シーズーは飼いやすくて人気の犬種? 性格や特徴・病気やケガの注意点

綺麗な長毛が特徴的なシーズーは、陽気で活発な性格をしています。飼ってみたいと思っていても、次のような疑問を持っている方もいるはずです。

「シーズーの性格は?」
「シーズーの飼い方のコツは?」
「シーズーのなりやすい病気やケガは?」

シーズーを飼いたいなら、まずは性格や飼い方のコツについて把握しておくことが大切です。飼い方のコツを理解しておけば、シーズーが健康的で長生きするきっかけになります。

そこで今回は、シーズーの性格や飼い方のコツ、なりやすい病気やケガについて詳しくお伝えするので、ぜひご一読ください。

シーズーはどんな犬種?特徴を紹介

長い毛と大きな瞳が特徴的なシーズーですが、具体的にはどのような個性を持っている犬種なのでしょうか。ここでは、以下の内容について紹介していきます。

  • シーズーの歴史
  • シーズーのサイズ
  • シーズーの被毛や毛色
  • シーズーの性格
  • シーズーの寿命

シーズーの特徴について、詳しく確認していきましょう。

シーズーの歴史

ペキニーズとラサ・アプソという犬種から交配させて誕生したのが、シーズーと言われています。中国では「神の使い」や「守り神」と言われてきた過去があり、大事に扱われている犬種です。

実際に犬種登録されたのは、イギリスで1940年頃がはじめとされています。アメリカでは1969年に品種登録されました。

シーズーの名前の由来は、小さなライオンを意味する「獅子狗(シー・ズー・クウ)」が起源という説が有力です。

シーズーのサイズ

シーズーの大きさは個体によって異なりますが、一般的に体高26.7cm以下で体重4.5~8.1kg程度と言われています。

小型犬に分類される犬種で、幅が広い体型が特徴です。見た目は長い毛に覆われており、耳が垂れています。

シーズーの被毛や毛色

シーズーの毛は犬のなかでも特殊で、オーバーコートとアンダーコートの2つがある「ダブルコート」です。また、「フルコート」と呼ばれる長い被毛は、歩くたびに揺れるので上品な印象を与えてくれます。

ダブルコートの場合は、毛の密集度が高いことからこまめに毛のお手入れをしないと、毛玉になるケースが多いです。そのため、普段から被毛のお手入れはこまめに行っておく必要があります。

シーズーの性格

シーズーは陽気で活発な性格をしています。遊び好きな一面もあるので、こまめにおもちゃで遊んであげれば喜んでくれるでしょう。他の犬に対しても友好的な一面があるので、ドッグランなどでは積極的にコミュニケーションを取ろうとする傾向があります。

また、運動好きな子も多いので、毎日の散歩は欠かせません。散歩しない日はストレスを溜めてしまう可能性が高いので、室内でも運動できる手段を検討しておく必要があります。

シーズーの寿命

シーズーの平均寿命は13.8歳と言われています。小型犬は大型犬と比べて長生きするので、家族として過ごせる時間は長いでしょう。

ただ、普段の生活によっては寿命が短くなるため、飼育環境をシーズーが暮らしやすいように整える必要があります。

シーズーの飼い方6つのコツ

シーズーを飼育する際には、次の6つのコツを意識してください。

  • 毎日コミュニケーションをとる
  • しつけをしっかり行っておく
  • 熱中症対策は徹底して行う
  • 床材は滑りにくいものを選ぶ
  • 適度にブラッシングを行う
  • 食事を適切に管理する

それぞれのコツについて詳しくお伝えするので、参考にしてください。

毎日コミュニケーションをとる

活発で甘えん坊な性格をしているシーズーは、飼い主とのコミュニケーションを求めている子が多いです。適度に遊んであげないと、ストレスが溜まってしまい、体調不良に陥ってしまう恐れがあります。

そのため、基本的には外で遊んであげることが大切です。天気が悪い日には室内でボール遊びなどをして、毎日コミュニケーションをとってあげてください。

しつけをしっかり行っておく

身体が小さく可愛らしい見た目をしているシーズーですが、甘えん坊な性格から要求が激しいことがあります。毎回要求に応えていると、わがままな性格になってしまうので注意が必要です。

わがままになってしまうと、他の犬と遊ぶときに言うことを聞かなくなるというトラブルに発展する可能性があります。おねだりをされたときは甘やかしすぎずに、しっかりしつけを行うことが大切です。

特に無駄吠えが多い犬種でもあるので、正しくしつけを行って他の犬に危害を加えないよう指導してください。

熱中症対策は徹底して行う

シーズーは毛が長いことから、体温調節が他の犬種よりも苦手な傾向があります。そのため、季節に合わせた室内温度の調整が大切です。

室内温度が暑いままだと、熱中症になってしまう恐れがあります。夏場はクーラーを付けっぱなしにして、室内温度を快適な状態にしてあげましょう。

また、暑い季節は日中の散歩もシーズーの身体に負担をかけてしまうことがあります。できるだけ外気温が下がり始める夕方頃に散歩に行くようにしてください。

床材は滑りにくいものを選ぶ

小型犬であるシーズーは、膝蓋骨脱臼などの関節トラブルが発生しやすい傾向があります。特にフローリングの場合は爪がツルツル滑ってしまい、関節に負担をかけてしまう恐れがあるでしょう。

暮らしやすい環境に整えるためにも、床材は滑りにくいものを選んでください。床材自体を変えるのが難しい場合は、カーペットなどを敷いてあげましょう。

床材の影響で滑ってしまうと、家具に顔をぶつけてしまい、ケガをする恐れもあります。

適度にブラッシングを行う

シーズーの毛は長いため、適度にブラッシングしないと毛玉になりやすいです。毛玉ができれば、その部分の血行の流れが悪くなり、体調不良の原因になる恐れがあります。健康に過ごしてもらうためにも、適度にブラッシングを行い、毛玉リスクを低減させましょう。

また、長い毛は汚れなどが付着しやすい傾向があります。散歩時の汚れが蓄積される可能性があるので、水を含ませたタオルなどで身体を拭いてあげてください。

食事を適切に管理する

健康的に過ごしてもらうためにも、毎日の食事に気を使うことが大切です。特にシーズーは関節トラブルに配慮した食生活を意識することが重要になります。

ミネラル分が多く含まれているフードを与えるなど、骨や関節をサポートしてくれる成分が配合されているフードを選択しましょう。

シーズーの上手なしつけ方

活発で甘えん坊なシーズーをしつける場合、何を意識すべきなのでしょうか。シーズーの上手なしつけ方は、以下のとおりです。

  • 成功したときにはしっかり褒める
  • 言葉は統一させる
  • 叱るときは短い言葉ではっきりと
  • 根気強く叱る

上手なしつけ方について、詳しく紹介していきます。

成功したときにはしっかり褒める

シーズーをしつけるためには、悪いことをしたときに叱るより、成功したときに褒めてあげることを意識してください。叱ってばかりでは、犬が恐怖心を抱いてしまう恐れがあるからです。

例えば、室内に設置してあるトイレに成功したときなど、成功体験を増やしたほうが良いしつけに繋がります。褒めるときはおやつを一緒に与えることで、しつけの効果が高められるでしょう。

言葉は統一させる

シーズーに指示を与えるときは、家族で言葉を統一させることが大切です。同じ指示なのに言葉が違うと、シーズーが混乱してしまう可能性があります。

例えば、おすわりを覚えさせるときに「シット」や「座れ」とう感じで、同じ指示で違う言葉を使うとしつけにくくなるでしょう。事前に家族で話し合い、言葉を統一させることを意識してください。

叱るときは短い言葉ではっきりと

小さくて可愛いシーズーですが、悪いことをしたときは叱る必要があります。そのときに長々と叱っても、犬は理解できません。叱るなら短い言葉ではっきりと伝えることが大切です。

また、叱るときに叩くという行為は、犬を怯えさせるきっかけになりかねません。悪いことをしたときは叩かず、言葉でしっかり伝えることが大切です。叱る言葉も「ダメ」など、統一していたほうが犬も理解してくれます。

根気強く叱る

犬のイタズラは何度でも繰り返すことがあります。その都度、飼い主は根気強く叱り続けることが大切です。

悪いことをしたときに叱らないタイミングがあれば、イタズラしても良いと愛犬が勘違いしてしまう可能性があります。犬がイタズラしたときは、必ず都度叱るようにするのが正しいしつけのやり方です。

シーズーがかかりやすい病気やケガ

シーズーを健康的に飼育するには、かかりやすい病気やケガについて理解しておかなくてはなりません。かかりやすい主な病気やケガは、次のとおりです。

  • 幽門狭窄
  • 椎間板ヘルニア
  • 乾性角結膜炎
  • 尿石症
  • 難産
  • 短頭種気道症候群
  • 胆嚢粘液嚢腫
  • 第三眼瞼腺脱出
  • 白内障
  • 網膜剥離
  • アトピー性皮膚炎

具体的に、どのような病気なのかそれぞれ解説していきます。

幽門狭窄

胃の出口にある「幽門部(ゆうもんぶ)」と呼ばれる場所に、何らかの理由で異常が発生した場合、十二指腸に食べた物が送られにくくなる病気です。

後天的に発症する可能性が高く、薬などで完治させるのが難しいと言われています。治療する際には、外科手術が求められるケースが多いです。

椎間板ヘルニア

背骨のクッション的な役割を持っているのが、椎間板です。その椎間板が何らかの理由で変形し、背骨にある神経を刺激することで発症する病気が「椎間板ヘルニア」になります。

椎間板ヘルニアは加齢に伴って発症リスクが高くなると言われており、遺伝的な要素も強いです。できるだけ背骨への負担をかけないよう、滑りにくい床材に変えるなど室内環境を整えてあげましょう。

乾性角結膜炎

涙の量が少なくなることで、目が乾燥した状態になる病気です。目の表面に傷がつきやすくなったりドロドロした目ヤニが出たりします。遺伝などの先天的な理由から発症する可能性がある病気です。

尿石症

血尿や頻尿などの症状が出る病気です。膀胱炎を引き起こす可能性もあるので、発症した際は素早く治療することが重要になります。

この病気のなかでもシュウ酸カルシウム尿石の場合は、内科的に治療を行うことが難しいです。そのため、治療する際には摘出しないといけません。

難産

小型犬に多いのが難産です。特に肥満気味の子や栄養状態が悪い子は、難産になりやすい傾向があります。

陣痛が始まってもなかなか子供が生まれないなどのトラブルが生じたときには、速やかに動物病院で対処してもらいましょう。動物病院なら帝王切開してもらえるので、比較的安全に配慮した上で出産できます。

短頭種気道症候群

シーズーのような短頭種の犬種に多いのが「短頭種気道症候群」です。呼吸がうまく行えずに、ゼイゼイというような呼吸音になっているときは注意しましょう。

空気を送り込む際に気管がつぶれてしまったり鼻の穴が狭かったりすると、短頭種気道症候群を発症してしまうことがあります。少しでも呼吸音に違和感を覚えた際には、早めに病院で診察を受けてみてください。

胆嚢粘液嚢腫

胆嚢内の粘液が過剰に分泌され、蓄積されていく病気です。蓄積した状態を放置すれば、胆嚢が破裂する事態に発展する恐れがあります。発症する原因は明確にはわかっていませんが、脂質代謝異常や胆嚢の運動性低下が関係していると考えられているようです。

この病気は発症すると、食欲不振や嘔吐などの症状が出るので、違和感を覚えたときは速やかに病院に相談してください。

第三眼瞼腺脱出

目頭にある第三眼瞼(瞬膜)が飛び出ているように見える病気が「第三眼瞼腺脱出」です。

飛び出ている様子がさくらんぼに似ていることから、「チェリーアイ」という別名があります。見た目でわかる病気なので、症状が悪化する前に病院で治療を施しましょう。

白内障

目にある水晶体がにごる病気が「白内障」です。症状が進行すると視力が低下し、物にぶつかりやすくなります。散歩を嫌がることもあるので、いつもと様子が違うときは病気を疑ったほうが良いでしょう。

白内障は加齢に伴い発症リスクが高くなるので、常に目の状態をチェックして水晶体がにごっていないか診てあげてください。

網膜剥離

眼球の裏側には網膜という場所があります。その網膜が剥がれることで視力が低下する病気です。原因はさまざま考えられますが、遊んでいるときに頭を強く振るなどの行為でも網膜剥離することがあります。

特にシーズーは、眼球の硝子体と呼ばれる場所が変性しやすい犬種なので、網膜剥離には十分注意しましょう。

アトピー性皮膚炎

アレルゲンなどが原因で生じるアレルギー性の皮膚炎です。我慢できないほどのかゆみが生じたり炎症を引き起こしたりします。若い頃に発症するケースが多く、目や口の周りに生じる可能性が高い病気です。

かゆみを抑えるためには、かゆみ止めの内服薬を服用する必要があります。具体的にどのような対応が必要なのか動物病院で相談し、適切な治療を施してもらいましょう。

シーズーにかかる費用

シーズーを家族に迎え入れる場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。かかる費用は、大きく以下の2つに分けられます。

  • 迎え入れるときの初期費用
  • 年間にかかる費用

具体的にどれくらいの費用がかかるのか解説していきます。

迎え入れるときの初期費用

まずシーズーを迎え入れるときの費用は、生体価格に平均20万円かかります。さらに食器などの飼育グッズを購入する必要があるので、平均3万円はかかるでしょう。

合計して23万円程度が初期費用としてかかるので、予算内に抑えられるのか確認しておくことが大切です。

生体価格はペットショップやブリーダーなどによって細かい金額は異なるので、迎え入れる際には正しい金額を把握しておきましょう。

年間にかかる費用

シーズーを飼育するためには、年間にかかる費用についても把握しておく必要があります。まず食事代として10万円程度はかかるでしょう。さらに生活用品など雑費が7万円程度はかかります。

合計して17万円程度は年間に費用がかかるため、予算を考慮した上で飼育するようにしましょう。

シーズーを迎え入れる前に特徴や飼育方法を理解しておこう

今回はシーズーの特徴や飼育方法、かかりやすい病気やケガについて詳しくお伝えしてきました。シーズーは陽気で活発な性格をしていて、甘えん坊な一面があります。可愛らしい性格をしている犬種として人気です。

ただし、長毛なので暑さ対策をしないと、熱中症や脱水症状に陥ってしまうリスクがあります。飼育する上で、常に室内環境を整える意識が大切です。今回ご紹介した病気やケガについて把握しておき、適切な対応ができるようにしておいてください。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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