犬と猫を一緒に飼うのはOK? 注意点や知っておくべき習性の違い

「犬と猫を一緒に飼うのは問題ない?」
「犬と猫を一緒に飼うときの注意点は?」
「多頭飼いをするうえでのポイントは?」

犬と猫を一緒に飼うことを検討している人もいるでしょう。

そこで今回は、犬と猫を一緒に飼っても問題ないのか詳しくお伝えしていきます。多頭飼いする際のポイントや注意点についても解説するので、ぜひご一読ください。

犬と猫を一緒に飼っても大丈夫

犬と猫の習性はそれぞれ違いますが、一緒に飼っても問題はありません。実際に、犬と猫の両方を飼っている家庭は多いです。

ただし、習性の違いから、状況によっては適度な距離を保たないとストレスがかかる可能性があります。ストレスが溜まると攻撃的になり、噛んだり吠えたりする恐れがあるでしょう。

特に猫は群れで行動する習性がないので、犬が日常的に構ってくるとストレスを抱えてしまうかもしれません。飼い主さんが犬と猫のスペースを確保し、それぞれが生活できる場所を与えてあげることが大切です。

犬と猫を一緒に飼う前に知っておきたいこと

犬と猫を一緒に飼うには、事前に理解しておくべきことが多くあります。なかでも、以下は特に重要なため、必ず押さえておいてください。

  • 犬と猫の特性を把握しておく
  • 仲良くできない可能性を視野に入れる
  • お試し期間を設ける

具体的な内容について、詳しくお伝えします。

犬と猫の特性を把握しておく

犬と猫を一緒に飼うなら、どちらの特性も理解しておくことが大切です。例えば、生活リズムは犬と猫はそれぞれ違い、別々の場所に寝床を用意してあげる必要があります。

犬の場合は、人間と同じような生活リズムをしており、朝に起きて夜に寝ることが多いです。しかし、猫の場合は、夜行性であるため昼夜逆転の生活をします。

生活リズムが違えば、食事や睡眠のタイミングが異なるので、それぞれの生活に合った環境を整えてあげないといけません。

また、犬は集団で行動しますが、猫は単独行動が多いです。独自のスペースを確保して、ストレスが溜まらないよう配慮してあげてください。

仲良くできない可能性を視野に入れる

基本的に犬と猫は共存できるので、一緒に飼っても問題はありません。しかし、性格の違いから、仲良くできない可能性も視野に入れておきましょう。

迎え入れた家族なので、仲良くして欲しい気持ちはわかります。しかし、犬と猫の性格には個体差があり、どうしても仲良くできない可能性もあるのです。

お試し期間を設ける

保護犬や保護猫を迎え入れる場合は、お試し期間が設けられているケースが多いです。お試し期間中であれば、お互いの相性が確かめられます。

また、いきなり対面させると、犬も猫も警戒してしまうので、徐々に慣れさせるのがおすすめです。最初は別々の部屋で飼い、次にケージ越しに会わせるというように段階を踏んでいきましょう。

犬と猫を多頭飼いするときのポイント

犬と猫を多頭飼いするときは、以下のポイントを理解しておく必要があります。

  • 社会化期に飼う
  • それぞれのテリトリーを作る
  • 留守番時も安心できる環境を確保する
  • 食事スペースは離れさせる
  • 猫にストレスをかけすぎないようにする
  • 去勢手術をしておく

具体的に、犬と猫を多頭飼いするときのポイントを解説します。

社会化期に飼う

犬と猫を多頭飼いするなら、「社会化期」と呼ばれるタイミングで一緒に飼うのがおすすめです。社会化期は、子犬・子猫の時期を指しています。

幼い時期は柔軟性が高く、お互いを受け入れやすいのが特徴です。成犬・成猫になってからでは、反発しあう可能性があるので、できるだけ幼い時期に共存させるのが良いでしょう。

それぞれのテリトリーを作る

犬と猫は、それぞれ習性が異なります。犬は集団で生活できますが、猫の場合は室内でも縄張り意識が高いです。

普段から自分の縄張りに人や犬が入ってきたら、猫はストレスを感じます。そのため、犬と猫、それぞれに寝床や別室などを用意してあげて、安心できるスペースを確保してあげてください。

また、犬の場合は走り回れるスペースが必要ですが、猫は高い場所があれば運動不足には陥りません。それぞれが運動不足にならないよう、室内環境をしっかり整えてあげてください。

留守番時も安心できる環境を確保する

普段は仲良しでも、飼い主さんがいないときに犬と猫が喧嘩をする可能性があります。留守番中もトラブルが起きないよう、独自のスペースの確保や食事の置き場所などを配慮しておきましょう。

飼い主さんがいないとイタズラをする性格の個体もいるので、ペットカメラを用意しておくのもおすすめです。離れた場所で監視しておけば、自然とイタズラへの対策も見えてくるでしょう。

食事スペースは離れさせる

普段からご飯を与えるときは、食事スペースを離れさせておきましょう。食事スペースが近いと、お互いのご飯を誤って口にする恐れがあります。食べすぎを誘発させる恐れがあり、肥満の原因になりかねません。

特に猫はゆっくりご飯を楽しみ、状況によってはフードを残します。犬が残したご飯を食べてしまう可能性があるので、猫だけが口にできるよう食事スペースを確保してください。

猫にストレスをかけすぎないようにする

猫は単独行動が主流の生き物なので、犬よりも集団生活でストレスを感じやすいです。特に犬が猫を構いすぎることで、猫はストレスを溜め込んでしまいます。

猫がストレスを溜め込まないよう、生活スペースを離れさせたり安心できる寝床を用意したりしてください。

他にも、ストレス発散させるためのキャットタワーなどの遊び道具も用意してあげると良いでしょう。

去勢手術をしておく

犬と猫を一緒に飼うなら、去勢手術はしておきましょう。オスは縄張り意識が強いので、別の動物であってもテリトリーへの侵入を嫌います。喧嘩に発展するケースも少なくないので、トラブルの原因になる恐れがあるでしょう。

病院によって去勢手術を行う適齢期は異なりますが、大体生後8ヶ月程度から受けられます。早めに手術を行い、縄張り争いが起きないよう配慮してあげてください。

一緒に飼うのに向いている犬と猫の条件

犬と猫は習性が違うため、一緒に飼うなら多頭飼いに向いている条件の個体を選ばなくてはなりません。ここでは、一緒に飼うのに向いている犬と猫の条件について、詳しくお伝えしていきます。

猫と一緒に飼いやすい犬の条件

猫と一緒に飼いやすいのは、次のような犬です。

  • 猫が捕食対象でない
  • あまり吠えず穏やかな性格

猫と一緒に飼いやすい犬の条件を詳しく確認していきましょう。

猫が捕食対象でない

犬種によっては、狩猟犬の習性が強く残っている個体がいます。獲物を狩る習性が残っている場合、猫を捕食対象として見てしまい、攻撃的な行動をとる可能性が高いです。

猫を追いかけるなど、執拗に攻撃する行動が多い場合は、共同生活させずに別々の部屋で飼育する必要があります。

猫と一緒に飼うなら、ストレスを溜めさせないよう、できるだけ狩猟犬の本能が残っていない犬種を選びましょう。

あまり吠えず穏やかな性格

猫は音に敏感な生き物のため、大きな音や低い音を嫌います。そのため、普段から吠えない性格の犬が共存に向いています。

頻繁に吠える犬とは、猫の相性が悪いので一緒に飼うのは難しいです。もし、よく吠える犬と一緒に飼う場合は、できるだけ別室で飼育するようにしましょう。

犬と一緒に飼いやすい猫の条件

犬と一緒に飼いやすいのは、以下のような猫です。

  • 性格が神経質すぎない
  • 身体が健康的で不自由なく動ける

それぞれの条件を具体的に解説していきます。

性格が神経質すぎない

基本的に猫は神経質な性格をしています。犬の鳴き声で怯えてしまう場合があり、ストレスを抱え込んでしまうかもしれません。

犬と一緒に飼うなら、神経質すぎない猫を選びましょう。社会化期に犬と一緒に生活した経験がある猫なら、犬の行動で怯えるようなことはありません。

身体が健康的で不自由なく動ける

犬は猫を見て、一緒に遊ぼうと追いかけることがあります。そのときに身体が不自由もしくは健康ではない場合、犬を避けられない可能性が高いです。

犬から逃げたくても逃げられない場合、猫にとってはストレスになります。猫の健康状態を把握したうえで、状況に応じて別々の部屋で飼育するなど対策を講じてあげてください。

猫と一緒に飼うのに向いている犬種

猫と一緒に犬を飼う場合、どのような犬種が向いているのでしょうか。一般的に猫との相性が良い犬種は、次のとおりです。

  • シーズー
  • ポメラニアン
  • ヨークシャーテリア
  • ミニチュアシュナウザー
  • トイプードル
  • フレンチブルドッグ
  • パグ
  • トイプードル
  • チワワ
  • ミニチュアダックスフンド

それぞれの犬種の特徴を簡単に紹介します。

シーズー

攻撃的な行動が少なく、あまり興奮しない性格の個体が多い犬種です。猫とも仲良くできる可能性が高く、穏やかにコミュニケーションをとってくれます。

ポメラニアン

社交的で協調性がある犬種で、猫とも相性が良いです。ただし、警戒心が強い性格をしているので、社会化期に慣れさせておくのが良いでしょう。

ヨークシャーテリア

テリア種は気が強い性質を持っているので、成犬になってからの共存は難しいです。しかし、社会化期から一緒に育てておけば、猫との相性も良くなります。

ミニチュアシュナウザー

運動能力が高いので、猫との相性はあまり良くありません。ただし、社会化期から猫と一緒に生活していれば、自然と仲間意識が芽生えて仲良くできるケースが多いです。

トイプードル

頭が良く、飼い主さんの言うことを聞きやすい犬種です。細かく教えていけば、猫とのコミュニケーションや適切な距離感を理解してくれます。

フレンチブルドッグ

攻撃性が低く、猫に対しても愛情深く接してくれる犬種です。ただし、個体によって性格が違うので、猫との相性を見極める必要があります。

パグ

活発で明るい性格をしている犬種で、猫とも問題なく共存できます。ただし、小型犬ながらも運動量が多いので、遊びの相手は飼い主さんが対応してあげることが大切です。

トイプードル

愛情深い性格をしているので、猫とも共存できる犬種です。ただし、個体差によっては、落ち着きがなく、猫を構いすぎてしまう性格の子もいるので注意してください。

チワワ

自立心が高い性格をしているので、単独行動が多い猫と相性が良いです。ただし、攻撃性が高い個体もいるので、普段の接し方には注意を払っておきましょう。

ミニチュアダックスフンド

攻撃性が少ないため、猫との相性も良い犬種です。ただし、良く吠える個体が多い傾向があるので、社会化期でのしつけが必要になります。

犬と猫を一緒に飼うときの注意点

犬と猫を一緒に飼うときは、さまざまな点に注意しなくてはなりません。犬と猫を一緒に買い始める際の状況別に、主な注意点をお伝えします。

先住犬がいるとき

先に犬を飼っている家庭で猫を迎え入れる場合、比較的受け入れやすいのが特徴です。特に、穏やかな性格をしている犬なら、猫との相性は良いでしょう。

ただし、新しく迎え入れた猫ばかりを構っていると犬は嫉妬してしまいます。猫に対して攻撃的な行動をとる恐れがあるので、扱いには注意してください。

先住猫がいるとき

先に猫を飼っている場合、犬を迎え入れても、受け入れられない可能性があります。猫は単独行動が好きなので、テリトリーに新参者が入ることを許しません

また、社会化期を過ぎた猫は、新しく迎え入れた犬を敵と認識する恐れがあります。

犬を後から迎え入れるときは別室で飼育し、徐々に顔合わせさせてください。いきなり一緒の部屋で飼育するのは、猫への負担が大きいです。

犬と猫を一緒に飼うときに準備しておきたいもの

犬と猫を一緒に飼うなら、事前に用意しておきたいものがあります。ここでは、「犬に必要なもの」「猫に必要なもの」をそれぞれ確認していきましょう。

犬に必要なもの

まず犬の場合は、サークルやハウスなど、安心して眠れる場所を用意する必要があります。他にも、散歩に行くために必要なリードや首輪を用意しましょう。室内飼いを予定しているなら、トイレ用品も購入しておく必要があります。

猫に必要なもの

猫の場合は、ケージを用意して安心して眠れる場所を確保してあげてください。猫は音に敏感な生き物なので、できるだけ生活音が聞こえない場所に寝床を用意しましょう。

他にも、運動不足に陥らないためにキャットタワーが必要です。猫は縦の運動を行うことで、運動不足が解消できます。また、基本的に猫は室内飼いが基本なので、トイレ用品は必需品です。

犬と猫を一緒に飼うときは細心の注意を払おう

今回は犬と猫を一緒に飼う前に知っておきたいことや注意点について、詳しくお伝えしてきました。特に猫は、音に敏感で単独行動を好む生き物です。犬の性格によっては、相性が悪い可能性があります。

事前に多頭飼いのポイントや注意点を押さえておき、犬と猫どちらも快適に過ごせる室内環境に整えてあげてください。

犬と猫は習性が違うので、一緒に生活させるなら十分な配慮が必要です。今回紹介した内容を参考に、犬と猫が過ごしやすい環境を作りあげてください。

執筆:いぬのあのね編集部
イラスト:ヴァイクセルブラウン花咲季

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