犬が草を食べるのはなぜ? 理由とやめさせる方法|吐く・下痢のリスク

「犬が草を食べるのはなぜ?」
「犬が食べてはいけない草はあるの?」
「犬が草を食べるのをやめさせる方法は?」

散歩中に愛犬が草を食べる姿を見て、こんな疑問や不安を持つ飼い主さんも多いはずです。

犬が草を食べる理由や、食べてはいけない草を把握しておけば、安心して散歩ができるようになるでしょう。

そこで今回は、犬が草を食べる理由や対策について、詳しくお伝えします。犬を飼っている方、これから飼う方も必見の情報をお伝えするのでご一読ください。

愛犬が草を食べる6つの理由とは?

愛犬が草を食べるのはなぜかと疑問に思う飼い主も多いでしょう。犬が草を食べる理由には、主に以下の6つがあります。

  • ストレスによるもの
  • 胃にある異物を吐き出すため
  • 空腹を紛らわすため
  • 栄養を補給するため
  • 草の味が好きなため
  • 散歩を終わらせたくないため

それぞれの理由について、詳しい内容を解説していきます。

ストレスによるもの

日頃のストレスから、発散するために草を食べる犬は多いです。ストレスの原因はさまざまなことが考えられますが、コミュニケーション不足や運動不足、環境の変化などがあります。

無心で草を食べる姿が増えたときは、ストレスが溜まっている可能性があるでしょう。普段から愛犬の様子をチェックしておき、不審な行動をし始めたらコミュニケーションを頻繁に取るなど、心のケアをしてあげてください。

胃にある異物を吐き出すため

犬は好奇心旺盛な生き物であるため、気になる物を口にして誤飲するケースがあります。誤飲した物が有害と判断したときには異物として吐き出すのですが、そのときに草を食べることが多いです。

先端がとがっている草は、食べれば胃を刺激するため異物を吐き出すきっかけになります。自分の毛が胃に溜まっているときも、草を食べて吐き出そうとする犬は多いです。

空腹を紛らわすため

空腹を紛らわすために、散歩中に草を食べることがあります。ご飯前だからといって、空腹の状態で散歩をさせると、頻繁に草を食べてしまう恐れがあるので注意が必要です。

また、普段の食事では足りないビタミンやミネラル分を補給しようと、草を食べる犬もいます。できるだけ空腹の状態にしないために、おやつを与えて対策を講じることが大切です。

栄養を補給するため

草を食べて、足りない栄養を補給しようとする犬もいます。頻繁に草を食べるなら、普段から与えているフードでは、繊維質やビタミンが足りていない可能性があるでしょう。

また、胃の調子が悪いときも草を食べる犬もおり、消化吸収を良くする目的もあるようです。

草の味が好きなため

犬のなかには草の味が好きで、日頃から食べたい欲求を満たしているケースがあります。特に犬は好奇心旺盛なので、子犬のときに食べた草の味が忘れられず、成犬になっても食べる個体はいるようです。

犬が好きな草はある?

犬によって異なりますが、イネ科の植物である「イヌムギ」を好むケースが多いです。市販で購入できる犬用の草の多くは、イネ科の植物です。

イヌムギは先端がとがっている植物で胃を刺激する効果があります。そのため、胃のなかにある毛を吐き出したいときに、好んで食べることが多いのです。

散歩を終わらせたくないため

まだ散歩を続けたい犬のなかには、飼い主を引き止めるために草を食べる子がいます。もっと散歩をしたい、別のコースで散歩したいというように、意思表示するために草を食べて時間稼ぎをするのです。

飼い主を引っ張ってでも草むらに行くときは、何か要求しているのかもしれません。

犬が食べてはいけない草の種類

散歩のときに愛犬が頻繁に草を食べる場合は、注意しておくべきことがあります。それは、以下の草を食べさせないことです。

  • 除草剤が付着している草
  • 犬が中毒を起こす草

愛犬の健康を守るために、詳しく確認していきましょう。

除草剤が付着している草

誰かが除草剤を利用している場合、草に薬剤が付着している可能性があります。知らずに犬が食べてしまうと、嘔吐やかゆみといった症状が出る恐れがあるので危険です。最悪の場合は、亡くなってしまうほど症状が悪化するリスクがあります。

自宅では除草剤を使用せず、犬が薬剤を口にしないよう配慮しましょう。また、公園や駐車場などには、除草剤がまかれている可能性があります。愛犬が口にしてしまわないよう、散歩中は草に近寄らないでください。

犬が中毒を起こす草

犬が食べると中毒を起こす草には、次のものがあります。

犬が食べると中毒を起こす植物 毒性がある部分
アロエ・シャクナゲ・ツツジ・スズラン・パンジー・藤・チューリップ・ユリ 全ての部分
ワラビ・オシロイバナ・トマト 根や茎、種
ジギタリス 葉や花、根
アザレア・イヌサフラン 葉や根
アマリリス・チューリップ・ヒヤシンス 根(球根)
アサガオ
ジャガイモ
ザクロ 樹皮や根皮
ポインセチア 葉や樹皮

他にも、犬にとって有毒な植物はいくつもあります。散歩中に、誤って口にしないためにも、普段から草むらには近寄らせないようにしましょう。

犬が草を食べるリスクと対処法

愛犬の健康を守るためには、草を食べるリスクと食べたときの対処法を理解しておく必要があります。ここでは、次の内容について解説していきます。

  • 草を食べたときに起こりうる症状
  • 症状が出た場合はすぐに動物病院へ

草を食べたときに起こりうる症状

犬が毒性のある草を食べた場合、さまざまな症状が出ます。毒性のある草の種類によって症状は違いますが、主に口の周りに炎症が表れ、くしゃみや咳などのアレルギー反応が出るケースが多いです。

また、ひどい場合には、以下のような症状が出ることがあります。

  • 嘔吐
  • めまい
  • 痙攣
  • 麻痺
  • 食欲不振
  • 血便
  • 吐血
  • 呼吸不全

最悪の場合は命に関わるので、適切な対処が求められます。

症状が出た場合はすぐに動物病院へ

犬が草を食べた後に、何らかの症状が出たときは速やかに動物病院へ向かいましょう。時間が経過するほど、体内にある中毒成分が身体に吸収されていき、重症化する恐れがあります。

いつもと愛犬の様子が違うときは、早めに動物病院で診察を受け、適切な処置を施してもらってください。

愛犬が草を食べないようにするための対策

散歩の途中に愛犬が草を食べることが多く、困っている場合は次の対策を行ってください。

  • こまめにストレスを解消させる
  • 状況に応じておやつを与える
  • 市販の犬用の草を与える

具体的な対策について、詳しく解説していきます。

こまめにストレスを解消させる

ストレスが原因で草を食べるなら、こまめにストレスを解消させてあげると良いでしょう。コミュニケーションをこまめに取り、散歩は毎日させてあげてください。しっかり遊んで身体を動かせば、ストレスが溜まることはありません。

また、引っ越しをしたときは、新しい環境に馴染むまでストレスを抱えてしまうことがあります。そんなときは、いつもより頻繁にコミュニケーションを取ってあげてください。

状況に応じておやつを与える

空腹状態で散歩すると、草を食べる犬も多いです。それを防ぐために、状況に応じておやつを与えてみてください。

おやつの与えすぎは肥満の原因になりますが、少量であれば空腹を緩和できます。お腹が空いたから草を食べるということが少なくなるので、一度試してみてください。

市販の犬用の草を与える

犬のなかには草の味を覚えて、食べるのがクセになっている子がいます。そんなときは、市販で購入できる犬用の草を与えてみてください。

犬用の草を定期的に与えてあげれば、道端の草を食べることも減るかもしれません。また、定期的に草を与えれば、不足しがちな繊維質の吸収も可能です。

犬が草を食べるときに注意したいこと

犬が草を食べるときには、毒性のある植物の他に、以下にも注意が必要です。

  • 昆虫や寄生虫
  • ヘビやムカデ

リスクや対策について詳しく確認していきましょう。

昆虫や寄生虫

道端の草には、昆虫や寄生虫が付着している可能性があります。特にノミやマダニは、散歩途中で身体に付きやすいので注意が必要です。

寄生虫が体内に入った場合は、虫下しや寄生虫駆除薬を投与しないと完治できない可能性があります。

昆虫や寄生虫を口にしないためにも、できるだけ道端の草は食べないよう、対策を講じることが大切です。

ヘビやムカデ

背の高い草むらには、ヘビやムカデなどが潜んでいる可能性があります。草が生い茂っている環境では、肉眼で発見するのは困難です。

万が一、愛犬がヘビやムカデに噛まれてしまったときは、速やかに動物病院で診察を受けてください。毒を持っている生き物に噛まれたときは、素早く治療しないと命にかかわる恐れがあります。

ヘビやムカデに噛まれないためにも、背の高い草むらには近寄らないようにしましょう。

犬が危険な草を食べないよう注意しよう

犬が草を食べる理由は、ストレスや空腹を紛らわすためなど、さまざまなことが関係しています。なかには草を食べるのが好きな犬もいるので、止めさせるのが難しいケースもあるでしょう。

しかし、植物のなかには毒性を持っているものもあり、誤って食べてしまえば命にかかわる恐れがあります。散歩のときには草を食べないよう、飼い主が十分に注意を払ってあげてください。

犬が草を食べたときに中毒症状が出ることがあります。そんなときは、速やかに動物病院で適切な治療を受けましょう。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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