ミニチュアシュナウザーは飼いやすい? 性格や特徴・病気やケガの注意点

「ミニチュアシュナウザーの性格は?」
「ミニチュアシュナウザーの飼い方のコツは?」
「ミニチュアシュナウザーのなりやすい病気やケガは?」

ミニチュアシュナウザーを飼いたいなら、まずは性格や飼い方のコツについて把握しておくことが大切です。飼い方のコツを理解しておけば、ミニチュアシュナウザーが快適に暮らせる生活環境を整えてあげられるでしょう。

そこで今回は、ミニチュアシュナウザーの性格や飼い方のコツ、なりやすい病気やケガについて詳しくお伝えします。飼う前に知っておきたい情報を紹介していくので、ぜひご一読ください。

ミニチュアシュナウザーはどんな犬種?特徴を紹介

可愛くて室内飼いにもおすすめできるミニチュアシュナウザーですが、どんな犬種なのか特徴を理解している方は少ないかもしれません。そこでここでは、ミニチュアシュナウザーの以下の内容について解説していきます。

  • ミニチュアシュナウザーの歴史
  • ミニチュアシュナウザーのサイズ
  • ミニチュアシュナウザーの被毛や毛色
  • ミニチュアシュナウザーの性格
  • ミニチュアシュナウザーの寿命

具体的に、どのような犬種なのか詳しく見ていきましょう。

ミニチュアシュナウザーの歴史

ミニチュアシュナウザーは、元々ドイツの農場犬として活躍してきた歴史があります。昔は「ピンシャー」と呼ばれており、アメリカにわたって小型化が進んだのが今のミニチュアシュナウザーの祖先と言われているようです。

シュナウザーとはドイツ語で「ヒゲ」という意味があり、昔から立派なヒゲがあったことが想像できます。

ミニチュアシュナウザーのサイズ

シュナウザーのサイズは、主に3種類に分けられます。それぞれのサイズは以下のとおりです。

ミニチュア 体高30~35cm程度、体重4~8kg前後
スタンダード 体高45~50cm程度、体重は14~20kg前後
ジャイアント 体高60~70cm程度、体重は35〜45kg前後

シュナウザーは身体のサイズによって、別々のFCI(国際畜犬連盟)の犬種番号を持っているのが特徴です。

ミニチュアシュナウザーの被毛や毛色

ミニチュアシュナウザーは、固いダブルコートが特徴的でざらざらしたトップコートと、柔らかいアンダーコートを持っている犬種です。ヒゲも長く、個性的な見た目をしています。

日本で血統書を発行しているジャパンケネルクラブ(JKC)では、ミニチュアシュナウザーの毛色は4色と定められているようです。

血統書で認められているのが、ブラックのアンダーコート、ソルト&ペッパー(シルバー)・ブラック&シルバー・ホワイトのアンダーコートの4つになります。

それ以外の毛色の個体が生まれるケースはありますが、日本で認められている血統書の毛色はこの4種類です。

ミニチュアシュナウザーの性格

ミニチュアシュナウザーは小型犬ながらも、農場犬の特徴を残していることから活発な性格をしています。他の犬とのコミュニケーションも積極的に行う傾向が強いです。飼い主への忠誠心も高く、適切なしつけを行うことで吠えクセや噛みクセが治せると言われています。

頻繁に甘えるような性格ではありませんが、飼い主を独占したいという気持ちが強いです。そのため、多頭飼いをしている場合は、嫉妬から他の犬との喧嘩が始まる可能性があるので注意が必要です。

ミニチュアシュナウザーの寿命

ミニチュアシュナウザーの寿命は、平均12〜15歳程度と言われています。寿命が比較的長い小型犬のなかでも、長寿な犬種です。

普段の生活次第では、平均寿命よりも長生きするケースがあります。反対に生活環境が悪く、普段からストレスを溜め込んでしまうと、寿命が短くなるケースがあるので注意しましょう。

ミニチュアシュナウザー飼い方のコツ

ミニチュアシュナウザーを飼う上で、いくつか知っておきたい飼育のコツがあります。押さえておきたい飼い方のコツは次のとおりです。

  • 食事の与えすぎには注意
  • 適度な運動をさせる
  • こまめに耳の手入れをする

具体的に、どのようなことを実践すべきなのか詳しく解説していきます。

食事の与えすぎには注意

ミニチュアシュナウザーを飼うなら、食事の回数はライフステージに合わせて調節する必要があります。まず子犬期の場合は、1日3回程度が基本です。成長を促すためにも、適度な量の食事を与える必要があります。

子犬期を過ぎた後は1日2回程度の食事に変えていきましょう。成長が落ち着いた後も子犬期と同じ量を与えると、肥満の原因になります。特にミニチュアシュナウザーは、脂肪代謝が比較的苦手な犬種です。

そのため、食事を与え過ぎるとカロリーオーバーになり、太ってしまう可能性が高くなります。適度な量の食事を与えるためにも、体重に見合った食事の量に調整して毎日のご飯を与えてあげてください。

適度な運動をさせる

元々農場犬という歴史があるため、小型犬のなかでも運動量は多い傾向にあります。そのため、日頃から適度な散歩をさせて運動の習慣を心掛けることが大切です。毎日の散歩は1日2回、30分ずつが目安となります。

それ以上短いと、肥満やストレスの原因になる恐れがあるでしょう。反対に、散歩時間が長すぎても、足腰への負担が大きくなる可能性があるので注意が必要です。適度な散歩時間を理解し、毎日運動をさせる意識を持ってください。

こまめに耳の手入れをする

他の犬種と比べて、ミニチュアシュナウザーは耳毛が多い犬種です。適度に耳のお手入れをしないと、蒸れて汚れが溜まり、外耳炎になるリスクがあります。1〜2週間程度に1回は耳掃除を行って、綺麗にしてあげましょう。

お手入れのコツは柔らかい布にぬるま湯をつけて、優しく拭くことです。強く拭いてしまうと、皮膚に傷がついて炎症が発生する原因になります。適度な力で耳掃除をしてあげて、清潔感のある状態に仕上げていきましょう。

ミニチュアシュナウザーのしつけ方

人への忠誠心が高いミニチュアシュナウザーは、言うことを聞きやすく、しつけがしやすいと言われています。ただし、適切な方法で実践しないと、きちんとしつけできないので注意が必要です。ここでは、以下のしつけ方法について解説していきます。

  • 無駄吠えを防ぐ方法
  • イタズラを防ぐ方法
  • 噛みクセを防ぐ方法

無駄吠えを防ぐ方法

どんな犬種でも、無駄吠えをする可能性はあります。しつけがしやすいミニチュアシュナウザーでも、ちゃんと教えないと無駄吠えがクセになる可能性はあるでしょう。無駄吠えを防ぐしつけ方法は、愛犬が吠えても反応しないことが大切です。

反応がなければ、相手にされないと感じて無駄吠えがなくなるかもしれません。また、無駄吠えしたときに、近くで大きな音を立てるなどすれば、吠えると嫌なことが起きると覚えさせられます。無駄吠えがなくなったときは、よくやったと褒めてあげてください。

イタズラを防ぐ方法

袋を破ったり物を落としたりイタズラを繰り返すときは、しっかり短い言葉で叱ることが大切です。このときに叩く行為は、犬にとって恐怖でしかないので止めましょう。一度叱っても直らない場合は、何度も根気強くしつけるのが重要なポイントです。

途中で諦めてしまうとイタズラは延々続けられる可能性があります。しっかり叱って覚えさせていきましょう。

噛みクセを防ぐ方法

子犬の頃は歯の生え変わりが原因で、飼い主の手を噛むことがあります。その状態を継続していくと、大人になっても手を噛むクセが治らない可能性があるので注意してください。

噛みクセを防ぐ方法はおもちゃを与えて、噛んでも良い物と悪い物があることを教えてあげることです。飼い主の手を噛み始めたときは、何度もダメなことだと叱りましょう。

ミニチュアシュナウザーのお手入れ方法

ミニチュアシュナウザーはダブルコートになっているため、普段からこまめに毛のお手入れをして、毛玉を防ぐ必要があります。主なお手入れ方法は、以下のとおりです。

  • ブラッシング
  • シャンプー
  • トリミング
  • 歯磨き
  • 爪切り

詳しいお手入れ方法について見ていきましょう。

ブラッシング

ミニチュアシュナウザーのダブルコートは、毛が固い傾向にあるのでなかなか抜けないのが特徴です。そのため、放置するほど毛が長く伸び続け、毛玉になりやすくなります。

毛玉対策に有効なのは、こまめにブラッシングを行うことです。ブラッシングはブラシやコームなどを利用して、毛並みを整えるように行うのがコツになります。特に前足や後ろ足は毛玉になりやすいので、入念にブラッシングしましょう。

シャンプー

ミニチュアシュナウザーは、他の犬種と比べて体臭は控えめと言われています。しかし、外で散歩をする限り、ノミやダニを連れて帰ってきている可能性は高いです。適度にシャンプーをしないと、皮膚病の原因になる恐れがあります。

頻度は月に1回程度がおすすめです。できるだけ低刺激の犬専用シャンプーを使ってください。シャンプーする際には、顔や耳に水が入ると怖がってしまいます。濡れてはいけない箇所を手で守ってあげて、うまくシャワーをかけてあげてください。

シャワーの温度はぬるま湯で、シャンプーはしっかり泡立てて優しく洗ってあげるのがポイントです。

トリミング

日常的にお手入れとして、肛門周りや足裏周りの毛はこまめにカットしてあげてください。肛門周りは毛が長くなると、汚れがついてしまう恐れがあります。

足裏周りは、毛が長くなるほどフローリングなどの滑りやすい床で転んでしまい、ケガをするリスクが高くなるでしょう。ハサミなどでも良いので、簡単な部分は飼い主がトリミングしてあげてください。

全身のトリミングに関しては、プロの方に任せたほうが安全です。毛が伸びてきたと感じたときは、トリマーにカットを依頼してください。

歯磨き

日頃から口内ケアをしていないと、虫歯や歯周病の原因になります。毎日歯磨きをしてあげて、口内に歯垢や歯石が溜まらないよう配慮しましょう。子犬のときから歯磨きをしていれば、徐々に慣れていきます。

大人になってから歯磨きをすると、口内を触られるのを嫌がる子が多いです。そのため、歯磨きガムで代用する方法を試してみてください。

爪切り

フローリングなどの滑りやすい床材では、爪が伸びていると転んでケガをするリスクが高くなります。そのため、こまめに爪切りをしてあげて、転倒防止のために配慮してあげることが大切です。

爪切りは子犬のときから慣れさせておけば、嫌がらずに切らせてくれるようになります。大人になってから爪切りを始めると嫌がる可能性が高いので、トリマーや獣医師に相談してみてください。

ミニチュアシュナウザーがかかりやすい病気やケガ

家族の一員にミニチュアシュナウザーを迎え入れるなら、かかりやすい病気やケガは把握してあげることが大切です。かかりやすい主な病気やケガは、以下のとおりです。

  • 洞不全症候群
  • 食物アレルギー(食物過敏症)
  • 胆石症
  • 胆嚢粘液嚢腫
  • 白内障
  • 乾性角結膜炎
  • 急性膵炎
  • フォンヴィレブランド病

早期発見に繋がるよう、それぞれの特徴を詳しく確認していきましょう。

洞不全症候群

心臓にある洞房結節という部分が、機能障害によって引き起こされる病気です。正常に働かずに失神などの症状が現れる可能性があります。愛犬の様子がおかしいと感じたときは、速やかに病院で診察してもらい、早期治療を心掛けましょう。

食物アレルギー(食物過敏症)

人間同様に、犬にも食物アレルギーがあります。アレルゲンを口にすることで、かゆみや炎症を引き起こす可能性があるのが特徴です。下痢などの症状が引き起こされる可能性もあるので、事前にアレルゲンについて病院で診察しておくことをおすすめします。

犬のアレルゲンとして考えられるのは、牛肉や鶏肉、小麦、卵、大豆などの食品です。普段のフードやおやつにアレルゲンが含まれていないか、よく確認した上で食事を与えてください。

胆石症

胆のう内に胆石が作られる病気です。状態によっては無症状であるケースも多いですが、ひどい場合は食欲不振や嘔吐、腹痛などの症状が出る可能性があります。頻繁に症状が出るときは病気が発症している恐れがあるので、病院で診察を受けてみてください。

胆嚢粘液嚢腫

胆のう内に過剰な粘液が蓄積してしまう病気です。粘液が蓄積され続けると、胆のうが破裂するまで症状が悪化する恐れがあります。

原因については明確にされていない部分も多いですが、脂質代謝異常や胆のうの運動性が低下したことで発症する可能性が高いです。普段より元気がない、嘔吐や腹痛が見られるというときは病気の発症が疑われるでしょう。

白内障

眼球にある水晶体が濁ってしまう病気です。症状が進行すると、視力が徐々に失われてしまい、物にぶつかることが増えます。他にも、散歩を嫌がるケースも多いので、いつもと様子がおかしいときは無理に散歩させないようにしましょう。

白内障は加齢に伴い発症リスクが高くなるので、目が濁っているなどの症状が出ているときは病院で診察を受けてみてください。

乾性角結膜炎

涙が少なくなってきて、目が乾いた状態になると発症する病気です。目が常に乾燥していると、傷がつきやすくなるため、結膜炎の原因になります。

症状はドロドロした目ヤニが出ることも考えられるので、目の調子が悪いと感じるときは早めに病院で診察を受けてみてください。遺伝が病気の発症に影響を与えることもあります。

急性膵炎

消化酵素が膵臓内で活性化し、炎症が引き起こされる病気です。症状は嘔吐や下痢、食欲不振などが考えられるので、様子がおかしいときは病気の発症が疑われます。症状が進行すると、多臓器不全となる恐れがあるので、早期治療が肝心です。

原因は不明な部分が多いですが、脂肪分が多い食生活や内分泌疾患、肥満などが関係していると言われています。できるだけ食生活には気を付けて、日頃から適度な運動を心掛けることが大切です。

フォンヴィレブランド病

外傷や手術、抜歯したときに血が止まらなくなる病気です。予め輸血をして手術で対処する必要があります。事前に状態を把握しておき、適切な対応を心掛けることが大切な病気です。

ミニチュアシュナウザーにかかる費用

ミニチュアシュナウザーを家族に迎え入れる場合、費用はどれくらいかかるのでしょうか。迎え入れる際の費用、迎え入れた後にかかる費用について詳しく解説していきます。

迎え入れるときの相場

ミニチュアシュナウザーを迎え入れるときは、生体価格や食器などの飼育グッズに費用がかかります。生体価格や飼育グッズに関しては、トータルで26万円程度が相場です。

事前に予算を検討しておき、受け入れできるのか確認しておくことをおすすめします。

年間の飼育にかかる費用

ミニチュアシュナウザーを飼育するために年間にかかる費用は、食事代やその他の生活用品などです。

フードや消耗品、おもちゃなど購入する商品によって細かい費用は異なりますが、平均して年に15万円ほどはかかるでしょう。購入する商品は予算に合わせて、適切な物を購入することを心掛けてください。

ミニチュアシュナウザーの特徴や飼育方法を理解しておこう

今回はミニチュアシュナウザーの特徴や飼育方法、気をつけたい病気などについて詳しくお伝えしてきました。ミニチュアシュナウザーは、好奇心旺盛でコミュニケーションも積極的に取る犬種です。飼い主には忠実で、しつけがしやすいことで知られています。

ただし、脂質代謝が苦手な傾向があるので、脂質が多い食事はできるだけ避けるなど、注意点も少なくありません。今回ご紹介した病気やケガについて把握しておき、適切な対応ができるようにしておいてください。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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