抜歯や歯槽膿漏などによって歯が抜けたりすると、歯の隙間から舌が飛び出てしまうことも多いです。
カーミングシグナル
カーミングシグナルとは、犬が感情を示すサインのことです。ストレスや緊張を感じているときは、敵意がないことを示すために舌を出します。
また、自分を落ち着かせたいときは、唇や鼻をなめたり、あくびをしたりする行動も見られます。愛犬が舌を出してカーミングシグナルを発している際は、様子が落ち着いてから接することが大切です。
犬が舌を出す際に考えられる病気
犬が舌を出す際に考えられる病気として、以下の5つが挙げられます。
- 熱中症
- てんかん
- 気管虚脱
- 僧帽筋閉鎖不全症
- 口腔内トラブル
それぞれの病気について、具体的に解説していきます。
熱中症
犬は汗をかいて体温を調節できないため、体に熱がこもりやすいです。体温調節が追いつかず、暑い季節は熱中症のリスクが高くなります。特に5〜10月は熱中症になりやすいため、愛犬の様子をよく観察しながら散歩することが大切です。
てんかん
てんかん発作を起こす前に舌を出した状態が続いたり、唇を舐めたりすることがあります。てんかんの疑いがある場合は、早めに動物病院へ連れていき獣医師に診てもらいましょう。
気管虚脱
気管虚脱とは、気管が何らかの原因で押しつぶされて、空気の流れに異常が生じてしまう病気です。酸素不足になり、舌を出した状態でガーガーと鳴るような咳をします。
気管虚脱は、加齢や肥満、運動不足が原因となる場合が多いです。また、ヨークシャテリアやパグ、マルチーズなどは、気管虚脱を起こしやすいと言われています。
僧帽筋閉鎖不全症
僧帽筋閉鎖不全症とは、何らかの原因によって心臓内の弁に異常が起きてしまう病気です。小型犬は特にかかりやすく、心不全や肺水腫などの病気につながることもあります。
お座りをした状態で舌を出して荒い呼吸をしているときは、僧帽筋閉鎖不全症の可能性が高いです。
口腔内トラブル
口腔内トラブルとして、歯肉の炎症や歯の疾患、口内炎、口腔内の腫瘍などが挙げられます。これらによって、舌を出した状態が続く場合も多いです。
病気の可能性が高い犬の舌の出し方
病気の可能性が高い舌の出し方として、以下の4つが挙げられます。
- 長時間舌を出している
- 舌を出しながら苦しそうに呼吸をしている
- 舌を出しながら震えている
- 不自然な体勢で舌を出している
それぞれの舌の出し方について、具体的に解説していきます。
長時間舌を出している
犬が長時間舌を出している場合、体調が良くない可能性が高いです。運動した後や普段と違う場所で舌を出し続けているときは、緊張や興奮が収まっていないかもしれません。
ただし、リラックスや満腹によって舌を出しているのであれば問題ないので、飼い主さんは状況を見て判断する必要があります。
舌を出しながら苦しそうに呼吸をしている
舌を出しながら「ガーガー」「ゼーゼー」など異音を伴って苦しそうに呼吸をしている場合は、気管虚脱の可能性が高いです。
遺伝的要素や肥満が主な原因と言われていますが、吠えすぎたり、首輪を強く引っ張ったりすることによって発症することもあります。
舌を出しながら震えている
舌を出しながら震えているときは、ストレスや興奮、緊張が原因として考えられます。しかし、明らかに震える状況ではないのに震えがある場合、体調が悪い可能性も高いです。
不自然な体勢で舌を出している
不自然な体勢で舌を出している場合、普段のリラックスしている体勢と比べてどこか違和感がないか見ることが大切です。
前足を伸ばした状態で腰を落とした体勢で舌を出しているときは、体のどこかに痛みを感じている可能性が高いです。
犬が舌を出しているときの対処法
犬が舌を出しているときの対処法として、以下の3つが挙げられます。
- 暑さ対策を行う
- 歯の組み合わせを確認する
- 獣医師に診てもらう
それぞれの対策について、具体的に解説していきます。
暑さ対策を行う
犬が長時間舌を出しているときは、暑さで体温調節が追いつかず熱中症になりかけている可能性が高いです。熱中症は重症化すると命の危険性が高まるため、暑さ対策を行いましょう。
家の中ではエアコンで涼しい状態を保ち、暑い時期の散歩は早朝や夜など日が出ていない時間帯を選ぶと良いです。また、犬の体を冷やせるグッズを持っておくとより安心できます。
歯の噛み合わせを確認する
歯並びによって舌が出てしまうこともあるため、歯の噛み合わせも確認しましょう。矯正が難しいため治せませんが、口腔内トラブルを防ぐためにも噛み合わせに異常があったら早めに動物病院へ連れて行くことをおすすめします。
獣医師に診てもらう
犬が長時間舌を出していたり、舌を出す頻度が多かったりする場合は、何かしらの病気にかかっている可能性があります。
飼い主さんだけで判断するのは難しいため、獣医師に診てもらうことが大切です。病気は早期発見が重要なので、日頃から愛犬の様子をよく観察しましょう。
犬が舌を出す際によくある質問
犬が舌を出す際によくある質問として、以下の3つが挙げられます。
- 舌が出やすい犬種は?
- 老犬になると舌が出る回数が増えるのはなぜ?
- 犬の舌の色がいつもと違う原因は?
それぞれの質問について、具体的に解説していきます。
舌が出やすい犬種は?
短頭種の犬は舌が出やすく、しまい忘れることも多いです。パグやブルドッグ、シーズー、ペキニーズなどが挙げられます。
短頭種は鼻周りが短く、他の犬種と比べると舌をしまうスペースが少ないためです。
老犬になると舌が出る回数が増えるのはなぜ?
老犬になると舌が出る回数が増えるのは、口腔内トラブルが関係しています。犬は高齢になるにつれて歯肉がやせ細り、歯肉炎が起きたり、歯が抜けたりします。
その結果、歯と歯の間に隙間ができ、舌が出たままになるのです。老犬になっても綺麗な歯を保てるよう、普段から歯磨きなどの口内ケアが不可欠です。
犬の舌の色がいつもと違う原因は?
犬の舌の色がいつもと違う場合は、何かしらのサインです。舌の色によって考えられる病気が異なるため、把握しておく必要があります。
舌の色 | 可能性の高い病気 |
---|---|
白色 | ・貧血 通常よりも赤血球が少ない状態。出血や血液を作れないなどの原因が考えられる。 ・過度な興奮状態 |
黄色 | ・黄疸 ビリルビンが血液中に増加することによって起こる病気。疾患として、肺炎や胆嚢、溶血などがある。 |
紫色 | ・心臓病 心臓が悪く血液を送れなくなり、循環不全に陥っている状態。 ・呼吸器疾患 |
犬が舌を出すときは病気の可能性がないか気をつけよう
今回は、犬が舌を出す理由について詳しく解説しました。体温を調節する以外に、ストレスや興奮、病気など理由はさまざまです。病気の場合は早期発見が重要なポイントになります。
早い段階で治療するために、日頃から愛犬の様子を良く観察しておくことが大切です。長時間舌を出しているときや舌を出しながら苦しそうに呼吸をしているときは、病気の可能性が高いので早めに動物病院で診てもらいましょう。
執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季
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