犬はさまざまな場面でお腹を見せてくることがあります。可愛いと思う反面、「なぜお腹を見せてくるのだろう」と疑問に思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。
犬は感情や要求を行動で表現しているため、飼い主さんが理解してあげることが大切です。愛犬の気持ちを理解することで、より絆が深まります。
そこでこの記事では、犬がお腹を見せてくるときの心理やその対応についてお伝えします。犬を飼っている方は参考にしてください。
犬がお腹を見せる5つの理由
犬がお腹を見せる理由には、主に以下の5つが挙げられます。
- リラックスしている
- 飼い主に甘えている
- 反省している
- 体に臭いをつけている・消している
- 暑さを感じている
それぞれの理由について詳しく解説します。
リラックスしている・安心している
犬はリラックスしたり、安心したりするときに、お腹を見せることがあります。お腹は防御が難しい部分であるため、安全な状況でなければ基本的に見せません。
ちょっかいを出したくなったとしても、お腹をつつくことは絶対にやめましょう。無警戒な体勢のときに急に襲われたと勘違いして、愛犬が反撃してくる可能性があります。飼い主さんと愛犬の信頼関係にも影響を及ぼすかもしれません。
飼い主に甘えている
犬のお腹を見せる行動は服従だけでなく、甘えや愛情表現の場合もあります。特に愛犬がしっぽをふりながらお腹を見せて近寄って来た場合は、甘えの可能性が高いです。
反省している
愛犬がいたずらをして怒られたあとにお腹を見せた場合は、反省をしている証拠です。反省しているときは、伏し目になりながら飼い主さんのご機嫌を伺うことが多くあります。
体に臭いをつけている・消している
犬の嗅覚は人間の1,000倍と言われています。犬にとって自分の臭いは重要であり、気に入らない臭いが身体につくことを嫌います。
愛犬がお腹を見せながら背中を擦り付けている場合は、体に好きな臭いをつけている、または消している可能性が高いです。
暑さを感じている
犬は暑さを感じているときに、お腹を見せて仰向けになることがあります。お腹の毛は少なく、冷気を感じたり、体温を逃したりしやすいためです。
お腹を見せる行動以外に、舌を出してハアハア呼吸していたり、水を飲んでいたりする場合は、暑がっている可能性が高いです。
犬がお腹を見せるときの心理
犬がお腹を見せるときの心理として、以下の4つが挙げられます。
- 大好き・信頼している
- お腹を撫でて欲しい
- 安心して欲しい
- 攻撃しないで欲しい
それぞれの心理について詳しく解説します。
大好き・信頼している
犬は飼い主さんへの愛情と信頼感を表現する手段として、お腹を見せることがあります。お腹は防御が難しい部位であるため、信頼できない相手には見せません。
また、親しい人への挨拶としてお腹を見せることもあります。親近感と信頼を示しており、家族や散歩でよく会う人にすることが多いです。
お腹を撫でて欲しい
犬がお腹を見せるときは、飼い主さんにお腹を撫でて欲しいと伝えていることもあります。お腹を撫でられると心地よくなるためです。
飼い主さんからの愛情表現を求めており、お腹を撫でてあげることで愛犬との絆をより深められます。
安心して欲しい
犬は攻撃しないことを伝えるために、お腹を見せる場合があります。お腹を見せているときは無防備な状態であり、攻撃的な意図がないことを伝えています。
他の犬や初めて会う人に対してお腹を見せるのは、穏やかなコミュニケーションのひとつです。
攻撃しないで欲しい
犬は自分自身を守るために、お腹を見せることもあります。恐怖や不安を感じているときに見せる場合が多いです。自分が攻撃しないことを伝えるとともに、攻撃しないでと要求しています。
犬がお腹を見せてきたときの対応
犬がお腹をみせたときの場面によって、適切な対応は異なります。
- 飼い主にお腹を見せてきた場合
- 愛犬がひとりでお腹を見せている場合
- 他の犬にお腹を見せている場合
それぞれの対応について詳しく解説します。
飼い主にお腹を見せてきた場合
静かに近寄って飼い主さんの隣でお腹を見せてきた場合は、撫でてあげましょう。優しく声をかけてあげる方法も効果的です。
ただし、毎回その要求に応えるのは難しいため、できる範囲で問題ありません。また、吠えたり引っ掻いたりしたあとに、お腹を見せてきた場合は無視した方が無難です。
飼い主さんの関心を得るためのアピールの可能性が高く、しつこい要求に応えると主従関係に影響が出てしまう場合もあります。
愛犬がひとりでお腹を見せている場合
愛犬がひとりでお腹を見せている場合は、リラックスしている可能性が高いです。お腹をつついたり、急に近づいたりせず見守ってあげましょう。
ただし、ソファなど家族と共有している場所を占領しているときは、呼び寄せたあとに離しても問題ありません。愛犬がリラックスできる専用の場所を作ってあげることが大切です。
他の犬にお腹を見せている場合
他の犬にお腹を見せている場合は、攻撃しないことを伝えている可能性が高いです。犬同士のコミュニケーションのひとつなので、様子をみましょう。友好な関係を築くために、お腹を見せている可能性も考えられます。
仰向けのときに注意するべき犬種
仰向けのときに注意するべき犬種として、以下の2つが挙げられます。
- 短頭種
- 胴長犬種
それぞれの特徴について詳しく解説します。
短頭種
パグやペキニーズなどの短頭種は他の犬種よりも気道が短く、仰向けになると呼吸がしにくくなります。そのため、長時間の仰向けはやめさせましょう。
胴長犬種
コーギーやダックスフンドなどの胴長犬種は、腰に負担がかかると椎間板ヘルニアのリスクが高まります。仰向けになるときは、負担が少なくなるよう毛布を敷いてあげましょう。
犬がお腹を見せるときによくある質問
最後に、犬がお腹を見せることに関する以下の疑問に回答していきます。
- 普段とお腹の様子が違うときに考えられる病気は?
- 愛犬がお腹を見せたがらない理由は?
同じ疑問を持つ方は、ぜひ参考にしてください。
普段とお腹の様子が違うときに考えられる病気は?
愛犬のお腹を撫でるのはコミュニケーションだけでなく、病気を見つけやすいというメリットがあります。
普段とお腹の様子が違う場合は、皮膚の異常や乳腺腫瘍、膵臓がんなどの可能性が考えられます。中にはお腹を触られるのを嫌がる犬もいますが、慣れさせておくと病気の早期発見に繋がりやすいです。
愛犬がお腹を見せたがらない理由は?
愛犬がお腹を見せたがらない理由には、主に以下の3つが挙げられます。
- 寒さを感じている
- お腹を見せる必要がないと思っている
- リラックスできていない
寒さを感じているときは体温を逃がさないために、小さく丸まることが多いです。
また、飼い主さんにお腹を撫でて欲しいと思っていないときは、お腹を見せない犬もいます。引越しなどで生活環境が大きく変化した場合は、リラックスできていないかもしれません。
愛犬がお腹を見せる心理を理解してあげよう
今回は、犬がお腹を見せる理由について詳しく解説しました。リラックスしていたり、安心していたりするときに、お腹を見せることが多いです。お腹は防御が難しい部位なので、安全な場所でないと見せることはほとんどありません。
ただし、飼い主さんに怒られた場合や他の犬がいる場合は、自分が攻撃しないことを伝えている可能性が考えられます。犬がお腹を見せる行動にはさまざまな理由があるため、飼い主さんは愛犬の心理をしっかり理解してあげることが大切です。
また、お腹を撫でてあげたときに普段と様子が違う場合は、早めに動物病院で診てもらいましょう。
執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季
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