「初心者でも飼いやすい犬種は?」
「飼いやすい犬の特徴は?」
「犬はオスとメスではどちらが飼いやすい?」
初めて犬を飼う検討をしている方は、こんな疑問を持っているはずです。
犬は種類によって、性格や身体的な特徴が異なるので、飼育の難易度にも差があります。そのため、初めて犬を迎え入れる場合は、できるだけ飼いやすい犬種を選ぶことが大切です。
そこで今回は、初心者の方でも飼いやすい犬の特徴や具体的な犬種についてご紹介します。飼う犬を選ぶ際のポイントや注意点もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
犬を飼うのが初めての場合は大変なことが多い
大人しい性格で無駄吠えが少ない犬種は、一般的に飼いやすいと言われています。しかし、どんな犬種でも散歩やしつけ、お手入れなど、さまざまな手間がかかるものです。
また、愛犬が住みやすい環境を整えるためには、初期費用がかかります。さらに、飼い始めてからは、食費や消耗品の購入費、医療費など、決して安くない飼育費用が必要です。
犬と一緒に暮らすのは楽しいものですが、大変だと感じることも少なくありません。命を預かる責任が伴うこと、お金がかかることを十分理解したうえで犬を迎え入れるようにしてください。
飼いやすい犬の特徴は?
そもそもどのような犬が飼いやすいと言われているのでしょうか。一般的に、飼いやすい犬の特徴は次のとおりです。
- しつけがしやすい
- 大人しい性格をしている
- 運動量が比較的少ない
- 無駄吠えが少ない
- 犬特有の体臭が強くない
- 抜け毛が少ない
- 病気にかかりにくい
それぞれの特徴について、詳しく解説していきます。
しつけがしやすい
しつけがしやすい犬は、飼いやすいです。犬は人間の指示に従って行動するイメージがあるでしょう。しかし、それはしっかりしつけをした場合に限られます。
室内飼いをするなら、トイレの場所を教えたり噛んではいけない物を教えたりしなくてはなりません。また、基本的なしつけである「マテ」や「オスワリ」も、一から教える必要があるのです。
しつけを怠ると、散歩先や外出先で言うことを聞かず、トラブルを起こしてしまう可能性があります。ドッグランなどの施設も、しつけなしでは利用できません。
大人しい性格をしている
初めて飼うなら、できるだけ穏やかで人懐っこい性格の犬種がおすすめです。特に室内飼いの場合は、大人しい性格のほうが順応が早い傾向にあります。
活発な子は愛嬌があって可愛いですが、室内飼いではストレスが溜まる可能性があります。また、小さい子供がいる家庭は、温厚な犬種のほうが安全性が高いでしょう。
運動量が比較的少ない
犬は毎日散歩させないと、運動不足になりストレスが溜まってしまいます。運動量の少ない犬種であれば、散歩の時間は短くて済むので比較的手がかかりません。
小型犬は1日30分程度の散歩時間で十分な犬種が多いです。大型犬は、1時間以上は散歩時間を確保しないと運動不足に陥る可能性があるので注意しなくてはなりません。
無駄吠えが少ない
犬を飼うときに気を付けたいのが、普段の鳴き声です。犬種によっては無駄吠えが多く、近隣住民に迷惑をかけてしまう恐れがあります。
このような近隣トラブルを避けるためにも、無駄吠えが少ない犬種選びが大切です。
ただし、無駄吠えが少ないからといって、全く鳴かない犬はいません。そのため、犬を飼うなら騒音対策も検討しておく必要があります。
犬特有の体臭が強くない
犬種によっては体臭が強い犬がいます。特に梅雨時期は、湿気による影響で雑菌が増えやすく、体臭が強くなるので注意が必要です。
室内飼いをしていても、散歩の途中で臭いの原因となる菌や汚れを持ち帰ることがあります。そのため、定期的にシャンプーなどの対策が必須です。
日頃のお手入れがしやすいのは、短毛や被毛が少ない犬種です。体臭の問題は一緒に生活するうえで大きな問題になるため、意識しておきましょう。
抜け毛が少ない
抜け毛が少ないことも、飼いやすい犬の条件のひとつです。抜け毛が多いと、ブラッシングやトリミングなどのケア、日頃の掃除も大変になります。
特に長毛種は、室内に落ちる抜け毛を減らすために、頻繁にブラッシングしなくてはいけません。日頃のお手入れをできるだけ楽にしたいなら、抜け毛が少ない・毛が短い犬種を選ぶと良いでしょう。
病気にかかりにくい
病気のかかりやすさも、犬種によって違いがあります。例えば、足が短い犬種は、椎間板ヘルニアになりやすい傾向があります。
犬種ごとに、かかりやすい病気を理解して、生活環境や体調管理に気をつける必要があるのです。
体質や遺伝の影響で病気にかかりにくい犬種もいます。病院へ連れて行く手間や医療費などを考えると、これらの犬のほうが飼いやすいです。
初心者でも室内で飼いやすい小型犬9選
初心者でも飼いやすい犬種は、小型犬が多いです。ただし、すべての小型犬が飼いやすいわけではありません。
先ほどお伝えした「飼いやすい犬の特徴」に当てはまる主な小型犬は、以下のとおりです。
- チワワ
- ポメラニアン
- パグ
- キャバリア
- シーズー
- パピヨン
- トイプードル
- ミニチュアシュナウザー
- 狆(チン)
それぞれの特徴などを詳しく紹介していきます。
チワワ
室内飼いの定番とも言えるのが「チワワ」です。人への愛情が深い犬種として知られており、環境への適応力も高いと言われています。
それほど長時間の散歩を行う必要がなく、体臭もほとんど感じないことから初心者の方でも室内で飼いやすいです。
ただし、少し強気な気性の子が多いので、無駄吠えをする可能性があります。しっかりしつけを行い、無駄吠えを少なくすることが大切です。
ポメラニアン
ポメラニアンは、好奇心旺盛な犬種で人懐っこい性格をしています。しつけもしやすいので、初めて犬を飼う方にもおすすめです。
必要な運動量も少ないことから、散歩時間も短くて済みます。遊びが好きなので、おもちゃを使って室内でもコミュニケーションを取ってあげてください。
興奮したときには、自分の身を守るために噛む子もいます。できるだけ子犬のときにしつけをし、噛み癖が付かないようにしてあげてください。
パグ
パグは、陽気で可愛らしい見た目をしている犬種で人に懐きやすいのが特徴です。しつけがしやすいので、手がかかりにくいと言われています。
初心者でも飼いやすい犬種ですが、全くしつけをしなくても良いわけではありません。しっかり教えてあげないといけないので、時間をかけてゆっくりとしつけをしてあげてください。
毛が短いので、普段のお手入れも簡単に済ませられます。ただし、換毛期は少し抜け毛が増えるので、ブラッシングの頻度を増やしてあげてください。
キャバリア
キャバリアは、温厚で穏やかな性格をしている犬種で初心者の方にもおすすめです。社交的な性格をしている子が多いので、他の犬とのコミュニケーションにも不安はありません。
また、適応力も高いので、どのような環境でもストレスを溜めにくい特徴を持っています。ただし、フローリングなどの足が滑りやすい生活環境では、足腰を痛める恐れがあるので注意してください。
無駄吠えが少ないので、近隣住民への影響も少なくて済みます。抜け毛が多い犬種であるため、定期的にブラッシングをしないといけません。
シーズー
シーズーは、協調性がある犬種で多頭飼いがしやすいと言われています。頭がよく、しつけがしやすいので初心者の方にもおすすめです。
しっかりしつけを行えば、お利口に留守番してくれるので一人暮らしでも飼いやすいでしょう。
ただし、甘やかして育てると、わがままな子になってしまう恐れがあります。少し毛が長いので、普段からブラッシングをするなどしてお手入れしてあげましょう。
パピヨン
パピヨンは、適応力が高く人懐っこいのが特徴です。物覚えが良いので、しつけがしやすいでしょう。
ただし、悪いイタズラも覚えてしまいがちなので、ときに厳しくしつけをすることも大切です。
また、長毛種であるため、日頃からブラッシングを行ってあげる必要があります。お手入れを怠ると、毛玉になる可能性があるので注意しましょう。
トイプードル
トイプードルは、素直に物事を覚えてくれる犬種で友好的な性格をしています。抜け毛がほとんどないので、普段のお手入れも楽に済ませられるでしょう。
ただし、ブラッシングを怠ると毛が絡まりやすくなるので注意が必要です。また、運動量が少し多いため、適度な距離を散歩させる必要があります。
ミニチュアシュナウザー
ミニチュアシュナウザーは、頭が良く人の言うことをしっかり聞いてくれる犬種です。しつけがしやすいので、初めて犬を飼う方にもおすすめといえるでしょう。
ただし、番犬として活用されていた歴史があるため、吠え癖が付きやすいです。しっかりしつければ無駄吠えは減るので、気長に教えていきましょう。
また、小型犬ながらも運動量が多い傾向があるので、少し長めに散歩させてあげてください。1日に30分程度の散歩を2回行ってあげるのがベストです。
狆(チン)
狆(チン)は、希少性が高い日本原産の犬種です。頭が良いのが特徴なため、しつけがしやすく、トイレやマテなどをすぐに覚えてくれます。
運動量も少なめなので、散歩時間も短くて済むでしょう。シングルコートであるため、抜け毛も比較的少ないです。ただし、体温調節が難しい犬種なので、室内の温度や湿度管理は徹底する必要があります。
初心者が避けるべき犬種
飼いやすい犬種がいる一方、初心者の方では飼育が難しい犬種も存在します。主な犬種は以下のとおりです。
犬種 | 大きさ | 性質 |
---|---|---|
ジャーマン・シェパード | 大型 | 身体が大きく、散歩のときに引っ張られることがある |
ボーダー・コリー | 中型 | 運動量が多く、散歩に時間をかける必要がある |
ミニチュア・ピンシャー | 小型 | 小柄ながらも運動量が多い |
特に大型犬であるジャーマン・シェパードは、しっかりしつけをしないと、事故やトラブルに繋がる恐れがあります。
プロのトレーナーにしつけを依頼する人が多いほど教えるのが大変なので、初心者の方は避けたほうが良いでしょう。
飼いやすい犬を選ぶときのポイント
初心者の方が飼う犬を選ぶ際には、以下のポイントについても理解しておく必要があります。
- ミックス犬は性格が判別しづらい
- オスとメスの違い
詳しく確認していきましょう。
ミックス犬は性格が判別しづらい
ミックス犬は、種類の異なる犬種を組み合わせた犬のことを指しています。両親の特徴を引き継ぐケースが多いですが、どちらの性格・特徴が遺伝するか明確にわかりません。
そのため、飼いやすい性格・特徴の犬種なのか判断しづらいです。初心者の方が犬を飼う場合、できるだけ性格や特徴は事前に把握できるほうが良いでしょう。そのため、ミックス犬を選ぶ場合は十分に注意が必要です。
オスとメスの違い
個体によって性格は異なりますが、一般的にメスのほうが大人しい傾向があります。縄張り意識も弱いので、家のなかでマーキングすることも少ないです。
ただし、メスは繁殖が可能なため、生体価格が高く設定されているケースがあります。また、去勢手術よりも避妊手術のほうが施術費用が高いです。犬を迎え入れる際は、費用も考慮して選ぶようにしましょう。
室内飼いしやすい犬に育てる方法
犬種によって性格や特徴が異なるため、室内飼いに向いていない犬もいます。しかし、どんな犬でも育て方次第で、室内飼いができるので飼い主さんが辛抱強くしつけることが大切です。
次の室内飼いしやすい犬に育てる方法を参考にして、しつけを行ってください。
- 子犬期に社会性を身につけさせる
- しっかり褒める
- 他の犬とコミュニケーションをとらせる
- 愛犬の性格をよく理解する
子犬期に社会性を身につけさせる
人間と同じように、犬も子犬期にコミュニケーションを取ることで、社会性を身につけていきます。生後3ヵ月までに丁寧にしつけを行っていけば、室内飼いしやすい犬に成長できる可能性が高いです。
また、他の犬と接する機会を設ければ、多頭飼いがしやすい犬に育つきっかけにもなります。柔軟性の高い犬に育てるためにも、子犬期に色々としつけを行うことが大切です。
しっかり褒める
しつけは厳しさはもちろんですが、言うことを聞いた際には褒めてあげることが大切です。犬は褒められることで、自分の長所を伸ばそうと一生懸命になります。
反対に叱ることが多いと、臆病で攻撃的な性格になるので注意しなくてはなりません。悪いことをしたときは叱ることも大切ですが、やり過ぎないようにしましょう。
他の犬とコミュニケーションをとらせる
社会性を身につけるためには、他の犬とのコミュニケーションの機会が重要です。他の犬と接する機会が増えれば、脳に良い刺激を与えられて問題行動が少なくなります。
散歩中やドッグランなどで他の犬と出会ったときも、無駄吠えをすることが減るのでトラブルに発展するリスクも少なくなるでしょう。
愛犬の性格をよく理解する
犬種によって性格の傾向はありますが、犬にも個性があります。そのため、愛犬に合ったしつけを行うことが大切です。そのため、愛犬の性格をよく理解してあげなくてはなりません。
しつけをするなかで、どのような声かけで喜ぶのか、反応をよく見てあげましょう。お互いのことをよく理解し合えれば、賢い子に成長してくれるはずです。
保護犬が飼いやすいケースも多い
保護犬は初心者の方にとって、飼いやすいケースも少なくありません。保護犬のほとんどが成犬です。すでに性格がはっきりしているので、自分に合っている犬なのか判別できます。
また、トイレやマテ、オスワリなどの基本的なしつけが完了していることも多いです。初めて犬を飼う方は、保護犬の迎えいれも検討してみましょう。
室内飼いする際に注意したいこと
犬を室内飼いする際には、以下のような点に注意が必要です。
- 誤飲・誤食に繋がる物は置かない
- 水場や高所には近寄らせない
- フローリングは滑りやすい
- いたずらされない工夫が必要
- 人の食べ物はあげない
飼い始めてからトラブルに発展する恐れがあるので、事前に理解しておきましょう。
誤飲・誤食に繋がる物は置かない
室内にはおもちゃや家具など、さまざまな物が置かれています。小さいサイズの物であれば、食べ物と勘違いして誤飲・誤食してしまう恐れがあるでしょう。
特に電化製品は、感電する可能性があるので扱いには十分注意が必要です。サイズが大きい大型犬だけでなく、小型犬でも誤飲・誤食することがあります。
愛犬が間違って食べてしまわないためにも、手が届く範囲に物を置いておかないようにしましょう。
水場や高所には近寄らせない
飼い主さんが留守のときに、愛犬が水場や高所に行く可能性があります。事故や怪我に繋がる恐れがあるため、ケージやサークルを用意しておきましょう。
特に高所から転落すれば骨折だけでなく、最悪の場合は亡くなってしまう恐れがあります。犬は予想外の行動を起こすケースが多いので、万が一に備えて対策を講じておくことが大切です。
フローリングは滑りやすい
自宅の床材がフローリングの家庭は、犬の爪が滑りやすいので気を付けてください。日常的にフローリングで生活していると、足腰に負担がかかります。
椎間板ヘルニアになる恐れが高くなるので、床材を変更して対策を講じてあげてください。床材を変えるのが難しい場合は、カーペットを敷いてあげるのも良いでしょう。
いたずらされない工夫が必要
留守番中に、家具や家電にいたずらする犬は多いです。いたずらによって家のなかが荒らされてしまうことはよくあるパターンなので、日頃から注意しましょう。
おすすめの対策は、留守にするときはケージやサークルのなかに愛犬を入れておく方法があります。
突然ケージやサークルに入れられるとストレスに感じる可能性があるので、予め慣れさせておくことが大切です。
人の食べ物はあげない
犬は人が食べている物を欲しがる傾向があります。しかし、人間の食べ物は犬にとって消化しづらく、体調不良の原因になる恐れがあるのです。
習慣的に与えていると病気の原因になるので、犬に与える食べ物は犬専用のフードのみにしましょう。
また、食事のときの食べこぼしを犬が口にしてしまうケースがあるので注意してください。
初心者は飼いやすい犬がおすすめ
今回は初心者の方でも飼いやすい犬について詳しくお伝えしてきました。そもそも、犬を飼うことは簡単なことではありません。
まずは、ひとつの命を預かるという意識を持つことが大切です。そのうえで、性格や手入れにかかる時間などを考慮して、迎え入れる犬を選んでください。
ここで紹介した9つの犬種は、初心者の方でも比較的飼いやすいとされています。お伝えした内容を参考にして、ご自身の性格や生活に合う犬種を選んでください。
執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季
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