犬が車酔いする原因と対処法|酔わない対策や予防法・症状を解説

「愛犬とドライブしたいけど車酔いする」
「犬の車酔いの予防方法を知りたい」
「犬が車酔いをしたときは、どうするべき?」

犬を迎えたら旅行やレジャーを一緒に楽しみたいものです。しかし愛犬が車酔いをしてしまうと車での外出が難しくなってしまいますよね。

犬の車酔いは、揺れや車内のニオイ、不安からくるものが多いと言われています。ただし適切な対策をすることで、犬の車酔いは緩和されることも少なくありません。

この記事では、犬の車酔いの原因と対策、予防方法について紹介します。車に慣れさせる方法についても解説するのでぜひ最後までご覧ください。

犬が車酔いする原因とは?

ここでは犬が車酔いする原因について見ていきましょう。犬が車酔いする主な原因は以下のとおりです。

  • 車内の嫌なニオイ
  • 満腹・空腹によるもの
  • 車の揺れや振動による刺激
  • 過去の経験からくる不安感
  • 体調不良によるもの

それぞれ詳しく紹介します。

車内の嫌なニオイ

車内の嫌なニオイは、犬の車酔いの原因になります。犬の嗅覚は人間の3,000〜10,000倍とも言われ、ニオイには非常に敏感です。

嗅覚で得た情報は直接脳に伝わり、自律神経に刺激を与えます。自律神経の乱れから吐き気や震え、よだれなど、さまざまな車酔いの症状を引き起こしてしまうのです。

車の芳香剤やエアコンをつけたときのカビ臭ささなど、人間がなにも感じないほどのニオイであっても犬の車酔いの原因になるでしょう。

満腹・空腹によるもの

お腹がいっぱいでも空腹の状態でも、犬は車酔いをしやすくなります。車の走行中に起こる振動が犬の胃腸に刺激を与え、吐き気を引き起こしてしまうからです。適度にお腹が満たされた状態で車に乗せるようにしましょう。

車の揺れや振動による刺激

車の走行中に起こる過剰な揺れや振動は、犬の車酔いの原因になります。過剰な揺れや振動は、耳と目から入る情報にギャップが生じて平衡感覚と自律神経が乱れるからです。

自律神経の乱れは、よだれや震え、胃の収縮による吐き気など、犬の車酔いの症状を引き起こします。

過去の経験からくる不安感

過去に車酔いで辛い経験をしたことのある犬は、車酔いしやすい傾向にあります。「車に乗ると気持ち悪くなる」という経験から、不快感を覚えて車酔いを引き起こしてしまうのです。

車酔いは、過去の記憶を思い出すことで、同じ症状を引き起こしやすくなるといわれています。

体調不良によるもの

体調が優れないときに車に乗せると、犬は車酔いをしやすくなります。体調不良のときは、自律神経が乱れやすくなるからです。

前日の睡眠不足や過度な運動、胃腸の不良などが見られるときは、車酔いをしやすくなるでしょう。

犬の車酔いの症状

犬の車酔いで見られるおもな症状は以下のとおりです。

  • 落ち着きがなくなる
  • あくびやよだれが増える
  • 元気がなくなりぐったりする
  • 嘔吐する

それぞれの症状について詳しく紹介します。

落ち着きがなくなる

犬がソワソワしたりキュンキュン鳴いたり落ち着きがなくなるのは、車酔いの初期症状です。車酔いの前兆による体調の変化から、リラックスできず落ち着かないのでしょう。このような症状が見られたら車酔いの初期症状のサインです。

あくびやよだれが増える

前項で紹介した初期症状が続いたあと、あくびやよだれが増えたら危険な状態です。

車酔いの症状が進行すると犬はストレスや緊張から、よだれを大量に垂らしたり生あくびを繰り返したりします。

元気がなくなりぐったりする

車酔いがさらに進行すると、犬は元気がなくなり頭を下げてぐったりします。これは車酔いのなかでも重度の症状です。できるだけ早く対処する必要があります。

嘔吐する

車酔いの症状が悪化すると、犬は嘔吐します。胃の中にあった食べ物を、すべて吐き出すこともあるでしょう。

犬は嘔吐を繰り返すと脱水症状になる可能性があります。嘔吐したあとに、犬がぐったりしている場合は脱水症状を起こしていないか注意しなくてはいけません。

犬の車酔いを予防する方法

犬の車酔いを予防する、おもな方法は以下のとおりです。

  • 空腹や満腹を避ける
  • 車内のニオイに気をつける
  • 移動中はクレートに入れる
  • 車が揺れないように安全運転を心掛ける
  • 犬に車酔い止め薬を服用させる

それぞれ詳しく紹介します。

空腹や満腹を避ける

犬を車に乗せるときは、空腹や満腹な状態を避けましょう。空腹や満腹な状態は、胃が刺激され嘔吐しやすくなります。

犬を車に乗せるときは、1〜2時間前までに食事を済ませて量も通常より少なめにしましょう。

車内のニオイに気をつける

犬を車に乗せる際は、車内のニオイに気をつける必要があります。お伝えした通り、犬の嗅覚は敏感です。芳香剤や香水の利用は控え、エアコンを止めて窓からの換気で温度を調整しましょう。

夏の暑い時期など、どうしてもエアコンを使用しなければならない場合は、事前にエアコンのフィルターを掃除することでカビ臭さが緩和されます。

移動中はクレートに入れる

車での移動中は犬をクレートに入れ、動かないようにシートベルトでしっかり固定しましょう。クレートに入れて固定することで、犬に伝わる振動や揺れが少なくなります。

クレートは、犬が方向転換できるくらいの小さめのサイズで、進行方向に向けて固定してください。クレートの上からブランケットなどを掛け、視界を遮るのもおすすめです。視界から入る刺激を減らすことで、車酔いを予防する効果があります。

安全運転を心掛ける

犬を車に乗せるときは、安全運転を心掛けましょう。急ブレーキや急発進、急加速といった荒い運転は、犬の体に伝わる揺れや振動が増え車酔いの原因になります。

急ブレーキまでは、いかない身体がカックンとつんのめる「カックンブレーキ」も頭が振られ車酔いしやすくなるでしょう。

また速度を出し過ぎると、車の揺れは大きくなります。犬を車に乗せているときは、普段よりも安全運転を心掛け、揺れや振動を減らしましょう。

犬に車酔い止め薬を服用させる

これまでお伝えした対処法で犬の車酔いが緩和されない場合は、獣医師に相談し酔い止めを処方してもらいましょう。

犬の酔い止め薬は、有効性と持続性が高く1日1回の服用で嘔吐を抑制できます。酔い止め薬の処方は、獣医師の診察が必要です。車に乗る予定がわかったら早めに診察を受け、薬を準備しておきましょう。

犬が車酔いをしたときの対処方法

犬の車酔いの初期症状が見られたら、まずは車を停めて外の新鮮な空気を吸わせましょう。犬が歩いても安全な場所があれば、散歩をするのもおすすめです。

土の匂いを嗅いだり風に当たったりすれば、犬も落ち着きを取り戻します。ドッグランを併設したサービスエリアも増えているので、どこにあるか事前に調べて上手に利用しましょう。

犬を車に慣れさせる方法

犬の車酔いを予防するためには、車に慣れさせておくことが大切です。車酔いは、メンタルの影響が大きいと言われているからです。

以下の方法で、犬を車に慣れさせておきましょう。

  • 車が止まった状態で車内で過ごす
  • 短時間のドライブで車に慣れさせる
  • 犬が喜ぶ場所へ連れていく

それぞれ詳しく紹介します。

車が止まった状態で車内で過ごす

いきなり犬を車に乗せてドライブするのではなく、車が止まった状態で過ごすところから始めましょう。お気に入りのおもちゃで遊んだり、オヤツをあげたりするのもおすすめです。

「車に乗ると楽しいことがある」と犬に認識してもらう必要があるからです。車内で過ごすことに慣れたら、次は座席に固定したクレートで過ごす練習をします。

犬をクレートに入れてもヨダレを垂らす、生あくびを繰り返すなどの車酔いの初期症状が出ないか様子を見ましょう。

短時間のドライブで車に慣れさせる

犬が車内で落ち着いて過ごせるようになったら、5分程度の短いドライブから始めて車に慣れさせます。

乗り物酔いの初期症状は出ていないか犬の様子を確認しながら5分、10分と徐々にドライブの時間を伸ばしていきましょう。

このように段階を踏むことで車の揺れや振動、スピードに慣れ、ドライブに対する苦手意識が生まれにくくなります。

犬が喜ぶ場所へ連れていく

犬を車に乗せたときは、ドッグランや公園など犬が喜ぶ場所に連れていきましょう。犬は「車に乗ると楽しい場所へ行ける」と認識し、車に乗ることが好きになります。

車に対するポジティブなイメージは、車酔いの予防には欠かせません。車に対する苦手意識や不安感は、車酔いを誘発しやすくなるからです。

換気や揺れに気をつけて犬の車酔いを防ごう

今回は、犬が車酔いする原因と症状、対処方法についてお伝えしました。犬の車酔いは、揺れや振動、車内のニオイによって誘発されやすくなります。

また「車に乗ると気持ちが悪くなる」といった過去のトラウマによる不安感から、車酔いすることも少なくありません。

お伝えした予防法や対処法、車に慣れさせる方法を参考にして、愛犬が車酔いで辛い思いをしないよう心がけてください。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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