「犬の多頭飼いはやめたほうがいい?」
「犬の多頭飼いにメリットはあるの?」
「犬を多頭飼いするときの注意点は?」
このような疑問や悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
犬の多頭飼いは愛犬の社会性を育てられたり、運動不足やストレスを解消できたりするなどのメリットがある一方、デメリットもあります。なかには、多頭飼いを避けるべき犬種も存在するため、しっかり検討することが大切です。
そこで今回は、犬の多頭飼いについて詳しく解説しています。注意点や費用、避けるべき犬種なども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
犬を多頭飼いするメリット
犬を多頭飼いするメリットとして、以下の4つが挙げられます。
- 犬の社会性を育てられる
- 犬の運動不足やストレスを解消できる
- 2匹目以降のしつけが楽になる
- 飼い主の癒しが増える
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
犬の社会性を育てられる
多頭飼いすることで、犬の社会性を育てられます。一頭のみで飼われている場合、「自分は犬である」と認識していないケースも少なくありません。二頭目の犬とコミュニケーションを取ることで、自分も犬であると自覚するようになります。
その結果、集団の中で生きるための社会性を身につけることが可能です。また、他の犬と出会ったときに怯えたり、吠えたりすることもなくなるでしょう。
犬の運動不足やストレスを解消できる
室内で飼われている犬は、普段思いきり遊び回れないことがあります。運動不足はストレスの原因となり、無駄吠えや噛みつきなどの問題行動につながる可能性も高いです。
散歩の時間やドッグランに連れて行く回数を増やすのが望ましいですが、多頭飼いでも犬同士でじゃれあって遊べるため、運動不足やストレスを解消できます。
2頭目以降のしつけが楽になる
一頭目のしつけがしっかりとできている場合は、二頭目のしつけが楽になる場合があります。理由として、犬は集団で生活する動物であり、二頭目は先住犬にならって行動することが挙げられます。
飼い主の癒しが増える
犬の多頭飼いは家族が増えるのと同じなので、より生活が豊かになります。愛犬同士がじゃれ合っている姿や一緒に寝ている姿など、癒される場面も増えるでしょう。
犬を多頭飼いするデメリット
犬を多頭飼いするデメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 飼育にかかる費用や時間が2倍になる
- 犬同士の相性が悪いことがある
- 犬の問題行動につながる可能性がある
それぞれのデメリットについて、詳しく解説していきます。
飼育にかかる費用や時間が2倍になる
二頭目をお迎えする場合、飼育にかかる費用や時間が2倍になります。食費や生活費などであれば対応できるかもしれませんが、病気になってしまうと高額の医療費が発生するケースも多いので注意が必要です。
犬同士の相性が悪いことがある
犬同士の相性が悪いと、ストレスにつながるため注意が必要です。ストレスが溜まると、食欲が落ちたり、下痢になったりする犬もいます。犬同士の相性は多頭飼いを検討するうえで、非常に重要なポイントです。
犬の問題行動につながる可能性がある
一頭目のしつけがしっかりできていないと、二頭目の問題行動につながる可能性があります。反対に、あとから来た犬の問題行動が先住する犬に連鎖するケースも多いです。
無駄吠えや噛み癖などの悪癖がうつってしまう場合があるため、しっかりとしつけすることが重要です。
多頭飼いを避けるべき犬の特徴
多頭飼いを避けるべき犬の特徴として、以下の4つが挙げられます。
- 独占欲が強い
- 飼い主への依存度が高い
- 極端に臆病
- 興奮しやすい・攻撃性がある
それぞれの特徴について、詳しく解説していきます。
独占欲が強い
飼い主さんや食事、おもちゃに対して独占欲が強い犬は、多頭飼いに向いていません。ドッグフードやおもちゃを奪ってしまう可能性があります。また、二頭目に攻撃するケースも考えられます。
飼い主への依存度が高い
飼い主さんへの依存度が高い犬は、二頭目が可愛がられている姿を見ると寂しさを感じてしまいます。
その寂しさが敵意に変わることも珍しくありません。平等に愛情を注いでいるつもりでも、不満を感じてしまいます。
極端に臆病
極端に臆病な犬は、多頭飼いがストレスになりやすいです。具体的には、静かな場所でゆっくり過ごしたがる犬や他の犬と関わりたがらない犬が挙げられます。
臆病すぎると自分の身を守るために攻撃性が高くなる可能性もあるため注意が必要です。
興奮しやすい・攻撃性がある
興奮しやすい犬や攻撃性がある犬は、他の犬と一緒に暮らすのは難しいです。トレーニングによって抑えられる場合もありますが、もともと攻撃性が高い犬種も存在します。
犬を多頭飼いするときの注意点
犬を多頭飼いするときの注意点として、以下の7つが挙げられます。
- 多頭飼いが可能な物件か確認する
- 犬同士を事前に顔合わせしておく
- 体の大きさや年齢が近い犬を飼う
- ケージやベッドは分ける
- 愛情は平等に与える
- 一緒に遊ぶことを強要しない
- しつけは別々にする
それぞれの注意点について、詳しく解説していきます。
多頭飼いが可能な物件か確認する
アパートやマンションに住んでいる場合は、多頭飼いが可能な物件かどうか確認しましょう。ペット可の物件でも、一頭に限定されているケースがあるためです。
違反していることに気づかないまま二頭目を迎え入れてしまうと、トラブルにつながる可能性があります。
犬同士を事前に顔合わせしておく
二頭目以降を迎え入れるときは、犬同士を事前に顔合わせしておくことをおすすめします。犬同士の相性は、実際に会ってみなければ分かりません。この段階で相性が悪い場合は、諦めることも選択肢として考える必要があります。
体の大きさや年齢が近い犬を飼う
二頭目は先住犬の大きさや年齢に近い犬を迎え入れるのが望ましいです。例えば、大型犬と小型犬を一緒に飼うと、ただのじゃれ合いでも力の差から怪我につながる可能性があります。
また、体の大きさが同じでも年齢が違うと、お互いのストレスになります。子犬と老犬をお迎えする場合、遊びたい子犬と穏やかに暮らしたい老犬が同じ空間で生活することになるためです。年齢差は大きくても5歳ほどにしておくことをおすすめします。
ケージやベッドは分ける
それぞれ落ち着ける場所を用意するために、ケージやベッドは分けるようにしましょう。中には仲が良くて一緒に寝る犬もいますが、一緒に寝るか寝ないかの選択肢を与えてあげることが大切です。
愛情は平等に与える
後から来た犬が新しい環境に慣れるよう気を配りがちですが、先住犬も新しい家族が増えたことで少なからずストレスを感じます。
また、愛情が不平等だと問題行動の原因となるため、多頭飼いは愛情を平等に与えることが重要です。
一緒に遊ぶことを強要しない
飼い主さんにとっては犬同士が仲良くなってくれるのが理想的です。しかし、毎回一緒に遊ばせようとすると、ストレスが溜まってしまいます。一緒に遊ぶことを強要せず、自由にさせてあげましょう。
しつけは別々にする
後住犬は先住犬にならって行動するため、先住犬のしつけができていれば二頭目以降のしつけは成功しやすいです。
その反面、先住犬のしつけができていないと、後住犬も問題行動を起こします。一頭目のしつけができてから、二頭目を迎え入れるようにしましょう。
犬の多頭飼いでよくある質問
犬の多頭飼いでよくある質問として、以下の3つが挙げられます。
- 犬の多頭飼いにかかる費用はどれくらい?
- 犬の多頭飼いは何匹まで飼える?
- 多頭飼いを避けた方が良い犬種は?
それぞれの質問に対する回答を紹介していきます。
犬の多頭飼いにかかる費用はどれくらい?
一般社団法人ペットフード協会の「令和4年(2022年)全国犬猫飼育実態調査」によると、犬の生涯飼育にかかる費用は超小型犬〜小型犬で約246万円、中型〜大型犬で約305万円です。
二頭目を迎え入れる場合は、費用も2倍かかると考えた方が良いでしょう。
参考:一般社団法人ペットフード協会「令和4年(2022年)全国犬猫飼育実態調査」
犬の多頭飼いは何頭まで飼える?
犬の多頭飼いの中で、二頭飼いが最も多いです。多頭飼いに制限はありませんが、飼い主のライフスタイルや経済状況などを考慮したうえで、何頭飼うか検討すると良いでしょう。また、平等に愛情を与えられるかどうかも重要なポイントです。
多頭飼いを避けた方が良い犬種は?
多頭飼いを避けた方が良い犬種は以下の通りです。
- 日本犬
- ミニチュアシュナウザー
柴犬や秋田犬などの日本犬は自立心が高く、マイペースな性格であることが多いため、多頭飼いには向いていません。また、ミニチュアシュナウザーは他の犬種よりも甘えん坊な性格をしています。
多頭飼いは先住犬の性格や環境を考慮して検討しよう
今回は、犬の多頭飼いについて詳しく解説しました。犬の多頭飼いは愛犬の社会性を育てられたり、飼い主さんの癒しが増えたりする一方で、問題行動につながる可能性があります。
メリットだけでなくデメリットも存在するため、両方を把握したうえで検討することが大切です。
多頭飼いに向いていない犬を飼っている状態で二頭目を迎え入れると、先住犬のストレスが溜まったり、攻撃的になったりするケースが考えられます。多頭飼いは先住犬の性格や飼育環境を考慮して検討するようにしましょう。
執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季
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