愛犬のお葬式に必要な準備は? 葬儀の種類や費用・手順や注意点を解説

家族である愛犬が亡くなったとき、人間と同じようにお葬式をあげたいと考える飼い主さんは少なくありません。でも、次のような疑問を持つ方も多くいるはずです。

「愛犬のお葬式は何から準備すればいい?」
「犬のお葬式の種類を知っておきたい」
「犬のお葬式の費用相場はどれくらい?」

犬のお葬式を執り行うには、当然ですが準備が必要です。また、犬のお葬式には種類があり、それぞれ特徴が異なるため、事前に理解しておくべきことも少なくありません。

そこで今回は、愛犬のお葬式の種類や準備、相場、注意点などを詳しくお伝えしていきます。いざというときの備えのためにも、ご一読ください。

犬のお葬式とは?

そもそも犬のお葬式とは、家族として過ごしてきた愛犬を弔う葬儀のことです。以前は犬が亡くなったとき、焼却処分だけで済ませる形式が一般的でした。しかし、今は犬を家族の一員と考え、人間と同様にお葬式を執り行いたいという要望が増えているのです。

その要望に応える形でペット関連のサービスが普及し、今では犬のお葬式を執り行う葬儀社は多くあります。お葬式だけでなく、ペット霊園を運営する会社も少なくありません。

犬を弔うお葬式の種類

犬のお葬式には、いくつか種類があります。主な犬のお葬式の種類は、以下のとおりです。

  • 合同葬
  • 立会葬
  • 個別一任葬
  • 訪問火葬

愛犬を弔う際に選択が必要なため、それぞれの特徴を理解しておきましょう。

合同葬

犬のお葬式における合同葬とは、多くのペットを同時に火葬する様式です。たくさんのペットをまとめて火葬することから、愛犬のお骨上げを行うことはできません。そのため、愛犬のお骨上げを望む飼い主さんには、不向きな様式です。

ただし、費用面では他の種類よりも、安い金額で対応してもらえます。予算を抑えてお葬式をあげることを検討している方にはおすすめです。

立会葬

立会葬は、出棺・火葬・お骨上げ・納骨という、人間のお葬式と変わらない手順で執り行う様式です。飼い主さんが最期まで、愛犬を丁重に弔ってあげられます。

愛犬は大切な家族だからこそ、最期まで見届けたいという飼い主さんは多いでしょう。そんな方に支持されているお葬式の形です。

個別一任葬

個別一任葬は、基本的に立会葬と手順が同じです。ただし、火葬とお骨上げのときに、飼い主さんは立ち会えません。火葬とお骨上げは、葬儀社のスタッフが対応してくれます。

愛犬の遺骨は、後から迎えに行き、納骨することは可能です。愛犬のお葬式をあげたいけれど、時間がなくて立ち会えないという飼い主さんに選ばれています。

訪問火葬

訪問火葬は、葬儀屋さんが自宅まで足を運んで、その場で火葬してくれるものです。火葬炉を搭載した車両で訪問してくれるので、自宅で火葬・お骨上げができます。火葬場が遠い方でも愛犬のお葬式を執り行えるので、利用する愛犬家の方も多いです。

また、自宅以外の指定した場所でも、火葬が可能です。愛犬との思い出の場所で火葬を執り行う飼い主さんもいます。

犬のお葬式にかかる費用

犬のお葬式の種類について紹介してきましたが、費用が気になる方も多いはずです。ここでは、種類別の費用相場、お葬式後にかかる費用について詳しく解説していきます。

費用相場【お葬式の種類別】

犬のお葬式にかかる費用は、種類によって異なります。様式別の費用相場は、以下の表のとおりです。

小型犬 中型犬 大型犬 超大型犬
合同葬 20,000円~ 30,000円~ 40,000円~ 50,000円~
立会葬 27,000円~ 37,000円~ 47,000円~ 57,000円~
個別一任葬 25,000円~ 35,000円~ 45,000円~ 55,000円~
訪問火葬 22,000円~ 32,000円~ 42,000円~ 52,000円~

葬儀社によって細かい料金設定は異なるため、費用相場はあくまでも参考程度にしてください。また、愛犬の身体の大きさによっても費用が変わるケースが多いので、事前に葬儀社に確認しておきましょう。

お葬式後にかかる費用

愛犬を弔う場合、お葬式以外にも費用がかかります。例えばお墓を用意したり納骨堂を用意したりするときは、その分の費用が必要です。

お葬式後にかかる主な費用は、次の表にまとめたとおりです。

初期費用 備考
個別墓 10万円~30万円
納骨堂 10,000円~数十万円 管理費用として、年間+5,000円程度
合葬墓 5,000円~数万円
人と入れる納骨堂・墓 60,000円~100万円 お墓の大きさなどによって費用が異なる
仏壇 10,000円~50,000円

細かい料金設定は対応してくれる業者によって異なるため、前もって見積もりを出してもらうようにしましょう。

愛犬のお葬式を執り行うときの手順

次に犬のお葬式が執り行われる手順を確認していきましょう。大まかな流れは、以下のとおりです。

  • 愛犬の遺体を棺などに安置する
  • ペット関連の葬儀社に相談
  • 火葬場に足を運ぶ
  • 葬儀を執り行う
  • 遺骨を骨壺に入れる
  • お墓があれば埋葬する
  • 供養や手続きを行う

いざというときに焦らず対応できるように、手順を理解しておきましょう。

愛犬の遺体を棺などに安置する

犬のお葬式を執り行う際は、まず飼い主さんが愛犬のご遺体を棺などに安置する必要があります。棺がないときは、箱にご遺体を安置するだけでも問題ありません。安置する際は、ご遺体を綺麗に拭いてあげるなど、できる範囲で良いので身体を清めてあげましょう。

ペット関連の葬儀社に相談

愛犬のご遺体を安置した後は、ペット関連の葬儀を請け負っている業者に連絡します。前もって、いくつかの業者を比較しておき、サービスや料金設定を確認しておくことがおすすめです。

まとめて見積もりを取っておけば費用相場も把握しやすいので、ひとつの業者だけで決めないようにしましょう。業者を決めたら、お葬式の種類や日時を連絡して予約してください。指定した日時になれば、業者が適切な対応を行ってくれます。

火葬場に足を運ぶ

予約した日時になったら、火葬場に足を運びましょう。スタッフの方が一連の流れを説明してくれるので、それに従って愛犬を弔ってあげてください。

このときにお葬式の種類を訪問火葬に指定しているなら、火葬炉を搭載した車両で自宅や指定した場所に訪問してもらえます。訪問火葬の場合も、スタッフが一連の流れを説明してくれるので、指示に従って行動してください。

葬儀を執り行う

お葬式が始まると、読経や焼香を執り行います。人間のお葬式のように進行するので、事前にスタッフの説明があった通りに葬儀を執り行ってください。このときに、副葬品として愛犬に縁のある物を供えてあげれば、一緒に火葬できます。

おやつやおもちゃなど、生前好きだった物を入れてあげましょう。ただし、金属やプラスチック類の物は火葬できないので、事前に何を入れても良いのか把握した上で副葬品を用意してあげてください。

遺骨を骨壺に入れる

火葬が終わったら、愛犬の遺骨を骨壺に入れます。人間のお葬式と同様の流れで骨壺を入れるので、大切に収骨してあげてください。

お墓があれば埋葬する

愛犬を埋葬するお墓があるなら、そこに供養できます。個別墓や合葬墓など、お墓にも種類があるので、前もって準備しておいてください。遺骨を自宅に持ち帰ることもできるので、どう対応をするのかは、事前に決めておきましょう。

供養や手続きを行う

葬儀後は、四十九日法要などを行う方も多くいます。自宅でも法要を行えるので、事前に業者と話し合って希望を伝えておきましょう。

また、愛犬が亡くなったときは、30日以内に死亡届を役所に提出する必要があります。期限内に手続きに必要な書類を提出し、死亡届を受理してもらいましょう。

犬のお葬式を行うときの服装

犬のお葬式には、どんな服装が適しているのかをわからない方も少なくないでしょう。ここでは、葬儀場別の服装マナーについてお伝えしていきます。

ペット専用の葬儀場に行く場合

ペット専用の葬儀場で愛犬のお葬式を執り行う場合、特に服装マナーに関するルールはありません。ただし、派手な服装はお葬式に向かないので、地味で落ち着いた服装が好ましいでしょう。

人間のお葬式同様、喪服での参加でも問題ありません。どのような服装を着て行けば良いのかわからない方は、喪服で参加すると良いでしょう。

人間と同じ葬儀場に行く場合

人間と同じ葬儀場で火葬を執り行う場合は、喪服を着て参列するケースが多いようです。とはいえ、細かな決まりはないため、黒っぽい地味な服装であれば問題ないでしょう。派手な服装は好まれないため、避けてください。

愛犬のお葬式で棺に入れられる物・入れられない物

愛犬のお葬式では、副葬品に好きだったおやつやおもちゃを棺に入れる飼い主さんが多いです。しかし、どんな物でも棺に入れられるわけではありません。ここでは、棺に入れられる物と入れられない物をお伝えしていきます。

棺に入れられる物

愛犬の棺に入れられる物は、お花や写真、金属やプラスチック製ではない首輪やリードなどが該当します。つまり火葬するときに燃える素材の物です。缶やプラスチック類は棺に入れられないので、素材を把握した上で棺に入れてください。

棺に入れられない物

愛犬の棺に入れられない物は、燃えない物や燃えにくい物などです。具体例としては、金具やプラスチックの素材が使われている首輪やリードなどが該当します。ほかにも、ボールやゴム製のおもちゃなども禁止されていることがほとんどです。

また、飲料などの水分が多い物も棺に入れられません。事前にスタッフの方に相談した上で、副葬品を選んでください。

犬のお葬式を執り行うときの注意点

愛犬のお葬式を執り行うときは、いくつか注意しておきたい点があります。注意点は以下の通りです。

  • 身体のサイズによって費用が異なる
  • 香典は必要ない

お葬式をスムーズに執り行うためにも、詳しく理解しておきましょう。

身体のサイズによって費用が異なる

犬のお葬式では、身体のサイズによって料金設定が異なります。例えば、大型犬よりも小型犬のほうが葬儀費用は安いです。細かい料金設定は葬儀社によって異なりますが、基本的な考え方は次のようになります。

小型犬 体重5.1kg~10kg未満
中型犬 体重10kg~25kg未満
大型犬 体重25kg~40kg未満
超大型犬 体重40kg以上

実際の料金設定は、業者に確認してみないとわかりません。費用面でのトラブルを避けるためにも、前もって見積もりを取って予算内に抑えられるか検討しておきましょう。

香典は必要ない

家族や友人の愛犬が亡くなったとき、葬儀に参列する機会もあります。その際に香典を持っていくのか悩む方もいるはずです。結論からお伝えすると、犬のお葬式では香典を用意する必要はありません。香典の代わりに、生花や造花を贈るのが一般的なマナーです。

愛犬のためにお葬式について理解を深めておこう

今回は犬のお葬式について、詳しく紹介してきました。犬のお葬式は、様式を選ぶことができ、希望すれば人間と同じような葬儀も可能です。ただし、葬儀の種類や愛犬の身体のサイズによって費用が異なるため、事前に確認しておく必要があります。

また、お葬式の手配や準備、当日の葬儀を問題なくスムーズに進めるには、手順や注意事項を理解しておくことが大切です。大切な愛犬が亡くなったときに丁重に弔ってあげるためにも、ここでお伝えした内容を把握しておいてください。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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