甘えん坊の可愛い犬種|なぜ甘える? 理由や仕草・特徴・対処法を解説

「愛犬が甘えん坊すぎる」
「犬が甘えてくるのはなぜ?」
「甘えている仕草で理由が違う?」

など、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。愛犬が甘えてくる場合、単に何かを要求しているときもありますが、恐怖や不安を感じていたり、怪我や病気を伝えようとしていたりすることもあります。

また、甘えではなく分離不安症である可能性もあるため、飼い主は見極めてあげることが大切です。

そこで今回は、甘えん坊な犬の仕草や理由、対処法などについて詳しく解説します。甘えん坊の愛犬にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

犬が甘えてくる3つの理由

犬が甘えてくる理由として、以下の3つが挙げられます。

  • 何かを要求している
  • 恐怖や不安を感じている
  • 怪我や病気を伝えている

愛犬に甘えられるのは嬉しい反面、どうしたのか気になる飼い主も多いはずです。ここでは、それぞれの理由について詳しく解説していきます。

何かを要求している

犬は「ご飯(おやつ)が欲しい」「一緒に遊んで欲しい」「散歩に連れて行って欲しい」など、飼い主に対して要求するときに甘えることがあります。

また、単にかまって欲しい場合もあるので、愛犬が寂しい思いをしないようにスキンシップを取るなど、できるだけ相手をしてあげると良いです。

恐怖や不安を感じている

恐怖や不安を感じると、「守って欲しい」という気持ちを伝えるために甘えることがあります。特に、雷や花火などの大きな音に対して恐怖感を抱く犬は多いです。

また、人見知りが強い場合、家族以外の人が近寄ると飼い主から離れなくなるケースもあります。

怪我や病気を伝えている

怪我や病気で痛みを伴っている場合、それを飼い主に伝えるために甘えることがあります。普段と少しでも様子が違うと感じたら、早めに動物病院へ連れて行き、診察してもらいましょう。

ただし、認知症の犬の場合、症状のひとつとして甘える態度が挙げられます。そのため、愛犬がシニア期に入ったら注意が必要です。

甘えん坊な犬種

もともと甘えん坊な犬種として、以下が挙げられます。

  • ボストンテリア
  • ヨークシャテリア
  • トイプードル
  • ポメラニアン
  • マルチーズ
  • ゴールデンレトリーバー
  • フレンチブルドッグ
  • ミニチュアダックスフンド
  • チワワ
  • バーニーズマウンテンドッグ

それぞれの特徴について具体的に紹介していきます。

ボストンテリア

ボストンテリアはフレンドリーで、飼い主以外の人や他の犬とも仲良くできる性格です。全員に優しい性格の持ち主ですが、特に飼い主に対して愛情を示し、甘えてくるような一面もあります。

ヨークシャテリア

丸い瞳と美しい毛並みが特徴のヨークシャテリアは、もともと猟犬として活躍していたので、見かけによらず独立心が強く、勇敢な一面もあります。一方で、家族に対しては愛情を示してくれます。

特に甘えん坊な犬種で、飼い主と離れると寂しさから体調を崩してしまうこともあるほどだと言われています。

トイプードル

ぬいぐるみのような可愛らしい見た目が特徴のトイプードルは、頭脳も運動神経も高い犬種です。そのうえ、愛情深いため初めての方でも飼いやすいと言われています。

撫でられたり、飼い主と一緒に遊んだりすることが大好きで、愛犬と一緒に過ごす時間を作りやすい方におすすめです。

ポメラニアン

ふわふわの毛並みにつぶらな瞳が特徴のポメラニアンは、非常にアクティブな性格です。また、頭や体を撫でられるのが好きで、抱っこされても嫌がらない場合が多いです。表情が豊かで、とても魅力的な犬種と言えます。

マルチーズ

マルチーズは警戒心が強く、誰にでも懐くような性格ではありません。その一方で、飼い主には深く愛情を示してくれます。

かつてヨーロッパの上流階級の人たちから「抱き犬」として愛されたこともあり、甘え上手な犬種です。

ゴールデンレトリーバー

ゴールデンレトリーバーは、誰にでも優しくおおらかな性格の持ち主です。遊びが大好きで子供っぽい一面もあり、一人で過ごすのはあまり好まないと言えます。飼い主の上に乗ることも多く、ぴったりくっついて甘えるのが大好きな犬種です。

フレンチブルドッグ

フレンチブルドッグは穏やかで、甘えん坊な犬種です。家族と一緒に過ごすのが大好きで、会話に混ざりたがるような仕草をすることもあります。

嫉妬深く、多頭飼いの場合は他の犬に嫉妬心を見せることも珍しくありません。飼い主を独り占めしたいと思うほど、愛情深い性格をしています。

ミニチュアダックスフンド

ミニチュアダックスフンドはストレートに愛情表現をする犬種です。例えば、飼い主が帰宅すると大きく飛び跳ねて喜びを表現したり、お腹を見せて撫でろと要求したりしてきます。もともと猟犬として活躍していたため、活発な性格の持ち主です。

チワワ

チワワは忠誠心が高く、飼い主だと認めた人に対してはたくさん甘える犬種です。その一方で、他の人には警戒心が強いため、飼い主だけに甘えてくれるという魅力があります。

バーニーズマウンテンドッグ

超大型犬のバーニーズマウンテンドッグは、大きな体を使って愛情を表現してくれる犬種です。温和で人懐っこく、常に飼い主のそばにいるなど寂しがり屋な一面もあります。

愛犬の甘えん坊度チェック

愛犬の甘えん坊度は、以下10項目のうち何個当てはまるかで分かります。

  • 飼い主の後を基本的にずっとついてくる
  • 常に飼い主を目で追っている
  • スキンシップをやめるとすぐ要求してくる
  • 常に膝に乗ってきたり体を預けてくる
  • 寝転がってお腹を見せてくる
  • 他の犬に嫉妬する
  • ゲージを嫌がる
  • 飼い主が外出しようとすると寂しそうに鳴く
  • 留守番中は体の一部をずっと舐め続けている
  • 留守番中だけ粗相が多い

あくまでも参考程度ですが、4個以下は比較的自立心が強く、5〜7個の場合は自立心と甘えん坊のバランスが取れた性格と言えます。8個以上の場合は極度な甘えん坊の可能性が高いです。

ひとりになったり、留守番したりするのを嫌がるのであれば、無理のない範囲で少しずつ慣れさせる必要があります。

犬が甘えるときに見られる8つの仕草

犬が甘えるときに見られる仕草として、以下の8つが挙げられます。

  • 顎を乗せる
  • 甘噛みする
  • 耳を後ろに倒す
  • 顔を舐める
  • 前足を乗せる
  • 体を預ける
  • お腹を見せる
  • どこにでもついてくる

犬は全身で感情を表現する動物です。そのため、さまざまな部位を使って甘えてきます。

顎を乗せる

パソコンを使っていたり、テレビを見ていたりする際に、飼い主の腕に顎を乗せてくることがあります。心の底から信頼している証であり、リラックスして無防備な状態です。

甘噛みをする

甘噛みは特に子犬にとって、愛情表現のひとつです。子犬の甘噛みは可愛らしいですが、そのままにしておくと噛み癖になってしまいます。そのため、早い段階からしっかりしつけておくことが大切です。

耳を後ろに倒す

耳を後ろに倒して飼い主を見つめてくるときは、甘えたいことを伝えようとしているかもしれません。ただし、耳を後ろに倒す際にしっぽも下げている場合は、不安や緊張を感じています。

顔を舐める

顔を舐める行為は、子犬が母犬に食べ物を要求する名残と言われています。そのため、親と同じように心を許している証拠です。ただし、人畜共通感染症のリスクを考えると、やめさせた方が良い場合もあります。

前足を乗せる

顎だけでなく、前足も乗せてくることがあります。この行為は、「注目して欲しい」「かまって欲しい」という気持ちの現れです。乗せてくるだけなら問題ありませんが、強く叩いてきたりする場合はやめさせることをおすすめします。

体を預ける

愛犬が体をすり寄せてきたり、密着させてきたりする場合は、甘えたいというサインです。飼い主に自分の匂いをつけるための行動と言われています。

お腹を見せる

犬がお腹を見せる行為は、相手を信頼している証拠です。お腹は「へそ天」とも呼ばれ、最大の弱点とも言われています。

また、「お腹を撫でて欲しい」と甘える意味もあるので、お腹を見せてきたときは撫でてあげると良いです。

どこにでもついてくる

飼い主が移動する度にどこにでもついてくる場合は、「離れたくない」「常に一緒にいたい」という気持ちの現れです。

犬が甘えん坊すぎるときの対処法

犬が甘えん坊過ぎるときの対処法として、以下の4つが挙げられます。

  • 愛犬の自立心を高める
  • 快適な空間で留守番させる
  • 愛犬との時間を増やす
  • 飼い主の悲しんでいる姿や喧嘩の姿を見せない

それぞれの対策について、詳しく解説していきます。

愛犬の自立心を高める

甘えん坊の犬を甘やかしすぎると、飼い主がいないと常に不安に思ってしまいます。依存心が強くなると、ひとりでいるときにストレスを感じやすくなるため注意が必要です。

愛犬が好きなおもちゃを与えて、ひとりで遊ぶ時間をつくるなど、愛犬の自立心を高められるようにしましょう。

快適な空間で留守番させる

飼い主が留守番させるのを不安に思うと、その気持ちが愛犬にも伝わり、余計にストレスを感じてしまいます。

留守番させるときは、トイレやクレート、水を基本セットとして用意し、ひとり遊びができるおもちゃを置いたり、普段かけている音楽を流したりするなど、愛犬が快適に休める環境を作ることが大切です。

さらに、留守番する前に長めに散歩をして、体力を発散させておくことをおすすめします。

愛犬との時間を増やす

愛犬は飼い主と遊ぶことが何よりも好きなので、落ちついているときは撫でたり、スキンシップを取ったりして、愛犬との時間を増やしましょう。

ただし、かまえないときはクレートに入れるなどメリハリをつけることが大切です。最初は嫌がる場合もありますが、かまってもらえないこともストレスにつながるため、クレートに慣れさせることが結果的にストレスケアとなります。

飼い主の悲しんでいる姿や喧嘩の姿を見せない

目の前で家族が言い争っていたり、悲しんでいたりすると、愛犬のストレスにつながります。喧嘩する際は、場所を変えることが重要です。

甘えと混同されがちな分離不安症とは

甘えと混同されがちな病気として、分離不安症が挙げられます。少しでも分離不安症の疑いがある場合は、早めに動物病院へ連れて行くことをおすすめします。

分離不安症で見られる症状

分離不安症の症状は、犬によって異なります。不安そうに後追いするだけでなく、パニックを起こしたり、無駄に吠えたり、破壊行為をしたりすることもあります。

わざと粗相するなど、度を超えた問題行動が特徴です。中には、自分の尻尾や手足を噛んで傷つけたり、下痢や嘔吐を繰り返したりすることもあります。

分離不安症の原因

生まれた性格によっても異なりますが、生い立ちや環境、しつけなどが原因の場合が多いです。可愛いあまり、四六時中一緒にいる生活が分離不安症を引き起こしている可能性もあります。

また、分離不安症はシニア期に入ってから発症することも珍しくありません。老犬が子犬のような素振りをした場合は、分離不安症を疑ってみましょう。

分離不安症の診断リスト

愛犬が甘えん坊なのか、分離不安症なのか判断が難しい場合は、次の項目に何個当てはまるのかチェックしてみましょう。

  • どこかに預けられることを嫌がる
  • 家の中で笑い声を出すとすぐに来る
  • 常に家族が集まっているところにいたがる
  • 常に飼い主や家族のことを目で追っている
  • 家の中では誰かの後ろをついていっている
  • かまおうとしたときに逃げるそぶりを見せたことがない
  • ひとりになると体の一部を舐め出す
  • 友達の犬と遊んでいるとき、飼い主が帰るそぶりを見せるとすぐに遊ぶのをやめて帰る

以上の項目にひとつでも当てはまる場合は、分離不安症の可能性が高いです。

ただし、飼い主との好奇心や信頼関係が築けているうえでの行動もあるので、判断が難しい場合はかかりつけの獣医師に相談してみることをおすすめします。

分離不安症の対処法

愛犬が飼い主に依存しすぎないように、適度な距離感を保つことが大切です。愛犬の心が安定しているときに、飼い主と離れる練習をすると良いです。落ち着ける場所で過ごす練習が効果的で、少しずつ時間を長くしていって慣らしていきます。

また、外出から戻ってきた際に、すぐ相手をするのもおすすめできません。留守番させたいときは、当たり前のような態度で接することもポイントです。

愛犬が甘えてくる心理を理解してあげよう

今回は、甘えん坊な犬の仕草や特徴などについて詳しく解説しました。愛犬が甘えてくることは珍しくありませんが、何かを要求していたり、痛みを訴えたりしている可能性もあります。

そのため、愛犬が甘えてきたときは、その心理をしっかり理解してあげることが大切です。また、ただの甘えん坊ではなく、分離不安症を発症していることもあります。分離不安症かどうか判断が難しい場合は、早めに動物病院へ連れて行きましょう。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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