ポメラニアンの寿命は平均何歳? 長寿のポイントや気をつけたい病気

「ポメラニアンの平均寿命は何歳?」
「ポメラニアンの健康寿命を伸ばす方法は?」
「ポメラニアンが気を付ける病気は?」

ポメラニアンを飼っている方、飼うことを検討している方は、このような疑問を持っているはずです。そこで今回は、ポメラニアンの平均寿命や健康寿命を伸ばす方法、気を付けたい病気について詳しく紹介していきます。

家族の一員である愛犬の長生きは、すべての飼い主さんが願うことです。1日でも長く愛犬に愛情を注いであげられるように、ここでお伝えすることをぜひ参考にしてください。

ポメラニアンはどんな犬種?

ポメラニアンは、小さな体にふわふわの被毛、クリクリとした丸い黒目が特徴の可愛らしい小型犬です。被毛がふわふわとしているので一見大きく感じますが、標準サイズは体高18〜22cm、体重1.8〜2.3kgと小型犬の中でも軽くて小さい犬種になります。

原産国はドイツといわれていますが、正確にはドイツとポーランドをまたいでいる「ポメラニア地方」になり、大型犬であるスピッツを品種改良して誕生しました。

ヴィクトリア女王が愛したことで広く知られ、ヨーロッパの貴族を中心に人気を集めるようになりました。ポメラニアンは、その時代から現代まで長く愛されている犬種なのです。

ポメラニアンの平均寿命は12〜16歳

小型から大型までの全犬種における平均寿命は10〜13歳とされているなか、ポメラニアンの寿命は12〜16歳といわれています。そのため、全犬種の中でもポメラニアンは比較的長寿です。

犬は7歳頃からシニア期と呼ばれるようになり、徐々に身体能力の衰えや生活リズムの変化を感じるようになります。ポメラニアンはシニア期に入ってからも長く生きられる犬種なので、シニア期に差し掛かる頃に生活環境や今後について一度見直すのもいいでしょう。

小型犬の中では比較的長寿

アニコム損保のペット保険「どうぶつ健保」調べによると、ポメラニアンの平均寿命は13.4歳で、「小型犬平均寿命ランキング」では12位です。数多くの小型犬の中では、比較的長寿の犬種であるといえます。

【小型犬平均寿命ランキング】
順位 犬種 平均寿命
1位 イタリアングレーハウンド 15.1歳
2位 ミニチュアダックスフンド

トイプードル

14.7歳
4位 パピヨン 14.4歳
5位 ジャックラッセルテリア 14.3歳
6位 ウエストハイランドホワイトテリア 14.2歳
7位 カニンヘンダックスフンド 14.0歳
8位 ヨークシャー・テリア 13.8歳
9位 チワワ 13.7歳
10位 シーズー

ミニチュアピンシャー

13.6歳
12位  ポメラニアン 13.4歳

2016年アニコム損保のペット保険「どうぶつ健保」調べ

ポメラニアンの寿命ギネス記録は?

世界でもっとも長寿のポメラニアンは、何歳まで生きたのでしょうか。世界ギネス記録に認定されているポメラニアンの最高齢は、21歳8ヵ月と平均寿命を大きく超えています。

ポメラニアンは、健康管理に気をつけて愛情を注いで育てれば、長く家族でいられる可能性がある犬種なのです。

ポメラニアンの年齢を人の年齢で換算すると?

ポメラニアンに限らず、小型犬は1年で人間の年齢に換算すると、20歳程度まで成長すると考えられています。犬種や体格差でも異なるため多少のズレはありますが、小型犬の年齢を人間の年齢に換算すると以下のとおりです。

【小型犬と人間の年齢換算表】
犬の実年齢 人間に換算した年齢
1ヵ月 1歳
3ヵ月 5歳
6ヵ月 9歳
1歳 20歳
2歳 24歳
3歳 28歳
4歳 32歳
5歳 36歳
6歳 40歳
7歳 44歳
8歳 48歳
9歳 52歳
10歳 56歳
11歳 60歳
12歳 64歳
13歳 68歳
14歳 72歳
15歳 76歳

ポメラニアンの平均寿命は13.4歳のため、人間で考えると70歳前後まで生きることがわかります。

ポメラニアンを長生きさせるお世話のコツとは

ポメラニアンに少しでも長生きしてもらうには、飼い主さんが気をつけてお世話する必要があります。長生きさせるお世話のコツは次の4つです。

  • 過度な肥満に気を付ける
  • ケガを頻発しないために生活環境を整える
  • ストレスを与えないように気をつける
  • 1年に一度は定期検診を受ける

ひとつずつ詳しく確認していきましょう。

過度な肥満に気を付ける

ポメラニアンは他の犬種よりも太りやすい体質のため、ドッグフードやおやつの与えすぎはNGです。過度な肥満は心臓に負担がかかり、命に関わる病気を患う可能性がグンと上がります。

さらにポメラニアンは骨が細いという特徴もあるので、心臓だけでなく足や腰にも負担がかかる危険もあるのです。肥満であるかを調べるときは、胸や胴体の部分を触った時に肋骨が軽く触れるぐらいの皮下脂肪であるかを基準にしましょう。

皮下脂肪が多く肋骨が全く触れない時は肥満であるといえるので、一度病院で異常がないか検査をしてもらうのがおすすめです。

ケガを頻発しないために生活環境を整える

先ほども紹介したようにポメラニアンは骨が細く、別名「ペーパーボーン」と呼ばれているほど華奢です。

そのため、活発に動き回る幼少期だけでなく、階段の踏み外しやフローリングで足を滑らせるなどで骨折するケースは少なくありません。年齢に合わせて生活環境を整え、骨折しないように注意を払いましょう。

ストレスを与えないように気をつける

ポメラニアンは活発で人懐っこい性格のため、運動不足や愛情不足でのストレスに敏感です。ストレスを感じ続けてしまうと、体調不良や皮膚病のように身体に影響が出る可能性もあります。

長生きのためには、ストレスを与えないよう快適な生活を心がけてあげましょう。幼少期にトレーニングを重ね、ストレスに感じる音や他人との接触に慣らせておくのも効果的です。

1年に一度は定期検診を受ける

1年に一度は検診を受け、血液検査やレントゲンで異常がないかを確認してください。万が一病気が見つかった場合でも、早期発見であれば症状が重くなる前に治療ができます。

今は多くの動物病院で定期検診や健康診断が可能です。愛犬の健康管理のために、1年に一度は必ず定期検診を受けましょう。

ポメラニアンが老犬になった際の対処法

ポメラニアンに限らず、犬はシニア期に差し掛かると同時に生活環境を見直す必要があります。老犬になった際の主な対処方法は以下のとおりです。

  • 定期検診の頻度を増やす
  • 首輪をハーネスに変える

愛犬の老後のために、詳しく確認しておいてください。

定期検診の頻度を増やす

ポメラニアンがシニア犬になる7歳をこえる時期から、1年に一度の定期検診を半年に1度にするのがおすすめです。かかりつけの獣医さんに相談し、次の検査項目を増やすのも良いでしょう。

  • 身体検査
  • 血液検査
  • 尿検査
  • 糞便検査
  • レントゲン検査
  • 超音波検査
  • 甲状腺ホルモン検査
  • 眼底検査
  • 心電図
  • 体脂肪測定

人間と同じように犬も年齢を重ねると病気がちになります。若い頃よりも、さらに健康管理に気を配ってあげましょう。

首輪をハーネスに変える

ポメラニアンがシニア期に差し掛かったら、散歩時の首輪をハーネスに変更するのがおすすめです。ポメラニアンは気管が弱い犬種のため、外部からの圧迫が負担になります。

散歩中に犬が興奮するなど、首輪が首に食い込んでしまう状況も少なくありません。シニア期になると首輪による負担が命に関わるケースもあるため、ハーネスに移行するのがベストです。

ポメラニアンの長寿のために気を付けるべき病気

ポメラニアンに長生きしてもらうためには、かかりやすい病気について理解を深めておく必要があります。特に気を付けるべき病気は以下の5つです。

  • 気管虚脱
  • 僧帽弁閉鎖不全症
  • 歯周病
  • 水頭症
  • 流涙症

それぞれの原因や症状、治療法について解説していきます。

気管虚脱

概要 気管が潰れて呼吸がしづらくなるなどの呼吸障害が起きる
原因 肥満や首輪による気管の圧迫など
症状 咳、「ゼーゼー」「ガーガー」といった音の鳴る呼吸
治療法 薬による対症療法、手術

ポメラニアンの長寿のために気をつけたい病気のひとつが、「気管虚脱」です。気管虚脱はグレード1から4に分かれており、初期は軽い咳程度の症状のため、気が付かない飼い主さんも少なくありません。

呼吸音が「ゼーゼー」「ヒューヒュー」「ピーピー」「ガーガー」となり、異常を感じた時にはグレード4まで進行している場合もあります。

気管虚脱は年齢に関係なく発病しますが、老犬は特に注意が必要です。本来は手術による治療も選択できますが、体力の問題から対症療法しかできないケースがあります。

僧帽弁閉鎖不全症

概要 僧帽弁が正常に機能せず、心臓内の血液が逆流する
原因 先天性、加齢による弁の変形
症状 息切れ、呼吸困難など
治療法 抗生物質の投与、酸素吸入など

ポメラニアンが患いやすい心臓病に「僧帽弁閉鎖不全症」があります。僧帽弁閉鎖不全症とは、僧房弁と呼ばれる心臓の左心房と左心室を仕切っている弁に異常があり、血液が逆流してしまう病気です。

僧帽弁閉鎖不全症は重度になると血液の流れを処理しきれず心臓から肺に滲み出し、肺水腫となって呼吸不全につながり、治療が遅れると命を落とす危険もあります。

僧帽弁閉鎖不全症は早期発見が重要ですが、初期症状がほとんどないため、なかなか気付けません。愛犬の呼吸に違和感がある、疲れやすくなったなど、少しでも違和感を感じたら必ず病院で診てもらうように心がけましょう。

歯周病

概要 歯垢が溜まり、炎症が起きている状態
原因 歯垢の付着
症状 口臭、歯茎の腫れ、口内での出血、歯が抜けるなど
治療法 歯石の除去、投薬、抜歯など

犬の歯周病は、人間と同じように口の中で炎症が起きている状態です。炎症の進行度によって、「歯肉炎」と「歯周炎」のどちらかに分けられます。

歯肉炎 歯茎の肉が炎症を起こしている状態、治療で治る
歯周炎 歯肉炎が悪化し歯周組織まで炎症が起きている状態、治療による完治は難しい

米国獣医歯科学会(American Veterinary Dental Association)の研究によると、3歳以上の犬の80%以上が何らかの歯周病を患っていると考えられています。

また、犬は口内状態を確認するのが難しいため、気が付かないうちに顎や鼻にまで炎症が広がっているケースも少なくありません。歯肉炎になる原因は、人間と同様にプラークと呼ばれる歯垢が蓄積することです。予防のために、毎日のデンタルケアを徹底しましょう。

水頭症

概要 脳脊髄液が溜まり脳を圧迫している状態
原因 先天性がほとんど
症状 行動異常、痙攣、視覚障害、意識障害など
治療法 内科的治療、手術

犬の「水頭症」とは、脳脊髄液と呼ばれる組織が異常に溜まり、脳を圧迫してしまう病気です。脳が圧迫されると正常に機能せず、行動異常や痙攣などの症状がみられます。水頭症は先天性のケースが多く、生まれて数ヵ月以内に診断されることがほとんどです。

後天的に発症する場合は、脳出血や腫瘍など、別の病気によって異常が起きている可能性が高いです。水頭症になりやすい犬種は、ポメラニアン以外にチワワやマルチーズなども挙げられますが、遺伝的な要因が関係しているのかは明らかになっていません。

流涙症

概要 過剰に涙が流れてしまう病気
原因 まつ毛、異物、涙管の異常など
症状 目の周りの毛色が変色する
治療法 鼻涙管洗浄、まつ毛の除去、手術など

犬の「流涙症」は涙が過剰に流れることで目に溜まり、目の周りが常に濡れている状態です。目の周りが濡れていると、細菌が繁殖して毛色が変色する「涙やけ」が起こってしまいます。

流涙症は、涙の産生量と排出量のバランスが崩れることで起こるものです。原因は、まつ毛やゴミなどの異物、涙管の異常などが考えられます。ドッグフードが原因で起こるケースもあるため、原因を特定するためにもすぐに病院で診てもらいましょう

ポメラニアンの健康寿命を延ばすためのポイント

ポメラニアンと長く一緒に暮らすためには、健康寿命を伸ばすことが大切です。健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を指します。

日頃から以下3つのポイントを意識してみましょう。

  • 皮膚や被毛をチェックする
  • うんちをチェックする
  • 体重をチェックする

それぞれのポイントについて詳しく紹介していきます。

皮膚や被毛をチェックする

ポメラニアンはふわふわな被毛が特徴であるがゆえ、皮膚のチェックが難しい犬種です。そのため、飼い主さんが気付かないうちに、皮膚病にかかっていたりケガをしていたりする可能性があります。

週に一度は被毛をかき分けて、隅々まで皮膚の状態を確認する習慣をつけてください。目立った症状やケガがなくても、手で触れたときに痛がるそぶりがないかも確認しておきましょう。

うんちをチェックする

ポメラニアンに限らず、犬の健康をチェックするときはうんちの状態が目安になります。下痢であるとすぐに体調不良であると感じますが、うんちが硬すぎる場合であっても要注意です。食事量の不足や腸に異常がある可能性もあります。

日頃からうんちの回数や色、硬さを確認し、普段と違うと感じたときは病院で診てもらうのがおすすめです。

体重をチェックする

ポメラニアンは太りやすい体質であるため、定期的な体重チェックが必須です。適正体重は1.8〜2.3kg程度ですが、骨格による個体差があるため、体重だけでは正確に判断できない場合もあります。

「過度な肥満に気を付ける」でお伝えしたように。胴体部分を触り、肋骨が触れられるかを基準にしてください。肥満気味になっている場合は、食事量や運動量を見直すなどの検討が必要です。

ポメラニアンの寿命にまつわる

最後に、ポメラニアンの寿命に関してよくある疑問についてまとめました。形式でお伝えして行くので、同じ疑問を持つ方はぜひ参考にしてください。

毛色によって寿命は異なる?

ポメラニアンは10種類以上の毛色が正式に認められていますが、毛色によって寿命に差はありません。しかし「マールカラー」と呼ばれる、マダラ模様の毛色は注意が必要です。

マールカラーのポメラニアンは、遺伝子に何らかの問題がある可能性が高いといわれています。レアカラーとも言われていますが、ポメラニアンの正式な毛色として認められていないので注意しましょう。

ティーカップポメラニアンの寿命は?

極端に小さいポメラニアンを、「ティーカップポメラニアン」と呼ぶことがあります。しかし、ティーカップポメラニアンは、正式な犬種ではありません。あくまで極小サイズのポメラニアンを指すものです。

そのため、寿命に大きな差はありません。ただし、身体が小さいため、病気やケガのリスクが高くなる傾向にあります。長生きのためには、徹底した健康管理とケアが必要であることを理解しておきましょう。

健康のために特に必要な栄養は?

ポメラニアンは骨や関節のトラブルが起きやすい犬種です。健康を維持していくためには、以下の栄養を積極的に摂ることをおすすめします。

栄養素 主な食材
カルシウム 魚、チーズ、肉
グルコサミン 山芋、うなぎ
コンドロイチン 納豆、おくら
リン 魚、大豆、レバー

毎日のフードに加えて、ペット用のサプリメントをあげるのも効率的に栄養を摂る方法です。ただし、どの栄養素も過剰に摂取するのはNGです。適切な量と頻度で摂取しなければ、過剰摂取による異常が起きてしまうので気をつけましょう。

ポメラニアンの健康寿命が伸びるように心がけよう

ポメラニアンの寿命は12〜16歳と小型犬のなかでは、比較的長生きをする犬種です。ただし、気を付ける病気も多く、飼い主さんによる健康管理は欠かせません。長生きのためには、定期検診や食事の調整など、日頃から愛犬の健康を考慮したお世話が必要です。

また、重要なことは、ただ長生きをさせることではありません。愛犬が健康で元気に過ごせる日々を増やすことです。ここでお伝えした内容を参考にして、愛犬の健康寿命が1日でも長く伸びるように心がけてください。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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