「ヨークシャーテリアの平均寿命は何歳?」
「ヨークシャーテリアの健康寿命を伸ばす方法は?」
「ヨークシャーテリアが気を付ける病気は?」
ヨークシャーテリアと一緒に暮らしている飼い主の方、これから家族として迎え入れることを検討している方は、このような疑問を持っているはずです。
そこでこの記事では、ヨークシャーテリアの平均寿命や健康寿命を伸ばす方法、気を付けるべき病気について詳しくお伝えしていきます。大切な愛犬と1日でも長く一緒に暮らせるように、ここで紹介することを参考にしてください。
ヨークシャーテリアの寿命は何歳?
「アニコム 家庭どうぶつ白書 2022」によると、全犬種における犬の平均寿命は14.1歳となっています。大型犬よりも小型犬の方が長生きであるといわれており、大型犬の平均寿命は10〜12歳程度、小型犬の平均寿命は12〜15歳程度です。
それでは、ヨークシャーテリアの平均寿命はどれくらいなのでしょうか。詳しく確認していきましょう。
平均寿命は13〜16歳、最高寿命は25歳
ヨークシャーテリアは小型犬の中でも特に小さい犬種のため、寿命にも違いがあるのではと考える方もいるかもしれません。ヨークシャーテリアの平均寿命は13〜16歳程度になり、小型犬の中でも比較的長寿な犬種です。
最高寿命は25歳という記録が残っており、お世話の仕方次第では長生きできる可能性があるでしょう。どのようなポイントに気をつけて暮らせば長寿になる可能性が高いのかは、後で詳しく解説します。
避妊去勢手術をすると寿命が伸びるのは本当?
ヨークシャーテリアの寿命を伸ばすために、避妊や去勢の手術を検討している方もいるかもしれません。実際に、避妊や去勢をすると子宮筋腫や前立腺肥大などの病気になってしまうリスクは抑えられます。
しかし、避妊や去勢をするとホルモンバランスの変化によって肥満になりやすいという一面もあるのです。肥満になると健康被害が発生しやすくなり、様々なトラブルから健康寿命が短くなってしまう可能性もあります。
そのため「寿命を伸ばす」という理由から避妊や去勢を決断するのは避け、飼い主としてメリットやデメリットをきちんと知った上で判断しましょう。
ヨークシャーテリアの年齢を人間に換算すると何歳?
ヨークシャーテリアは成犬になってから大きくサイズが変わることがないため、見た目だけではなかなか老化を感じられません。そのため、飼い主が気づかないまま老化が進み、サポートが遅れてしまうケースもあります。
ヨークシャーテリアの年齢を人間の年齢に換算すると以下のとおりです。
<ヨークシャーテリアの年齢と人に換算した時の年齢一覧>ヨークシャーテリアの年齢 | 人間の年齢 |
---|---|
3ヵ月 | 3歳 |
6ヵ月 | 10歳 |
1歳 | 15歳 |
2歳 | 24歳 |
3歳 | 28歳 |
4歳 | 32歳 |
5歳 | 36歳 |
6歳 | 40歳 |
7歳 | 44歳 |
8歳 | 48歳 |
9歳 | 52歳 |
10歳 | 56歳 |
11歳 | 60歳 |
12歳 | 64歳 |
13歳 | 68歳 |
14歳 | 72歳 |
15歳 | 76歳 |
この表を参考にして愛犬の年齢を把握し、出来るだけ早いサポートができるようにしておきましょう。
ヨークシャーテリアを長生きさせる3つのコツとは
ヨークシャーテリアは癖の強いテリア種が混ざっているため、小型犬の中でも決して飼いやすい犬種ではありません。長生きさせるためには飼い主が適切なお世話を意識する必要があるため、次のポイントを知識として念頭に置いておきましょう。
- ドッグフードなどの食事管理
- 適度に体重管理をして肥満にさせない
- 年齢に合わせた運動でストレス発散させる
ドッグフードなどの食事管理
人間と同じく、犬も健康のために食事管理が必要です。子犬期、成犬期、シニア期と成長に合わせて与えるドッグフードを変化させ、1日に接種するカロリーを定期的に計算しましょう。
最近は犬用のサプリメントなども増えていますが、体にいいものだからといって、無闇にたくさん与えればいいというわけでもありません。過剰摂取は身体に悪影響を与えるリスクがあり、最悪の場合病気になってしまう可能性もあります。
ドッグフードやサプリメントは必ず規定量を確認し、飼い主がコントロールしながら与えるようにしましょう。
適度に体重管理をして肥満にさせない
健康維持のためには食事管理と共に、体重管理も必要です。犬は肥満による健康被害が多く、心臓や骨への負担から寿命が短くなることも考えられます。
犬は一度肥満になってしまうとダイエットするのが難しく、なかなか体重コントロールができません。そのためまずは肥満にさせないことを意識し、食事や運動で体重を調整していきましょう。
ただし、標準体重より痩せてしまうのは良くありません。愛犬のお腹や背中を手で触れたとき、少しの皮下脂肪と肋骨を感じる状態が理想です。皮下脂肪が厚く肋骨に触れない状態は肥満、皮下脂肪がなく肋骨が浮き出ている状態は痩せすぎであると判断しましょう。
年齢に合わせた運動でストレス発散させる
「犬は元気に走り回る生き物」と考えている人もいるかもしれませんが、実際には飼い主が運動する環境を与えないとなかなか運動できません。散歩やボール遊び、ドッグランなど、きちんと遊ぶ時間を確保して愛犬を運動させましょう。
とはいえ、犬も年齢によって適切な運動量が変化します。1歳を迎える前の子犬と7歳を超えたシニアでは、必要な運動量は違いますよね。人間と同じように年齢に合わせて運動内容を変えていき、健康でいられるようにストレスを発散させてあげてください。
健康寿命を伸ばすために飼い主ができること
ヨークシャーテリアの寿命は13〜16歳ですが、共に暮らしているとあっという間にすぎてしまうものです。家族として1日でも長く一緒に暮らすには、健康寿命を伸ばす次のポイントを知っておく必要があります。
- 定期的に健康診断を受ける
- ブラッシングやトリミングなどの手入れを徹底する
- カルシウム、リン、鉄分を積極的に与える
それぞれのポイントを詳しく確認していきましょう。
定期的に健康診断を受ける
ヨークシャーテリアに限らず、犬を飼っているのであれば1年に1回、動物病院で健康診断を受けるようにしましょう。健康診断では身体検査や血液検査、尿検査や糞便検査など基本的な検査を受けられます。
シニア期になる年齢までは基本的な検査を、シニア期の年齢に差し掛かったら、レントゲンや超音波、眼底検査や心電図などを追加するのがおすすめです。健康診断の結果によって生活環境を変えるべきなのか、維持していくべきなのかを毎年見直しましょう。
万が一、病気や怪我が見つかった場合でも健康診断によって早期治療が期待できます。狂犬病の注射を受ける春の時期に健康診断も受ける、と決めておくと忘れずに受けられるのでおすすめです。
ブラッシングやトリミングなどの手入れを徹底する
ヨークシャーテリアは動く宝石とも呼ばれるほど、被毛がキラキラとしていて美しいのが特徴です。しかし綺麗な被毛を保つためには、毎日のブラッシングや毎月のトリミングが欠かせません。
被毛についた汚れやほこりに皮脂やヨダレが付着すると、ベタベタとして皮膚トラブルに発展するケースもあるので注意が必要です。毎日のブラッシングを習慣にすると、皮膚に異常が起きたときにすぐ気がつけるというメリットもあります。
日頃から被毛ケアはしっかりと行い、清潔な状態を維持しましょう。
カルシウム、リン、鉄分を積極的に与える
ヨークシャーテリアは小型犬の中でも特に小さい犬種のため、骨が折れやすいなどのデメリットがあります。そのためカルシウムやリン、鉄分などを積極的に与えましょう。ただし過剰摂取は身体に負担がかかってしまうため、1日の摂取量には十分に注意してください。
ヨークシャーテリアが気をつけるべき病気とは
犬は体格の違いだけでなく、犬種によってかかりやすい病気というものがあります。ヨークシャーテリアを迎え入れるのであれば、飼い主としてあらかじめ気を付けるべき以下の病気について知っておくことが大切です。
- 膝蓋骨脱臼
- 僧帽弁閉鎖不全
- 尿石症
- 気管虚脱
- 先天性門脈シャント
- 水頭症
- 急性膵炎
- 壊死性髄膜脳炎・壊死性白質脳炎
- 腸リンパ管拡張症
それぞれを詳しく解説していきます。
膝蓋骨脱臼
概要 | 膝を支えている膝蓋骨が緩くなり内側や外側に外れている状態 |
---|---|
原因 | 遺伝などの先天的なもの、または怪我や転倒などの後天的なもの |
症状 | 後ろ足を頻繁にあげる、足を気にする様子がある、よくスキップするなど |
治療法 | 鎮痛剤などの投薬、外科的手術 |
一般的に「パテラ」と呼ばれている膝蓋骨脱臼は、小型犬によく見られる症状です。ヨークシャーテリアは内側に外れるケースが多く、飼い主が愛犬の足に違和感を感じたときにはすでにグレード1〜4のうち2や3の段階まで進行していることもあります。
また、愛犬自身が外れてしまった膝蓋骨を元の位置に戻すコツをつかんでしまうと、飼い主が知らない間にグレード4まで進行していることもあるので注意が必要です。
いつもと違う歩き方をしている、足をしきりに舐める仕草を見かけたときは、できるだけ早く病院で診てもらってください。
僧帽弁閉鎖不全
概要 | 僧帽弁が正常に機能せず、心臓内の血液が逆流している状態 |
---|---|
原因 | 先天性、加齢による弁の変形など |
症状 | 息切れ、疲れ、呼吸困難など |
治療法 | 抗生物質の投与、酸素吸入など |
僧帽弁閉鎖不全は、心臓の左心室と左心房の間にある「僧帽弁」が上手く機能しないことで血液が逆流してしまう病気です。先天性の場合もありますが、多くが加齢による僧帽弁の変形が原因となります。
症状である息切れや疲れも老化と共に多く見受けられるため、飼い主の判断だけでは僧帽弁閉鎖不全だと気がつきません。シニア期に入ったら半年ペースで健康診断を受け、早期発見ができる体制を整えておきましょう。
尿石症
概要 | 腎臓、尿管、膀胱、尿道の中に結晶や結石ができる病気 |
---|---|
原因 | 膀胱炎、食事の影響、トイレの回数が少ないなど |
症状 | 頻尿、血尿、残尿感など |
治療法 | 食事療法、外科的手術 |
尿石症は「尿路結石症」と聞く方がイメージできるという人が多いのではないでしょうか。尿石症は人間にも発症する病気の一つで、尿に含まれているミネラルが結晶となり尿として排出されるまでの過程で結石になってしまう病気です。
代表的な結石は「ストラバイト」と「シュウ酸カルシウム」ですが、どちらも膀胱炎や食事の影響によるケースが多いとされています。
愛犬が「頻繁にトイレにいくようになった」「おしっこをする格好はしているのに出ていない」「今まで粗相はなかったのに急にトイレができなくなった」など、違和感を感じたら動物病院で尿検査をしてもらいましょう。
気管虚脱
概要 | 気管が潰れて呼吸がしづらくなるなどの呼吸障害 |
---|---|
原因 | 肥満や首輪による外的な圧迫など |
症状 | 咳、「ゼーゼー」「ガーガー」といった音の鳴る呼吸 |
治療法 | 薬による対症療法、手術 |
気管虚脱は何らかの原因で気管が潰れてしまい、呼吸ができなくなるという病気です。年齢や犬種を問わず発症する可能性があり、咳やゼーゼーといった音の鳴る呼吸が目立つようになります。
気管虚脱は肥満や首輪の締め付けなど、あらかじめ飼い主が気をつけていれば避けられる原因もあるため日頃から気を付けるようにしましょう。
先天性門脈シャント
概要 | 小腸で吸収された有毒物質が肝臓を経由せず全身に循環してしまう状態 |
---|---|
原因 | 先天性、肝臓の繊維化や体内の炎症など |
症状 | 尿石症、食後の発作、被毛のごわつきなど |
治療法 | 外科的手術、投薬治療、食事療法 |
先天性門脈シャントは「門脈」と呼ばれる血管に異常が生じている状態になります。門脈は小腸で吸収した栄養を肝臓に運ぶ役割があり、異常が生じると栄養だけでなく有毒物質も運んでしまい全身に影響が出てしまいます。
特にヨークシャーテリアは、遺伝的要因から先天性門脈シャントになりやすいとも言われているため、注意が必要です。
水頭症
概要 | 脳脊髄液が溜まり脳を圧迫している状態 |
---|---|
原因 | ほとんどの原因が先天性 |
症状 | 行動異常、痙攣、視覚障害、意識障害など |
治療法 | 内科的治療、手術 |
水頭症は脳内にある脊髄液が何らかの原因で溜まってしまい、脳を圧迫している状態です。ほとんどの原因が先天性になり、発症するとてんかんや痙攣のような症状がみられるようになります。
中には異様に攻撃的になって人や物を噛むという症状も現れるため、愛犬の様子がいつもと違うと感じたときは一度動物病院で診てもらうのがベストです。
急性膵炎
概要 | 急に膵臓が炎症してしまう状態 |
---|---|
原因 | はっきりとした原因は不明 |
症状 | 嘔吐、下痢、食欲不振 |
治療法 | 輸液療法、絶飲絶食、低脂肪食への変更など |
急性膵炎は突然膵臓が炎症してしまう病気です。短期間で重症化する可能性が高く、最悪の場合は死に至るケースもあります。
早期発見が重要となり、前触れもなく急に嘔吐や下痢が続いた時は早急に動物病院で診てもらってください。ヨークシャーテリアは急性膵炎になりやすい犬種ともいわれているため、念頭に置いておきましょう。
壊死性髄膜脳炎・壊死性白質脳炎
概要 | 原因不明の脳炎 |
---|---|
原因 | 遺伝的な要因が考えられているが、明確な原因は不明 |
症状 | 発作、運動失調、視力障害、旋回運動、斜頸、昏睡、摂食障害 |
治療法 | ステロイド剤の投与 |
壊死性髄膜脳炎はヨークシャーテリアが患いやすい病気といわれており、明確な原因や治療法が不明のため多くが死に至る危険な病気です。初期症状には発作や視力障害などがあげられますが、効果的な治療法がないためステロイド剤などで対症療法を行います。
腸リンパ管拡張症
概要 | 腸のリンパ管が拡張や破損することによりリンパ液が漏れ出る病気 |
---|---|
原因 | 原因不明なことがほとんど |
症状 | 下痢、嘔吐、食欲不振、むくみ |
治療法 | 食事療法、ステロイド剤の投与 |
腸リンパ管拡張症は、腸のリンパ管の拡張や破損によりリンパ液が漏れ出てしまう病気です。原因がわからないケースがほとんどなので、リンパ管がさらに拡張してしまわないように治療をしていきます。
腸リンパ管拡張症を患っていると、炎症性腸疾患を併発していることもあり食事療法やステロイド剤の投与でコントロールしていきます。腸リンパ管拡張症はあらかじめ予防できないため、早期発見、早期治療が重要です。
ヨークシャーテリアの健康寿命が伸びるお世話を心がけよう
ヨークシャーテリアの平均寿命は、13〜16歳と小型犬の中でも比較的長寿です。しかし犬種特有のお世話の仕方や気を付けるべき病気も多く、飼い主として必要最低限の知識を持っておかなくてはなりません。特に理解しておくべきことをまとめると次のとおりです。
- 定期的な健康診断と食事や体重の管理が必要
- 健康寿命を伸ばせるような暮らしを意識する
- 遺伝的にかかりやすい病気などは事前に頭に入れておく
ヨークシャーテリアを家族として迎え入れ、1日でも長く健康に暮らせるように、この記事でお伝えしたことをぜひ参考にしてください。
執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季
<スポンサーリンク>
新着記事
<スポンサーリンク>