犬が唸るのを止めない理由は? 理解すべき気持ちや対処法・適切なしつけ

「犬が唸る理由は?」
「犬が唸るときの対処法を知りたい」
「家族にも犬が唸るのはなぜ?」

犬が唸ることについて、このような疑問を持っている方も多いはずです。

犬は主に警戒しているときに、唸ることがあります。飼い主さんが止めようとしても、なかなか言うことを聞いてくれない場合もあるでしょう。

そこで今回は、犬が唸る理由や対処法についてお伝えします。また、唸りを予防するしつけについても解説するので、ぜひご一読ください。

犬が唸るのは飼い主に伝えたいことがある?

犬が唸るのは攻撃的な意味もありますが、実は飼い主さんに何らかのメッセージを送っている可能性もあります。自分の体調が悪いときや行動を邪魔されたことによる不満を表すときに、犬は唸るケースがあるのです。

メッセージに気付いて欲しいときに唸っているのに、飼い主さんが叱ってしまうと犬は精神的にショックを受けるかもしれません。そのため、犬が唸っているときは理由を特定し、正しい対応を取ってあげる必要があります。

犬が唸るのはなぜ?5つの理由を解説

犬が唸るのには、さまざまな理由があります。愛犬が伝えたいメッセージを見逃さないためにも、主な以下5つについて理解をしておきましょう。

  • 警戒や恐怖によるもの
  • 縄張り意識
  • 母性本能
  • 体調不良
  • 行動を邪魔されたくない

警戒や恐怖によるもの

犬が唸る理由の多くは、警戒や恐怖によるものです。今まで来たことがない場所や慣れない訪問者に警戒・恐怖を抱いて唸るケースが多くあります。

他にも近くで大きな音を立ててしまうと、犬がビックリして警戒モードに入ることも珍しくありません。また、警戒しているときに犬に触れると、怖がって唸ってしまう場合もあります。

犬は動物のなかでも警戒心が強い生き物なので、日常生活において警戒・恐怖の対象になるものは排除してあげてください。

知らない人は気軽に近付かせない、生活音は控えめにするなどの方法が有効です。

縄張り意識

犬は自分が安心して生活できる場所を守るため、来客に唸ることがあります。元々、犬は縄張り意識が強い生き物なので、テリトリーに入った相手を威嚇するケースは多いです。

他にも、自分が大切にしているおもちゃやぬいぐるみを取られると、飼い主相手でも唸る犬は少なくありません。

訪問者が来るなら事前に愛犬はケージのなかに入れておき、安全を確保してあげてください。安心できる場所に移動させておけば、訪問者に唸る心配も少なくなります。

母性本能

一度出産を経験した犬は、生まれたばかりの犬を守るため、外敵を威嚇するように唸るなどの攻撃行動を取るケースがあります。

犬のなかには、大切にしているぬいぐるみを子犬のように扱っているケースもあるので、むやみに取り上げないようにしましょう。

また、出産を経験していない犬でも想像妊娠によって母性本能が目覚める可能性があります。

体調不良

犬は病気やケガなどが原因で体調が悪いとき、飼い主さんにアピールするために唸るケースがあります。特に老犬になるほど、唸って飼い主さんに知らせようとする傾向が強いです。

病気やケガは早期発見が肝心になります。発見が早いほど完治できる確率が高くなるので、日頃から愛犬とのコミュニケーションは密に取っておきましょう。

愛犬に触ろうとしたときに、いつもと違う唸り声をあげた場合は、病気やケガを疑ってください。

行動を邪魔されたくない

自分の行動を邪魔されたとき、不満な気持ちから唸る犬は多いです。飼い主さんであっても、愛犬の意思に反する行動を取ると唸られるケースがあります。

例えば、まだ散歩していたいのに飼い主さんが無理に帰らせようとしたときに、つい唸ってしまう犬もいるでしょう。できるだけ愛犬の意思に反する行動は取らせないようにしてあげてください。

ただし、愛犬のわがままを全て許してしまうと、言うことを聞かなくなる恐れがあります。しつけはしっかり行う必要があるので、臨機応変に対応していきましょう。

犬が唸るときの対処法

犬が唸るときは、どうすれば止めさせることができるのでしょうか。事前に対処法を理解しておけば、焦らず対応できるでしょう。犬が唸るときの主な対処法は以下のとおりです。

  • 信頼関係を築く
  • 家族全員で共通ルールをつくる
  • 犬の本能や習性を理解しておく

対処法について、詳しく確認していきましょう。

信頼関係を築く

犬が唸るのは、警戒や恐怖を日頃から抱いており、環境に不満を覚えている可能性があります。できるだけ愛犬が警戒や恐怖を抱かないように、安心できる環境づくりを意識すれば、唸る行動も少なくなるはずです。

ケージのなかに寝床を用意してあげるなど、安心して眠れるスペースを確保してあげれば、警戒心も緩和されるでしょう。

まずは信頼関係を築く必要があるので、室内環境を愛犬に合わせて整えてあげてください。

家族全員で共通ルールをつくる

しつけを行うときに、家族がバラバラに指導していると犬が混乱する恐れがあります。全員が違うしつけをしていると、犬は不満が溜まって飼い主さんにも唸る可能性があるでしょう。

必ず愛犬をしつけるときは共通ルールをつくり、愛犬を混乱させるような事態は避けてください。

犬の本能や習性を理解しておく

犬が唸る理由は、本能や習性から警戒心を抱いていることが関係している可能性があります。他にも、体調が悪いことを飼い主さんに知って欲しいために唸っているケースも少なくありません。

事前に犬の本能や習性を理解しておけば、正しい対策が講じられるようになるので、唸る原因は把握しておいてください。

犬が唸る状況をやめさせる方法

何度しつけしても犬が唸ることをやめないときは、次の方法が効果的です。

  • 社交性を養う
  • 人に慣れさせる

詳しく解説するので、参考にしてください。

社交性を養う

犬が警戒・恐怖を抱く根本的な原因は、社会性の欠如が考えられます。他の犬や人とコミュニケーションを取っていないと、未知の経験から不安を覚えている可能性が高いです。

日頃から他の犬や人と接する機会を設けて接し方を覚えさせれば、犬は警戒を解いて唸ることも少なくなります。ドッグランに足を運ぶなど、他の犬と積極的に関わらせていきましょう。

人に慣れさせる

愛犬が来客に唸る場合は、気持ちを落ち着かせる方法を試してみてください。ケージのなかに愛犬が安心できる場所を確保してあげて、来客が訪れた際には「ハウス!」で中に入るようにしつけましょう。

安全な場所があるだけで、犬は安心して唸るなどの攻撃的な行動は控えるようになります。来客が訪れたときに飼い主さんが触ったり抱きあげたりすると、反対に犬は興奮してしまうので注意してください。

犬が唸るときの適切なしつけ方

犬が唸るときに適切なしつけ方を実践しないと、いつまでも攻撃的な姿勢を取る犬に成長する恐れがあります。以下の方法で適切にしつけをしてください。

  • 叱るよりも褒める
  • 爪切りやブラッシングは徐々に慣らす

具体的なしつけ方について、詳しく解説していきます。

叱るよりも褒める

犬が唸る原因はさまざまなことが考えられます。体調不良が原因になっているケースもあるので、唸るからといって叱るのはやめましょう。

叱ると、余計に警戒・恐怖の気持ちが強く出てしまいます。臆病な性格に育ち、他の犬や人に攻撃的になる恐れがあるでしょう。

叱るよりも、来客に唸らなかったときに褒めてください。成功体験を増やしてあげたほうが犬の問題行動は少なくなります。

爪切りやブラッシングは徐々に慣らす

デリケートな場所を触られると、嫌がる犬は多いです。特に爪切りやブラッシングは、飼い主さんと接触する機会が多いため、つい唸る犬は少なくありません。

唸る状況を改善するためにも徐々に慣れさせていき、唸りを最小限に抑えるよう工夫してあげてください。

いきなり長時間の爪切りやブラッシングはハードルが高いので、何度かに分けて対応しましょう。

犬が唸るときは理由を理解してあげよう

今回は犬が唸る理由や対処法について、詳しくお伝えしてきました。犬は元々、警戒心が強い生き物なため、日頃から安心できる環境に整えてあげる必要があります。自宅が安全な場所だと理解すれば、自然と唸る行為も少なくなるはずです。

また、唸るからといってむやみに叱ると、恐怖心を抱いてしまい逆効果になります。唸ったときに叱るのではなく、唸らなかったときに褒めてあげるほうがしつけとして適切です。

今回お伝えした対処法を参考に、犬が唸らないよう正しくしつけをしてあげてください。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

<スポンサーリンク>

PAGE TOP