「愛犬同士がケンカをしているときは仲裁すべき?」
「犬のケンカとじゃれあいの見分けがつかない」
「ケンカが始まった時の対処方法を知りたい」
犬のケンカについて、こんなお悩みを持つ飼い主さんも多いのではないでしょうか。犬はさまざまな理由でケンカをしますが、未然に防げるケースも多いです。
この記事では、犬同士がケンカをしたときの対処方法について詳しく解説します。原因や予防方法、じゃれあいとの見極め方についても解説しているので、犬を飼っている方はぜひ参考にしてください。
多頭飼いで愛犬同士がケンカをする原因
多頭飼いで愛犬同士がケンカをする原因として、以下の4つが挙げられます。
- 序列争いをしている
- 飼い主の行動に嫉妬している
- 社会のルールを教えている
- おやつやおもちゃを守っている
それぞれの原因について、詳しく解説していきます。
序列争いをしている
犬はもともと群れで暮らしていたため、社会的序列を形成します。多頭飼いの場合、先住犬が新しい犬に対してリーダーシップを取ろうとします。
しかし、新しく迎え入れた犬が先住犬よりも上に立とうとするケースも少なくありません。特に先住犬がシニア期に入っている場合は、序列争いが起きやすいです。
飼い主の行動に嫉妬している
多頭飼いの場合、飼い主さんの行動によってケンカが起こることも多いです。飼い主さんが1匹の犬だけ可愛がったり、おやつを与えたりするなど、接し方に差が出ると犬はすぐに気がつきます。
自分よりも優遇されている犬に嫉妬し、ケンカに発展するケースは少なくありません。愛犬同士のケンカが多いと感じるときは、まず自身の行動を見直してみましょう。
社会のルールを教えている
子犬を新しく迎え入れた場合、先住犬が子犬に対して叱るような態度を見せることがあります。ケンカに発展したときは、犬社会のルールを教えている可能性も高いです。
先住犬が子犬に教育することで、無駄吠えや噛み癖が直ったり、社会性が高まったりなど、犬のしつけが楽になる場合もあります。
おやつやおもちゃを守っている
大好きなおやつやおもちゃが他の犬に奪われないようにすることで、ケンカに発展するケースも多いです。ケンカの原因のなかでも特に分かりやすいでしょう。
遭遇した犬とケンカをする原因
遭遇した犬とケンカをする原因として、以下の3つが挙げられます。
- 縄張り争いをしている
- 発情期のメスの匂いに反応している
- 相手に威嚇している
それぞれの原因について、詳しく解説していきます。
縄張り争いをしている
犬は散歩する道や自宅周辺などを、自身の縄張りと認識しています。そのため、自分が知らない犬や認めていない犬が通るときに吠えてしまい、ケンカになることも少なくありません。特に縄張り意識が強いオスに見られる場合が多いです。
発情期のメスの匂いに反応している
近くに発情期のメスがいる場合、その匂いに反応して他のオスとケンカになることがあります。飼い主さんには見えなくても、オスはメスの匂いを遠くから感じることができます。
そのため、愛犬が突然興奮しながらオスの犬にケンカを仕掛けたときは、これが原因である可能性が高いです。
相手に威嚇している
警戒心の強い犬や臆病な犬は、他の犬に対して強い警戒心を抱きます。相手の犬が社交的な場合、近寄ってくることも少なくありません。そのようなときに、それ以上近づかせないように威嚇します。
また、相手の犬が威嚇されたことに驚いて攻撃的な姿勢をとってしまうと、ケンカに発展するケースも多いです。
ケンカとじゃれあいの見極め方
ケンカとじゃれあいの見極め方として、以下の4つが挙げられます。
- 牙をむき出しにしている
- 毛が逆立っている
- しっぽが下がっている
- 唸っている
それぞれの特徴を詳しく解説します。
牙をむき出しにしている
犬同士がケンカをするときは、歯茎が見えるほど牙をむき出しにして攻撃します。一点に集中して噛み付いたり、強く噛んだりすることも多いです。
犬同士のじゃれあいも転がったり、飛びかかったりするため、ケンカのように見えることもあるでしょう。しかし、遊びの場合は噛み付くフリをして甘噛みをしたり、吠えながらしっぽを振ったりする様子が見られます。
毛が逆立っている
本気で怒っているときや警戒しているときは、背中やしっぽの毛が逆立ちます。最初はじゃれあっているように見えても、毛が逆立ってきたらケンカに発展する可能性が高いです。
しっぽが下がっている
しっぽが下がって股の間に挟まっているのは、恐怖心や緊張から防衛体制をとっている証拠です。さらに、体が震えている場合は極度のストレス状態で、攻撃する可能性も少なくありません。
唸っている
低い声で唸っているときは、ケンカに発展する可能性が高いため注意が必要です。じゃれあっている場合、「ワンワン」「ガウガウ」と高い声で鳴きます。
犬同士のケンカは仲裁しないのが基本
犬同士のケンカも人間と同様に、何かしらの原因があります。原因も分からず人間が仲裁すると、より混乱が生じて激しいケンカになることも多いです。ほとんどのケンカは、序列争いや縄張り争いが原因となります。
激しくなる前にどちらかが降伏して決着がつくことが多いため、まずは様子を見ることが大切です。無理に飼い主さんが仲裁すると、さらに興奮して飼い主さんに攻撃するケースもあります。
危険度が高いケンカの対処法
危険度が高いケンカの対処法として、以下の3つが挙げられます。
- 大きな音を出す
- 視界を遮る
- 水をかける
それぞれの対処法について、詳しく解説します。
大きな音を出す
犬同士がケンカを始めたとき、首輪を掴んで引き離そうとすると飼い主が怪我をする可能性があります。そのため、大きな音を出して犬の注意を逸らす方法がおすすめです。
散歩中の場合は、マナー水のペットボトルを地面に落としたり、トイレ用の袋に空気を入れて割ったりすると良いでしょう。愛犬が音に驚いたタイミングで、素早く引き離します。
ただし、急に動いたり逃げたりすることもあるので、リードはしっかり掴んでおくことが大切です。
視界を遮る
犬は視界から相手がいなくなると、吠えなくなります。そのため、犬の間に何かものを挟んで視界を遮る方法も効果的です。
水をかける
水をかける方法は、特に大型犬同士のケンカにおすすめです。犬同士を引き離す際に危険が伴うときはこの方法を試してみましょう。犬が驚いてひるんだ隙に、リードを引っ張って相手が見えないところまで移動させます。
犬同士のケンカを仲裁するときのポイント
犬同士のケンカを仲裁するときのポイントとして、以下の3つが挙げられます。
- 飼い主が怪我をしないように注意する
- 冷静に対応する
- 基本的にケンカは両成敗と念頭に置く
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
飼い主が怪我をしないように注意する
ケンカ中の犬は興奮しており、下手に仲裁すると手を噛まれることがあります。怪我のリスクを最小限に抑えるためには、音や道具を利用する方法がおすすめです。
冷静に対応する
ケンカ中に飼い主さんが動揺してしまうと、犬はさらに興奮状態になります。混乱を鎮めるために、飼い主さんは冷静に対応するようにしましょう。
基本的にケンカは両成敗と念頭に置く
基本的にケンカは両成敗なので、どちらか一方を叱るのはやめましょう。ただし、一方的にケンカを吹っかけ、相手が降参しているにも関わらず攻撃し続けているケースは除きます。
犬同士のケンカを未然に防ぐ方法
犬同士のケンカを未然に防ぐ方法として、以下の5つが挙げられます。
- 相性の悪い犬は避ける
- ストレスを溜めさせない
- 過激な遊びをさせない
- オスの場合は去勢手術を検討する
- おやつやおもちゃは片付ける
それぞれの方法について、詳しく解説します。
相性の悪い犬は避ける
相性の悪い犬とは、なるべく距離を取りましょう。相性の問題はすぐ解決するものではありません。争いの原因を減らすためにも、相性の悪い犬とは関わらないほうが無難です。
ストレスを溜めさせない
犬のストレスの原因として、運動不足や環境の変化、飼い主さんとのスキンシップ不足などが挙げられます。
特に多頭飼いの場合、先住犬がストレスを感じやすいため注意が必要です。ストレスが溜まると、些細なことでも犬は怒りやすくなります。
過激な遊びをさせない
犬が過激な遊びをすると、そのまま興奮してケンカに発展する場合があります。テンションが上がりきる前に一度遊びをやめさせ、落ち着かせることが大切です。
オスの場合は去勢手術を検討する
未去勢のオスは縄張り意識が強く、ケンカをしやすい傾向があります。また、メスをめぐってケンカになることも多いです。ケンカが絶えない場合は、去勢手術を検討してみてください。
おやつやおもちゃは片付ける
犬はおやつやおもちゃに対する独占欲が強く、ケンカの原因になるケースも多いです。犬が1匹以上いる場所では、おやつやおもちゃはその都度片付けるようにしましょう。
犬同士のケンカでよくある質問
犬同士のケンカでよくある質問として、以下の2つが挙げられます。
- ケンカをしやすい犬種は?
- 同じ犬種の方が相性は良い?
それぞれの質問に対する回答を紹介します。
ケンカをしやすい犬種は?
気性の荒い犬種は攻撃的になるため、他の犬ともケンカに発展しやすいです。代表的な例として、以下の犬種が挙げられます。
- シベリアンハスキー
- ドーベルマン
- ダルメシアン
- ブルドッグ
気性が荒い犬種でもしつけをしっかり行うことで、ケンカを未然に防げる場合もあります。
同じ犬種のほうが相性は良い?
多頭飼いの場合、同じ犬種のほうが上手く過ごせるケースが多いと言われています。ただし、犬種に関わらず、性格や遊び方が似ている犬同士も相性が良いです。
犬同士が激しくケンカしたときは適切に仲裁しよう
今回は、犬がケンカをする原因について詳しく解説しました。犬同士のケンカは、特に序列争いと縄張り争いによって起こることが多いです。
ケンカの原因となるものを根本的になくすことで、未然に防げる場合もあります。ケンカに発展したとしても、基本的に飼い主さんは仲裁してはいけません。
激しいケンカで仲裁が必要なときは、大きな音を出したり、水をかけたりする方法が効果的です。犬の首輪を持って引き離そうとすると、飼い主さんが怪我をする恐れがあります。また、ケンカ中の犬は興奮状態であるため、冷静に対応することも大切です。
執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季
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