犬がため息をつくのはなぜ? 6つの理由や対処法・つきやすい犬種も紹介

犬は人間と同様、ため息をつくことがあります。愛犬のため息を聞いたときに、心配になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。

犬のため息には、ポジティブな理由とネガティブな理由があります。そのため、飼い主さんはどのような理由で愛犬がため息をついているのか理解してあげることが大切です。

今回の記事では、犬がため息をつく理由について詳しく解説します。対策やため息をつきやすい犬種についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

犬がため息をつく6つの理由

犬がため息をつく理由として、以下の6つが挙げられます。

  • 満足している
  • リラックスしている
  • ストレスを感じている
  • 体に不調がある
  • 何かを要求している
  • 遠くの臭いを嗅ごうとしている

犬のため息には理由があるため、そこから愛犬の気持ちを読み取ることも可能です。それぞれの理由について、具体的に解説していきます。

満足している

美味しいものを食べたり、飼い主さんに抱っこしてもらったりするときに出るため息は、愛犬が満足している証拠です。

リラックスしている

尻尾が緩んだ位置にあったり、居心地良さそうな表情をしていたりするときに出るため息は、愛犬がリラックスしている証拠です。

目を閉じてため息をついている場合も、「そのまま近くにいてほしい」「飼い主さんのことが好き」という気持ちの表れだと言われています。

ストレスを感じている

ウロウロと歩き回ったり、後ろ足で体をひっかいたりするときに出るため息は、ストレスを感じている可能性が高いです。

具体的には、「外で遊びたい」「お腹が空いた」などが該当します。また、体を震わせていたり、前股を舐めたり噛んだりしている場合もストレスを感じていることが多いです。

ストレスが理由でため息をついている場合は、愛犬がストレスを感じる原因を明確にする必要があります。

体に不調がある

体調が悪いときや疲れているときにも、ため息をつくことがあります。ため息以外に、寝ていることが多かったり、食欲がなかったりする場合は、愛犬の体調不良を疑いましょう。

時間が経っても回復しないときは、できるだけ早く動物病院へ連れて行くことも大切です。

何かを要求している

犬は要求するときに、ため息をつくこともあります。「外に出たい」「おやつがほしい」

など、飼い主さんに対して意思表示をしている可能性が高いです。

庭でトイレをさせている犬が出入り口に向かってため息をついている場合は、尿意や便意を催しているかもしれません。

ただし、要求を聞き入れすぎないように注意が必要です。トイレなどは除き、要求の度におやつをあげたり、遊んであげたりすると主従関係が壊れてしまうためです。

犬は学習能力が高く、飼い主さんが要求を聞き入れすぎると「ため息をつくと、言うことを聞いてもらえる」と覚えてしまいます。わがままな犬になる恐れもあるので、全ての要求が通るわけでないことを認識させることが大切です。

遠くの臭いを嗅ごうとしている

散歩中にため息をついたときは、遠くの臭いを嗅ごうとしている可能性が高いです。ため息によって鼻の通りを良くして、遠くからくるかすかな臭いを嗅ぎ分けようとしています。

犬のため息で考えられる7つの病気

犬のため息で考えられる病気として、以下の7つが挙げられます。

  • うつ病
  • 鼻詰まり
  • 鼻腔狭窄
  • 気管狭窄
  • 胃捻転・胃拡張症候群
  • フィラリア症
  • 僧帽弁閉鎖不全症

飼い主さんは日頃から愛犬の様子を確認し、病気の疑いが出てきたときは早めに動物病院へ連れていきましょう。それぞれの病気について、具体的に解説していきます。

うつ病

体が健康でもため息を連発する場合は、うつ病のような精神疾患の可能性が考えられます。気分が沈んでいる様子が見られるときは注意が必要です。

鼻詰まり

風邪や鼻炎などで鼻が詰まると、鼻から上手く呼吸ができず口から呼吸をするようになります。このときに吐く息が、ため息のように聞こえることが多いです。

鼻腔狭窄

鼻腔狭窄(びくうきょうさく)とは、鼻腔が狭くなり呼吸困難になる病気です。鼻水などの症状も見られるときは、鼻腔狭窄の可能性があります。喉や鼻水が詰まって息苦しかったり、吐き気を感じたりすると、ため息をつきます。

気管狭窄

気管狭窄とは、炎症や異物混入などによって気管や気管支が狭まる病気です。特に、夕方から夜にかけてため息が多いときは、気管狭窄の可能性があります。

胃捻転・胃拡張症候群

胃捻転とは、胃が捻れてしまう病気です。胃の内容物が発酵し、ガスを発生させて胃に充満することで胃が捻転します。周りの臓器が圧迫され、他の臓器や血管も捻転し、血液の循環が悪くなることもあります。

ため息の他に、吐こうとしても吐けない、腹部が腫れている、大量によだれが出るなどの症状が見られ、早期に対処しないと命に関わる危険性も高いです。

フィラリア症

フィラリア症とは、犬糸状虫という寄生虫が蚊を媒体に心臓と肺の間の血管に寄生する病気です。

犬が蚊に刺されて、体内にフィラリアの幼虫であるミクロフィラリアが寄生することで発症します。症状はため息以外に、咳や貧血、血尿、腹水などが挙げられます。

僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)とは、心臓の右心室と左心室の間にある僧帽弁が変形し、左心室から左心房へ血流が逆流する病気です。

初期は無症状が多く、悪化するとため息以外に、ゼーゼーとした咳や呼吸困難、チアノーゼなどが見られます。なお、チアノーゼとは、口の中の粘膜や舌、唇が青紫色に変色する症状です。

病気によるため息の見極め方

犬のため息が病気によるものかどうか見極めるためには、頻度や時間帯が目安となります。明らかにため息が多い場合は、鼻腔狭窄や僧帽弁閉鎖不全症などの可能性が高いです。

また、食後や夕方など特定の時間にため息が多い場合は、鼻詰まりや気管狭窄、胃捻転・胃拡張症候群などの可能性が考えられます。

犬がため息をついたときの対処法

犬がため息をついたときの対処法として、以下の3つが挙げられます。

  • スキンシップの時間やコミュニケーションを増やす
  • 犬が快適に過ごせる環境を整える
  • 獣医師に診てもらう

ストレスや病気が理由でため息をついている場合は、早めの対処が重要です。それぞれの対処法について、具体的に解説していきます。

スキンシップの時間やコミュニケーションを増やす

飼い主さんとの時間が少ないと、愛犬はストレスを感じます。また、引越しや家族が増えたなど簡単に原因を取り除けないときも、スキンシップの時間やコミュニケーションを増やすなどの対策が必要です。

愛犬が新たな環境に慣れるまで、しっかりサポートしてあげましょう。

犬が快適に過ごせる環境を整える

犬が快適に過ごせる環境を整える方法は、以下の通りです。

  • 床を滑りにくくする
  • 誤飲・誤食の危険性をなくす
  • 危険な場所に立ち入れないようにする
  • 落ち着ける場所にハウスを設置する

フローリングは犬が興奮して走ると、滑って転倒する恐れがあります。カーペットを敷いたり、ワックスなどでフローリングを滑りにくくしたりする対策が必要です。

また、ケージやサークルは、ハウスとして愛犬が快適に過ごせるスペースでなければなりません。「騒音が多くないか」「風が当たりすぎないか」など、さまざまな観点から快適さを考えてあげることが大切です。

獣医師に診てもらう

日が経ってもため息をつく回数が多い場合は、何かしらの病気にかかっている可能性が高いです。ため息以外に、呼吸をしづらそうにしていたり、寝ている時間が増えたり、食欲がなかったりする症状が見られるときは、早めに獣医師に診てもらいましょう。

ため息をつきやすい犬種はいる?

ため息をつきやすい犬種として、パグやボストンテリア、フレンチブルドッグなどが挙げられます。

短頭種で生まれつき鼻腔が狭かったり、軟口蓋が長く垂れ下がっていたりするからです。酸素が効率良く取り込めず呼吸が大きくなり、吐く息がため息として出てしまいます。

病気の疑いがある場合は動物病院に連れて行こう

今回は、犬がため息をつく理由について詳しく解説しました。犬のため息には、良い理由だけでなく、悪い理由もあります。

そのため、飼い主さんは「なぜ、愛犬がため息をついているのか」その理由を特定してあげることが大切です。

また、ストレスが原因の場合は、スキンシップやコミュニケーションを増やす必要があります。日が経ってもため息の回数が減らないときは病気の可能性もあるので、早めに動物病院へ連れて行きましょう。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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