犬は飼い主さんが帰ってきたときにうれしょんをするケースがあります。何度もうれしょんされると後片付けも大変なため、次のような疑問や悩みを持っている方も多いはずです。
「犬がうれしょんする理由は?」
「犬がうれしょんするときの対処法は?」
「犬のうれしょんをやめさせたい!」
そこで今回は、犬がうれしょんする理由や対処法などについて詳しくお伝えします。ぜひ最後まで読んで、参考にしてください。
犬はなぜうれしょんするのか?
そもそもなぜ犬は、うれしょんをするのでしょうか。理由は主に以下の2つです。
- 興奮性排尿によるもの
- 服従性排尿によるもの
具体的に解説していきます。
興奮性排尿によるもの
飼い主さんが帰宅したときや遊んでいるときに、興奮しすぎてうれしょんするケースがあります。これを興奮性排尿と呼び、犬自身もうれしょんしていることに気付いていません。
興奮性排尿は、犬が一定以上興奮したときに引き起こされます。飼い主さんが必要以上に愛犬を興奮させなければ予防可能です。
服従性排尿によるもの
犬は何らかの原因で恐怖を感じたときに、うれしょんをするケースがあります。これを服従性排尿と呼び、過去のトラブルから引き起こされている可能性が高いです。
服従性排尿は、人が近づく、頭の上に手をかざす、叱ったときなどに引き起こされます。
どんな犬がうれしょんしやすい?
お伝えしたように、犬のうれしょんは、興奮や服従の意思から引き起こされます。では、どんな犬がうれしょんしやすいのでしょうか。うれしょんしやすい犬の特徴は、次のとおりです。
- 子犬
- 小型犬
- 飼い主に依存している犬
- ストレスを感じやすい犬
それぞれの特徴や理由について、詳しく確認していきましょう。
子犬
子犬のときは何もかもが新鮮で、すぐに興奮状態になってしまいます。そのため、遊びや物音などの些細なことで興奮してしまい、うれしょんするケースがあるのです。
また、子犬の時期は筋肉が発展途上であるため、膀胱括約筋が成長しておらず尿のコントロールがうまくできません。
筋肉が未発達でうれしょんしている場合は、成犬になれば改善されます。少し様子を見ておき、成犬になってもうれしょんするなら対策を検討しましょう。
小型犬
身体が小さい小型犬は、服従心からうれしょんをするケースが多いです。特に大きな犬や人を見て、うれしょんしてしまうことがあります。
また、小型犬は基本的に室内飼いがほとんどであるため、飼い主さんと過ごす時間が多いです。
一緒にいる時間が多いほど、犬の服従心が高まる可能性があるので、室内飼いの小型犬ほどうれしょんする可能性が高くなります。
飼い主に依存している犬
飼い主さんに依存している犬は、興奮・服従の気持ちが強く、うれしょんする可能性が高いです。
そもそも、犬がおしっこを漏らす行為は、相手に自分の服従心を見せるために行います。飼い主さんに対してうれしょんするのも、服従心を見せる意味合いが強いでしょう。
うれしょんしたときに、飼い主さんがリアクションするほど犬は喜んでいると勘違いします。うれしょんを止めさせるためにも、反応しないことが大切です。
ストレスを感じやすい犬
性格的にストレスを感じやすい犬は、恐怖心からうれしょんする可能性があります。気が弱い・過去にトラウマがある犬ほど、些細なことでも恐怖を感じやすいです。
日頃から物音や生活環境には十分注意しておき、愛犬が安心できる環境を整えてあげましょう。
犬はどんなときにうれしょんする?
犬のうれしょんは、どんなときに引き起こされるのでしょうか。犬がうれしょんする具体的なタイミングは、次のとおりです。
- 飼い主が帰ってきたとき
- 構っているとき
- 来客が訪問したとき
それぞれの場面について、詳しく解説していきます。
飼い主が帰ってきたとき
大好きな飼い主さんが帰ってきたときに、嬉しい気持ちから興奮状態になる犬は多いです。そのため、このタイミングでおしっこを漏らしてしまう犬は少なくありません。
飼い主さんが帰ってきてすぐに名前を呼ぶと、愛犬はさらに喜んで興奮します。うれしょんを防ぐためにも、名前を呼びたい気持ちを抑えて、愛犬が落ち着くまで待ちましょう。
構っているとき
犬は飼い主さんに抱っこされたりなでたりと、構ってもらうときにも興奮状態に陥ります。激しく構うほど犬がうれしょんしてしまうケースは増えるでしょう。
また、構っているときにうれしょんした愛犬を見て、大きな声やリアクションをするのは厳禁です。飼い主さんの反応が大きいほど、愛犬は喜んでくれていると錯覚します。
うれしょんを繰り返させないためにも、冷静に対処することが肝心です。
来客が訪問したとき
好奇心旺盛な犬の場合は、来客が訪問したときに興奮してうれしょんするケースがあります。対面させると、興奮を助長させる可能性があるので、少し離れた場所で待機させておくのがおすすめです。
ケージやリードを利用して、来客との距離を一定に保っておくようにしましょう。来客にも、愛犬が興奮するので近づかないよう注意しておくと良いかもしれません。
犬のうれしょんの対処法
犬のうれしょんを改善したい場合、どのような対処法が有効なのでしょうか。おすすめの対処法は以下のとおりです。
- 成犬になるまで待つ
- 犬を興奮させない
- ストレスを溜め込ませない
- 病院で診察してもらう
それぞれの対処法を、詳しく確認していきましょう。
成犬になるまで待つ
子犬期は筋肉や感情のコントロールが未熟であるため、ふとしたときにうれしょんしてしまうことが多いです。身体が未発達であるため子犬のときは仕方がないと諦め、成犬になるまで辛抱強く待ってみましょう。
成犬になれば、自然とうれしょんしなくなる犬は多いです。ただし、うれしょんしたときに、飼い主さんが叱ったり声を荒げたりしていると、飼い犬は喜んでいると勘違いします。
子犬のときからうれしょんに反応していると、クセになる可能性があるので、落ち着いた対応を心掛けてください。
犬を興奮させない
うれしょんは犬が興奮したときに引き起こされます。そのため、愛犬を興奮させないように接することが大切です。
例えば、飼い主さんが帰宅したときは、愛犬も嬉しくて飛び掛かってきます。そのときに、大きな声で名前を呼ぶとより興奮してしまい、うれしょんを誘発させる恐れがあるのです。
愛犬が興奮していると感じたら、一旦落ち着かせてから構うようにしてください。また、愛犬が興奮しているときに、マテやオスワリの指示をすれば興奮状態を緩和させるきっかけになります。
ストレスを溜め込ませない
犬のうれしょんはストレスが原因の可能性があります。ストレスが原因の場合は、散歩や一緒に遊ぶなどコミュニケーションの量を増やせば、うれしょんを解消できる可能性が高いです。
何らかのストレスを愛犬が抱えているときは、原因を特定して取り除いてあげてください。
病院で診察してもらう
成犬になってもうれしょんが改善されない場合や、日頃から尿漏れが激しいときは、何らかの病気にかかっている恐れがあります。病気の疑いがあるときは、早めに動物病院で診察を受けてください。
特にシニア犬は、膀胱の筋肉が衰えるため尿漏れがしやすくなります。腎不全が発症している可能性があるので、違和感を覚えたときは速やかに病院へ足を運びましょう。
犬のうれしょんを治すときに気を付けたいこと
犬のうれしょんを治す際には、以下のポイントに気をつけておくことが大切です。
- マナーパンツやベルトをつける
- 過度に叱らない
それぞれのポイントを詳しく解説します。
マナーパンツやベルトをつける
うれしょんがクセになっている犬は、外出時でも尿漏れのリスクがあります。愛犬のおしっこのお世話は、犬を飼ううえで最低限のマナーです。
外出先のうれしょんに備えるため、マナーパンツを履かせたりベルトを着けたりして対策を講じておきましょう。
特にドッグランやドッグカフェなどの公共施設を利用するなら、うれしょん対策は必須です。入念に準備を整えたうえで、公共施設を利用してください。
過度に叱らない
犬はうれしょんを無自覚で行っています。そのため、飼い主さんから叱られても、なぜ怒られているのか理解できない可能性が高いです。
また、うれしょんは服従心から引き起こされます。叱ることで服従心が芽生えて、うれしょんを誘発させるかもしれません。
うれしょんを叱る行為は、愛犬に恐怖心を植え付けるリスクがあるので注意してください。
本当にうれしょんかどうかの見極めも大切
うれしょん以外にも、室内で愛犬がおしっこを漏らすケースがあります。うれしょんかどうか判断するためにも、室内でおしっこする原因を見極めておくことが大切です。
例えばトイレトレーニングが不十分な場合、決められた場所でおしっこできない可能性があります。他にも、マーキングのために家の柱などにおしっこをかけているかもしれません。
また、犬が「分離不安」になっていると、飼い主さんが留守中におしっこを漏らすケースがあります。分離不安は飼い主さんがいないと不安な気持ちになり、ストレスを感じる症状のことです。
留守中におしっこを漏らすことが多いときは、ペットカメラを設置して様子を観察してみてください。
犬のうれしょんに関するQ&A
最後に犬のうれしょんに関する以下の疑問について、Q&A形式でお伝えしていきます。
- うれしょんの量はどれくらい?
- うれしょんと粗相は違うの?
- うれしょんはしつけでなおせる?
- メスのほうがうれしょんしやすいって本当?
同じ疑問を持つ方は、ぜひ参考にしてください。
うれしょんの量はどれくらい?
うれしょんの量は犬によって異なります。かなりの量を出してしまう子がいれば、よく見ないとおしっこが確認できない子もいるでしょう。
点々とおしっこが飛び散っているようなうれしょんをするケースもあるので、よく観察しておいてください。
うれしょんと粗相は違うの?
うれしょんの場合は、犬自身が無自覚で行っていることが多いです。しかし、粗相の場合は、犬が意思をもって行います。
うれしょんは興奮や服従心から本能的に行うものですが、粗相は排尿に近いです。粗相はクセになると何度も同じ場所でしてしまうので、しっかりトイレトレーニングを行ってください。
うれしょんはしつけで治せる?
うれしょんは犬が無自覚で行っているため、しつけで治せないことが多いです。それよりも、ストレスを感じさせない環境づくりや、愛犬を興奮させないような配慮が重要になります。
また、何度もうれしょんをするときは病気の疑いがあるので、動物病院で診察を受けることも検討してください。
メスのほうがうれしょんしやすいって本当?
オス犬に比べてメス犬は、尿道が短いです。そのため、オス犬よりもメス犬のほうがうれしょんしやすい傾向にあります。
特に出産や避妊手術を経験したメス犬は尿漏れしやすいので、頻度が多くなる可能性があるでしょう。
犬のうれしょんは慎重に治していこう
今回は犬のうれしょんについて、詳しくお伝えしてきました。犬は興奮や服従心からうれしょんするので、日頃の生活環境や接し方を見直すことが大切です。
特に子犬や小型犬などはうれしょんしやすいので、何が原因なのか把握して対処しましょう。また、うれしょんが多い子を公共施設に連れて行くときは、マナーパンツやベルトで対策しておくことを忘れないでください。
お伝えした内容を参考にし、愛犬のうれしょん対策を徹底しましょう。
執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季
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