犬の発情期はいつ始まって何歳まで続く? オスとメスの行動の違いを解説

「犬の発情期はいつ起きるのか?」
「犬は発情期が始まるとどんな行動をとるの?」
「メスとオスでは発情期の行動が違うの?」

犬はある時期に入ると発情期になり、いつもと様子が変わってきます。発情期になったときは、どのような行動が増えるのか把握しておけば、素早く対処できるでしょう。

そこで今回は、犬の発情期について詳しくお伝えします。発情期の期間や行動、飼い主さんに求められる対応などを詳しく解説するので、ぜひご一読ください。

犬の発情期はいつから?

犬の発情期は個体差によるものが大きく、一概に何歳から始まると決まっているわけではありません。一般的には、6~12ヶ月頃から発情期が始まるとされています。

人間のように閉経がないと言われているため、高齢まで発情する犬は多いです。状況に応じて、避妊や去勢を検討しましょう。

犬の発情期が続く期間は?行動について

発情が続く期間について、知らない飼い主さんも多いかもしれません。犬の発情期が続く期間や、よくある行動は次のとおりです。

  • 一般的に8~14日程度
  • 発情期に起こす行動
  • 発情期の周期について

詳しい内容について解説していきます。

一般的に8~14日程度

犬の個体差によって発情期が続く期間は異なりますが、一般的に8~14日程度です。

メスはヒートと呼ばれる生理のような状態が始まると、外陰部が腫れていき出血が伴います。10日程度は出血が続き、排卵した後に交配適期になるのが特徴です。

オスの場合は明確な発情期がなく、メスのフェロモンに誘発されて発情します。

発情期に起こす行動

発情期になれば、メスもオスも落ち着かない、食欲が低下するなどの行動が見られます。いつもと愛犬の様子が違うときは注意深く観察してみてください。

他にも、異性のところに行きたがる様子を見せるケースがあります。特にメスのフェロモンの影響で、オスが近づく傾向があるので気を付けてください。

発情期の周期について

メスの発情期は6~10ヶ月の周期で行われると言われています。タイミングは個体差が大きいですが、年に1~2回程度は発情期を繰り返すのが特徴です。

ただし、室内犬の場合は冷暖房が効いている環境で生活するため、季節感がなく時期を問わずに発情する犬もいます。

発情の周期が変わる可能性があるので、一概に周期通りになるとは限りません。

犬のオスとメスの発情期の違い

犬のオスとメスでは、発情期に見られる行動や特徴は違うのでしょうか。犬のオスとメスの発情期の違いについて、詳しく解説します。

オスの場合

オスの場合は、決まった時期に発情する訳ではありません。メスのフェロモンによって発情期が誘発されるので、メスと接したかどうかが重要です。

オスが発情すれば、落ち着きがなくなったりメスに近づいたりします。他にもマウンティングやマーキングの回数が増えるケースが多いです。

犬の性格次第では、攻撃的になり他の犬と喧嘩を始める可能性があります。愛犬が普段と違う行動を取るときは気を付けてください。

メスの場合

メスの場合は発情期に入ると、陰部を気にしたり出血したりします。他にも落ち着きがない、おしっこの回数が増えるなどの行動がみられるでしょう。

体温がいつもより温かくなるのも、発情期の目印となります。

犬の発情期における対処法

犬が発情期になったとき、飼い主さんはどのような行動を取るべきなのでしょうか。犬の発情期における対処法は、以下のとおりです。

  • 体調の変化には注意
  • 室内ではパンツやオムツを履かせる
  • 発情期休止期には子宮蓄膿症に注意

事前に発情期の対処法を理解しておき、愛犬の身体を労わってあげましょう。

体調の変化には注意

犬が発情期になると、普段と違う行動を取るようになります。落ち着きがなくなったり水分摂取量が増えたりなど、いつもと違う行動が増えるでしょう。

食欲が低下し、元気がなくなるなどの体調の変化が生じる可能性があります。そんなときは、フードをふやかして食べやすくしてあげてください。

また、愛犬がリラックスできるよう、静かに寝られる室内環境を整えてあげるのも重要です。

室内ではパンツやオムツを履かせる

メスの場合、ヒート期には出血が伴います。室内が汚れる可能性があるので、発情期にはパンツやオムツを履かせてあげてください。

発情期に着けておけば、床や家具を汚す心配がなくなります。ただし、犬によってはパンツやオムツを嫌がる可能性があるでしょう。その場合は、トイレシートを室内に配置して、室内が汚れないよう工夫してください。

また、パンツやオムツはこまめに変えましょう。長期的に着けていると、かぶれや炎症などの原因になります。

発情期休止期には子宮蓄膿症に注意

発情期が治まる「発情休止期」は、子宮内で細菌が繁殖し、子宮蓄膿症になる可能性が高いです。子宮蓄膿症になると黄色い液体が出るようになり、犬の体に大きな負担がかかります。

愛犬の様子がおかしいと感じたら、膿が出るなどの症状が出る前に動物病院で診察を受けて対処してあげることが重要です。

犬の偽妊娠について

発情休止期に見られる犬の行動のなかに「犬の偽妊娠」があります。偽妊娠とは、妊娠していないのに、妊娠時のような症状や子育てしているような行動が見られる状態のことです。

偽妊娠はホルモンバランスの影響で引き起こされ、時間経過によって落ち着きます。最初は戸惑いますが、偽妊娠である確信があれば問題ありません

ただし、偽妊娠かどうか一般的に判断する基準がないので、不安な場合は動物病院へ連れて行きましょう。

犬の発情期で悩んだら避妊・去勢手術

犬の発情期で悩んでいる飼い主さんは、避妊・去勢手術を検討してみてください。子犬を望んでいないなら、手術を受けたほうが病気になるリスクも低減できます。

ここでは、犬の避妊・去勢手術について、以下の内容を確認していきましょう。

  • 避妊・去勢手術をするベストタイミングは?
  • 発情との関係性
  • 避妊・去勢手術のメリットとデメリット

避妊・去勢手術をするベストタイミングは?

避妊・去勢手術をするベストタイミングは、生後6~8ヶ月頃と言われています。メスの場合は、早期に避妊手術をすれば乳腺腫瘍の発症リスクが下げられるのもメリットです。

動物病院によっては、生後何ヶ月から手術可能なのか基準が異なります。事前にいつから避妊・去勢手術を受けられるのか、相談しておきましょう。

発情との関係性

犬の発情と避妊・去勢は密接な関係があります。メスの場合は、手術を受ければ発情するサイクルがなくなるため、発情期自体が来なくなるでしょう。

オスはメスのフェロモンによって発情しなくなるので、攻撃的になる・落ち着きがなくなるなどの症状が緩和されます。

避妊・去勢手術のメリットとデメリット

犬の避妊・去勢手術を受けるのは、発情期が来なくなるメリットがあります。一方でデメリットもあるため、予め把握しておくことが大切です。

避妊手術のメリット・デメリット

避妊手術を受ければ、乳腺腫瘍や子宮蓄膿症など、メス特有の疾患が発症するリスクが低くなります。

また、ヒート期による出血がなくなるので、パンツやオムツを履かせる必要もありません。さらに、オス犬と接触して発情を誘発させるリスクもなくなります。

ただし、避妊手術を受けると、エネルギー消費が少なくなり、肥満リスクが高くなるので注意が必要です。

これまでと同じ食生活を維持すれば、徐々に脂肪が蓄えられていくので、食事量の見直しが必要になります。

去勢手術のメリットとデメリット

去勢手術を受ければ、前立腺肥大や肛門周囲腺腫、精巣腫瘍など、オス特有の疾患の発症リスクが低くなります。

また、他の犬へのマウンティング行為が少なくなるので、攻撃性の緩和に繋がるでしょう。ただし、去勢手術を受けると、メスと同様に肥満のリスクが高くなります。

肥満はさまざまな病気の原因になるため、十分に注意が必要です。

犬の発情期の症状や行動に合わせて適切な対処を

今回は犬の発情期について、詳しくお伝えしてきました。発情期になると、特有の症状が出たり普段と違う行動を取ったりします。

飼い主さんは、症状や行動に合わせて適切な対処をしなくてはなりません。また、場合によっては、避妊や去勢手術の検討も必要です。

もし発情期の対応や犬の様子に不安がある場合は、できるだけ速やかに動物病院へ相談に行きましょう。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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