犬が飼い主の後をついてくるのはなぜ? 理由や病気の可能性・対処法

「愛犬が家の中でずっとついてくるのはなぜ?」
「愛犬がついてくるのをやめさせる方法は?」

犬がついてくることに関するお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

犬の後追いには、要求や飼い主さんへの愛情表現以外にも多くの理由があります。そのため、飼い主さんは理由をしっかり理解してあげることが大切です。

そこで今回は、犬がついてくる理由について詳しく解説します。対処法や病気の可能性も紹介しているので、愛犬の後追いでお悩みの方は参考にしてください。

犬がついてくる7つの理由

犬がついてくる理由として、以下の7つが挙げられます。

  • 何か要求することがある
  • 楽しいことを期待している
  • 群れで行動する習性が残っている
  • 飼い主への愛情を表現している
  • 生活環境の変化で不安を感じている

それぞれの理由について、具体的に解説していきます。

何か要求することがある

犬はおやつやトイレなど要求があるときに、飼い主さんについてきます。期待した目でお座りしていたり、おやつが置いてある場所をチラチラ見ていたりする場合は、おやつを欲しがっている可能性が高いです。

愛犬がおやつを欲しがっていると、ついつい与えてしまう飼い主さんも多いでしょう。しかし、おやつの与えすぎは肥満の原因となり、病気にもつながる恐れがあります。

また、飼い主についていったらおやつがもらえると覚えてしまうと、つきまとうことをやめられなくなる可能性も考えられます。そのため、ときには要求を無視することも大切です。

トイレの場合はすぐに対応する

要求がトイレの場合はすぐに対応してあげましょう。トイレの場所が階段下などにあると、自分でいけない犬もいます。目で合図してきたり、飼い主さんについてきたりして伝えてきますが、気づかないと愛犬はトイレを我慢せざるを得ません。

トイレを我慢すると、膀胱炎などの泌尿器系の疾患を発症するリスクが高いです。泌尿器系の疾患は再発する可能性も高く、犬への負担が大きい病気です。

飼い主についてくる理由がトイレだったときは、トイレの位置を再度検討する必要があります。犬のトイレはリビングの隅など、好きなときに用を足せる環境が望ましいです。

楽しいことを期待している

飼い主さんと一緒に過ごす時間は、楽しいことがあると思っている犬も多いです。犬は一緒に遊んでくれたり、散歩に連れて行ってくれたりする人のことを好きになります。

そのため、何か楽しいことが起こると期待し、飼い主さんについてきている可能性があるのです。

群れで行動する習性が残っている

犬はもともと群れで行動する動物です。そのため、習性が残っていて、飼い主についてくることがあります。また、飼い犬の場合、飼い主は群れのボスに当たる存在です。

飼い主さんのことをボスだと認識しており、ついてきている可能性も考えられます。しかし、愛犬に構いすぎると、犬は自分が他の家族よりも上だと勘違いしてしまいます。家族や他に兄弟犬がいる場合は、平等に接することが大切です。

飼い主への愛情を表現している

犬が飼い主さんのことを大好きな場合、愛情表現としてついてくることがあります。過度に甘やかしておらず問題行動もないときは、飼い主に深い愛情を持っている可能性が高いです。

飼い主と犬との関係がしっかり構築されている証拠なので、特に対処する必要はありません。ただし、過度に飼い主への愛情が募ると分離不安症のリスクが高まります。そのため、あまりにも愛犬がついてくる場合は、ある程度の距離感を保つことが大切です。

生活環境の変化で不安を感じている

引越しや新しい家族が増えて生活環境が変化すると、犬はストレスを感じます。ストレスの度合いは犬の性格や生活環境によって異なりますが、特に神経質な犬や臆病な犬は注意が必要です。

犬が過ごす環境に変化があった場合、慣れるまで近くで安心感を与えてあげましょう。

犬が後追いしやすい時期

犬が後追いしやすい時期として、以下の2つが挙げられます。

  • パピー時期
  • シニア時期

それぞれの時期について、具体的に解説していきます。

パピー時期

パピー時期の犬にとって飼い主さんは、親と同様の存在です。自分を守ってくれて、愛情を注いでくれる飼い主の側にいたいと思うのは当然のことと言えます。

また、パピー時期の犬は全てのものに対して興味・関心があります。そのため、飼い主が歩くときに動く足や足音に興味があってついてきている可能性も高いです。

シニア時期

シニア時期に入った犬は、一段と甘えん坊になる傾向があります。特に耳が聞こえなかったり、目が良く見えなかったりなど、老化の症状が出た後に多く見られる行動です。

犬がついてくるときの対処法

犬がついてくるときの対処として、以下の方法が挙げられます。

  • 留守番に慣れさせる
  • 自立できるような行動を取る
  • 「待て」のトレーニングをする
  • 社会性を身につけてもらう

それぞれの方法について、具体的に解説していきます。

留守番に慣れさせる

留守番に慣れると、ひとりでいることに対して不安を感じにくくなります。ただし、いきなり長時間の留守番をさせると、愛犬に大きなストレスを与えてしまうため注意が必要です。

数分程度から始めて慣れてきたら10分、30分と徐々に時間を増やしていきましょう。犬によって慣れる期間は異なるので、愛犬の様子を伺いながらトレーニングすることが大切です。

自立できるような行動を取る

愛犬が自立できるような行動を飼い主さんが取ることで、ひとりでも不安を感じにくくなります。部屋で一緒にいるときもある程度距離を取ってみたり、ついてきても無視したりする方法が有効です。

過度に構わないことで、愛犬の自立心を育てられます。甘やかしすぎるのは愛犬のためにはなりません。自立できるように育てることも、飼い主さんの役目です。

「待て」のトレーニングをする

愛犬の要求があるときに「待て」の指示を出し、従わなければ構わないようにするトレーニングも有効です。全ての要求が通る訳ではないことを学習してもらいます。

ひとりでいるときの不安を解消するだけでなく、自立心や社会性を育てることにも繋がるため、「待て」のトレーニングは不可欠です。

社会性を身につけてもらう

飼い主以外の人間や他の犬とのコミュニケーションがない犬ほど、ひとりでいるときに不安を覚えることが多いです。

社会性を身につけるために、ドッグランなど人や犬が集まる場所で遊ばせるようにしましょう。

ドッグランに連れていくのが難しい場合は、他の犬が散歩している場所をコースにしてみるのがおすすめです。

犬の異常な後追いで考えられる分離不安症の可能性

いつでも飼い主さんの後を追ってくる場合は、分離不安症の可能性があります。分離不安症について理解していただくために、以下の項目に分けて解説していきます。

  • 分離不安症とは
  • 分離不安症の症状
  • 分離不安症の原因
  • 分離不安症の治療方法

分離不安症とは

分離不安症とは、飼い主と離れると不安を感じてしまう精神的な病気です。飼い主さんがどこに行ってもついてきたり、離れなかったりする特徴があります。

重症化すると飼い主と離れることに対して大きなストレスを感じるようになり、自傷行動や問題行動が出る場合が多いです。

分離不安症の症状

分離不安症の症状は、以下の通りです。

  • 飼い主をずっと見ている
  • 膝の上をキープする(多頭飼いに多い)
  • 来客に対して吠えたり、噛んだりする
  • トイレや浴室までついてくる
  • 留守番ができない

来客に対して吠えたり噛んだりするのは、飼い主さんと自分のテリトリーを侵害されたと思っているためです。分離不安症は周りの人や犬を傷つける可能性が高いので、改善する必要があります。

分離不安症の原因

分離不安症の主な原因は、以下の通りです。

  • 環境の変化
  • 過去の恐怖体験
  • 飼い主とのコミュニケーション不足
  • 飼い主への依存
  • 老化
  • 病気

留守番が長かったり飼い主さんとのコミュニケーションやスキンシップが不足したりすると、分離不安症を発症することがあります。

しかし、構いすぎが発症の原因となる場合もあるため、適度に距離感を保つことが大切です。

分離不安症の治療方法

重度の分離不安症や脳などに問題がある場合は、薬剤による治療が必要です。獣医師の診察を受けて、適切な薬を処方してもらいます。

症状が軽い場合や脳などに異常がない場合は、しつけによって治すのが一般的です。状況によっては、投薬治療としつけを併せて行うこともあります。

犬がついてくるときによくある質問

犬がついてくるときによくある質問として、以下の3つが挙げられます。

  • 飼い主についてきやすい犬種はある?
  • 愛犬がついてくること自体に問題はある?
  • 知らない犬についてこられやすい人の特徴は?

それぞれの質問に対する回答を紹介していきます。

飼い主についてきやすい犬種はある?

飼い主についてきやすい犬種として、ラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリバーなどが挙げられます。フレンドリーな性格で、社交的な犬種は飼い主についてくることが多いです。

また、チワワやトイプードルなどの小型犬は自分よりも大きなものに対して不安を感じやすく、安心を得るために飼い主さんについていくことがあります。

愛犬がついてくること自体に問題はある?

愛犬がずっとついてくると、飼い主さんのプライバシーが制限されたり、家族間でのトラブルに発展したりする可能性があります。

また、愛犬はひとりでいることに対してストレスが溜まりやすくなったり、飼い主さんへの依存が強まったりするため、適度な距離感を保つことが大切です。

知らない犬についてこられやすい人の特徴は?

犬を飼っていなくても、知らない犬についてこられる人は少なくありません。犬に好かれやすい人には、以下のような特徴があります。

  • 犬と適切な距離感を保てる
  • 落ち着いている
  • 異性
  • 犬との接し方を知っている

オスの犬は女性に、メスの犬は男性になつきやすいと言われています。ただし、これはあくまで初対面の話です。

性別以外の部分で好かれている可能性が高いので、特に気にする必要はありません。安心できる距離感を保ってくれる人や優しい雰囲気の人は、犬から好かれるケースが多いです。

愛犬がついてくる理由を理解して適切に対処しよう

今回は、犬がついてくる理由について詳しく解説しました。本能や愛情表現だけでなく、何かを要求していたり、不安に感じていたりする場合もあります。

ただし、要求される度におやつを与えてしまうと良い関係が構築できないため、ときには無視することも大切です。

ついてくる愛犬に構いすぎてしまうと、分離不安症を発症するリスクが高まります。そのため、愛犬がついてくる理由を理解したうえで、適切に対処することが大切です。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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