「犬は外飼いしていいの?」
「外飼いに向いている犬種はいる?」
「外飼いをするときの寒さ・暑さ対策は?」
犬の外飼いを検討している方は、このような疑問を持っているのではないでしょうか。また、外飼いと室内飼いのどちらにしようか悩んでいる方もいるはずです。
そこで今回は、そもそも犬の外飼いは問題ないのか、リスクや注意点などについて詳しくお伝えします。犬の外飼いを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
基本的に犬は室内飼いがおすすめ
昔は犬を外飼いする家庭も多かったですが、現在は室内飼いが推奨されています。理由はさまざまですが、昔と比べて気候や気温の変化が激しくなったことが考えられるでしょう。
夏場や冬場に犬を外飼いしていると、身体への負担が大きく体調不良の原因になってしまう恐れがあります。
他にも共働きの家庭が増えたため、家を空ける機会が多いなら室内飼いのほうが犬も安全です。
8割以上の犬が室内で飼われている
ペット保険サービスを提供している「アニコム損保」が実施した「どうぶつkokusei調査」によれば、ほとんどの家庭が犬を屋内で飼育しています。
具体的には、84.3%の家庭が「屋内のみ(室内飼い)」をしていると回答し、外飼いは1.9%程度でした。そして、室内飼い・外飼いの両方で生活させている家庭は13.8%ほどです。
犬を室内飼いする生活スタイルの家庭は増えており、外飼いしている家庭は少なくなっていることがわかります。
他の家庭がどのように飼育しているのかも参考にし、犬との生活スタイルを検討してみてください。
犬を外飼いすると寿命が短くなる?
犬のしつけをしっかりしていれば、外飼いしていても脱走やご近所トラブルは避けられるかもしれません。
しかし、外飼いを習慣的に行っていれば、寿命が短くなる恐れがあります。気候や気温の変化が犬の体に与える影響、寄生虫などの感染症リスクが考えられるからです。
実際に、一般社団法人ペットフード協会が発表した「2020年全国犬猫飼育実態調査成績」では、室内飼いの犬のほうが平均寿命が長いという調査結果があります。
家族の一員である愛犬の長生きを考えるのであれば、室内飼いがおすすめです。
外飼いのリスクを把握しておく
犬を外飼いするなら、近所トラブルなどのリスクについても把握しておく必要があります。特に無駄吠えによる騒音トラブルは、隣人と揉める原因になる恐れがあるでしょう。
早朝や深夜に犬が吠えれば、近所迷惑と判断される可能性があります。また、家に用事があっても、犬が苦手で近寄れないケースも少なくありません。
外でおしっこやうんちをしているなら、悪臭によるトラブルも想定しておく必要があります。外飼いするなら、事前にトラブルを回避するための対策を講じておきましょう。
犬を外飼いする3つのメリット
犬は室内飼いが推奨されていますが、外飼いにも次のようなメリットがあります。
- 室内を汚す心配がない
- 番犬の役割を果たしてくれる
- 犬のストレス発散になる
それぞれのメリットについて、具体的に解説していきます。
室内を汚す心配がない
室内飼いをしていると、散歩の際に足や被毛に付着した砂・石などの汚れを室内に持ち込んでしまいます。
しかし、外飼いすれば屋内に汚れが入り込むことはありません。散歩の度に足を洗う手間が省けます。
なお、室内飼いでもサークルやケージで犬が移動できる範囲を制限しておけば、汚れる範囲を狭めることが可能です。
番犬の役割を果たしてくれる
犬を外飼いすれば番犬になってくれるため、防犯対策になります。不審者が自宅の近くをウロウロしていれば、愛犬が気付いて吠えてくれるので安全確保に繋がるでしょう。
また、しつこい営業・勧誘対策にもなるので、不要な訪問者へのけん制も期待できます。
犬のストレス発散になる
外飼いは、犬が屋外の景色を見られるため、ストレス解消に繋がります。屋内からでは、十分に外の景色を見ることができないので、気分をリフレッシュできない犬も多いです。
開放的な屋外を好む犬も多いので、愛犬の性格や特徴に合わせて生活スタイルを決めてみてください。
犬を外飼いする3つのデメリット
犬の外飼いは、メリットだけでなくデメリットもあります。主なデメリットは以下の3つです。
- 気候の影響で体調を崩しやすい
- 衛生的に良くない
- リードが切れて逃げ出す恐れがある
デメリットを詳しく確認していきましょう。
気候の影響で体調を崩しやすい
雨や風などに毎日さらされていると、犬の身体に負担をかけてしまいます。そのため、風邪をひいたり病気になったりする可能性も高くなってしまうのです。
また、夏場や冬場は室外での暑さ・寒さ対策が難しいため、犬が体調を崩しやすくなります。屋内なら、冷房・暖房で体温調節できるので生活環境が整えやすいです。
衛生的に良くない
屋外には、虫や鳥のフンなどが多く落ちています。誤って愛犬が口にしてしまう恐れがあり、衛生管理を徹底するのが困難です。
そのため、どうしても感染症にかかるリスクが高くなります。愛犬の周りはできるだけ清潔に保つなどの工夫が欠かせません。
リードが切れて逃げ出す恐れがある
外飼いの多くは、リードと首輪で繋いでいるケースがほとんどです。リードが切れてしまうと、しつけされている犬でも自宅から抜け出して迷子になる可能性が高いです。
普段からリードと首輪が劣化していないかを確認しておく必要があります。また、万が一リードが切れても逃げ出せないようケージで囲っておくなどの対策も必要です。
外飼いに向いている犬種と向いていない犬種
犬種によっては、外飼いに向いている犬種と向いていない犬種があります。具体的に、どんな犬種が外飼いに向いている・向いていないのか詳しく解説していきましょう。
外飼いに向いている犬種
遺伝的に、日本犬は野生の犬に近いことから外飼いに向いていると言われています。主な日本犬は、柴犬、秋田犬、甲斐犬などです。
犬種的に自立心が強い性格の個体が多いので、自分を守る行動を取ります。そのため、外飼いでも安心して長時間過ごせるのです。
外飼いに向いていない犬種
小型犬は身体が小さく、外気温の影響を受けやすいです。そのため、外飼いには向いていません。
他にも、シングルコートの犬種は、温度変化に弱い傾向があるので、長時間、暑い・寒い環境に置いておくと、体調不良を引き起こす恐れがあります。
そのため、小型犬やシングルコートの犬種は、室内飼いが推奨されています。
犬を外飼いする際の注意点5つ
基本的に犬は室内飼いがおすすめですが、環境によって外飼いせざるを得ないケースもあるはずです。その場合には、以下の5点に注意してください。
- 屋根付きの犬小屋を設置する
- 水飲み・トイレスペースを作る
- リードの長さは適切に
- ダニやノミ対策を行う
- 無駄吠えを減らす
安全に犬を外飼いするために、注意点を詳しく確認しておきましょう。
屋根付きの犬小屋を設置する
犬を外飼いするなら、雨や日光を遮るモノを設置する必要があります。おすすめなのは、屋根付きの犬小屋です。
屋根付きの犬小屋を置いておけば、日差しが強い日や雨の日は、自然と犬が中に入って過ごしてくれます。
愛犬の身体のサイズに合わせて、適切な大きさの犬小屋を用意してあげてください。
水飲み・トイレスペースを作る
愛犬が屋外でも快適に生活できるよう、水飲み場やトイレスペースを確保してあげる必要があります。適切に設置しないと、自由に行動できずストレスが溜まってしまう恐れがあるからです。
また、トイレスペースを確保しておかないと、屋外の至るところでおしっこやウンチをする可能性があります。不衛生で悪臭の原因になるので、必ず用意しておきましょう。
リードの長さは適切に
犬の外飼いには、リードが不可欠です。用意する際は、長過ぎず短過ぎないものを選んでください。
リードが短いと愛犬の移動範囲が制限され、ストレスに繋がります。反対に長すぎると、周辺住民が自宅に近づきにくくなるので、近隣トラブルの原因になる可能性が高いです。
愛犬の移動範囲を計算したうえで、適切な長さのリードを購入しましょう。
ダニやノミ対策を行う
屋外にはダニやノミが生息しており、犬に付いてしまう恐れがあります。常習的にダニやノミが身体に付着していると、かゆみや発疹などの症状が出る可能性が高いです。
皮膚病や体調不良の原因に繋がるため、予防薬やワクチンを適宜使用してください。その際は、必ず動物病院で処方してもらうことが重要です。
無駄吠えを減らす
犬を外飼いするときは、無駄吠えを減らして近隣トラブルを回避する必要があります。事前にしつけを徹底して行い、無駄吠えをしないように教えておきましょう。
しつけが難しい場合は、プロのトレーナーに依頼するのもおすすめです。
外飼いで犬の寿命が短くなる理由
犬を外飼いすると、次のような理由から室内飼いと比べて寿命が短くなると言われています。
- 感染症や事故のリスクがある
- 寒さや暑さによる負担が大きい
- 愛犬の変化に気付きにくい
それぞれの理由について、詳しくお伝えしていきます。
感染症や事故のリスクがある
室外には虫や野生動物がいるため、接触により感染症にかかるリスクがあります。特に、蚊を媒介としたフィラリア症は、重症化する危険性があるので注意が必要です。また、寄生虫が愛犬に寄生するリスクもあるので注意しなければなりません。
他にも、リードが劣化して切れてしまうと、自宅の外に出てしまい車との衝突事故で命を落とす危険性もあります。
寒さや暑さによる負担が大きい
犬は体温調節が苦手なため、寒さや暑さによって体調不良を引き起こす可能性が高いです。外飼いの場合は外気温の影響が大きいため、季節によっては犬の身体への負担が大きくなります。
気温の変化による体への負担で体調を崩すことが増えれば、寿命が短くなるリスクも高くなってしまうのです。
愛犬の変化に気付きにくい
外飼いの場合は室内飼いと比べて、犬の状態を確認する機会が少なくなります。そのため、愛犬の普段の行動や体の変化から、病気や老化のサインを見落としてしまう可能性があるのです。
犬の健康管理は、飼い主さんが小さな変化や違和感に気づいてあげることが基本です。室内飼いよりも一緒の空間にいる時間が短いので、より注意して変化を見落とさないようにしましょう。
犬を外飼いするなら細かい管理が必要
今回は犬の外飼いに関する情報について、詳しくお伝えしてきました。現在、犬の飼育は室内で行われるのが主流です。外飼いには、気温や天候の影響、事故や感染症などのリスクが多いからです。
ただし、やむを得なく外飼いが必要な家庭も少なくありません。その際は、ここでお伝えした外飼いの注意点や対策を参考にして、犬が安心して過ごせる安全な環境を用意してあげてください。
執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季
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