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犬の震えが止まらないのは寒さが原因? 病気の可能性や対処法を解説

「犬が震えるのは寒いのが原因?」
「犬が震えるときの対処法は?」
「犬はわざと震えることがある?」

犬を飼っている方でこのような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。愛犬が寒くもないのに、ブルブル小刻みに震えていると心配になるものです。

犬は寒さ以外の原因で、震える場合があります。なかには病気が原因の場合もあるため、注意しなくてはいけません。

そこで、この記事では、犬が震える原因と考えられる病気、対処法について紹介します。ぜひ参考にして、愛犬の震えが止まらない際に適切な対処ができるようにしてください。

犬が震える6つの原因とは?

犬が震える、おもな原因は以下の6つです。

  • 寒さ
  • 恐怖や緊張
  • 興奮
  • 筋力の低下
  • 飼い主に構って欲しい
  • 病気

それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

犬が震える原因①寒さ

犬は寒さを感じると、ブルブル震えることがあります。寒さで体温が低下すると、震えて筋肉を動かし熱を発生させることで、体温を保とうとする生理的なものです。

「犬は寒さに強い」このような印象を持たれている方は多いでしょう。しかし、犬種によっては寒さに弱いケースも少なくありません。たとえばトイ・プードルやヨークシャテリアといったシングルコートの小型犬は、寒さが苦手です。

また子犬や老犬は体温調整が苦手で、寒さにうまく対応できないことも少なくありません。このように犬種や年齢によって、震えるほど寒さの苦手な犬は多く存在します。

犬が震える原因②恐怖や緊張

犬は、恐怖や緊張からブルブル震えることもあります。病院の診察台の上へ乗せられたときのほか、雷や花火などの大きな音を聞いてブルブル震える犬も少なくありません。

この震えはストレス反応のひとつで、自律神経のバランスの変化から、筋肉が緊張して起こります。恐怖や緊張による震えは、犬種や年齢を問わず起こります。愛犬の苦手なものや環境を把握しておきましょう。

犬が震える原因③興奮

犬は、興奮や喜びから、からだを震わせることがあります。飼い主さんが帰宅したときに、からだを震わせて喜ぶ犬は多いでしょう。

この震えも、自律神経のバランスの変化から起こる生理的な現象です。全身で喜びを表現する犬の姿は愛らしいものですが、過度な興奮はケガや事故につながる可能性があります。

犬が興奮したときは、オスワリやマテのコマンドで落ち着かせましょう。

犬が震える原因④筋力の低下

老犬が後ろ足をブルブル震わせる場合は、筋力の低下が考えられます。老犬によく見られる震えで、立ち上がるときや排せつのときに衰えた筋肉で踏ん張ろうとして震えてしまうのです。

犬も人間と同様に、歳をとると筋力の衰えや活動量の低下から、足腰が弱くなってしまうのです。また筋力の低下以外にも筋肉を動かす神経の乱れから震える場合があります。

犬が震える原因⑤飼い主に構って欲しい

飼い主さんの気を引きたいときに、犬はわざと震える場合があります。過去に震えたことで飼い主さんにかまってもらえた経験があるのでしょう。犬はそれを覚えていて、かまってほしいときには、わざと震えるようになるのです。

犬が震える原因⑥病気

犬の震えは、寒さやストレスといった生理的なもののほかに、さまざまな病気が原因となって引き起こる場合があります。

生理的な震えとは、これまでお伝えした寒さや恐怖、緊張などによるもので心配する必要はありません。ただし、なかには病気が原因で生じる震えもあるため注意が必要です。

次の項目では、震えが生じる代表的な病気について紹介します。

犬が震えるときに考えられる7つの病気

犬が震えるときに考えられる病気は以下のとおりです。

  • てんかん
  • 中毒症状
  • 低血糖
  • 腎臓病
  • 肝臓病
  • 発熱
  • 痛み

未然に防ぐためにも、それぞれの病気について詳しく紹介します。

てんかん

犬のてんかん発作では、ひっくり返って手足を伸ばしバタバタ震わせる症状がよく見られます。てんかん発作が疑われる場合は、犬に触ったり声をかけたりしてはいけません。

飼い主さんは、落ち着いて発作の経過を観察する必要があります。また発作の様子が動画で見られると、診断の参考になるので可能な限り撮影してください。発作が落ち着いたら、速やかに動物病院に連絡しましょう。

中毒症状

犬は、誤飲誤食を起こすと、中毒症状から震える場合があります。犬が誤飲誤食しやすいもののなかには、タバコや人間の薬、ゴキブリ駆除剤など中毒症状を引き起こすものが多くあるからです。

またチョコレートや玉ねぎなど、人間には無害の食べ物であっても、犬が大量に摂取すると中毒症状の原因になります。

誤飲誤食を起こしやすい犬が震えている場合は、中毒症状の可能性が高いです。犬が誤って飲み込んだものはないか確認し、速やかに動物病院を受診しましょう。

低血糖

犬はなんらかの理由で血糖値が下がると、低血糖の症状で震えが起こる場合があります。低血糖とは、その名の通り血糖値が正常範囲以下にまで下がった状態のことです。

震えのほかにけいれん発作や意識障害、元気がなくぐったりするなどの症状が現れます。糖尿病や肝疾患、腫瘍などで治療を受けている犬は低血糖を起こしやすいため注意が必要です。

また子犬は、食事の間隔が長くなっただけでも低血糖を起こすことがあります。低血糖による震えの症状が見られたら、砂糖水やガムシロップを舌にたらす緊急処置をしたうえで動物病院を受診しましょう。

腎臓病

犬が震えを起こす原因に、腎不全があります。腎不全とは、腎臓の機能が低下した状態のことです。腎族の機能が低下すると、老廃物をうまく尿で排出できなくなり、老廃物が体内に溜まることで震えや痙攣などの症状が現れます。

腎不全の症状は、震えや痙攣などの神経症状のほかに食欲不振やおう吐、下痢などさまざまです。

肝臓病

肝臓病の進行によって、犬は震える場合があります。肝臓病による肝機能の低下から有害物質が血液に蓄積され、脳に達することで「肝性脳症」が起こるからです。

震えや痙攣などの神経症状のほかに、おう吐や下痢、食欲不振などさまざまな症状が現れます。

発熱

犬は発熱によって、震える場合があります。人間も熱が上がってくると寒気がしてガタガタ震えることがあるように、犬も発熱によって震えることがあるのです。犬の発熱の原因は、炎症や感染、熱中症などが考えられます。

41℃を越えると命にかかわるため早めの対処が必要です。犬の体温は人よりも高く、37.5〜39.0℃とされています。ただし平熱には個体差があるため、日ごろから愛犬の平熱を把握し、体温に上昇が見られたら早めに動物病院を受診しましょう。

痛み

犬は、病気やケガによる痛みから、震える場合があります。足を引きずったり、かばったりするなど、犬が不自然な動きをしていないか確認しましょう。

全身を触って嫌がる場所はないかも確認してください。震えのほかに、おう吐や下痢、元気がないなどの症状が見られたら速やかに動物病院を受診しましょう。

犬が震えるときはどうしたらいい?原因別の対処法

犬が震えるときはどうしたらいいのか、震えの原因別に対処法を紹介します。

  • 寒さによる震えの場合
  • 恐怖や緊張による震えの場合
  • 筋力の低下による震えの場合
  • 病気による震えの場合

それぞれの対処法について詳しく見ていきましょう。

寒さによる震えの場合

犬が寒さで震えていたら、エアコンの温度を上げて室温を調整しましょう。犬が寒いと感じる温度は、個体差があるため愛犬の様子を確認しながら管理してください。

寒さから散歩に行きたがらないときは、ダウンや防寒コートの着用がおすすめです。室温が下がる就寝時は、ケージに毛布をかけたりベッドの下に断熱シートを敷いたりすると保温効果が高まります。

また、ペット用ホットカーペットやペットヒーターであれば、安全面に配慮した製品になっているため就寝時でも安心して利用できるでしょう。

恐怖や緊張による震えの場合

病院に行くと必ずブルブル震えて怖がってしまうのは、これまでの注射や爪切りなどで怖い思いをしたことからトラウマになっている可能性があります。

まず病院によい印象を持ってもらうために、診察前や診察後にご褒美の特別なオヤツを与えてください。獣医師や看護師からもオヤツを与えてもらい、病院の印象をよくしましょう。

雷や花火を怖がって震える場合は、雨戸を閉じるなど可能な限り音を遮断し、犬をクレートに誘導してください。日ごろからクレートトレーニングを行い、安心できる場所として慣れさせておく必要があります。

震えのほかに、おう吐や下痢、血便などの症状がある場合は、サプリメントや薬の服用も検討しましょう。

筋力の低下による震えの場合

犬は7歳からシニア期に入るといわれ、徐々に筋力が低下します。加齢による筋力の低下から、後ろ足がプルプル震えてしまう場合は、散歩や運動、ストレッチで今ある筋肉を維持しましょう。

また室内の床を滑りにくいカーペットに変えたり、足裏の毛をカットしたりする方法も効果的です。散歩は、芝生や砂浜などをゆっくり歩くと後ろ足の筋力アップに効果的です。

散歩のほかに室内で行える、クッションやバランスディスクを使った筋トレであれば、天候に左右されず続けられます。筋トレはケガを防ぐために、ストレッチで筋肉をほぐしてから行いましょう。

病気による震えの場合

病気の可能性がある震えの場合は、速やかに動物病院に連絡し指示を仰ぎましょう。とくに中毒症状や低血糖、熱中症による発熱の場合は、緊急性の高い震えです。

命にかかわる恐れがあるため、様子を見たりせず夜間であっても、動物病院を受診してください。そのほかの病気が疑われる場合も、早めに動物病院で適切な治療を受けましょう。

犬の震えが止まらないときは動物病院を受診しよう

今回は、犬の震えの原因や考えられる病気、震えの原因別の対処法についてお伝えしてきました。寒さやストレス、興奮といった生理的な現象の場合は、紹介した対処法で改善を図ってください。

病気が疑われる震えの場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。病気のなかには、中毒症状や低血糖、熱中症といった緊急性の高い病気が原因になっている場合もあります。

これらの病気は、治療が遅れると命にかかわる危険があるため注意が必要です。様子を見たり自己判断したりせず、迅速に動物病院を受診しましょう。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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