「ダルメシアンってどんな犬種?」
「ダルメシアンを飼育するのは難しい?」
「ダルメシアンの相場はどれくらい?」
ダルメシアンについて、こんな疑問を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ダルメシアンは、生まれたときは真っ白な被毛であり、成長するにつれて斑点が見られるようになります。可愛らしい見た目に惹きつけられますが、性格や寿命などを迎え入れる前に知っておくことが大切です。
そこで今回の記事では、ダルメシアンの特徴について詳しく解説します。ダルメシアンを飼おうか検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ダルメシアンの歴史を紹介
正確には解明されていませんが、ダルメシアンの起源はクロアチアのダルメシア海岸付近と推測されています。古代エジプトの墓の彫刻や16〜18世紀に描かれた絵から、ダルメシアンは数千年前から存在すると考えられます。
かつては軍用犬や狩猟犬など幅広い分野で活躍し、19世紀には多くの富裕層に飼われていました。また、消防車の伴走犬として活躍していたこともあり、アメリカでは消防署のマスコット犬として起用され続けています。
ダルメシアンの特徴
ダルメシアンの特徴を以下の5つに分けて解説します。
- 大きさ
- 性格
- 毛色の種類
- 寿命
- 価格相場
大きさ
ダルメシアンは大型犬に分類され、体高と体長のバランスは9:10です。体高はオスが約56〜61cm、メスが約54〜59cmが目安となっています。
体長はオスが約27〜32kg、メスが約24〜29kgです。体は筋肉質で引き締まっており、尻尾は先端に向かうほど細くなります。
性格
ダルメシアンは、明るく陽気な性格をしています。その反面、警戒心が強いため飼い主さん以外の人や犬に心を開かないことも多いです。
飼い主さんを含む家族にはフレンドリーですが、非常に活発なので子供がいる家庭は注意が必要です。一緒に遊ぶときに、怪我をしてしまう恐れがあります。
毛色の種類
ダルメシアンの被毛は、ホワイト&ブラックもしくはホワイト&レバーです。白い被毛をベースに、黒あるいはブラウンのスポット柄が全体に散らばっています。ブラウンの方が少し柔らかい印象を受けるでしょう。
被毛はシングルコートで、滑らかで光沢のある短毛が特徴です。しかし、皮毛が抜けやすいため、こまめなブラッシングが不可欠です。なお、突然変異で長毛のダルメシアンが生まれるケースもあります。
寿命
ダルメシアンの寿命は10〜13年前後で、大型犬の中では平均的です。人間で換算すると89歳前後ですが、あくまでも平均となります。
先天性の病気が多い犬種であるため、定期的な検査はもちろん、普段から愛犬の様子をよく観察することが重要です。
価格相場
ダルメシアンの価格相場は10〜20万です。価格はスポット柄の大きさや場所によって異なります。また、オスよりもメスの方が高い傾向があります。特に親犬がドッグショーのチャンピオン犬だと、高額になるでしょう。
反対にパッチが顔や耳に入っている場合は、価格が低くなりがちです。頭部にパッチが多いほど、聴覚障害を発症する確率が高くなることが理由として挙げられます。
ダルメシアンがかかりやすい病気
ダルメシアンがかかりやすい病気として、以下の6つが挙げられます。
- 尿路結石症
- 聴覚障害
- てんかん
- 股関節形成不全
- 胃拡張・胃捻転
- ブロンズ症候群
それぞれの病気について詳しく解説します。
尿路結石症
尿路結石症とは、おしっこの通り道に石が溜まってしまう病気です。小さな石であれば、洗い流したり、おしっこで出したりすることができます。しかし、大きな石は手術が必要です。
治っても再発する可能性が高いので、予防も非常に重要と言われています。おしりとトイレは常に清潔を保ち、石の材料となるマグネシウムが少ないフードを与えるのがおすすめです。
聴覚障害
ダルメシアンは垂れ耳で耳垢が溜まりやすく、外耳炎などの病気にかかりやすいです。外耳炎が進行すると、聴覚障害につながることもあります。
聴覚障害の可能性があるときは、愛犬が気づかない場所から音を出してみましょう。音に反応しない場合は、すぐ動物病院へ連れていくことが大切です。
てんかん
てんかんとは、何かしらの原因で脳が異常に興奮し、体のけいれんや意識障害などの発作が起きてしまう病気のことです。一度てんかんを発症したら、再発に備えて抗てんかん薬を用意しておきましょう。
股関節形成不全
股関節形成不全は大型犬に多く、生後4ヶ月〜1年の間に発症しやすい病気です。骨や筋肉の成長を妨げる遺伝子要因や栄養バランスの偏りなどが原因になります。歩行やお座りが困難となります。また、歩行時に体が揺れるのも症状の一つです。
胃拡張・胃捻転
胃が拡張し、ねじれ(捻転)を起こす病気です。胃や周囲の血流が遮断されるため、数時間で死に至ることもあります。
食事の種類や回数、食後すぐの運動などが原因で発症し、症状として吐き気や虚脱感などが見られます。緊急性の高い病気なので、動物病院での早期治療が必要です。
ブロンズ症候群
ブロンズ症候群とは、皮膚に蕁麻疹が発生して化膿する病気です。代謝異常やアレルギー、ストレスなどが原因で発症します。
目や口の周りに強い炎症・脱毛・赤みなどがある場合は、すぐに動物病院へ連れていく必要があります。
ダルメシアンを飼うのに向いている人
ダルメシアンを飼うのに向いている人の特徴として、以下の3つが挙げられます。
- 体力に自信がある人
- 散歩の時間を多く取れる人
- 広い飼育スペースを確保できる人
それぞれの特徴について詳しく解説します。
体力に自信がある人
ダルメシアンは体力のある犬種です。そのため、飼い主さんも愛犬と同じくらいの体力が必要となります。
運動量が少ないとストレスが溜まり、問題行動につながりやすくなります。飼い主さんと一緒にいるのが大好きな犬種なので、愛犬と走り回れる人が理想的です。
散歩の時間を多く取れる人
体力に優れている犬種なので、小型犬に比べて散歩の時間が長くなります。毎日1時間程度の散歩が必須となるため、時間に余裕のある人が望ましいです。
広い飼育スペースを確保できる人
ダルメシアンは体が大きいので、十分な飼育スペースが必要です。狭い空間で生活すると、飼い主さんと愛犬ともにストレスの原因となります。シングルコートで寒さに弱いため、室内でスペースを確保しましょう。
ダルメシアンを飼育するときのポイント
ダルメシアンを飼育するときのポイントとして、以下の4つが挙げられます。
- 床を滑りにくくする
- 冬は寒さ対策を行う
- こまめにブラッシングをする
- 月1〜2回の頻度で耳掃除をする
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
床を滑りにくくする
犬が床で滑ると、椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼などにつながる可能性があります。また、大型犬は老化によって筋肉量が落ちると、床の上で重心を安定させられなくなります。
その際に足首などの関節に負担がかかるため、必ず滑りにくい床にすることが大切です。
冬は寒さ対策を行う
ダルメシアンはシングルコートで、寒さに弱い犬種です。冬の寒さに耐えられず、丸くなって動けなくなる犬もいるため注意が必要です。
暖房だけでなくマットや毛布なども活用し、暖かく過ごせる空間を作りましょう。また、小さい頃から服を着せておくと、散歩時のコートやセーターも嫌がらなくなります。
こまめにブラッシングをする
換毛期は毎日、換毛期以外は週1〜2回を目安にブラッシングを行いましょう。ラテックス性のグルーミング手袋やラバーブラシを使って体をブラッシングした後に、布で体を拭くと艶が出ます。
月1〜2回の頻度で耳掃除をする
ダルメシアンの場合、月1〜2回の頻度で耳掃除が必要です。垂れ耳で耳の中が蒸れやすく、外耳炎などの病気にもかかりやすいです。
柔らかいタオルなどで耳の中を定期的に軽く拭いてあげましょう。匂いや汚れが気になるときは、専用のクレンジングを使用するのがおすすめです。
ダルメシアンをしつけするときのコツ
ダルメシアンをしつけるときのコツとして、以下の3つが挙げられます。
- 子犬の期間にしっかり行う
- 社会性を身につけさせる
- 褒めて伸ばす
それぞれのコツについて詳しく解説します。
子犬の期間にしっかり行う
しつけは継続的に行う必要がありますが、特に生後2〜4ヶ月頃が重要です。性格を形成するうえで大切な時期となります。吸収力も高いため、しつけは社会化期にしっかり行いましょう。
社会性を身につけさせる
ダルメシアンは遊びが大好きな犬種ですが、初対面の人や犬に対して警戒することがあります。
さまざまな人や犬と関わり、社会性を身につけさせましょう。特に生後3〜8週間は、積極的に公園やドッグランなどに連れていくことが大切です。
褒めて伸ばす
ダルメシアンは褒められることが大好きな犬種です。褒めて伸ばすような感覚で、しつけを行いましょう。
記憶力が優れているため、厳しく叱ると飼い主さんへ不信感を抱いてしまう可能性があります。言うことを聞かなくなってしまうケースも考えられるので、注意が必要です。
特徴を把握したうえでダルメシアンを迎え入れよう
今回は、ダルメシアンの特徴について詳しく解説しました。スポット柄の可愛い見た目に惹かれる方は多くいますが、迎え入れる前に知識を身につけておく必要があります。
かかりやすい病気や飼育時のポイントなどは、一緒に生活していくうえで非常に重要です。また、大型犬は小型犬よりも事故リスクが高まるため、しつけを徹底的に行うことも欠かせません。
ただし、飼い主さんが大好きな犬種なので、信頼関係を築くことで楽しく暮らせます。ぜひ今回の記事を参考にして、ダルメシアンを迎え入れるか検討してみてください。
執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季
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