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犬の睡眠時間はどれくらい? 犬種や年齢別の平均・短い場合の対処法

「愛犬が寝てばかりだけど病気なの?」
「犬の睡眠時間はどのくらい必要?」
「犬がいびきをかいて寝ているけど大丈夫」

犬を飼っている方で、このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

犬の平均的な睡眠時間は、12〜14時間と人間よりも長く、一日の半分を寝て過ごしています。そのため散歩とご飯のとき以外は、寝てばかりいるように見えてしまうのです。

この記事では、犬の年齢・犬種別の睡眠時間と犬が快適に眠れる環境についてお伝えします。また犬が寝過ぎる・睡眠時間が短い原因についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

犬の1日の平均睡眠時間は年齢によって変わる?

犬の1日の平均睡眠時間は、年齢によって変わります。ここでは子犬・成犬・老犬の平均的な睡眠時間について紹介します。

2カ月~1歳までの子犬の睡眠時間

子犬の睡眠時間は18〜20時間ほどで、1日のほとんどを寝て過ごしています。生後3カ月を過ぎると遊ぶ時間も増え、徐々に睡眠時間は短くなりますが、成犬に比べると多くの睡眠時間が必要です。

この世に生まれたばかりの子犬は、見るもの触るものすべてが初めてのことばかり。起きているときに得た情報を、睡眠中に脳内で整理し吸収しなくてはいけません。

また心身の健全な成長にも睡眠が必要です。子犬が睡眠不足になると、心身の成長を妨げる恐れがあります。免疫力の低下から体調を崩すこともあるでしょう。

子犬が遊びに夢中になっていても途中で中断しクレートに入れて休ませるなど、十分な睡眠時間を確保しましょう。

1歳~7歳までの成犬の睡眠時間

成犬の平均睡眠時間は12〜14時間です。ただし睡眠時間は、犬種や活動量によって異なります。

小型犬に比べ大型犬は睡眠時間が長く、セントバーナードやゴールデンレトリバーなどの犬種の平均的な睡眠時間は18時間ほどです。このように犬は成犬になっても、一日の半分は寝て過ごしています。

愛犬がずっと寝ているように見えてしまい、心配される飼い主さんも多いでしょう。健康な犬であっても一日の半分を寝て過ごし、活動的になる時間は全体の20%ほどといわれています。

7歳~老犬の睡眠時間

老犬の平均的な睡眠時間は16〜18時間です。犬も年を取ると疲れやすくなり疲労回復にも時間がかかるため、多くの時間を寝て過ごすようになります。

若いころは一緒に出掛けて朝から晩まで遊んでいたのに、老犬になると散歩にすら行きたがらなくなることもあるでしょう。加齢とともに活動量が減り睡眠時間が長くなるのは、正常な老化の過程といえるのです。

ただし、急に睡眠時間が減ったり増えたりしたときは、病気の可能性もあります。また名前を呼んでも反応がない場合は、耳が聞こえなくなっているかもしれません。

犬は犬種によっても睡眠時間が変わる!

犬は犬種によっても睡眠時間が変わります。ここでは以下の犬種の睡眠時間について紹介します。

  • トイプードル
  • チワワ
  • ポメラニアン
  • 柴犬

それぞれ詳しく見ていきましょう。

犬種別の睡眠時間①トイプードル

トイプードルの睡眠時間は12〜15時間ほどです。活発で運動量の多いトイプードルは、小型犬のなかでも多くの睡眠時間が必要とされています。

トイプードルは、飼い主さんと遊んだり一緒に過ごしたりする時間を好みますが、睡眠不足にならないよう必要に応じて休息の時間を設けましょう。

トイプードルの飼育方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。

犬種別の睡眠時間②チワワ

チワワの平均的な睡眠時間は10〜12時間ほどです。超小型犬で比較的活動量の少ないチワワは、ほかの犬種に比べ体力を消耗しません。

そのため短い睡眠時間であっても、寝不足になることなく生活できます。ただし活動量には個体差があるため、愛犬に合った睡眠時間を確保しましょう。

チワワの飼育方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。

犬種別の睡眠時間③ポメラニアン

ポメラニアンの平均的な睡眠時間は12〜14時間です。好奇心旺盛で活発な性格のポメラニアンは、活動量も多く小型犬のなかでも多くの睡眠が必要です。

ポメラニアンは散歩や遊びの時間を好みますが、しっかりと休息の時間を設けましょう。

ポメラニアンの飼育方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。

犬種別の睡眠時間④柴犬

柴犬の睡眠時間は11〜12時間です。もともと猟犬として活躍していた柴犬は、仕事のため起きていなくてはいけませんでした。そのため比較的短い睡眠時間で、体力を回復できます。

ただし、家庭で飼育されている柴犬は、一日横になって過ごしている犬も多いでしょう。

柴犬の飼育方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。

愛犬が寝てばかり!犬が人間よりもよく寝る理由

犬が人間よりもよく寝る理由は、睡眠サイクルの違いにあります。人間と犬の睡眠サイクルは、よく似ていますが異なる点もあるからです。

睡眠サイクルには、レム睡眠とノンレム睡眠があり、人間に比べ犬はレム睡眠の割合が少ないといわれています。

犬はたくさん寝ることで、足りないレム睡眠を補っているのです。レム睡眠とノンレム睡眠では、体の休息(レム睡眠)・脳の休息(ノンレム睡眠)とそれぞれ役割が異なります。

どちらも犬の健康に欠かせないものなので、犬が寝ているときは起こさないようにそっとしておきましょう。

参照:AMERICAN KENNEL CLUB|Should I Let My Dog Sleep Late Every Day?

犬の睡眠時間が長い・短いときに考えられること

ここでは犬の睡眠が長い・短いときに考えられることについて解説します。

犬の睡眠時間が長いときに考えられること

犬が食欲もあり散歩にも喜んでいく場合は、睡眠時間が長くても問題ありません。睡眠時間は個々の体質や活動量によって異なるからです。

ただし、睡眠時間の増加に加え、元気がない場合は体調不良や疲労、ストレスなどが考えられます。

たとえば引越しや旅行など環境の変化があったときは、疲労やストレスから睡眠時間は長くなるでしょう。

そのほかにも甲状腺機能低下症やうつ病など、疾患の症状で睡眠時間が長くなることも珍しくありません。睡眠時間が長くなる以外に、食欲不振や体重減少などの症状がないかチェックしましょう。

犬の睡眠時間が短いときに考えられること

犬の睡眠時間が短いときに考えられる理由は、年齢ステージによって異なります。子犬であれば、遊びに夢中になっている可能性が高いでしょう。この場合は一日のスケジュールを決めて、子犬が寝る時間を確保しなくてはいけません。

成犬の睡眠時間が急に短くなったときは、ストレスや病気が考えられます。引越しや模様替えなど環境の変化があった場合は、犬が安心して寝られる環境が整っているか確認してみましょう。

睡眠時間の変化に加え、食欲不振や呼吸が苦しそうなどの症状が見られたら動物病院の受診が必要です。心臓病や呼吸器疾患にかかっている可能性があります。

また、老犬が夜中に起きたり目的もなくウロウロ歩き回ったりする場合は、認知症の可能性が高いでしょう。

犬が快適に寝られる環境とは?

犬がどのような環境で寝るかは、睡眠時間に大きく影響します。以下の点に注意して、犬が快適に寝られるように環境を整えてあげましょう。

  • 犬は暗くて狭いところで寝るのが好き
  • トイレの近くにベッドを置くのはNG
  • 静かで落ち着ける環境
  • 温度調節も大切
  • 犬はふかふかしたベッドが好き

それぞれ詳しく紹介します。

犬は暗くて狭いところで寝るのが好き

犬は、暗くて狭いところで寝るのを好みます。もともと巣穴で暮らしていた習性から、似たような環境に安心感を覚えるからです。

例えば、部屋の真ん中にベッドだけを置くのではなく、部屋の角にクレートを置いてあげると安心して寝られます。

また犬は昼行性の動物です。夜はテレビを消し、照明を落として寝やすい環境を整えてあげましょう。

トイレの近くにベッドを置くのはNG

犬のベッドは、トイレとは別の場所に置きましょう。犬は、きれい好きな動物です。そのため自分の寝床が、排せつ物で汚れるのを嫌います。

ベッドとトイレを近くに置くと、排せつの我慢や失敗につながることも。トイレトレーニングが終わったら、ベッドとトイレは別々の場所にしましょう。

静かで落ち着ける環境

犬のベッドは、静かで落ち着ける場所に設置してあげましょう。玄関や窓、リビングの出入口付近は、人の出入りが多く落ち着いて寝られません。またテレビの近くも避けたほうがよいでしょう。

犬が落ち着いて寝られる場所は、リビングなどほどよく人の気配があって静かな場所です。愛犬が安心して寝られる場所に、ベッドを置いてあげましょう。

温度調節も大切

犬が快適に寝られるように、室内の温度を調整しましょう。犬種によっても異なりますが、犬が快適に過ごせる温度は22〜24℃、湿度50〜55%です。

エアコンなどを利用し、夜間の室温にも注意を払う必要があります。ただしエアコンやサーキュレーターの風が犬に直接当たらないように、ベッドを置く場所にも注意しましょう。

犬はふかふかしたベッドが好き

犬は、ふかふかした柔らかいベッドを好みます。硬い床で寝るのではなく、犬がぐっすり眠れてリラックスできるように専用のベッドを用意しましょう。

快適なベッドは睡眠の質を高め、犬の健康維持に役立ちます。ベッドを選ぶときはカバーが取り外せたり丸洗いできたり、常に清潔な状態を保てるベッドがおすすめです。

犬の睡眠についてのQ&A

ここでは犬の睡眠でよくある質問について見ていきましょう。

  • 犬と一緒に寝ても大丈夫?
  • 犬がいびきをかいているのは病気なの?
  • 犬が寝言を言うのはなぜ?

それぞれ詳しく解説します。

犬と一緒に寝ても大丈夫?

犬と一緒に寝ても大丈夫ですが、一緒に寝るときの注意点を理解しておきましょう。犬と一緒に寝ると、アレルギーの悪化や病気に感染するリスクが高まります。

ノミダニ予防やワクチン接種、定期的な健診を受けるなど、犬の健康管理を徹底しましょう。

また免疫力が低下しているときは、感染症のリスクが高まります。風邪を引くなど体調が優れないときは、犬と一緒に寝るのを控えたほうがよいでしょう。

犬がいびきをかいているのは病気なの?

いびきは健康な犬であってもかきます。ただし、大きないびきが止まらない、毎日いびきをかくといった場合は、なんらかの病気を抱えている可能性もあるでしょう。

また短頭種や肥満、アレルギーを持つ犬のほか、老犬はいびきをかきやすい傾向があります。慢性的ないびきから考えられる病気は以下のとおりです。

  • 軟口蓋過長症
  • 気管虚脱
  • 短頭種気道症候群
  • 鼻孔狭窄

犬のいびきについては以下の記事で詳しく紹介しています。

犬が寝言を言うのはなぜ?

犬が寝言を言うのは、レム睡眠中に夢を見ている可能性が高いと多くの研究者によって発表されています。レム睡眠中の犬の脳は活発に活動していますが、体の筋肉は低下している浅い眠りの状態です。

レム睡眠中は、夢を見ている睡眠段階といわれています。犬が寝言を言ったり足をバタバタさせたりしているときは夢を見ているのでしょう。

参照:AMERICAN KENNEL CLUB|Do Dogs Dream?

愛犬の睡眠時間が短いときは快適に眠れる環境を整えよう

今回は、犬の平均的な睡眠時間とよく眠る理由、睡眠時間が長い・短いときに考えられる原因についてお伝えしてきました。寝てばかりに見える犬ですが、健康な体を維持するために睡眠は欠かせないものです。

犬が睡眠不足になると怒りっぽくなる、無気力になる、食欲がなくなるなどの症状が現れます。睡眠時間が短いと感じたときは、お伝えした方法で快適に眠れる環境を整えましょう。

ただし、急な睡眠時間の変化に加え、食欲不振や体重減少などの症状が見られたら、病気が原因の可能性もあります。速やかに動物病院を受診してください。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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