犬がなつかないのはなぜ? 原因や仲良くなる方法・接し方の注意点を紹介

「愛犬がなついてくれなくて辛い」
「犬になついてもらう方法は?」
「犬がなつかないのはなぜ?」

こんな悩みを持っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。犬がなつかないときは、飼い主の行動に原因がある可能性があります。

そこでこの記事では、犬がなつかない原因やなついてもらう方法などについて、解説しています。愛犬ともっと仲良くなりたいと考えている飼い主さんは、ぜひご一読ください。

愛犬は本当になついていない?

愛犬は、なついていないように見えて、なついていることもあります。飼い主さんが一方的に、愛犬はなつかないと感じているだけのこともあるのです。

例えば、犬によっては、さほどスキンシップを好まない犬もいます。特に意思が強く、クールな性質の犬には、そういう傾向があります。

また、人との触れあいが少なかった犬だと、抱っこや触られることの心地よさに気付いていないこともあるでしょう。

ただし、「愛犬が近寄ってこない」「ごはんを与えても食べない」「目線が合わない」などの場合は、なついてない可能性があります。

犬がなついているサイン

犬は飼い主さんになついているとき、次のようなサインを出すことが多いです。

  • しっぽを振る
  • 手や顔を舐めてくる
  • 甘嚙みする
  • 見つめてくる
  • 飼い主のそばで寝そべる

なついているサインを見逃さないように、詳しく確認していきましょう。

しっぽを振る

しっぽの動きは、犬の感情表現の中でも、特にわかりやすいです。しっぽを振るときは、ポジティブな喜びを表現していることがほとんどです。

一般的に犬がしっぽを振るときは、相手に対して警戒していないため、なついていると考えてよいでしょう。

手や顔を舐めてくる

愛犬が手や顔を舐めてくるのも、なついているサインです。特に、飼い主さんが帰宅したときに、手や顔を舐めてくる犬は少なくありません。

ただし、人や他の動物に、犬が好きな美味しい食べ物が付いていて舐めることもあるので見分ける必要があります。しかし、基本的に舐める行為は愛情表現だと捉えて問題ありません。

甘噛みする

犬は、前歯で小さくカミカミと噛んだり、大きな口を開けてくわえるように歯を当ててそっと噛んだりすることがあります。

これは「もっと構って欲しい」「遊んで欲しい」と、飼い主さんに甘えているサインです。特に、子犬に多い傾向にあります。

ただし、遊び半分で少し力を入れて噛むことも少なくありません。ケガにつながる場合もあるので、その際はしっかりとしつけをしてやめさせましょう。

見つめてくる

犬が飼い主をじっと見つめているときは、かまってほしいというサインです。

また、散歩中にアイコンタクトして動かなくなったら、「この道は歩きたくない」「帰りたくない」などと伝えている可能性があります。

そんなときは、愛犬の気持ちをくみとってあげると安心するでしょう。

飼い主に背中を向けて寝そべる

愛犬に背中を向けられると、「嫌われている?」と思う飼い主さんも多いかもしれません。しかし、飼い主さんになついて信頼しているからこそ、背中を向けられるのです。

おなかを見せて寝そべっているときも、同じと考えてください。犬がおなかを見せるのは、相手に対して敵意がありませんというサインです。

犬がなつかない原因

犬がなつかないときは、主に次のような原因が考えられます。

  • 飼い主を下に見ている
  • 環境に慣れていない
  • 一緒にいる時間が少ない
  • しつけに一貫性がない
  • 飼い主が怖い
  • 飼い主が急に騒ぐことがある
  • 飼い主がしつこい

原因を解消できるように、それぞれを詳しく解説していきます。

飼い主を下に見ている

犬は、上下関係にシビアな動物のため、お世話をしたり遊んであげたりしていても、必ずなつくわけではありません。飼い主さんに対して「この人は自分より下」と判断すると、なつかないことがあります。

例えば飼い主さんの感情にムラがあったり、しつこいほど構ったりすると、犬は「自分より上」と思わない可能性があります。

環境に慣れていない

家に来たばかりのときは、犬も緊張しています。新しい環境に慣れるまでは、心を開かないこともあるでしょう。

特に、怖がりの犬や神経質な犬は、その傾向がある可能性が高いです。環境に慣れてきたら、急になついてくれることもあるため焦らないことが重要です。

一緒にいる時間が少ない

飼い主さんと一緒にいる時間が少ないと、愛情が伝わりにくくなります。愛犬との距離が縮まらず、なついてくれないことも多いです。特に、仕事で留守にしている時間が長い場合、この原因に該当する可能性があります。

また、犬はお世話をしてくれる人になつく傾向があります。食事や散歩などの世話をあまりしていないと、なついてくれない可能性が高いです

しつけに一貫性がない

飼い主がしつけに一貫性がないと、愛犬はどのようにコミュニケーションすればよいのか、戸惑います。飼い主さんの機嫌によって、叱られるときと放っておかれるときがあると、犬は混乱するのです。

その場合、愛犬はしつけで叱られたのではなく、突然怒る人と感じるかもしれません。飼い主が一緒にいて安心できる人と感じないうちは、なつかない可能性が高いです。

飼い主が怖い

日頃から、犬を叱ることが多いと飼い主さんを怖いと思ってしまい、なついてくれません。犬がダメなことをしたときに注意は必要ですが、怒鳴ったり手をあげたりするのはよくありません。

飼い主が急に騒ぐことがある

飼い主が急に大声を出すなどして騒ぐと、犬も驚きます。特に、子どもは急に騒ぐことがあるので、小さな子どもが苦手な犬も少なくありません

また、声のトーンが急に高くなる人やいつもテンションが高い人には、なつきにくい傾向があります。

飼い主がしつこい

犬もゆっくりと自分だけで過ごしたいときがあります。いつでも所構わず、飼い主さんが構ったり触ったりすると、犬はストレスを感じてしまうでしょう。飼い主さんが過干渉でストレスの原因になると、犬はなついてくれません。

なつかない愛犬と仲良くなる方法

なつかない愛犬と仲良くなるには、飼い主さんが行動を見直す必要があります。主な方法は次のとおりです。

  • お世話を積極的にする
  • 楽しいことをする
  • 一貫性のあるしつけをする
  • 落ち着いた態度で接する
  • カーミングシグナルを理解する
  • 香水をつけない

それぞれを詳しく解説するので、できることからはじめてみてください。

お世話を積極的にする

これまでお世話ができてなかったと感じる飼い主さんは、積極的に関わってください。ごはんをあげたり、散歩につれて行ったりブラッシングをしたりするのもいいでしょう。

ごはんや散歩のお世話は、愛犬に「この人と一緒だと楽しい」と印象付けるチャンスなので、続けていると徐々に愛犬もなついてくれるはずです。

楽しいことをする

犬は、一緒にいて楽しいと感じる人に、なつきやすいです。散歩やドッグランに連れて行ったり、おもちゃで遊んであげたりしてみてください。愛犬と同じテンションで楽しい時間を共有すれば、少しずつなついてくれるはずです。

一貫性のあるしつけをする

一貫性のあるしつけをすることも、仲良くなる方法の1つです。甘噛みやいたずらなどダメなことをしたときは、叩いたり怒鳴ったりせず穏やかに対応しましょう。

愛犬が可愛いからといって、甘やかすのはNGです。甘やかすと、犬からなめられて見下されてしまいます。「ちょっとくらいならいいか」と許してしまうと、犬は何がよくて何がダメなのかわからなくなります。

その代わり良い行動をしたら、しっかりと褒めてあげましょう。一貫性のあるしつけを続ければ、信頼関係ができて愛犬もなついてくれます。

落ち着いた態度で接する

飼い主さんのテンションが高かったり落ち着かなかったりすると、犬はリラックスして過ごせません。特に、犬が家に来たばかりのときは、頻繁にコミュニケーションしたくなりますが、スキンシップはほどほどにしておきましょう。

犬との信頼関係の構築は、「焦らずゆっくり」がポイントです。穏やかで優しく接すると、犬も安心して「この人は大丈夫だ」と認識でき、徐々になつくようになります。

低い姿勢で斜めから接する

犬は自分よりも大きな相手に対して、怖いと感じる傾向があります。愛犬とコミュニケーションするときは、必ずしゃがんでください。正面からではなく、斜めになる位置から接することがポイントです。

特に、初めて接するときは、犬は不安に感じていることが多いです。撫でるときは、犬の頭の上から手を出さないでください。手の動きが見えるように、下から静かに出して動かすことが大切です。

カーミングシグナルを理解する

カーミングシグナルとは、犬が意思疎通のために行うボディ・ランゲージのことです。自分や相手の気持ちを落ち着かせるために発せられるサインで、さまざまな意味があります。

例えば、「目を細める」「視線をそらす」などの仕草は、相手に対して敵意がないという意味です。また、鼻をなめる仕草には、緊張や不安でストレスを感じているという意味があります。

カーミングシグナルの意味を理解していれば、犬の仕草を見てどんな気持ちなのか理解しやすくなるため、距離が近づくきっかけになるのです。

香水をつけない

犬は、人間よりもはるかに嗅覚が強いです。そのため、飼い主さんがつけている香水が苦手と感じているケースも少なくありません。

愛犬がなつかない場合は、愛用している香水が原因の可能性があります。心当たりがある方は、香水をつけるのをやめてみることをおすすめします。

なつかない愛犬と接するときの注意点

犬がなかなかなついてくれなくても、イライラや焦りは禁物です。なつかない愛犬と接するときは、以下の3点に注意してください。

  • なつかないからといって冷たく接しない
  • 犬のペースに合わせて少しずつ
  • 好きなことや嫌なことは犬によって違う

なつかないからといって冷たく接しない

愛犬が家族の中で自分だけになつかないとしても、冷たく接したり無視したりしないでください。お世話をしたり遊んであげたりする時間を増やしても、急になつくことはないでしょう。

根気強く長い目で見ながら愛犬とコミュニケーションを図ることが重要です。時間はかかっても、愛情を持って接すれば愛犬はきっとなついてくれるはずです。

犬のペースに合わせて少しずつ

犬によっては、警戒心が強く、なかなかなつかない場合もあります。犬と仲良くなりたい気持ちが強くても、急激に距離を縮めると犬は警戒するでしょう。

犬と積極的にコミュニケーションしたいところですが焦りは禁物です。愛犬との距離を少しずつ縮めていくことを意識してみてください。

お世話タイムも、少しずつ増やしていきましょう。これまで散歩にあまり連れて行かなかったのに、急に連れて行ったら犬がパニックを起こすこともあります。

最初のうちは、犬がなついている家族との散歩についていくところからはじめてください。慣れてきたら、一対一で散歩する時間を増やしていくと愛犬も安心するはずです。

好きなことや嫌なことは犬によって違う

犬によって、好きなことや嫌なことは異なります。例えば、ブラッシングが大好きな犬もいれば、ブラッシングが苦手な犬もいるのです。

愛犬と仲良くなるには、何が好きで何が嫌かを知ることがポイントです。愛犬が楽しいと思える時間をたくさん共有することで、一緒に過ごすのが心地良いと感じてもらえるようになるでしょう。

犬がなつかない原因を考えて愛情を持って接することが大切

犬がなつかないのは、何か原因があることがほとんどです。飼い主さん愛犬との接し方を改めることで、距離は徐々に縮まっていくでしょう。犬のお世話には積極的に関わるなど、愛情をもって接することが重要です。

そして、愛犬が好きなこと、嫌なことは何かを汲み取って、穏やかで優しいコミュニケーションを心がけてください。そうすれば、時間はかかっても、愛犬は次第に心を開いてなついてくれるはずです。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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