犬のしっぽが下がる理由とは? 対処法や病気との見分け方もあわせて解説

犬は特に不安や恐怖を感じたときに、しっぽを下げる傾向があります。しかし、楽しそうにしていたのに、突然しっぽを下げてしまうこともあるでしょう。そのようなときに、飼い主は愛犬の気持ちを知りたいはずです。

そこで今回の記事では、犬がしっぽを下げる理由について詳しく解説します。飼い主は理由をしっかり理解して対応してあげることが大切です。対処法や病気との見分け方もあわせて紹介しているので、犬を飼っている方や犬を飼い始めた方はぜひ参考にしてください。

犬のしっぽにおける3つの役割

犬のしっぽには大きく分けて、以下の役割があります。

  • 感情を伝える役割
  • 寒さから身を守る役割
  • バランスを取る役割

犬はしっぽを大きく振ったり、高く立てたりするなど、よく動くのが特徴です。それぞれの役割を具体的に解説していきます。

感情を伝える役割

犬は吠えたり、鳴いたりする以外に、しっぽを使って感情を伝えています。振り方や速さ、高さによって感情を表現しているため、飼い主はしっかり理解してあげることが大切です。

寒さから身を守る役割

犬は寒さを感じると、しっぽをできるだけ体に巻きつけて、体を丸めます。また、鼻から冷たい外気を吸わないように、しっぽで鼻先を保護することも多いです。

バランスを取る役割

犬は飛んだり跳ねたりする際に、しっぽを上下左右に振りながら体のバランスを取っています。犬のしっぽは、転倒防止という大きな役割も果たしているのです。

【精神的】犬がしっぽを下げる4つの理由

犬がしっぽを下げる精神的な理由として、以下の4つが挙げられます。

  • 不安・恐怖を感じている
  • 周囲や人を警戒している
  • 過度なストレスを感じている
  • 気持ちや身体がリラックスしている

犬がしっぽを下げると、「不安や恐怖を感じているのでは?」と心配になる方も多くいますが、他の理由で下げている場合もあります。状況や犬の様子を把握した上で、どのような気持ちなのか考えてあげることが大切です。

不安・恐怖を感じている

犬は不安や恐怖を感じると、しっぽを下げる傾向があります。具体的には、苦手な音が聞こえたときや飼い主に叱られたとき、病院にいるときなどが挙げられます。

また、しっぽだけでなく耳が下に向いている場合も、不安や恐怖を感じているサインです。

周囲や人を警戒している

相性の悪い犬や苦手な人に会ったり、聞き慣れない音が聞こえたりすると、しっぽを下げることがあります。

警戒心を強めているときは、意識がその対象に集中するため、しっぽに力が入らなくなることもひとつの原因です。ただし、何かに集中すると、しっぽの位置が水平になる犬も中にはいます。

過度なストレスを感じている

飼い主に叱られたり、病院などの苦手な場所に連れて来られたりすると、不安や恐怖だけでなく、ストレスも感じる犬は多いです。病院やトリミングなど、愛犬のために必要なことは仕方ありません。

しかし、何度も叱ったり、苦手な犬と無理やり触れ合わせたりするなど、避けられることもあります。ストレスは心と身体に影響を与えるため、なるべく取り除いてあげることが大切です。

気持ちや身体がリラックスしている

犬がしっぽを下げると、ネガティブなイメージを持つ方は多くいますが、気持ちや身体がリラックスしている場合もあります。しっぽに力が入っていない状態、つまりリラックスモードに入っているときも、犬のしっぽは下がっていることが多いです。

【肉体的】犬がしっぽを下げる2つの理由

犬がしっぽを下げる肉体的な理由として、以下の4つが挙げられます。

  • シニア期に入った
  • 病気にかかっている

犬がしっぽを下げるときは、体の調子が悪い場合もあります。そのため、飼い主は病気かどうかしっかり見分けることが大切です。

シニア期に入った

シニア期に入ると、腰の位置が低くなることで、しっぽが下がるようになります。その他、シニア犬になると、次のような症状が見られます。

  • 毛の色が薄くなる
  • 歩くスピードが遅くなる
  • 小さな段差でもつまずくようになる
  • 睡眠時間が多くなる
  • 良く物にぶつかるようになる

ただし、病気のサインと似ている部分もあるため、気になる場合は動物病院で診てもらった方が無難です。

病気にかかっている

リラックスしているときと見分けるのが難しいですが、病気にかかっている場合も犬はしっぽを下げることがあります。病気にかかっているときは、普段よりも食欲がなかったり、多く寝たり、歩くスピードが遅くなったりするのが特徴です。

なお、犬のしっぽが下がっているときに考えられる病気として、以下の4つが挙げられます。

  • 脱臼・骨折
  • 肛門のう炎
  • 馬尾症候群
  • 椎間板ヘルニア

日常的に様子を観察したり、身体を触ってチェックしたりすることが、病気の早期発見につながります。少しでも病気の疑いが出た場合には、かかりつけの動物病院に連れて行くと安心です。

犬がしっぽを下げているときの対処法

犬がしっぽを下げているときの対処法として、以下の4つが挙げられます。

  • 不安や恐怖になる原因を取り除く
  • 安心感を与える
  • 気分転換をさせてあげる
  • 動物病院に連れて行く

それぞれの対処法について、具体的に解説していきます。

不安や恐怖になる原因を取り除く

不安や恐怖を感じてしっぽを下げている場合は、その原因を取り除いてあげることが大切です。不安や恐怖を長く感じ続けると、ストレスを溜め込んでしまいます。まずは愛犬の様子を観察し、原因が何か明確にしましょう。

安心感を与える

周りや人を警戒している場合は、安心感を与えることが大切です。優しい言葉をかけたり、撫でたりすると、犬も安心感を抱くことができます。愛犬が好きなおもちゃなどがあれば、それを利用して警戒心をほぐしてあげるのも効果的です。

気分転換をさせてあげる

大好きなおやつを与えたり、抱っこしながら話しかけたりするなど、気分転換を促すことで、犬の気持ちが元に戻る場合があります。飼い主の声色や表情から感情を共有する犬もいるため、大丈夫であることを伝えられるように接しましょう。

動物病院に連れて行く

ここまでお伝えした対策でも変わらなかったり、明らかに普段と様子が異なったりする場合は、動物病院に連れていきましょう。

病気の場合は、いかに早く見つけてあげられるかが重要になります。早期発見のためにも、普段からしっかり様子を観察しておくことが大切です。

犬のしっぽが下がる理由をしっかり理解しておこう

今回は、犬のしっぽが下がる理由について詳しく解説しました。ネガティブなイメージが強いですが、リラックスしているときも下がることがあります。リラックスしているとき以外は、下がっている原因を明確にすることが大切です。

恐怖や不安、ストレスを感じている場合は、その原因を取り除いてあげる必要があります。対処しても変わらないときは、病気にかかっているかもしれません。普段と違う様子だったり、症状が見られたりしたときは、かかりつけの動物病院に連れて行きましょう。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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